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■ ただそこにいてくれること。
あの人は、 自他共に認める「いじわる」だと思う。
異動のことを 最後まで結局教えてくれなかった。
「来年どっか行っちゃうの?」 「さあな。4月のお楽しみ」
何遍聞いてもこうとしか答えてくれなくて 挙げ句の果てに
「まあ、覚悟はしといて」
なんてむごい言葉を残して去っていくものだから あたしは何も考えられなくて。
神様おねがいです。彼をここに残してください。 って神頼みしてみたり。
人事の人おねがいです。彼をここに残してください。 って人事頼み(?)してみたり。
もうとにかく毎日が気が気じゃなくて なんだか気持ちがふわふわしてた。 何も考えられないくらい。
それくらい、あの人にはそばにいてほしかった。
4月8日。 新年度最初のバイトの日。
緊張で、手に汗をかいた。 ずっとずっと心配で 胃が痛いのが治らなくて。 ものすごく、怖くて。
目をつぶって、部屋に入った。
いつもの場所で いつものように、あの人が笑ってた。
あたしに気付くと 彼はしたやったりな顔で
「覚悟しとけって言ったやろう?」って笑った。
「明日からはいなくなるかもよ」って笑った。
いじわるなあの人が好き。 そんな風に言うあの人が好き。
ただそこにいてくれる、
いかせんが好き。
2002年04月09日(火)
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