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■ 記憶の糸を紡いでみても。
いかせんとのはじめてのキスは 19歳の夏だった。
あなたは覚えてるわけないと思うけど 車の中、小学校の裏。
あたし、いまでも覚えてるんだよ。 その場所通るたび、やっぱり思い出す。
19歳の秋が、いちばん辛くて いちばん好きで、好きすぎて。 あなたと同じ煙草を 家のベランダで、隠れて毎晩吸ってた。 同じ匂いを いつも感じていたくて。
そうすることでしか 心を保てなかった。
弱かった、と言われれば、それまでかもしれないけど でも今、同じ状況に立たされたら
やっぱりそうすることでしか 心を保てないと思う。
そんな19の秋が いちばんの思い出で いちばん、あなたと過ごした季節。
いかせんとのことを思い出すときは いつも些細なことばかりで
あなたは本当に ただのひとつも覚えていないんだろうなって そう思うけど
そのひとつひとつが あたしには、未来まで持っていきたいくらい
あたしが死んだ後ですら 不可能だけど、覚えていたいくらいの
すごく貴重な日々。
いま、あたしが抱えているこの気持ちも
いつかそうやって 言えるようになるかなあ。
もう、本当にあえなくなる。
あなたのいない、5年ぶりの春が来る。 想像すら、できないのに、 それでも容赦なく、また春はやってくるんだよ。
2004年01月28日(水)
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