Movin'on without you
mako



 夢をみていたんだと今も思う。

迷ってて
迷ったまま、逢いに行った。

顔を見たら
決められるだろうと思って。

顔を見たら
きっと、もう帰ることなんて
できなくなるんだろうなって解ってて。

だから顔を見て
そのとき決めようと思って

迷ったまま逢いに行った。




でも
本当にばかみたいに
もうすごく失望するくらいに
悲惨な結末が待ってて。


・・・あの人は覚えてなかったという。




その瞬間に、気持ち決まった。


あたしはこんなに迷ったのに、
あの人に抱かれることを迷ったのに。

人生に一度きりの出来事だと思ってた
自分が本当に馬鹿みたいで
馬鹿になっちゃったみたいで
惨めで情けなくて悔しくて



その瞬間、あたしの中で何かぷつりと音がして
あの人のことを好きじゃなくなった。




解ってたけど
誰でもいいんだろうなって思ってはいたけど

でもここまで
あたしの存在否定されて

なんで抱かれなきゃいけないの?






だから帰るって言った。

ほんとに帰るつもりだったんだよ。
もう何も言わずに帰って
何も迷ってなかったふりして、恋人を大切にしようって。

酷い人だとは知ってたけど
気持ちも無いのにあたしを抱こうとするような人だって
ずっと前から知ってたけど
ここまで酷いなんてさすがのあたしも予想できない。

そんな男に執着するのは
もう終わりにしようって本気で思った。

この5年間の思いに
きっぱり、区切りがついたと感じたのに。




今そやって言っても
なんの説得力もないだろうけど。










そっからきっかり1時間半。
寒い空の下で、あたしは話しつづけた。

あたしは泣いたし
あの人を責めたし
奥さんの話だってしたし
この5年の想いだって全部伝えたし

手を繋いでも
キスされても
思いは変わらなかった。
止めるつもりだった。

あの人が
あたしを好きでそんなことをしてるんじゃないことを
痛いほど解らされて

だから本当に
抱かれたくなかった。

やっぱりね
ちょっとでも気持ちがあってほしかったんだと思う。
「あたしだから」って言って欲しかったんだろうね。

あたしが震えていたのは
寒さのせいだったのか緊張のせいだったのか

それは今でもわからない。







だけど。
あたしが選んだ答えは

一晩限りの甘い情事と
一瞬のあのひとの時間を手に入れること。




それがあたしが、出した答え。
結局自分では決められなくて
あの人が出した答えなんだけど。











「こういうことするの
 あたしにだけじゃないでしょ」
抱き合った後、わざと冗談めかして言った台詞に
帰ってこなかった応え。

嘘でもいいから否定して欲しかった。



あたしじゃないと駄目な理由が
ほんのひとかけらでもあってほしかったのに

ほんのひとかけらも、結局は無かったね。



朝が来て
来て要らなかったのに朝が来て
別々に出ようって言われた部屋のドアの前。
なんの躊躇いも無しに
あたしを放って行ってしまうあなたの姿。

そんなことわかってたけど
本当は行かないでほしかった。

言えるはずもないけれど。
笑ってじゃあねって言うしかあたしにはできないけど。






ひとりぼっちで歩いて
でも泣けなかった。


泣く方法を探したのに
泣けなかった。



全部、夢だったような気がした。
抱かれた実感がどこにもなかった。

あなたが握った手も抱きしめた体も
あなたの記憶もあたし自身も



何も要らなかった。

吐き気がして真っ直ぐ歩けなくて
こんな苦しい思い出なら要らない。
太陽の光も、春の風もなんにも要らない。



なんにも要らないから
あのひとがほしい。

あのひとの全部をください。













二度目は、もう無い。
あの人が言うなら、絶対に無い。

一度しかないから美しい思い出だなんて嘘。








ほんとうにたった一度の思い出を
あたしは一生抱えたまま生きていく。





あの人が明日には忘れてしまいそうな
儚いお互いのぬくもりも

あたしは一生忘れられないのだろう。



今日という日のことを
あの人と過ごしたたった一度の夜を

あたしは一生覚えているのだろう。



あの朝の切なく苦しい空の眩しさを
吹き抜ける春の、別れの風を

あたしは空を見る度、感じるのだろう。









せめて思い出になる前に
たった一度でいいから、泣かせて。








誰よりも多分愛してたから。








「長い間ありがとう」

それだけが、腕の中で言えた詞。






ほんとうに長い間、ありがとう。
5年ものあいだ、甘い夢を見させてくれて。

こんな感情をくれ続けたあなたに

感謝しています。






あなたのいない生活がやってくる。








今でも多分、
誰よりも、愛してるよ。






そして、これからもずっと愛してく。


口には出さないけど。












2004年02月20日(金)



 一度きりをきっと永遠に覚えてる。

たった一度きりと交わした

あなたとの約束。










終わっちゃった。




こんなにもあっさりと
かなしいくらいにあっさりと

















迷っているなんて偉そうなことを言っていても
恋人を大切にするなんて大義名分を翳していても


結局は自分がかわいくて
ほんとうはこの5年の思いに
区切りなんてつけられるわけなんてないのに


そんなことを理由に
結局大切なことさえ自分で決められないまま


あなたに決めてもらわないと
手を引いてもらわないと

約束すら果たせないほどに。













愛してもらえないことだけがわかって



朝がこなければいいと思った。







すべてが、初めて見るあなたで。



やっぱり寝顔がいちばん嬉しかった。







知らずに人生を生きていくより
ずっと幸せだった気がするのは

錯覚なのか真実なのか。








きっと今日という日を
あたしは死ぬまで忘れない。








後悔しないと決めたから。








やっぱり愛してるってわかって
なんでなのかわからないけど
愛しすぎて涙が出て

生まれる前からやっぱり
あたしはあなたが好きだったんだと思う。

こんな最悪な人だと今は知ってるのに
それでも誰より愛してる。











朝、別々に部屋を出る。

それが現実なのに。



誰より愛してると思う。













あなたにとって

ほんのわずかでもいいから

思い出になったらいい。






あたしを忘れないで。




それしか望んでないんだよ。
ほんとうに。








大切な人へ。

さよなら。













2004年02月19日(木)



 いちどきりの約束。


約束の日まであと3日。


どこかで迷ってて、でも迷ってない。
すこし、期待しつつすら、あるかもしれない。



「約束は守るよ」 あのひとが言った。
守られなかった約束だって、あるくせに。
こういう時だけ、きっと守ってくれる。



ほんとうは、覚えてなければいいと
心の何処かで、思っていたかもしれない。





終わりにできるのか自信がないのに
終わりにしなければならないなんて




あたしにできるの?





抱かれたら、もっと忘れられなくなる。

それだけは、自信ある。
きっと、予感、的中する。





忘れたままで生きていく
知らないままで生きていく

それとも、全てを受け入れて
つらさも苦しさもせつなさも全部




どっちがしあわせなのか


そんなの、わかんないから、やってみるしかない。








2004年02月16日(月)



 後悔してるおくりもの。

どうでもいいチョコレートだった。
いつもの年に比べたら
気合いの入り方なんてまるで違って
適当に入ったショッピングセンターの食品売り場。
適当に入ってるお菓子屋さん。
適当な値段のチョコレート。
30秒も迷うことなく決めた。
食べたことなんてもちろんなくて
美味しいかどうかもわかんない。
溶けてたって不思議は無い。

そんな年に限って
あたしのチョコ。「ありがとう」ってもらわれてく。
特別な意味があるようにもらわれてく。
きっと、今年は食べてくれる。
奥さん、じゃなくてあの人自身が。
今年に限って。



傷つくかもしれない。
もの凄く、傷つくかもしれない。
そして、大切な人を傷つける。

なのに、止まらない。


嘘をついて
沢山の人を裏切って



もっと、ちゃんとしたチョコレートを
あげればよかった。


2004年02月14日(土)



 生まれる前からたぶん好きだった。

あたしは、
「彼」のことを忘れているはずでした。

忘れようとしていたし
だからずっと逢ってなかったし
あたしは恋人と仲良しだったし
今も無論、仲良しではあるんだけれど

このまま、会わなくなることで
あたしは、忘れていくはずでした。




だけど、もう自分ではわかっていて
どんなに今の恋人を一生大切にする自信があっても
経験の中で、あの人だけは特別だってことを
知ってて、公言してて
でもそれはあくまで「過去」の話であって
だからあたしがいかせんのことを話すときはいつも

――――あんなに人を好きになれる季節は
     もう一生ありえない 絶対に。


だって本当にそう思っていたから。
あたしはこの先恋人を大切にしていくけど
でもあんなに強烈な感情を覚えることは
絶対ぜったい無いって言い切れたから。

それだけ、大好きだった。本当に。



だからね、思ってた。
もし、大切な人を裏切ることがあるとすれば
それは、いかせんとの間でしか有り得ないって。

解って・・たの。


それだけは、「特別」だった。
あのひとだけは、「特別」だった。



自分のこころの中で、出してしまっていた結論。
どんなに最低な人だったとしても
あたしはなんでだろう。
なぜか、惹かれてしまう。
自分でも、もう、なんでなのか解らないんだ。

まるで、あたしのDNAが
あのひとを呼ぶかのように

本能でたぶん、好き。
生まれる前から決められていたかのように、惹かれる。
苦しいくらいに。

もうどうなってもいいと思うくらいに。


明日、もし死を迎えるとしたら
あたしは迷いなく、あの人といたい。




生きていくことがしんどいことなんだって
ひさしぶりに思いました。

感情ってものがなくなればいいのにって
ひさしぶりに思いました。



あのひとの全てが
手に入ればいいのに。


あのひとがあたしだけを
見てくれたら
他にはなにも要らない。


ほんとうに、何も要らないから。




2004年02月12日(木)



 切なさだけで心強さなんてない。

嘘をついてる。

たいせつなひとに、たくさんの嘘を。



ただ、あの人に逢いたいがために。
いっぱいいっぱい、きずつけてる。


何もしらない彼よりも

あたしがじつは、きずついてるのかな。





「好き」とは微妙にちがくて
なのに追いかけることがもう習慣みたいに
ほんのすこし、やさしくされただけなのに。


もうやめたい、っていつも思ってて
だからはなれるしかやめる方法が思いつかなくて
やっとの思いではなれて暫くたって
慣れた頃に、いきなりのキス。


ずるいとしかいいようがないって
せめて言うことであたしを救って。


あたまもこころもぐちゃぐちゃで

こういうのが好きってことだったっけ。



好きなんて、もう要らない。




2004年02月11日(水)



 たったひとつの普遍とは変わり続けること。

全ての感情を、

おとなになる、ということを
教えてくれたのは貴方だったけど

――――だから尊敬してたけど


知りたくなかったものを
それが大人になるということを
教えてくれたのもまた、
貴方でした。


今もまだ
尊敬の気持ちが続いているかというと
それは、微妙で

あたしが許せないと感じる些細なことを
あなたは平気でやってのけたりするし

――――昔はしなかったのにね。


些細なことかもしれないけれど
煙草の火を靴底で消して
ちゃんと、持って帰る貴方が好きでした。

あたしの中で貴方は
そのまま、年月を経たから
ずっとそうでいてほしかったのに


変えたのは、あの人ですか?
変わったのは、何故ですか?



なのにまた、
貴方についていってしまうあたしは
そんな些細な行為を
見て見ぬふりしてしまうあたしは

あなたを雪の中、待っているあたしは


あたしだけが、何も変わりません。
変わることすら、できません。



それは、何故ですか?







2004年02月09日(月)



 君のいちばんに。

思いは、伝えないつもりだった。
今の関係を、壊したくなくて。

彼女くらい、当然のようにいるだろうなって思ってたし
別に彼女がいても、そこから奪う気もなかった。

彼が、あたしのことを少しでも大切に思ってくれていて
あたしが彼のことをそれ以上に大切なら

それだけでいいと、思ってた。
いちばんに、なれなくても。



―――なんて、いい子だったあたし。








初めて心から「欲しい」と思ったのは

「お前の喋り方、俺の嫁さんに似てる」
そやって、あの人から言われた瞬間。



実際に結婚してる訳じゃないのに
「嫁さん」なんて平気で公言するほど
大切なひとがいるんだ、って知った時。


あまりの衝撃の大きさに眩暈がして
そのとき、初めて
いちばんになりたがってた自分に気付いた。
あたしのものにしたかった、んだって。
すごく、すごく好きなんだ、って。


「似てる」なんて言われるほど辛いことない。



それが19の春の日でした。






彼をあきらめるために
忘れるために区切りをつけるために、
前へ進むために
強くなるために、した、告白。

彼女がいると知ってて、
すごく綺麗で気が強くてやきもちやきで
あたしに喋り方の似ているその人を
あたしも知ってるその人を
誰よりも大切にしていることを知ってて、


それでも伝えたかった。
前に、進むために。



この気持ちに終止符を打たなきゃ、
あたしはもう誰も好きになれないと感じた。







「お前がもうちょっと、早く生まれてたらな」

いかせんの、台詞。

「ありがとう」の言葉と共に。
あなたのぎゅっとしてくれる、ぬくもりと共に。


年の差を理由にふるなんて、
酷すぎる、と思った。

あたしはどこにも進めなくなった。







だけどあたしは気付いてた。
辛くて惨くて切なくて痛くて苦しいその事実に。

あたしがもっと早く生まれてたとしても
たとえ「彼女」より先にいかせんに出会っていたとしても

それでもきっと、この運命は変わらなかった。



あたしじゃだめだったのは
あたしが年下だったからでもない
彼女より後で出会ったから、でもない。


あたしが、あたしだったからだめだったんだ、って。
あたしが、「まこ」っていう人間だったから
あのひとじゃ、なかったから――――






なにがあっても
どんなことがあっても

地球がひっくりかえっても
爆発したとしても


いかせんの大切なひとは、
いつでもあのひとなんだなってことに


気付きたくなんてなかったな。









本当は、いちばんになりたかった。






2004年02月03日(火)



 期間限定の恋。

好きな人がいます。




その人の声を聞くたびに
その声があたしの名前を呼ぶたびに


なんでこんなに愛しい感情が
あたしを包み込むのかわからないくらい





いつからあたしは好き、と
認めてしまったのでしょうか。






横顔を盗み見る瞬間が、好き。

パソコンに向かうあの人を
少し離れた場所から見てた。
気付かれないように、傷つかないように。






もう、一生見ることはないかもしれない、
あなたの姿。その横顔。






2月に、なっちゃったよ。




――――約束と別れが、いっぺんにやってくる。


痛さと、弱さと、強がりと、
手に有り余るほどの苦しい幸せも。





笑っちゃうね。






2004年02月02日(月)



 遠くにいってしまうことに。

なんだか。

ほんとに微妙にだけど
いかせんが優しくて嬉しい。

ほんとにほんとに微妙にだけど。
というよりは・・
単に機嫌が悪くないだけなんだけど(苦笑)

機嫌が悪いとすぐわかる。
別にあたしがいつも見てるからとかそういうわけじゃなく
誰にだってわかる。単純なあの人。

でも
出逢った頃の
まだ四捨五入したらはたちだった頃の若かった彼に比べれば
だいぶ大人になったねえ・・って
思うこともあったり。
(↑年下のくせに・・)


優しくされるのは
もちろん嬉しいけれど
微妙な遠さを感じてしまって
泣きたくなったりもする。

いじめられてる時の方が
近くにいられて、嬉しかったりする。

どんな状態だって、一緒にいられれば
それだけで幸せなんだけど。








「春からは会えない」って
「もう終わりだ」って自分で日記に書いたくせに

その言葉のあまりの重さに戸惑ってる。


活字にすると
あらためて現実と向き合うことになって

それが日記をつける理由でもあり
あたしの中では、意味でもあったりするのだけど。



活字にしてみて初めて気付く。
あたりまえの、現実に。





ほんとに、ほんとに最後なんだ・・。
ほんとにほんとに、もう会えなくなるんだ。

ほんとにほんとに、遠くにいっちゃうんだ。





2004年01月29日(木)
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