楽しみ方 |
何かを楽しもうとするなら、考えてはいけないと思う。 考えることが楽しみとなることは別にして。
たとえば、典型的なヒロイックファンタジィを読む。 心正しき勇者がいて、悪い魔法使いがいて、美しい姫がいて…、 そういう、悪く言えば、「子供だまし」とも思えるような、そんな作品。
こういう作品は、考えて読んだら楽しくない。 手法や論法、そういった技巧的な部分を論じてもしょうがない。 世界観がしっかりしていて、文章に破綻がなければ、 ただ読み進めて、どっぷりと漬かってしまうだけで良い。 これは絶叫マシーンなどの、乗り物に乗る楽しみに似ている。 そして、実はこういう作品を創ることが、一番難しかったりする。
受け手側に、考える余地を与えない。 ただ翻弄されて、気付いたときには、なんだか分からないままに終わっていて、 でも、「楽しかった」という気持ちだけが残るという、そういう作品。
こういう作品を、純粋に楽しめる精神を大切にしていきたいと思う。 大人としての分別、子供の旺盛な好奇心。 すべての事象に関心を持ち、ありのままに受け入れる。 世界がつまらないと感じること。 それは自分がつまらないってことなんだろうな。
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2002年07月30日(火)
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