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| 2003年11月02日(日) | 旧友 |
昨日の日記で「今は２日の明け方」と書いたが、どうやらそれは認識間違いで１日の明け方あるいは深夜らしいと、試作用に置いた掲示板のりるかちゃんの書き込みで知った。アタシ（Ｐ）は最近時間や文字の認識があやふやだ。こうやって自分の思いを文字にするには不都合はないけれど、病棟内の予定表やお知らせの貼り紙や、調子が悪い時には携帯の時間表示でさえ読めなくなる。見えないのではなく、「何書いてんだか分かんない」のだ。これは入院してるせいなのかなと妹に相談したら、「でもＰちゃん、入院の一ヶ月前から説明書とか読めなくなってたやん」と返事をくれた。言われてみればそうなのだ。あんなに『私』達が好きでさわっていたパソコンの取り扱いも全く分からなくなって、引っ越し先のADSLの開通も駆け付けサービスを頼んだのだった。以前実家でいたときには、自分達で無線LANまで全て繋げたのに。そう思うとつい情けなくなってしまうが、私は、私達は病気なのだ。だから、また治せば元通りになれるんだ、と自分に言い聞かせ続けた。
さて今日は、そのりるかちゃんと妹が二人で見舞に来てくれた。嬉しかったってことったらない。もう今日で退院できるんじゃないかと思うくらい（笑）、元気をもらった。りるかちゃんは相方Ｓと同じ美大に通っていた女性で、本体もすごーく慕っていた友人だ。手土産にイチゴをもらい、有り難く美味しくいただいた。短大の時からだから、付き合いはもう１０年以上になるが、自分達の病名をハッキリ伝えたのは初めてだ。と自分達では思っていた。
私「あの、病気のこと、黙っててごめんね、でも嫌われるの怖くて。その…
り「うん、でも知ってたし、とっくに（素）」
私（衝撃）
り（素笑）
…彼女がとても強く、懐が深い人間であることは知っていた。が、今回のは本当に参った。彼女は「全てを受け入れる」というより、「全て今更」といった風に『私』に接してくれたのだ。以前から彼女を知ってこっそり「大好きなお友達のお姉ちゃん」と思っていたＫ�，隆遒咾茲Δ辰燭蕕覆�った。今日からは隠さずに名乗っていいんだと知った彼女は、はにかみながら挨拶をした。
Ｋ� 崕蕕瓩泙靴董■豊，辰討いい泙后�あかりちゃんの中にいるけど、あかりちゃんじゃなくて、でも時々出てまし…
り「うん、でも知ってたし、とっくに（素）」
Ｋ� 幣弖癲�
り「いつも『りるかちゃーん♪』って抱きついてきてたでしょ」
Ｋ� 並臂弖癲�
り（素笑）
…名前こそ知らなかったとは言え、個別認識まで有難うりるかちゃん…（汗笑）りるかちゃんはこんな調子で、出会ったどの人格の誰にもいいお姉ちゃんに、いい友人になってくれ、更に男性人格のほとんどをその虜に（笑）して帰っていった。『私』は今、彼女に口では言い表せられないほどの感謝を感じている。この病気のせいばかりではないが、多くはそれが起因で『私』は友人と長続きすることはない。本体自体が長く眠ってしまい、主人格も頻繁に交代する事があるせいで連絡をまめにとり続けることが出来ないのが一つ、あとはやはり「へんなひと」と敬遠されることが一つ。そもそも本体の性格そのものが、社交性にむいていないのだ（だからこそこの病気に罹りやすかったわけだが）。だから、自分達には、何でも話せる友人というものが存在しない。趣味や特技など、ある一定のジャンルではそれぞれに友人がいるが、全てを打ち明けられる友達など、『私』は「持つことが許されない」と思うことが、長年のコンプレックスだった。
でもそこに、りるかちゃんはいてくれた。
「なるべく嫌われないくらいの友人でいようと一生懸命に自分を隠していた（つもり）の友人」は、とても安心をくれる「DIDの相談すら出来る友人」だった。今更ながら、彼女の懐の深さを見誤っていた自分達が恨めしい。
りるかちゃん、今日は本当に有難う。苺、美味しかったです（笑）
『私達』にはもう一人、りるかちゃんと同等で同種の安らぎを与えてくれている友人がいる。前の掲示板に真っ先に書き込みをしてくれ、きっと今後もよく登場してくれるであろう（笑）レンさんだ。彼女の存在がなければ、きっとこのサイトも存在しない。それから、お名前はふせるけれど、『私達』が初めてインターネットという荒海で声をあげたとき、旗を大きく振って応援してくださった方々。今でも本当に感謝している。
そして、誰より身近で『私達』を助けてくれる、妹・チリ。りるかちゃんへの連絡も、レンさんへの電話も、みんな彼女に橋渡ししてもらった。何かをする時も、どの人格も、最初の相談はみんな彼女だ。感謝してもし尽くせない。
ほら、オンラインでもオフラインでも、距離が遠くても近くても、こんなに支えてくれる手があるのだ。こんなに優しい人々がいて、一体どこの誰が死を選ぶというのだ。
目を覚ませ。
目を覚ませ、『私』達。
女子人格Ｒがまた怯えだした。昨日はゴキゲンだったのだが、今日たまたま見た「汚液が漏れ出しているゴミ袋」に自分の妄想を重ねたらしい。しきりにカッターを探す。手首を切っても腕を切っても、汚いものなどなにも出てこないのに。
何とか夕食を半分食べ終えたので、この日記を書いたら早く眠剤を飲んで寝ようと思う。
ねえ、でも、これまた消したら今度こそアタシゃ泣くよ（泣）（笑）
消さないでね。
