チグリスとユーフラテス |
チグリスとユーフラテス 新井素子著 集英社文庫
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すごい小説。 人類の新たな移住先「惑星ナイン」。 その年代記を、新→旧の順にたどるという構成。
「最後の子供」ルナ。 そして、次々と目覚めさせられていく、各時代の特権階級の人々。 常にストーリィは、この二人による対話という形で進んでいく。
単純なSFではない。 エンターテイメント性を色濃く残し、読みやすい文体の中で、 人としての感情、性質、人生、文化、そういった物を追求していく。
生きることは善なのか? 生きるってなんなのか? どうして生きているのか? 自分はなんなのか?
そういった、根元的にある、決して解決することのない問い。 それに対する、一つの考え方がこの本には込められている。 そして、新井素子の考え方は、非常に好感が持て、自分に近いと感じた。
読書中、幾度と無く涙がこみ上げた。 読了後、世界より抜け出せず、しばらく放心した。 おすすめです。
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2002年08月03日(土)
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