Movin'on without you
mako



 また、秋がくる。

突然ですが。
この春から、新社会人になりました。


あたしの住む街に、いかせんはもういません。


あの、人口10万人足らずの小さな街から
あたしはこの夏、家を出て

どこを歩いても、人が大量にいる
大きな街に越してきました。



今は、彼氏と暮らしてます。
やっぱりあたしにとって、彼氏は大切な人です。

一緒に暮らし始めて
嫌な部分もうんざりするくらい見えたけど
喧嘩ばかりだけど

でも、あの人があたしを想ってくれる気持ちは
この先変わらない、ってことだけはわかりました。

だからあたしも、
あの人と人生を生きようと思います。





いかせんと過ごした日々が嘘のように、
知らない人の中で過ごす日々が始まりました。


6年間ずっと、いかせんに守られてきたから
新しい人間関係を創っていくことに最初は戸惑って


でもようやく、
新しい自分の居場所みたいなものが見えてきました。





それでもやっぱり時々思うことがあって

それは、いかせんに会いたい、ということ。





会ったらどうなるのか見当もつかないけれど
決して街を歩いていたら偶然出会う、
なんてことのない遠い街にあたしは来てしまったから



だから、あえないけど

でも、会いたくなるときが、あります。




2004年09月22日(水)



 こうやっていきてく。


忙しさに、
ほんと、助けられたと思ってる。


ここ2週間。
けっこう寝ない日も続くくらい
やらなきゃいけないことが多すぎる状態で
他のこと、考えてる暇も余裕も無くて
だから考えずに済んだ。いかせんのこと。

それがありがたかった。すごく。
考えなければ辛くもなり得ないし、
これ以上好きになる理由もできない。


会いたいとどんなに思っても
会いに行く時間すらなかったら

会えないでしょ?物理的に。




考え出したらとまらなくなるから。
わかってたくせに、落ち込むから。
絶望感と期待感と繰り返す。

自分を追い込んで満足感にひたって
可哀想だと思うことで自分に酔って
最悪だってさらに自分追い込んで

自分をそうやって潰してく過程に
さらに酔ってる自分があほらしくってさ、

そんな暇もなくてよかったと思う。
忙しいって凄い。ほんと。





こやって会わないまま
遠い街に行っちゃえばいいんだよね。
うん。きっとそう。
そしたら忘れなきゃだめになるし。
うん。きっとそうだ。



2004年03月03日(水)



 あたまうった。。。

頭を打ちました。
酔ってて男友達に投げ飛ばされて
もうがーん、と。
頭から落ちてくのが自分でもわかり。
あ、やっちゃった、と。
漫画で星が飛ぶ感じ。
おかげで一晩たった今も頭痛です。大丈夫なんかな。
頭が非常にくらくら。首も痛いし。

なんかね。
ただの打撲なだけだと思うんだけど
(むしろそうじゃなかったら困るし)
微妙に不安で、
不安だから、いかせんに会いたくなった。

目つぶると頭がまだふわふわして
平衡感覚がよくわかんなくなるから
やっぱりどっかでちょっと不安で
不安だから、いかせんに会いたかった。


もしもしもし、万が一
あたしが明日入院でもしたら

いかせんにお見舞いに来て欲しいって
まだ思ってしまう。

倒れた時には隣りに居て欲しいし、
目覚める時には手を握っていて欲しいし、
死ぬ間際にはあのひとの顔を見てたい。




不安って気持ちが気付かせる
ほんとうの気持ち。

最後の最後に思い出す人は
思い出す顔は、いかせんの顔なのかな。
いかせんだったら、いいな。


あの世に持っていけたらいいのに。
記憶も想い出もぜんぶ。




頭は相変わらず痛いまんま。
芯の部分からずきずき止まんない。


怖いよって言う事もできず。
ほんとはこんなに不安なのに。


それだけの関係だと思い知るのは嫌。
それなら近づかない。
そんなこと考えると、ほらまた、ずきずきする。




2004年03月02日(火)



 頭の中をぐるぐるしたこと。

終わりました。卒論発表会。
この4年でいちばんの、ビッグイベント。

今までありがとうって
あたしを支えつづけてくれた全員の人に言いたい。






終わった後は当然打ち上げで
もう十二分に気心の知れた友達たちと
飲みながらあたしは今、
この日記を書いてる今思ってる。


ある男の子と話をしてて
すごく彼を子供だなあって感じた。
同時に自分がすごく男前な気がした。
周りの女の子にもそやって言われた。

あたしは男なら、
めちゃめちゃかっこいい男になってたと思う。

あたし、
いかせんの生き方真似してるんだ。



・・真似したいんだあ。



いかせんみたいな人になりたくて
いかせんみたいになろうと思って




あたしは結局ずっといかせんに縛られてる。
あたしが望んでなんだけど。さ。
だって、いかせんみたいになりたいんだもん。
しょうがないじゃん。


ああいう人に愛されることができないなら
せめてああいうひとに、なりたい。





いつでも思い出すのがあのひとのことだなんて。
発表を聞いてほしいのもほんとはあの人で
終わった後も思い出すひとで。




やだなあ。なんかやだ。


2004年03月01日(月)



 確かにあたしを創ったもの。

今、居る場所がすごく好き。

本当に気の置けない友達と、
何も気を遣うことなく一緒にいられる彼女たちと
怖くて厳しくて心の狭い先輩はいるけど
そういう共通の敵に向かってちょびっとだけ頑張ってる
そんな、今の時間がすごく好き。

あたしがあたしでいても
誰もあたしを嫌わないでいてくれる彼女たち。

先輩にどんなけ酷いこと言われても
また明日も頑張ろうって思えるのは
全然落ち込んだりしないのは

あなたたちの、おかげだよ。ありがとう。







いかせんに会えなくて
そこまで会いたいわけでもないのに

なぜか会いに行ってしまうあたしがいて

そういうのって、もう執着なんだけど
別に会いたいと思ってないのに
それでも会いに行っちゃうってのが
会えなくて落ち込んでる自分が
すごく自分に酔ってて嫌なんだけど


あたし、あれからいかせんに会ってない。


自分で偉いなーってほめてみたりして。
会いに行ったらまた長引くから。
風邪とおんなじ。ひき始めと、ひき終りが肝心。
油断したらまたすぐぶり返す。

あたしの風邪はもう始まっちゃったから
なんかわかんないけど唐突に
自分でも整理つける前にいきなし始まって
もう風邪は終わりかけ。

いま会いに行ったら
今度はただの風邪じゃすまなくなる。
超重症のインフルエンザみたいに。

5年も見てきたから
それくらいはちゃんと理解してる。
自分が、そういう性格なこと。

だから、会いにいかない。
ほんとはすっごく会いたいけど
でも我慢してる。そのほうが多分あたしにとっていい。

本当に風邪は終わりかけなのかわかんないけど
確かめにいくこともしない。



もういま、
誰よりも好きになって
あんなに会いたくなっちゃうとか
そんな辛いことしたくない。

もういま、
誰よりも好きになっちゃって
離れなきゃいけないのに、
そんな時にあんなに好きになるとか
いかせん一色になっちゃうとか

そんなことしたくないし
あたしにはそんな時間も、残ってない。



春からは、べつべつの街。
べつべつの場所と、べつべつの空。

もう会うこともきっとない。








忙しいってすごいことかもしれない。
いま、とにかく忙しいから
だから、いかせんのこと考えずにすむから。

きっと春からも忙しい。
そしたら考えずにすむ。



考えなければ、いつか忘れる。

いつか、想い出になる。そう思いたい。
だから、ぜんぶ封印していきてく。





だけど。

いまあたしが大好きなこの空間も
いまあたしが大好きなあたしの友達も
彼女たちとの時間も


いかせんに造られたあたしが造ってる。
あなたに出会わなかったら
あたし、こんな人間じゃなかったからきっと。


あなたに出会えなかったら
彼女たちの大切さに気付かなかったかもしれないし
今のこの時間の大切さにも
もしかしたら気が付かなかったかもしれないし

こんなに素直に笑えなかったかもしれない。





あなたに会えなくても大丈夫になった自分。
あなたがいなくても、笑えるようになった自分。

でもそんなあたしを造ったのは
確かにあなただったなんて

皮肉なようで
なんて素敵なんだろう。


一生縛られて生きていくようなものじゃない。
あなたの面影に。

考えただけでぞくぞくするよ。




2004年02月26日(木)



 だいじょうぶ、思ったより平気。


あの日以来はじめて

いかせんを、見た。



もちろんすれ違っただけで
言葉など当然交わすわけもなく、だけど。




いつもなら絶対居ることのない時間だから
まさか会うとは思わなくて
凄くびっくりして。
目が合った瞬間、
多分、あたしは驚いた顔をしていたと思う。

でもいかせんも
あたしに気付いて一瞬の驚きの表情。
ほんとうに、一瞬。ほんの何万分かの一秒の、
いつもと違う表情。



それだけ。

軽く会釈して、通り過ぎた。
それだけ。





初めて実感湧いた。
あぁあたし、ほんとに抱かれたんだ。って。













いかせんにとって
あの人の人生にあたしは要らない存在で

あたしがこの世にいなかったとしても
あの人の人生は微塵も変化することは無く

きっと今とかわらぬ笑顔で
笑っていたんだと思う。




でもあたしにとっていかせんは
無くてはならない存在で

あの人があたしを造ってきたのは
これから先も、永遠に変わらぬ事実で

あの人がもしこの世にいなければ
いまのあたしは存在し得なかった。





あたしを造ったのがあなたなら
やっぱりあなたはあたしの神様なのかもしれない。









乙女みたいな妄想に
浸るのはいい加減にして
そろそろ現実に戻らなきゃ。

何も無かった顔をして歩いてく
あの人の中ではもう終わったこと。



あたしは、もう要らない子だから。






2004年02月25日(水)



 いまだからわかること。

あたしは今日も情緒不安定なのだけども
でも怖くてピアスすらあけられないくらいの
そんな程度の心の痛みで

今朝新聞を読みながら
苦しいって思う自分が
なんだかもの凄く傲慢に思えてきた。

あたしが望まなくたって
世界は今日も回るし
明日も同じように回るのだけれども

あたしのいまのこの気持ちは
あたしが望んでこうなっただけのことで
それを自分で選んだくせに
苦しがってる自分が傲慢で滑稽で笑えた。

こういうときに
苦しいって単語を使っちゃだめだね。





あたしはずっと人から嫌われることが怖くて
だから八方美人だったと思う。

少し物心がついたはたちくらいのころから
八方美人、と言われるのを厭わなくなり
今の友人たちと、
今の恋人と今あたしがいる空間、に出会って以来
八方美人という単語が程遠いくらいに
好き嫌いがはっきりした女になったけれども。


八方美人といわれるのは嫌がるくせに
八方美人にもなりきれない時代があった。

とにかく、人から嫌われるのが怖かった。
いい子でいたかった。

ぜんぜん、いい子じゃないくせに。




いかせんがあたしを救ってくれて
いかせんがあたしを変えてくれて

もの凄く生きるのが楽になったよ。






いまなら簡単にわかるようなことでも
わからなかったことがいくつもある。

いま、わらっちゃうようなことでも
わらえなかったことがいくつもある。


若いってそういうことで
だから、いまはわらっちゃうようなことばなんだけど
あの瞬間のあたしには、神様のくれることばに思えた。

あの瞬間のあたしには
あなたのことばはいつも正しくて

あなたは強くておとなで後ろを振り返らない
とても、かっこいいひとだった。



いかせんはいつもこの世にひとりで、
あのときのいかせんと今のいかせんが違うわけじゃなくて
あの人が変わったわけでもなくて

あたしがおとなになって
きっと凄いスピードでおとなになって

こどもから、おとなになって

その過程にいつもいた。
あなたが、いつもいつもいた。
あたしの中に、いないことは皆無なくらいに。



だから、あなたを否定できないことは
あたりまえのことなのかもしれない。



あなたが神様じゃないことも
あなたが聖人じゃないことも
あなたがじつは、
ただの普通の大人で、普通の男だったってことも、


いまはわかるけど
いまだからわかるけど、



わかった今でも、好きだと思う。





2004年02月24日(火)



 7度目の、失恋。

失恋なんて、ほんとは一度だってしたくないのに
あたしはひとりの人に、何度も失恋してる。


はじめては、18の春。
あなたに「嫁さん」と呼ぶ、その彼女ができた時。
ショックと衝撃でわんわん泣いた。
人目も憚らずに泣けたあの頃。


2度目はその1週間あと。
いつまでもここにいちゃだめだと思って
前に進もうと思ってあなたに言った「好き」の言葉。
ありがとうって返された18の春。


3度目は19になった夏。
何故かいきなりキスされて
次の日から目も合わせてくれなくなって
わけわかんなかったよ、子供だったから。


そして19の秋。
あなたがはじめてあたしをかわいいと言った。
大切な人がいるけどかわいいって言った。
それでもいいか?って。

そんなことを言うのにあたしには純でいてほしいなんて
矛盾してるあなたが好きでたまらなかった。


次は、やっぱり抱けないって言われたときかな。
初めて、ああもう終わりなんだって感じた。
もうあたしたちの間にはなんにも無いって。

でもやっぱりあたしたちの中途半端な関係は続いて
あたしはあなたにいつも夢中でした。


今ならわかる。
それは彼にとって至極「普通」のことだったと。
別に特別なことではなく、
特別な存在に与えるご褒美などではなく
何気ない日常にばらまかれる餌のようなもので。
だけどあたしにはそれがいつも甘い蜜に思えて
あたしはいつまで経っても抜け出せずに


・・はたちになった。


その次の失恋が、最大かつ最後の失恋で、
まこ、20歳の秋。

あのひとが、結婚した。

「嫁さん」は本当の「お嫁さん」になった。



最後だと思ってた失恋。
もういい加減あきらめ時だなって
こんなばかなあたしでもさすがにわかる。

あのひとはあたしに手を出さなくなったし
あたしと話す機会も極端に減った。
帰りも早くなって
それは、「家庭に棲むひと」の姿そのもの。


おととしの年末。
あのひとに初めてのこどもが生まれた時
もうあたしの中では失恋じゃなかった。
あたしには今付き合ってる恋人がすでに居て、
正直彼がいてくれてよかったと思うくらいに
微妙に揺れ動く危険性はあったけれど
それでも好きとかそういう感情ではなく
ほんの少しの寂しさだけで。


だけど。何故か。
なぜなのか自分でもよくわからないけど

あたしはまた失恋をした。
7度目の、失恋。
でももう何百回目なのかわからないよ。
あなたを好きだと思うたび、
これは叶わない恋だからって
自分自身に言い聞かせて。
苦しさとか切なさとか
そんなものたちとずっと闘ってきて。


流石に今回のは、辛い。
ここ数年でいちばんの痛み。


自分の中で折り合いがつけられなくて、
自分自身の気持ちがもう辛い。
どう整理していいのかわからないし、
今までみたいに、もう会わなければ
いつしか消えていくだろうって楽観的に思えない。


ほんの思いつきから
もうあえなくなるんだなって気持ちから
「5年間ありがとう」って言いに行ったのはヒトツキマエ。

ほんとはずっと好きだったよ
特別だったんだよって言ったのはヒトツキマエ。


別に好きという気持ちがあったわけじゃないのに
特別な恋心を抱いてたわけじゃなかったのに
なんでこうなっちゃったんだろう。
なんでこんな好きになっちゃったんだろう。
なんでこんなに苦しいんだろう。

なんであのひとは、あたしのものじゃないんだろう。



今、死ぬほどやっぱりあのひとが好き。
でももう、8度目の失恋はやってこない。
あとは、あたしの心の中で愛するだけ。

それしか、許されてないけど
さよならは多分、一生言えない。





2004年02月23日(月)



 永遠の記憶をください。

ほんとうにたいせつなものなんて
せかいにいっこでいい。




今の、恋人のほうが
大切になったと思ってた。


それまでずっといかせんが、
あたしの中では「せかいいち」で
なんでそうなのかよくわかんなかったけど
べつに愛されてるわけでもないのに。
いかせんにとって、あたしは
べつにこの世に無くてもいい存在なのに。
なんかよくわかんなかったけど
そういうのって理屈じゃないんだろうなって
漠然と、思ってたし。


愛し愛され、大切な人から大切に想われる。
そういう気持ちを教えてくれたのが今の恋人。
何より安心感をくれてのは、今の恋人。
だから、とても大切だった。
もう、いかせんにも負けないと思ってた。
いかせんより、大切だって思ってた。


だけど
あたしはそう思い込んでいただけで
だってあたしの中で
いかせんと、今の恋人と
両天秤にかけなきゃいけない、っていう事態は
一生訪れないから、だからわかんなかっただけで


そんな事態はやっぱり訪れないままだけど
でも、わかってしまった。
あたしは世界一にはできない。
あたしの恋人が、あたしを世界一に思ってくれているのに
あたしは彼を「せかいいち」にはできないんだと。

ほんとはせかいいちにしたいのに。










目を閉じると、まだ思い出せる。

あなたがあたしの名前を呼ぶ声とか、
あたしを触るときの手の感触とか
すこしざらついた背中とか
あなたと過ごした、部屋の照明の色とか。


でももう抜け落ちた記憶もあって
まだいっしゅうかんも経っていないのに

たとえば、部屋で流れてた音楽とか
あなたの言った台詞のひとつひとつとか
あなたの、キスの味とか。


そういうふうに忘れていくことが、
今のあたしには、いちばんせつない。





この記憶を留めておけたら
他に何も望まないと言ったら

この記憶が永遠になるわけもなく。




それでも、あのひのおもいでを、
あたしがわすれていく速さが

あなたがそれを忘れる速さの1000倍くらい遅いのかと
考えるのも虚しくて。




あのひとの記憶の中に
どうか、ほんのすこしだけ

あの日の記憶と
あたしの想い出を
残してください。


それ以外何も望まないといっても
それが叶えられるわけもないけど。




2004年02月22日(日)



 苦しい。苦しい。苦しい。

苦しい。






あのひとは奥さんのことを
「嫁さん」って呼ぶ。

すごく綺麗なひと。そして我儘なひと。
気が強くて、あたしに会うと笑顔で手を振ってくれた。
結婚する前からずっと
その、綺麗なひとのことを
あのひとは、「嫁さん」って呼ぶ。




「お前が彼氏を愛してるように
 俺は、嫁さんを愛してるから」





初めて、あたしに言ったね。
嫁さんを愛してるって。
あの綺麗なひとのこと、愛してるって。

でも違うよ、いかせん。
あたしは彼氏を愛してるわけじゃない。
大切だけど、ただ大切なだけの
そんな生半可な気持ちを愛とは呼びたくないの。



あたしが愛してるのはいかせん。
そんなの愛じゃないからってあなたが言ったとしても
でも、あたしの中でこれは愛なの。
歪んでても、何も知らなくても。
あたしが決めたから、たった今から愛なの。


だってあたしは、
裏切られつづけても
どんなに傷つけられても
たとえあたしがあたしであるということ、
そんな尊厳すら踏みにじられたって

きっといかせんから離れられない。
それをもう知ってる。



もしね、例えば、あくまでたとえの話で。
今、誰かを殺めようとする姿を見たとしたら

今の彼氏なら、命懸けでも止める。
絶対やめさせる。どんな手をつかってでも。
それは今の彼氏がとても大切だから。

けど、いかせんだったら
あたし、何も言わずにたぶんついてく。
それでも、ずっと好きなんだ。きっと。
あの人があの人であることも
それが残酷な結末の原因であることも
ぜんぶまとめてあたしは心底惚れてて
それだって、ある意味大切なんだと思う。

もうそんな言葉自体、どうでもいいんだけど。
言葉なんてほんとうは要らないと思ってるんだけど。






初めて会った6年前の秋。

あたしは、それからずっとずっとずっと
心のどこかでいかせんを見てた。

誰かと恋をし、別れ、
誰かと体を重ね、時には誰かの愛する人を奪い
繰り返される毎日の中で
それでもいかせんを忘れたことだけはなかった。



惰性なのかもしれないけど
それでもやっぱり
恋とか愛とかそんなんじゃないのかもしれないけど

だいすきでだいすきで、死ぬほど好きで、それだけはわかる。







このひとと一緒に死ねたら、何も要らないと思う。
でも、あたしの命を捨ててでも生きていてほしいと思う。

死んだら永遠になれるのかな。
生きていても永遠はあると思うけど。







こんな苦しさ、今まで知らなかった。
ただ体を重ねただけなのに


相手がいかせんだとこうも苦しくなるなんて。
もういちど触れたくてたまらなくなるなんて。




苦しいってば。







2004年02月21日(土)
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