Movin'on without you
mako



 ただそこにいてくれること。

あの人は、
自他共に認める「いじわる」だと思う。




異動のことを
最後まで結局教えてくれなかった。





「来年どっか行っちゃうの?」
「さあな。4月のお楽しみ」


何遍聞いてもこうとしか答えてくれなくて
挙げ句の果てに

「まあ、覚悟はしといて」


なんてむごい言葉を残して去っていくものだから
あたしは何も考えられなくて。



神様おねがいです。彼をここに残してください。
って神頼みしてみたり。

人事の人おねがいです。彼をここに残してください。
って人事頼み(?)してみたり。


もうとにかく毎日が気が気じゃなくて
なんだか気持ちがふわふわしてた。
何も考えられないくらい。


それくらい、あの人にはそばにいてほしかった。








4月8日。
新年度最初のバイトの日。

緊張で、手に汗をかいた。
ずっとずっと心配で
胃が痛いのが治らなくて。
ものすごく、怖くて。

目をつぶって、部屋に入った。








いつもの場所で
いつものように、あの人が笑ってた。








あたしに気付くと
彼はしたやったりな顔で

「覚悟しとけって言ったやろう?」って笑った。

「明日からはいなくなるかもよ」って笑った。


いじわるなあの人が好き。
そんな風に言うあの人が好き。






ただそこにいてくれる、

いかせんが好き。








2002年04月09日(火)



 ふらり。

あたしには
ひとりになる時間が必要不可欠だと思った。



だけど
本当のあたしは
ものすごく寂しがりやで

孤独が、
「ひとりぼっち」になることが、
ものすごくものすごく怖い。




旅に出ていつもわかること。
あたしは一人で生きているわけじゃない。




だから
あたしには一人で
たった一人で
誰一人としてあたしのことを知っている人がいない、
そんな場所に行くことが必要で、


そういう所で
周りの人へ感謝する心とか
人間の絶対的孤独とか

そういうことをちゃんと認識する。

それが必要不可欠な行事になってて。





人と人は
どんなに近くにいても
どんなに一緒にいても
例え体を重ね合わせていたとしても

一緒になることはできないから。



人は
決して他の人と一緒にはなりえなくて
永遠に孤独な生き物で


頭ではわかってるんだけど。






いかせんのそばにいるのが怖くて
自分の気持ちと向き合いたくて
ふらりとでかけてみて


やっぱり考えていたことはいかせんのことばかりで。





これ以上好きになるのが怖かった。
辛いことしか待っていないから。
これ以上苦しい思いなんてしたくなかった。
好きになればなるほど
苦しさばかりが募ってく。


だけど。
会いたい気持ちは本当で

あの人の笑顔が
あたしを幸せにさせてることは
紛れもない事実だと

そんな簡単なことに
なんであたしは気付かなかったんだろう。





2002年04月05日(金)



 好きすぎて苦しい。

気持ちが強くなりすぎて

苦しいです。



もう、
幸せって思える余裕が

今のあたしにはありません。






明日という日が怖い。

この街にいるのが苦しい。



あなたに距離だけ近すぎて
なのに遠くて

隣にいるのに近づけなくて








少し、どこかにでかけてみようと思います。

桜でも見に行って

気持ちを整理しないと






ただ単に訪れるだけの「好き」って気持ちの波に

あたしが押しつぶされそうになるから。






















おとといね
歓迎会で

あの人は最初、あたしと全く反対側の席に座って
あたしはすごい泣きそうだった。

それだけのことなんだけど
他の人の会話が耳に入ってこなくて
先輩に怒られる有様だった。

だってね。
用意されてた箸とかを移動してまで
彼は違うテーブルに行ったんだよ。


ここ数日間ね、
実は彼との関係がうまくいってなくて

あたしが好きすぎて
うまく話せなくなっちゃって
空回りというか、
どうしていいのかわからなくなって。

単に意識のしすぎなんだけど。
すごい自己嫌悪の毎日だった。


そんな中で
せっかく飲み会で話せると思ってたのに
全く目も合わない後ろ側の席で
しかも偶然じゃなくてあきらかにそこに座るし

もういいや。って。
せつなくて
あたし嫌われたのかなあって思ったり

ここ最近しゃべってくれなかったのも
それでかなあ、って考えたり。


もう頭の中泣きそうでいっぱいいっぱいで
隣りの先輩と話をしながらも
やっぱり頭にあんまし入ってこなくて

後ろから聞こえてくる彼の笑い声と
彼の隣りの女の人の笑い声だけが
もうとにかく気になって気になって

自棄になって飲むしかなかった。


飲み会が始まって数十分したころ
お酒のおかげであたしがいい気分になって
隣りの先輩と笑いまくってたころ

彼があたしの隣りに来た。
お酒もって。

今頃来たって遅いよぅ。(涙)

でも嬉しかったよ、やっぱり。
ずっと隣りにいてほしいと思って
めちゃ頑張って話してみた。
・・・あぁ高校生みたい。


しばらくたってから
お酒の力を借りて
あたしはここ数日気にしてたことを
全部ぶっちゃけてみた。

「あたしのこと、嫌いになったの?」



彼は笑った。
すごい笑ってた。

「そんなこと考えてたの?」
って言いながら、バカだなあ、って顔して笑ってた。
「ほんとに嫌いになったら
 口もきかなくなるの、俺は。
 今ここにいるでしょ?わかった?」


安心したら急に
涙が出てきて

隣りの先輩と
彼に気付かれないようにそっとうつむいといた。


あの笑顔を見たときに
あたしは

やっぱりこの人といたいんだーって、
あたしの本能がいつもそう言ってるような
そんな感覚に気付いて


それで

苦しいのさ。
すっごく。





2002年04月03日(水)



 新年度。

今日から新しい年度。
バイト先に新入社員の方が入ってきた。

どきどきしますね。新年度。





今日は
バイト先で歓迎会があって
あたしも参加させてもらって。





あの人の笑顔を見ながら
あたしは幸せなのかどうかわからなくなったり。



奥さんとの馴れ初めなんてさ

もう知ってるから今さら聞きたくないんです。




多分、あたしがあなたをいちばん好きだった時代に

あなたは結婚しちゃったんだから。








それでも

あの人が好きなんです。






今ね、

ひさしぶりに好きすぎて苦しい。






エイプリルフールの日にふさわしく

この気持ちも嘘だったらどんなにか楽なのに。








2002年04月01日(月)



 心の中のドロドロ。

あたしは
自分が思ってるよりも
ずっと嫉妬深い女の子らしい。



いかせんを好きになると
いつもそのことに気付く。



他の人に対しては
そこまで感じないのにね。




いかせんが
同僚の人としゃべってるだけでもう嫌だ。

しかもその人が
いかせんに気があるチックなのが
これまた嫌だ。


ふたりがしゃべってるとこなんて見たくなくて
時々部屋から逃げ出したりしちゃうあたし。

なんか意識しちゃって
いかせんとうまく話せなくなっちゃうあたし。






なんとなく自己嫌悪。




うまくは言えないんだけど。



なんだろう。

なんて言うのかな。

とにかく嫌なの、いかせんが他の人との会話で笑顔なのが。




すっごく勝手な気持ちだけど
嫌なものは嫌なんだから仕方ない・・・。

こんな気持ち
口に出して言うわけはないけどね。



毎日あの人に会えて幸せだったはずなのに
なんかそれ以上をどんどん望んでしまって
わがまま通り越して嫌な子になってるなあ・・。

嫌な子っていうか、
ただ単に普通に彼としゃべれない。

たったそれだけのことができない。





中学生じゃないんだからね。




悪循環・・・。





2002年03月30日(土)



 理想像。

疲れてるなあ・・と思う出来事がいくつもあって。


こんなときでも、笑っていられる人で在りたいと思う。






どんなに疲れてても
どんなにしんどくても
どんなに辛いことが多くても


それでも笑顔で
周りの人を安心させられるような

そんな女に、なりたいと思う。







強くなりたい。




2002年03月28日(木)



 ただそれだけのことなのに。

今日・・。


バイト中に、
階段で、思わずつまづいたあたしの手を

とって助けてくれたのは
たまたま前にいた「あの人」だった。




そして、そのまま
あたしはひっぱられるようにして階段を上った。
一緒に。

あの人は
その手を離さないでいてくれた。















死ぬほど、うれしかった。











こんなことを誰にでもしちゃうあの人が嫌だけど

「誰にでも」の中に自分が入ってることが嬉しくて仕方ない、


そんな自分も嫌だ。






結末が見えすぎてて

行く末を思って
自分自身が可哀想になったりする。




こんなことで
死ぬくらい幸せになれる自分を

もうひとりの自分が、
冷静に見つめてる。

ものすごく、可哀想に見つめてる。
時に哀れだとすら思ってる。







だけど

たったそれだけのことで、



涙が出そうになったあたしはバカですか?








2002年03月27日(水)



 しんどくても幸せな午後。

怒涛のバイト10連勤中・・・。

もーしんどい。けどまだまだ続きます。




ほんとはね、まこのお仕事は午前中で終わりだったりする。
だけど、毎日朝から夜までなぜか仕事してる。
完璧なサービス残業・・。でも理由がある。

いかせんと、一緒にいたいから。
ただそれだけなんだけど・・。


まこのお仕事は事務のお手伝い。
自分の仕事が終わると、いかせんから声がかかる。
「手伝って」って半ば強制的なお願い(笑)
嫌がりながらも、結局手伝っちゃう。
ほんとは嫌じゃないくせにね。


だって手伝って、って言われなくても
いつか仕事がもらえるかも、ってうろうろしちゃうもん。

もー、単純明快すぎます。
たぶんかなりあほだと思う。





いかせんの仕事を手伝うと、
いかせんとずっと一緒にいられるから。

いかせんの仕事は他の人には手伝ってほしくない。
こんなところで、都合のいい女でいいんだ。








名前で普通に呼ばれるようになったし。
実は呼ばれるたびめちゃめちゃ嬉しい。





連日の労働で体はぼろぼろに近いけれど、
あたしの心は、まるでこの時期にふさわしく

めちゃめちゃうきうきしてるのです。




あたしって、子供だなあ、って思うけど。

たまにはこういう気持ちも、きっとあっていいんだと思う。




こんなひそかでかわいらしい幸せを
今は、大切にしたい。






2002年03月26日(火)



 離れたくない。

気持ちに気付いたのは2ヶ月前のことで

またかよーって自分でツッコミ入れたいくらい
あたしには何度も訪れた気持ち。



いかせんが好き って気持ち。







「異動決まった?」って聞きたくて

聞きたくて聞きたくて、
でも2人の時間もなければ
2人になったところで怖くて聞けなかった。






好きって気持ちが募っていくのは
この時期だからかもしれないね。

会えなくなる不安。
ずっと一緒にいたいという気持ち。


好きって気持ちと、
微妙に共鳴しあってるのかもしれない。












2002年03月15日(金)



 奥さんの買ったものなら。

そんなの要らない。







ホワイトデーってことを
あたし自身も忘れそうになってた。

だけどみんなからお返しをもらって
喜ぶあたしに気付いてたらしく

2人になったときぼそっと彼が言った。

「お返し、忘れてたな」



まさか気に留めてくれてるとも思わなかったので
びっくりした・・。

「さっきお返しもらってたの見て、
 初めて気がついたよ。
 そっか・・ホワイトデーだったな。」って。


びっくりですよ。



「お返しほしい?」って言われて。






ほしいけど。



でもね。






素直にはほしいって言えない。



奥さんの買ってきたお返しなんて
もらったらもらうだけ辛くなるだけだから、






それならチロルチョコ1個でいい。

あなたが選んでくれたものなら、なんだっていい。




そんな風に素直に言えるようになったらいいのに。




2002年03月14日(木)
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