記憶の記録。
DiaryINDEX|past|will
相違もあるし、暴走人格の権利も強いようなので、退院時期は僕とお母さんと妹さんで決めるようにしておきましょう」と淡々と話された。 1時間前、私がM先生と初めての面談をしている時、意識の鉄壁の向こうから小さい左手が伸びてきて、先生のデスクの上を不機嫌に払い散らしたことを思い出した。ハンコがいくつかと四角い朱肉(それは両親が教師だった『私』には馴染み深いものだ)が派手に床に飛んだが、M先生は少しも驚かずカルテを赤ペンに変えて書き続けられた。『私』は自分の左手がしたことが恨めしく、M先生の冷静さが恐ろしくて体の
(続く)
あかり
|