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「今日は親子丼よ」と言われてわくわくしながら食卓についてみると、 其処には白米の盛られた茶碗と鶏そぼろ、のりたまが用意してあった。 泣いた。
漫画ガルデンの対極のポジションに立つのは、アデューよりも寧ろパッフィーの方が似合っているんじゃなかろうか、という漠然とした気持ちがあります。 それが何故なんだろうかと考えてみた所、二人とも「一族の長」という共通したステイタス(パフのほうはまだ「姫」ランクですが)を持っていて、尚且つ「闇」と「光」という風に属性がぱっきりと分かれているからでは、と思い当たりました(ガルデンは最終的に「光も闇も無意味」と言っていますが、一応)。 いや、一番の原因は二人の絡みの多さにあるのだろうと思うのですが。 大戦から数年後の世界にて、陰に棲む魑魅魍魎たちの長となったガルデンと、魔法使いを束ねるパフリシアの女王となったパッフィー。 この二人がそれぞれ闇と光の覇者になって、アースティアと言うテーブルを挟んで丁々発止のやり取りをしてくれたらいいなあとか。 それには最終決戦後にガルデンが生存している事が絶対条件な訳ですが。 まあ、まさかあのイケイケダークロードがそんなあっさりと斃れたとは思いませんが!! グラチェスさんも「あのガルデンも死んだとは限らん」と言っているし!! グラチェスさん大好き!! 個人的にはガルデンとグラチェスさんも「長同士」「実力者同士」「闇と太陽」という事で面白い組み合わせだなあと思っています。 「二段クラスチェンジなんてアレな事をやらかしている」という共通点もありますね。 接点はほとんど無く、二巻でガルデンがグラチェスさん(のリュー)を「あの金色のリューを除けばザコばかり」という形で評価したり、「奴ら(アデューたち)のうちで最強のリュー」と言ったりするくらいですが。 TV版は「手のかかるわがままな子供と優しいお母たん」という感じ(を希望)なのですが、漫画版だとお互い抜け目無さそうで、ピリピリした面白い関係を築けそうな気がするのですが。 如何でしょうか。
休みなのでおうちでだらだらしていたら、示し合わせた様にパッフィーフィギャーが届きました。 配達員さんから受け取ったおかんに「何これ?」という視線と共に手渡されました。 何この羞恥プレイ。 とりあえずどこかに感想書いておきます。(P掲示板くらいしか無いけれど) それでは、また後程。 ――――― お昼の「暴れん坊将軍」を見ていたら、今更ながら吉宗が沢山の忠臣を抱えている事に気付いて萌えた。 じいと忍者の二人、そして大岡忠相。 特に大岡忠相が良い。キレもので渋くて強面。そして親友であり忠臣。 あと、ヒートガイジェイが5月からキッズステーションでまた再放送するそうな。本当だろうか。 もしそうなら、今度は1話から見る気満々なのですが。
最終回にて徒歩で皆の下を立ち去ったガルデンは、ひょっとしてギャロップに乗れないんじゃないかという疑惑が持ち上がって久しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。 こんばんは、TALK-Gです。 TVから100年後の「聖騎士の約束」の最後のシーンでは乗っていたっぽい(絵も具体的な台詞もないので推測)のですが、3年後のカイオリスではどうだったのでしょう。 ガルデンが行動を共にするグラチェス、月心、ヒッテル、サルトビにイズミは皆ギャロップを使っていたと思うのですが。 ちゃんと自分のギャロップ持ってたのか。それともサルトビ辺りとタンデムか? いや、そもそも彼はヒマリー山の大ミスト鉱山に潜伏していた間、一体何をしていたのか。 鉱石ラジオでも作って魔族や邪竜族の無線なんかを傍受してたのか。 それなら彼のあの地獄耳にも納得がいく。 関係ないですがガルデンがパフの事を「パッフィー」とナチュラルに呼び捨てにするのは、この回限りですよね。 (他では大概パフリシアの姫だのパッフィー姫だの何処か距離を置いた呼び方をしている。漫画版も然り) 彼自身の第一人称が「俺」に変化している事を考えればそう大した事でもないのかも知れませんが。 公の場(?)での第一人称が「私」から「俺」に変わるのって珍しいですよね。逆ならともかく。 好意的に見れば「他の仲間にも素の自分をさらけ出せるくらい打ち解けた」となるのでしょうが、どうだろうかな。何かを語るたびに一々予防線を張っている姿を見ていると(例・勘違いするな、同情しているつもりか等)そうとは思えない気もする。 ……世間知らずの箱入りお嬢様だったのが三年の間に色々なものを見てしまってスレただけか? ――――― 前にも書いた気がするのですが、漫画版ガルデン一族を現代風にしてみるなら「土地を持たない(持てない)代わりに証券金融関係にめちゃめちゃ強い一族」なんかが良いのではないかと思いました。 「私はあるお方の為に優良な銘柄を集めている」 「調べるうちにヴァニール製薬最高の技術者ユーディスのうわさを耳にした」 「奴の弟子の誰かが新薬という好材料を隠していると」 「新薬?株主総会での発表はたくさんありますが私は聞いた事もありませんね」 「フン…言いたくなければかまわんがな」 (アデューもホールドしている銘柄に大量の売り注文を出すガルデン) 「げふッ」(血反吐を吐くアデュー←何故?) 「どうだ、助けてやりたいんだろう? なんならまた買い板をぶち抜いてもいいんだぜ」 この後アデューは、パフの涙と、過去にガルデンのやらかした仕手によって一家離散の憂き目にあったサルトビの言葉に発奮し全力二階建てを行うがあえなく惨敗→追証→樹海行き。 ……全然爽快感無いな……。 いや、本当は買い板爆撃のガルデンが書きたかっただけです。 でも当方の生半な知識ではどうにもならなかった。 「ハハハハハハハハーッ、見ろ!!40万株45万株!!」←MSCB爆弾 特にオチもないまま終わる。
アデュガル好き淑女は風鈴堂様のBBSに急ぐと幸せになれますよ!! それでは、また後程。 ――――― 色々捏造している当方が言うのも何ですが、ガルデンの過去ってどんなもんだったのでしょうね。 他のリュー使いは、TVやOVA問わず結構過去の回想シーンが出てきているじゃないですか。 アデューやパフは赤ん坊の頃、サルトビは小さい頃、イズミも若い頃が出てくるし、グラチェスは弟やサルトビとのエピソードで過去が垣間見られるし、月心は子供時代の話が出てくるし、カッツェやヒッテルも兄貴が家出した頃やらが出てくるし。 でもガルデンにはそれが無い。 有ったとしてもそれはサルトビによる「村の襲撃の回想」のアレで、判る事といえばあの時点で既にセクシー辻谷ボイスだったという事くらい。 イドロやガルデン自身によって出自などは(ほんの少し)語られますが、やっぱり過去の回想シーンが欲しかったですよね……! 個人的には子供の頃のシーンとかが見たかった。 リュー世界では「子供の頃はお目目の大きなカワイコちゃん」という法則が成り立っているようですので、きっとガルデンもそれはもう可愛かったと思うのですよ。 でも声は辻谷耕史。
果てしなくうさんくさいゲーム画面。 左端が不自然に空いているのは、此処にもう一人立たせる予定だったからです。 それでは、また後程。 ――――― TV版アデューに対して個人的に、「豪放磊落で強くて快活な仲間思いの男」というだけでなく「案外抜け目無くてプレイボーイで鬼畜」というイメージを持っています。 何故だろうかと考えてみた時、面出女史の脚本は勿論重要な要素なのですが、それ以外にもあの「育ての親や姉、家族同然の船乗りたち」の存在が大きいなあと気付いたのでした。 言ってしまえば、TVアデューって「王様」や「聖騎士」よりも「船乗り(ないしは海賊)」の方が似合いそう、みたいな。 当サイトのアデューがどうしても騎士らしくないのはこの思い込みが原因だと思います。
TV51話から10周年でしたね。 月心らだけでなくガルデンも再登場するというのは、アニメ誌などの情報で事前に知っていたのですが、まさかクラスチェンジまでしてくれるとは思わなかったので、あのルーンナイトを見た時には度肝を抜かれました。(「みんなも一緒だ!」にも腰を抜かしました) それにしても、何故シュテルはあんな真っ白けな姿になったのでしょうね。 Vジャンプなどでは「これがシュテルの真の姿だ」みたいな書かれ方をしていましたが。 個人的には「御主人様の心を白い騎士に奪われてしまった為、『そんなに白いのが良いのですか?わたしだって白くなれるんですよ?!ほら!ほら!!ね?!!』と必死でアピールしている」に一票。 もしくは「イドロの呪縛から逃れたと思ったら今度はホワイトドラゴンに洗脳されて頭ラリラリお目目キラキラ状態になってしまった御主人様が不憫で不憫で泣き明かした結果、人間が顔の色を失い白髪化するのと同じ様に真っ白に燃え尽きてしまった」とか。 漫画版とTVでクラスチェンジする姿が違ったり、ラジオ版で唯一最初からクラスチェンジ後の姿で登場したり、そもそもその奇怪な精霊魔剣が何処から拾ってきたものなのかが明らかにされなかったり、シュテルって奴は本当に訳の判らんリューですね。(……リューなのかどうかすら胡散臭い) あと、ルーンナイトのマントは妖精さんの羽っぽくて可愛いと思いました。
今日一番怖かった一言: 「別に訴えられなければいいであろう」 こちらのサイト様の日記参照。 きっとこの男は、あらゆる物事に対してこういう考えで臨んでいるに違いないんだ……!!!怖い、怖いよ!!でも其処がいい。(落ち着いて!) アレ肯定派の人選にも物凄く納得。全員「歴史も因果も抗争経験もある一族のリュー」ゆえに、アレという手段を取る事にもさしたる抵抗が無いのかも。一人だけ手段と目的が逆になっている男が居ますが…… 後、一人称「俺」にこいつきっと主人の前でだけ猫被ってるよ(クリスマス編での主への口調などから推測)と叫びそうになりました。素敵!!素敵よ!! 他の人々の魅力も含め、これ以上は此処ではとても書ききれない。 B様、まことに結構なものを有難うございました……!! ――――― 今日の下僕収穫:ちいさいモモちゃんより黒猫のプー このお話に下僕とかしもべとかいう言葉を使ったら、ファンの方に怒られるかも知れないな。でもセンサーにビビッと来てしまったのだから仕方ない。 此処で言う「下僕」は、「主人ひとすじ愛情一本、見守り、世話をし、一生懸命尽くす健気な愛すべきキャラ」という事で一つ……。 説明としては「大好きなお姫様を守るナイト役」の方が良いでしょうか?でも、中々報われない上にライバルの男の子にいいとこ取られちゃうのが下僕テイストなんですよねえ……。 さてさて、このお話は超有名ですし、公立の図書館などに行けば大概置いてあるほどのものですので、内容を御存知の方も多いかと。 私も小さい頃に読んで大好きでした。とにかく人物や情景、行動など全ての描写が素敵でね……!! 今読んでみると、ユーモアとファンタジーに包まれたシビアさに、色々と考えさせられますが。(シリーズ第一巻の今作はそうでもないのですが) 簡単に内容を説明いたしますと、「モモちゃん」という感受性豊かでちょっぴり頑固で元気な女の子が生まれてから、三歳になるまでの成長の物語です。 こう書くと難しそうですが、全く堅苦しいことは有りません。 何と言ってもこれは「児童文学」、判り易い、読み手に語りかけるような文章と、何度も読み返したくなるような独特のリズム、様々な不思議な出来事などなどに彩られた、素敵な現代童話であります。(現在流通しているであろう改訂版が書かれたのは今からもう20年も前ですが、それでも描かれた情景や子供たちの姿が今尚色褪せないのは凄い) で、本題の「プー」は、モモちゃんが生まれてすぐの頃からモモちゃんと一緒に育ってきた黒猫。もともとはノラだったのが、モモちゃんのママに「ぼくをこの家の子にしてよ」とお願いして家族にしてもらった、という経緯を持ちます。 このプーがね!もう、健気で可愛くてね……!! 特にグラグラ来るのが「およめさんごっこ」の話。 或る日、おうちで綺麗なレースの布を見つけたモモちゃんは、それを花嫁さんのドレスやケープに見立てて、およめさんごっこをしようと言い出します。 新郎さんはモモちゃんの傍に居た(と言うかいつでも傍に居ますが)黒猫のプー。 プーは自分の礼服が無い事を気にしますが、モモちゃんは「おむこさんは黒い服を着てるから(=プーも黒い毛皮を着てるから)だいじょうぶ」と言います。 モモちゃんを大好きなプーはもう大喜びですよ……!! このシーンが読んでいて幸せで幸せで。 ……最後にはプーがちょっと可哀相なオチがつくのですが。(この報われなさが下僕っぽいのだな……) 最初の方の、モモちゃんが「あかちゃんのうち」(赤ちゃん用の保育園みたいな場所ですね)へ行く所もツボでした。 「あかちゃんのうち」に預けられて最初は大人しくしてたモモちゃん、プーが居ない(猫は連れて行けないからとママに言われて、仕方なくおうちで留守番中)というのに、おいおい泣き出します。 「プー、プー」とプーを呼ぶのですが、モモちゃんを預かる先生たちには「プー」が何のことかわかりません。 さあ其処でプーの登場ですよ。 困り果てた先生から、その事を電話で知らされた(!)プーは慌ててすっ飛んでいくのです。 駆けつけたプーにモモちゃんはにこにこ、ご機嫌をなおします。 プーも誇らしげに「ね、モモちゃんにはぼくがいなきゃダメなんですよ」。 ……!……!!!(言葉にならない) 他にも、プーがモモちゃんの為にと折角プレゼントをしてあげたのに、モモちゃんがそれを仲良しの男の子にあげてしまって、プーが大ショック&拗ねてしまう……なんて話もごろごろ。 とにかく、小さいモモちゃん(&ママ?)に振り回されながらも健気に頑張るプーが可愛いのです。 小さい頃と大人になってからとで、読んだ時に得るものが違う(そしてそのどちらもがすばらしく深い)という事がよく言われるこのシリーズですが、私の場合、大人になってから得たものはモモちゃんに尽くす健気で世話焼きで苦労性で報われない黒猫のプー萌えという観点でした。 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気(おぢけ)づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる……
高貴っぽい何処か浮世離れした感じのキャラが大好きです。(例・ガルデン、ダイ大のヒュンケル、うしとらのキリオ、HGJのクレア、ちびまるこちゃんの花輪君etc.この中で何らかの裏切りに巻き込まれていないのは花輪君だけだな) その所為か「主従モノ」が三度の飯より大好きな私ですが、同じくらいに「ノーブル&ワイルド」の組み合わせも大好物なのです。 言わずと知れたガルデンとアデュー(TV)とか。 このドラマとか。 来週で最終回なんて寂しすぎる。右京さんの何処を見てるのか判らない目線や優雅な紅茶のシーンや熱血単純刑事の亀ちゃんとのやりとりがまた暫く見られなくなってしまうなんて。 しかもその後には、決して銃を撃たない癒し系刑事による人情事件簿(推理性皆無なのだが其処が良い)「はぐれ刑事純情派」の最終シーズンが始まってしまうなんて……!!! 純情派が終わったら「相棒」が水曜九時枠のメインになるんだろうと思って(期待して)いるのですが、そうなるとこれまで「旅情編」や「情熱系」がつとめてきたポジションはどんな番組が請け負う事になるのだろう、と思いました。 折角だし主従系刑事ドラマとかやってくれないものか。(何が折角なのか) ――――― 「相棒」に萌えた勢いのままで、封印していたHGJのDVD8巻を見ました。 未放送話が入っている巻です。(「これを見ちゃうともう本当にHGJ終わりなんだー」という感じがして中々見られなかった) 感想…と言ってもネタバレになりそうで何も書けないのですが、とりあえず「これは本編中で放映しないといけなかったんじゃ」、と思いました。 何と言ったら良いか判らないのですが、クレアとダイスケ、キョーコとダイスケ、今回の話で語られたこの二つの関係が(兄貴とダイスケの関係も含むか?)色んな所に繋がっている感じがするんですよ…… この話を先に見ておかないと、後半の怒涛の展開が判り辛いんじゃないかなあとか。 関係と言えば、勿論レオネリーズとクレアの関係も見逃せないポイントでありました。 凄いよ!クレアたんがレオネリトリオに如何に絶対の信頼を置いてたかがひしひしと伝わってきますし、そのレオネリトリオも一人一人が美味しい台詞や立ち回りを持っていますし(この話を見て漸くミシェルとイアンのキャラを理解したよ……)。 個人的には*微ネタバレ*変態に襲われたクレアたんが、絶対的ピンチな状況であるにも関わらず応戦はジョバンニに任せっきりで、自分は自信満々でただふんぞり返っていただけ*ここまで*というシーンがツボでした。ジョバクレ良いよジョバクレ。 登場キャラ全員に見せ場があって、その中でも特にキョーコは可愛いし、クレアは麗しいし、ジョバを初めとするレオネリトリオはお茶目で仲良しでカッコイイし、エジムンドはいいひとだし、Jは美味しいところ取りだしで、最初から最後まで大満足な回でした。 でもこの回の直後に、あの運命の15話がやってくるんだよね……。 後、個人的に気になったポイント:「ジョバンニ様」と呼ばれるジョバ。 下僕的キャラが、組織全体での力関係を見ると実は結構良いポストについている、というのがツボな私には物凄い萌えポイントでした。 ――――― 次はお勧め頂いたまるマ……! 少し調べてみましたら、私でも知っているような豪華な声優さんが盛り沢山で、それだけでも見てみたいなあと思っているのですが。 個人的には主人公の父親の声優さんに気づいてビビっています。 後、関係ない話ですが、エスカフローネのディランドゥの忠実なる下僕・獣人ジャジュカのキャストにも今更ながら気付いて、凄いショックを受けました。 これが十年殺しか。 ――――― そう言えば、岩窟王も見よう見ようと思っているうちに日が過ぎてしまった…… こんな見るからにアレな下僕キャラが居たっていうのに……!!! 痛恨の極み。再放送で追いかけるか。
※漫画版ガルデン一族※ 054:子馬 社会的にヤバい輩や闇の眷属にとって過ごしやすい事で有名な、西部大陸ウェストガンズが一都市モンゴック。 その界隈で、近頃妙なものが流行っていた。 「心理テスト?」 何だそりゃ、とマーカスがどっちらけた顔をしているのに、マーカスの相手をしているエルフが「知らないの?」と驚いた様に目を瞬かせる。 彼女は大通りに面した娼館に属するエルフで、その職業ゆえに入ってくる様々な話を売る「情報屋」の様な事もしている。 今回、マーカスは忙しい一族の長に代わって、彼女から此処最近の情報を仕入れていたのだが。 「そんなに驚く様な事か」 「驚くよ、そりゃあ。……まあ良いや。 心理テストってのは、簡単な質問をして、その人のシンソーシンリを探るものだよ。 当たるって評判なんだよ。この辺りじゃあ、この店の向かいの占い屋のオヤジよりも的確だって」 「深層心理ねえ」 胡乱な眼差しのマーカスに、彼女は「信じてないなら……」と、やおら要らない紙の裏に何かを描き始めた。 暫しして差し出された紙面には、小さな鳥馬(ギャロップ)らしきものが一匹。 ぽつんと寂しそうに立っているそれを指差し、彼女は一方的に「心理テスト」とやらを始める。 「これはあなたの可愛い子鳥馬です。この子鳥馬の周りに、柵を作ってあげて下さい」 「…………」 ぐい、とペンを突き出され、マーカスは渋い顔で首を振った。 「こんなので何が判るんだよ」 「それを言っちゃテストにならないじゃないよ」 さあさあと尚も紙とペンを押し付けられ、マーカスは仕方なくそれを受け取った。 そして「絵は下手なんだよ」とぶつくさ言いながら、鳥馬の周りに柵を描く。 内容の割にかなりの時間悪戦苦闘して、漸く出来上がった絵をつき返すと、彼女は学者面をして「これは面白いねえ」などと言い出した。 「何が面白いんだよ」 「いやさ、この『子鳥馬』ってのは『あんたの大事なもの』を表していて、その小鳥馬を閉じ込める『柵』ってのは、『大事なものへの独占欲』を表しているんだよ」 「は……?」 「マーカス副隊長の『柵』は、随分頑丈そうだねえ。結構独占欲強いんじゃない? でも、そんなに狭くはないね。縛り付ける事はしない主義かも知れないね」 偉そぶった訳の判らん説明に閉口していたマーカスだったが、よく考えてみると思い当たる節が無くもない事に気付き、唸った。 こんな子供の落書きみたいなもので、本当に自分の心を暴かれてしまうとは。 得意満面といった様子の彼女を少々見直したマーカスは、この心理テストにおける「柵」の様々なパターンとその解釈を教えて貰ってから、自分の部隊へと帰った。 「心理テスト?」 アジトに帰ってきたマーカスから、調達した物資や収集した情報の報告を受けていたイドロは、その中に混じっていた妙な単語に眉を寄せた。 「いやあ、オレもやられたんだが、これが中々どうしてよく当たっていてな。 モンゴックでは占いよりも当たるって評判なんだとさ」 マーカスの言葉に、自身が優れた占術士であるイドロが渋面を作る。 「自分が何者なのかが判らなくなる様なこの御時勢には、占星術や水晶占いなんかよりも手軽で、しかも解釈が露骨な『心理テスト』が流行るのかねえ」 「ああ、まあ、あの界隈じゃああんたの様な本物の占い師も居ないだろうからな」 と、それまで傍で話を聞いていたシュテルが「下らん」と呟いた。 「人間共のやる事は判らん。少々の簡単な質問などで、どうして自らの心理を判った気になれるのか。それでは自らの心を底浅だと言っている様なものではないか。全くもって理解に苦しむ」 「…………」 言葉の端々には、心理テストを「当たる」と言ったマーカスに対する揶揄が見え隠れ。 カチンときたマーカスは、傍の卓にメモ紙を広げ、転がっていたペンでもって、紙の中央に小さな鳥馬らしきものを描いて言った。 「おいシュテル。そんなに言うならこのテストを受けてみろ」 「何?」 「これはお前の可愛い小鳥馬だ。この小鳥馬の周りに柵を作れと言われたら、お前はどうする」 紙とペンを押し付けられたシュテルは、「これの何処が可愛いのだ」「そもそも鳥馬に見えん」などとぶつくさ言いながら、それでもせっせと絵を描き始めた。 どうせ当たりっこないと思っている癖に、その姿は真剣そのものだ。 「お前、本当は心理テストやってみたかったんだろ」 「違う!」 茶々を入れたり怒ったりの後、漸くシュテルが返した紙を見、マーカスは絶句する。 彼の描いた小鳥馬は、背が高くて頑丈そうでしかも狭い柵の中にがっちりと閉じ込められていた。御丁寧な事に、柵の上部まで網のような線で塞いである。 「……お前、何だよこりゃあ」 「柵を描けと言ったのはお前だろうが」 「それはそうだが、これじゃあまるで柵ってより檻だろうが」 何だってこんながちがちに囲っちまってるんだ、と問うとシュテルはさも当然といった様子で 「小鳥馬が害獣などに襲われぬ様にだ、決まっているではないか!」 ……シュテルの発想に暫し呆然としていたマーカスが「小鳥馬」と「柵」の意味するものを教えると、傍で成り行きを見ていたイドロは肩を震わせて笑い、シュテルは顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。 ・ ・ ・ 「なあシュテルよ、本気でやる気か」 「煩い!やると言ったらやる!」 ドスドスと足音荒く廊下をゆくシュテルの後ろについていきながら、マーカスはやれやれと肩を竦める。 この先は執務室。彼らの主にして一族の長、「ガルデン」の居る部屋である。 「何処の世界に、隊長に対して心理テストなぞ仕掛ける輩が居るかね」 「煩いと言っている!」 溜息をついても、シュテルは聞く耳を持たない様子。そう、今のシュテルは手にメモ紙とペンを握り締め、「可愛い小鳥馬」のテストを己が乗り手に試さんとして、執務室に向かっているのであった。 あれほど馬鹿にした心理テストにあっさり嵌められたのが、余程トサカにきたのだろうか。 で、こうなれば死なば諸共と隊長にもテストを迫り、自分と同じ様に恥をかかせる算段だろうか。 しかし、シュテルが恥をかいたのはともかく、それに隊長を巻き込まなくても。 マーカスがそういった内容の事を言うと、シュテルはふっと歩く速度を緩め、「違う」と低く言った。 「……きわめて不本意な事実だが、この心理テストとやらにはそれなりの効果がある様だ。 だから、このテストなら、あのお方が心の底で何を考えているのかが少しでも判るかも知れない、と……」 「……お前と隊長は以心伝心じゃないのか?」 シュテルと長のツーカーっぷりは、彼らが繰り広げる戦いを傍で見ている者ならばすぐに判るほどのものだ。特に自分もリュー使いであるマーカスには、彼らの意思疎通の確かさが稀有なレベルのものであるとはっきり見て取れた。 故に、彼らは互いに対して判らぬ事など何も無いのだろう、と思っていたのだが。 果たしてシュテルは首を振り、実に実に悔しそうに悲しそうに、そして寂しそうに答えた。 「あの方はこのシュテルの全てを理解して下さっている。 だが、己は、未だにあの方の思考の全てを読むことが出来ない……」 ……己の全てを主に捧げ、その手となり足となり鎧となる事を何より望むシュテルにとって、主を理解しきれないというのはどんなにか辛い事であろう。 あの方の心の全てを汲むなど、己では役不足なのかも知れない。それでも主の心がもっと知りたい、と訴えるシュテルの姿に、マーカスは少なからず心を動かされた。 「判った。このテストの解釈の仕方なら色々聞いてきたから、俺も手伝ってやる」 だからそんな辛気臭い顔するな、と言ってやるとシュテルは、しゅんと落としていた顔を上げて 「……仕方ない、手伝わせてやる」 途端に偉そうに戻った口調で言って、(やっぱり慰めなきゃ良かったかも……)と思うマーカスを従えて執務室に突進していった。 「失礼します!」 ばーん、というSE付きでシュテルが執務室の扉を開くと、部屋の主はちょうど書類仕事の手を休めている所であった。 「何用だ」 と、涼しげな眼を細めて突然の訪問者を見やる主。 その視線を真正面に受け、少々怯みながらもシュテルは「お願いがあって参りました」と訴えた。 「願いとは何だ」 視線同様の涼しげな声で、主。其処でシュテルは言葉に詰まってしまった。 今更ながら、この超・現実主義者の主に「心理テストであなたの事をもっとよく知りたいのでこの小鳥馬の周りに柵を描いてみて下さい」などとは言いにくい。鼻で笑われるか、忙しいのに下らん事を言うなと追い出されるか、悪くすれば思考回路の検査を命じられるかも知れない。 「あ……あの……」 もごもごと言い淀むシュテル。主の目が次第に険しくなる。それで余計に硬直してしまった下僕にとうとう痺れを切らしたのか(彼は、大きな戦局を読み流れを掴む為ならば何事に対しても驚くほど気長に待つが、それ以外の雑事に関しては短気で、即時の決断と行動と結果を求める傾向がある)、どんと黒檀の机を叩き「はっきり言わんか!!」と一喝した。 戦闘においては、主のこの一喝がシュテルやその他の部下を奮起させる事も多々あるのだが、どうも今回ばかりは勝手が違う。 反射的に伸ばした背筋を凍りつかせたまま何も言えなくなっているシュテルを見かね、マーカスは仕方なく助け舟を出した。 「ガルデン隊長」 「何だ、マーカス副長」 鋭い目がこちらを向く。思わず首を竦めつつ、マーカスは釈明とも取れる説明を始めた。 「いや、隊長の仕事の邪魔をする気は無かったんですがね。 俺が街で心理テストってのを聞いて、試してみたら結構良く当たるもんで。 それなら、日頃から中々思考を読ませてくれない隊長にも効果があるかもなあって事で」 「心理テスト?」 「ええ。ま、答えさえ聞いちまえば単純で子供騙しに近いもんですし、隊長にとっちゃあそれこそお遊びかも知れませんが、休憩時間の一部を割いて貰えるならば一度やって貰いたいなと…… ……そう、こいつが言うもんですから」 白眼視される事を承知で(肝心の責任はシュテルにあるとさりげなく付け加えて)言ってみる。 と、たいそう意外な事に主は、「ほう」と興味が無くもない様な相槌を打った。 「心理テストか……私の心理に興味があるのか?」 主の多少緩んだ視線に、シュテルは必死でうんうんと頷き、床に膝を着いて机の上にメモ紙を広げ、例の小鳥馬の絵を書き出した。 幼い子供などならば微笑ましくもあろうが、人一倍ガタイのでかい黒い男が飼い主の膝にじゃれる犬の様な姿勢で一心不乱にお絵かきをしている、というこの光景はかなり不気味である。 やがて出来上がった絵(小鳥馬の写真を紙の下に敷いてなぞった様な絵だった)を主に恐る恐る差し出すシュテル。 主はちらと見てからそれを取り、尋ねた。 「これをどうするのだ?」 「そ、その絵に柵を描いて下さい」 「何?」 「その真ん中のは隊長の可愛い小鳥馬って設定なんで、そいつの為に柵を作ってやって下さい」 マーカスのフォローを聞き、「ああ」と合点した様に呟く主。 立ち上がった下僕とマーカスがじっと見る中、彼は寂しそうな小鳥馬を暫く眺め…… 「柵など要らん」 と、何も手を加えず紙を机の上に置いた。 「は……え?」 ぽかんとする部下二人。 何を思ったのか、シュテルが泡を食って主に詰め寄る。 「そ、そんな!ガルデン様の小鳥馬ですよ?柵を作られないのですか?放置ですか?」 何故かいきなり取り乱し半泣き状態になった彼にげんなりしつつ、マーカスは改めて主に尋ねた。 「どうして柵を作らないんですか、隊長」 すると主は、妙な事を訊くな、という風に小首を傾げて見せた。 「この小鳥馬は私のものであろう?」 「ええ……」 「この私が選ぶ程の鳥馬が、柵を必要とする様な凡愚な家畜である筈がないではないか」 ……成程、さすが覇王たらんとする男は、常人とは心のつくりが違う。 マーカスは半ば呆れつつ感心し…… ……取り乱していたのが嘘であるかの様に、ぽーっと頬を染め、莫迦の如く口を開いてとろんとした目で主を見詰めているシュテルに気づき、彼から半歩距離をとった。 そして更に問うてみる。 「……しかし隊長、幾ら隊長の鳥馬とは言え、何かの原因で逃げ出したり、害獣に襲われたりするかも知れませんぜ」 こんな質問はもう心理テストでもなんでもない、とは思ったが何となく興味があった。(どうも鳥馬と自らを勝手に重ねているらしい、自意識過剰な隣の男に対するあてつけの意味もあった) すると主は、「そんな事があるか」と怒る下僕を視線で黙らせ、先ほどまで書類仕事に使っていたのだろうペンを取って、 「そうだな……」 と、紙に何かを描き加えだした。 「……まあ、この私の鳥馬でありながら、そんな真似をする奴が居たとしたら…… こうして、二度と逃げ出せない様な柵を作るだろうな……」 小さな鳥馬を囲う様に出来たのは、意外なほどシンプルな柵……と思ったのも束の間、主はそれにどんどんと手を加えてゆく。 「私の鳥馬なのだから、ひょっとすると空を飛べるやも知れん。だからこうして天井も塞ぐ。 その蹴爪や嘴はひ弱な柵を破壊するかも知れん。だからここは鉄で作る。 地面を掘って逃げるかも知れん。床にも鉄を流しておこう。 魔法くらい使えるかも知れん。魔封じの紋章を埋め込んでやる」 部下達が(特に下僕が)顔色を失ってゆくのも意に介さず、主の柵作りはまだ続く。 「この愚かで稀有な鳥馬を狙って現れる害獣も居るかも知れん。 そんな輩の為に此処に罠を仕掛けよう。 脚を噛み、目を突く様な罠を幾つも仕掛けてやる。 ひょっとすると愚かな鳥馬自身がこの罠に掛かってしまうかも知れんが…… ……いいや、どうしたって奪われる時は奪われてしまうものだ、ならばいっその事、私のこの手で……」 メモ紙いっぱいに地獄絵図を広げていた主。 彼は最後に小鳥馬の上に、ざざ、とバツ印をつけ――――― 「……お前だってその方が嬉しいと思うだろう?シュテル」 嫣然と、しかし隠し様のない恐ろしいものを秘めた笑みを口元に刻んで、己が「馬」を見た。 ……打ちひしがれ、壁に凭れる様にしながらふらふらとシュテルが出て行ってしまった後、未だその場に立ち尽くすマーカスに向けて、主は人の悪い笑みを浮かべた。 「誰も『大事なもの』が『シュテル』だとは言っておらんのにな。……否定もせんが」 そりゃあ確かにそうですが、と冷や汗を拭いつつ答えを返そうとした所で、マーカスはふと気付いて尋ねた。 「『大事なもの』って、隊長はこのテストを最初から知って……」 「ああ」 事も無げに頷く主。マーカスは一気に脱力した。答えを知られているテストほどバカらしいものは無い。 「最初に言って下さいよ」 「何、お前達があんまり楽しそうに訊いてきたのでな、付き合ってやったまでだ」 主がくつくつと笑うのに、マーカスも苦笑を返す。 「おかしいと思いましたよ。 隊長がこんなに単純で浅い心理テストなんかに乗ってくるとは意外だ、と思っていたもんで」 そして、同時に湧き上がった新たな疑問をぶつけてみる。 「隊長は、何処でこの心理テストを知ったんですか?」 すると彼は、唇は笑んだまますっと蒼い目を細めて言った。 「知るも何も、この心理テストは私が作ったものだからな。 娼館の女達の歓心を買う為に」 曰く、街のありとあらゆる情報を握る彼女達から「気に入られる」為に、彼女らの喜びそうなテストを幾つか作って教えてやったのだ、と。 マーカスは、今この瞬間に、あのエルフ娼婦が「知らないの?」と不思議そうな顔をしていた理由を思い知った。 更に駄目押しで 「まあ確かに、例えが露骨過ぎて出来が良いテストとは言い難いし、単純で底が浅くて子供騙しで、正にお遊びの様なものではあるがな」 等と微笑まれて、 (やっぱり隊長の心を覗こうなんて軽く考えるもんじゃない) と悔やみつつ、先ほどの馬と同じ様な足取りで執務室を後にする羽目になったのだった。 ――――― 昔流行った心理テストに、文中のような「可愛い子馬」というものがあったので、それを思い出しつつ書きました。結局ギャロップにしてしまいましたが……!! しかし、アースティア世界に「馬」という動物はいるのでしょうか。 ガルデンはリューの事を「馬」と言っていましたし、姫やイズミらのワゴンを引くメカはあからさまに馬っぽかったですが。 後、冒頭に出てくるエルフ娼婦は、今までにも何度か書いた、1巻に1コマだけ登場するあの娘です。 判り辛くてすみませ…… ――――― 後、ホワイトデーに関係ない話になってしまいごめんなさい。
※時間軸&カップリング混合・現代パラレル・バッドエンド注意※ 029:デルタ 「仕方なく、だからな。別にお前からのプレゼントが嬉しかったからではないぞ」 もう毎年恒例になっているホワイトデー前日のあいつからの電話に、俺は笑って問いを返す。 「仕方なしにでも何でも良いよ。 今年もまたデートしてくれるんだろ?バレンタインのお礼デート」 何処で何をしてもらおうかな、といかにも嬉しそうに独り言の様に続けると、彼はうっと黙り込み、暫くしてからぼそぼそと肯定の返事をした。 「本当に、仕方なく、なのだからな。勘違いするな」 「ああ、判った。そういう事にしておくよ」 彼はまだ何か言いたそうだったが、それを無視して話を進める。 「で、どうする?何時くらいからなら会えるんだ?俺は朝から空いてるけど」 尋ねると、彼は一つ溜息をついてから「済ませなければならない用事があるから、昼以降にしてくれ」と言う。 「用事?」 「ああ……会わなければならない者が……」 俺はピンと来て、殊更低い声で尋ねた。 「お前、俺以外とも『お礼デート』の約束をしてるんじゃないだろうな」 ……さっきより幾分長い沈黙の後、彼は引き攣った乾いた声で「まさか」と笑った。 「デートの約束はしていない……」 「ん?デート以外の約束はしてるのか」 「………」 「ガルデン」 答えを促す様に彼の名前を呼ぶと、観念したのか、やはりぼそぼそとした声で弁解めいた事を言う。 「その……お前からのものと同じ様なプレゼントを貰ったから……ホワイトデーにはお返しをしなければならない、とお前が言っていたし……プレゼントを返そうと思って……」 ……要するに、俺以外の誰かが、俺と同じ様に一ヶ月前に彼にプレゼントを渡していて…… で、律儀な彼は、俺へと同じ様にそれにお返しをしよう、と考えていた訳だ。 ……お返しをされた相手が、それを本命と「勘違い」したらどうするつもりだ。 誰から貰ったか知らないけど俺以外にそんなもん返さなくて良いんだよ、と叫びそうになったが、其処をグッと堪えて、出来るだけ優しい声で言ってやる。 「そうか、だったら一つ、良い事を教えてやるよ。 そのお返しのプレゼントを渡す時に、『これは義理だからな』って言うんだ。 『私にはアデューっていう本命が居るから』って」 ……こいつの本命は俺に決まってるんだから、別に間違ったアドバイスはしていない。 彼はいまいち俺の言っている「ギリ」や「ホンメイ」を理解できていない様子だったが、何度も念押しした結果、とりあえず「判った」と返事をした。よしよし。 「出来るだけ早く切り上げて、連絡くれよ」 「ああ……」 「じゃあ、また明日な」 そう言って電話を切る間際、受話器の向こうから「どうなっても知らんからな」という自棄気味の呟きが聞こえた気がした。 ―――――翌日の昼近く。 今日のデートではどうしてやろうかと色々楽しい計画を立てながら連絡を待っていたところ、突然に玄関のドアチャイムが鳴った。 ひょっとしてガルデンだろうか。 ぴんぽんぴんぽんと連打されるチャイムに、つい慌てて走っていく。 「ああ、今開けるよ」 走ったそのままの勢いで、ドアスコープを覗く事もせず「お待たせ」と不用意にドアを開ける。 瞬間、妙な風圧を感じて、俺は反射的に後ずさった。 ドカッ。 「―――――」 一瞬前まで俺が立っていた場所に、まるで槍投げの槍の様に鉄パイプが突き刺さっている。 何があったのか理解するより先に、俺は咄嗟にドアを閉めようとする――――― が、スチール製の分厚いドアが完全に閉まりきるより先に、僅かに残っていた隙間に何かが挟み込まれた。 指だ。 ガツッ、と見ている方が悲鳴を上げたくなる音に、ドアノブを引っ張っていた力が思わず緩む。 するとその……明らかにガルデンのものではない、黒くて無骨な……指は、今の衝撃に何の痛みも感じていないかの様に、とんでもない力でもってドアをこじ開けようとしてきた。 俺は今度こそ身の危険を感じて、必死でそれに抵抗する。 ……無駄だった。 めきめきと音を立てて歪んでいくドア。破られるのも時間の問題だろう。 腕力や握力には自信がある俺ですらどうにもしようがない、それはまさに人外の力と言って良かった。 冷や汗が噴き出してくる。 「何なんだ、誰だよお前!!」 思わず叫ぶが、返事は無い。ただ、ぐるるる、と獣の様な唸り声が聞こえてくるだけだ。 それに、歯軋りとも何ともつかない、ギギギ、という耳障りな音。 ……誰かは知らないが、相手が常軌を逸しているのは判った。 「勘弁してくれよ……」 徐々に開いていくドアを、それでも悪足掻きで全力で引っ張っていると、何故か昨夜の彼の言葉を思い出した。 ―――――どうなっても知らんからな 「……!!」 これまでより更に強い力でドアを引かれ、俺ははっと顔を上げる。 そして凍りつく。 眼前に細く開いた歪んだドアの隙間から、攣り上がり血走った赤い目が、あからさまな狂気と殺意の光を湛えて俺をじっと見据えていた――――― ・ ・ ・ 「―――――うわあああああ!!!」 悲鳴を上げて飛び起きる。 ……飛び起きた事で、今までの恐怖体験が夢だったと気づく。 いつの間にか眠ってしまっていたらしい。 念の為に恐る恐る玄関に行ってみるが、特に何の異常も無い。勿論、床に鉄パイプも刺さっていなかった。 「………は、はああ………」 疲れきって深々と息をつき、携帯の時計を見る。……昼前。 その時、まるで図った様なタイミングでドアチャイムが鳴った。 「!!」 俺は上げかけた悲鳴を飲み込み、目の前のドアを見つめた。 ピンポーン 繰り返されるチャイム。 上がる息を殺し、足音を潜めてドアに近づき、ドアスコープを覗く。 其処には、夢に出て来た様な奴ではなく、淡い若草色の髪をお下げにした小柄な美少女が立っていた。 ……これだけなら、不審に思いつつもドアを開けたかもしれない。 しかし俺は見てしまったのだ。 少女が、ドアチャイムを鳴らしているのとは逆の手に、大きな鉈(なた)を持っているのを…… 「―――――」 絶句し、硬直する。そして居留守を決め込んでやり過ごそうと、一歩・二歩と後ずさる…… 瞬間、握り締めていた携帯電話が、けたたましい呼び出し音を鳴らした。 ……ほんの数秒の間があいた後、ドアチャイムの形を取っていたアプローチは、遠慮なしのノックとドアノブを回すがちゃがちゃという金属音に変化した。 ああ、そう言えば、用が済んだら連絡してくれって、あいつに言っておいたっけ…… 鳴り続ける呼び出し音と、あの華奢な少女によるものだとは信じたくないけたたましい騒音を遠くに聞きながら、俺は茫然と立ち尽くした。 夢なら早く醒めてくれ。 ――――― 当サイトメイン取り扱いの攻三人(アデュー、パティ、シュテル)が作る三角形の中心にガルデンが居て、三人でそれを取り合う、といった感じのラブコメ王道を書くつもりだったのですが…… 思いもよらず人でなしな話になってしまいました。こんな筈では…… ホワイトデー本番はもう少しまともな(ましな)話を書きたいです。 ああ。
アンジェリークspecial2(主人公が茶髪の方)を夜篠嬢より勧められて、埃をかぶってたPS(PS2はうちには無い)を取り出しいそいそとやってみました。 おおお……設定も演出も台詞もすべてがこっ恥ずかしい……!!(だがそれが良い) ゲーム進行のメインである「宇宙の育成」の勝手が判らず、ちんたらちんたらプレイしている為にまだエンディングは迎えていないのですが、光の守護聖ジュリアスや闇の守護聖クラヴィスをはじめとした、様々なタイプのステキなツンデレさんに早くもウハウハしています。 (※ツンデレ……「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターの事……こちらのサイト様の「ツンデレ初心者の方へ」より) また、「精神」を司る教官にして軍人・偉丈夫・厳つい・傷モノ・最年長の割に相当純情・声が立木文彦氏、と六拍子も七拍子も揃った「ヴィクトール」も、大変な破壊力をお持ちでした。 で、そんな設定に惹かれて好感度や相性をずんどこ上げた結果、彼は「カッコイイ」「頼れる」というより「カワイイ」「守りたくなる(もしくは苛めたくなる)」という「大きな番犬」タイプなんだな……!!と驚きました。キリッとシリアスな表情でおさまっているジャケ絵に騙されていたよ。 最初に書きました通り、まだエンディングにも到達していないのですが、それでも「一回り以上も年の違う主人公に対し、坂を転げ落ちるが如くどんどんメロメロデレデレになっていく」様子は不味いものすら感じます。 また、突然主人公の部屋に訊ねてきてやくたいもない会話をした後、「(またこうやって遊びに来ても)な、いいよな?」と訊いてくる必死さにも目頭が熱くなりました。 表示される顔グラフィックは普通の穏やかな笑顔だったけれど、私はこの台詞に彼の本気を見た気がしたんだ……。 後、「アンジェリーク」シリーズの中で、守護聖たちの力を借りて何かを育てるのが目的のものは須く、下克上萌え要素もあると思いました。 流石コーエークオリティ。
気がつけば2万ヒット、有難う御座います。 歩みの遅い当サイトでは御座いますが、これからもガルデン萌えの旗を掲げてアレやコレやを頑張ります。 ――――― ネットに使用する回線を光ファイバーに変えました。 それに伴いプロバイダも変更致しましたので、これまでの当方のプロバイダメールアドレスは、今月いっぱいで使用できなくなります。 何か御用等御座いましたら、当サイトにも記載のホットメールのアドレスか、御存知の方は携帯の方にメールを送って頂ければ……!と思います。 お手数お掛け致しますが、どうぞ宜しくお願い致します。 ――――― 新しい環境でネットに繋ぐべくケーブルや説明書の海で溺れていた時に思いついた話。 シュテルの角は避雷針(?)みたいに雷の力を集めたりする為のものじゃないかと勝手に考えているのですが。 実はこんな能力もあれば便利だなあと思いました。 エルドギアとの技術提携により、下り最高1000Mbpsを約束。その内光の速さをも超えて過去や未来にもアクセス出来る様になる予定。(これはどちらかと言うとゼファーの管轄か) 関係ない話ですが、シュテルがもし何らかのサイトを作るなら、トップページから激重フラッシュ使いまくり(音も鳴らしまくり)のごてごてしたものになるのではないかなと思いました。
SPITFIRE様のシュテル紹介記事がとても素晴らしかったです! シュテル可愛いよシュテル。 最近、様々なサイト様でステキなシュテル(の話題)をお見かけする事が多くて、とても幸せです。 遂に来るか、シュテルブーム……。(何だろうそれは) (以下ティアダナーンネタバレ含む) ……シュテルなら、黒かろうが白かろうが尻尾が生えていようがとげとげしていようがどれでも魅力的だと思うのですが、ただ一つ、ティアダナーンの闘い第一章の冒頭に出てきた中年男の声にだけは未だに少し馴染めないでいます。 あれはナビアがシュテルを通じてアースティアのリューに呼びかけたもので…… という事は、あの声はシュテルのものだと(シュテルがナビアの言葉を代弁しているのだと)考える事も出来るわけで…… ……う……うーん……デフォルトの鳴き声が野獣の如き唸り声であるシュテルにしては、ちょっと口調が平坦&声質が高過ぎないか……(平坦なのは『機械音声』っぽくしているのだと思いますが) OVAゼファーがあんな良い声しているのにさあ……!! いや、でも、「リューは事と次第によっては人間の使う音声を発する事が出来る」というのが判るだけでも素晴らしいシーンだけどね!! ハグハグの願望の岩のアレといい、邪竜族が人間に化けられる設定といい、リューナイトは異種族間交流に優しいアニメですね。
昨日紹介しましたフリーゲーム、「D-MASTER」なのですが……。 (以下ネタバレ(?)・微妙にスプラッタ注意) 某所、地下迷宮建設予定地にて、銀髪の主と異形の下僕が何やら話し合っている。 「……ガルデン様、此度の迷宮は如何致しましょうか」 「うむ、最初からやたらと規模を大きくしても、侵入者共の動向を見ているのに気をとられて、罠や配下の怪物共まで目が行き届かんしな。 とりあえず深さは地下三階まで、部屋は各階10個ずつで良かろう」 「はっ、承知致しました。して、その罠や魔物はどの様に……」 「そうだな、此処に『腐人(ゾンビ)』、此処には『突刃(突き出す刃)』を配置しよう。『突刃』は維持コストが低い罠の割に、侵入者共への効果が高いからな。多めに配置しておけ」 「侵入者共をおびき寄せる『宝物』は何処に配置致しますか?」 「今は配置する必要はない。 こちらの手勢や資金源がまだ乏しい内は、置いておいた所でそう大した効果は無いし、しかも盗賊どもにすぐに盗られてしまうのだから」 「ははっ。 それではガルデン様、今こそ新たな死の場を創り出し、無機質なる無情と死呼ぶ使い魔共の召喚を」 下僕に促され、主はその三日月の様な唇から、禍々しく響く言霊を二十、三十と零す。 その「力ある言葉」は、幾許かの「資源」(それは例えば、配下の魔物や敵対する冒険者から絞り取った血や魂などだ)を代償に、主の望んだ通りの地下迷宮をこの世に顕現せしめた。 下僕は、主の大いなる力への崇拝の念と、これから訪れる歓喜の刻への喜色をない交ぜにした表情で以って、主の前に跪いた。 「……時は満ちました。 血肉と罠、魔物と宝物の上に君臨せし我らが主よ、あぎとの開かれたこの迷宮にて、さもしく愚かな冒険者共に死出の制裁を……」 「ガルデン様ー」 折角カッコつけてキメようとした所で、何とも緊張感の無い横槍を入れられて、下僕は「む……」と渋面を作った。 それも意に介さず、主の下に馳せ参じてきたのは、やはり下僕と同様に主の下に仕えている死霊術師の魔女である。 「うん?イドロではないか。どうした?」 「いえ、風呂の用意が出来ましたのでお知らせに参ったのですが……」 「ああ、そうか……もうそんな時間だったか。 ……シュテル!」 「は、はい、何でしょうか」 悪い予感を覚えつつ、下僕は主を仰ぎ見る。 それを睥睨し、主は偉そうにとんでもない事を命じた。 「私は小一時間ほど風呂に入ってくるから、その間この迷宮に異常が無いか見ていろ」 「ええっ?!そ、そんな、何を仰るのですか!!もうすぐにでも侵入者共が現れるというのに!」 「最初のうちはそう大したことの無い奴らばかりだから大丈夫だ、盗られるようなものも無いしな」 「そういう問題ではありません!この迷宮の主はガルデン様唯一人、何か異常があったところで、しもべでしかないわたしにはどうする事も……」 いきなりふってわいた災難に慌て、必死で訴える下僕。 しかし主は大物の余裕で、それをばっさり切り捨てる。 「まあ、駄目になった時は駄目になった時で、その経験を生かして次に挑戦すれば良かろう。 ともかく私は風呂に入ってくるからな、呼びに来たりするなよ」 「が、ガルデン様ーー……」 情けない叫びに、遠ざかる主と魔女の足音が被さる。 しばらく呆然としていた下僕だったが、やがて、迷宮に押し入ってきた冒険者達とそれを迎え撃つ配下の魔物達が争い合う物音、更に仕掛けた罠の炸裂音まで耳にして、 (せめてこの迷宮がどの様な末路を辿るかを記録しておかねば……) ……と、悲壮極まりない決意を胸に現場へ向かったのであった。 小一時間後 ……ほこほこと温まった体を寝間着と半纏で包み、銀髪の半エルフが風呂場から出てきた。 片手にスポーツドリンク、もう片手にバスタオルを持って、ゴキゲンな様子である。 「……ふう、良い湯だった」 湯冷めしない内に寝よう、とぺたぺたスリッパを鳴らしながら寝室へ向かう。 と、其処に物凄い勢いで下僕が走ってきた。 「が、ガルデン様!大変です!!」 その姿を見た瞬間、自分が彼に地下迷宮を任せていた事を思い出した半エルフは、途端にきりっと「主」の顔になり、落ち着き払って尋ねた。 「騒々しいな、何があった?やはり駄目になったか?」 すると下僕は(湯上りの熱で少々潤んだ眼差しや、いつにも増して瑞々しく血色の良い肌、濡れて乱れた細い髪などに少なからず動揺しつつも)「し、失礼致しました」と姿勢を正し、深呼吸を一回してから改めて口を開いた。 「じ、実は―――――」 ……下僕の報告に、(冷えるといけないからと魔女に防寒着を着せ付けられてから)急いで馳せ参じた地下迷宮は、それはもうとんでもない有様になっていた。 まず、妙に静まり返った迷宮内の其処彼処に仕掛けられた罠や魔物。 コストは良いがそう大した威力は無かった刃の罠は、幾千もの血と魂を啜った挙句、発動した瞬間に哀れな獲物の体力の実に四割を奪ってしまう凶悪無比な死の剣と成り果て。 やはりコストは良いもののそう強くもなかったゾンビ兵達は、戦の場数を踏んだからか浴びた血から生気を奪ったか、敵の体力を最高で七割近く奪う極悪非道な攻撃力を身につけていた。 また、二千弱ほどしか残っていなかった筈の「資源」は、どうした事か八万九千余りに膨れ上がり、最初はゼロからスタートしたこの迷宮の「知名度」や、同じ闇に棲む者共からの「評価」も、五万だの十万だのと恐ろしい数値を示している。 たった一つしかなく、しかもどうせ盗まれるだろうからと倉庫にしまっておいた「宝物」は、刃の露と消えた侵入者達が落としたものか、現存する限りの全ての種類が所狭しと並べられていた。 そして――――― 「……何だ、これは」 表情を作るのも忘れてぽかんとしている主に追い討ちをかけるのは、下僕が必死で作成した「侵入者」達のリスト。 最初はレベル1や2の初心者(ノービス)や剣士、僧侶、魔法使いなどばかりであったのが、どんどんと高ランク・高レベルのものになってゆき、最後には「剣王」だの「天王」だの「魔王」だのと各職業のマスタークラスがずらっと名前を連ねている。 まさかそんな筈は、と迷宮内の隅に置き去られた侵入者達の成れの果てを検分してみるが、どれも今ではボロボロに傷つき汚れながらも、嘗ては素晴らしい物であっただろうと判る程に立派な装備をしている。 ……下僕の記録に間違いは無いわけだ。 「……最初は確かに、あなた様の仰る通り、取るに足りぬ無謀者ばかりが踏み込んでまいりました。 が、彼奴等を屠っている内に罠や魔物は力を増し、周辺にも『あの迷宮は一度入れば二度と出られぬ』との噂が流布し…… その為、ただの向こう見ずばかりでない、腕に覚えのある者共がやって来るようになりまして……」 普通ならば、その時点でこの迷宮は制圧されて終わりなのであろう。 「迷宮の主」による新たな罠や魔物の召喚、細かな判断や策を仰げぬ状況で、どんどんと勢力を増す侵入者共に抗うのはとてつもなく難しい。 だが、この迷宮はどうやら、初歩も初歩の罠と魔物、浅い階層と少ない部屋だけで、死をも恐れぬ連中の猛攻を防ぎきったらしい。 「……ラッキーだったな」 「斯様な事、運や偶然だけで成し得る事ではありませぬ。 最初の段階での、あなた様の罠や魔物の設置が絶妙であったからでありましょう」 と、下僕が血や灰に塗れた冷たい床に膝を着いた。 それを見たか、魂無き筈のゾンビ兵までもが一斉に跪く。 「な……何だ?」 只ならぬ様相に気色ばむ主に、下僕は深々と頭を垂れ、告げた。 「我らが主よ、今このとき死招く者達の王として主が選ばれました。 此度より王として、あらゆる厄災を遍く全てに・・・」 「な……何……?」 またもぽかんとする主に、顔を上げた下僕は苦笑を浮かべる。 「『評価』が既に十万を超えたのを、御覧になったでしょう」 「あ、ああ……」 「あなた様と同じ道を歩む彼方此方の『迷宮の主』達は、この悪魔の業とでも言うべき『偉業』に畏怖と敬意をあらわし、あなた様こそが己らの頂点に君臨する『迷宮の王』……『ダンジョンマスター』である、と認めたのです」 「…………」 まさか風呂に入ってのんびりしている間に、そんなどえらいものに祭り上げられるとは思ってもいなかった主……王は、言葉も無く目をぱちぱちさせた後、ひとつ大きな溜息をついた。 「……シュテル」 「何でしょうか、我が王よ」 「とりあえず……これからどうしたら良いのだ?」 途方にくれた王に尋ねられ、下僕は小さく笑った。 「それは無論、このまま技を磨き、迷宮の王として君臨し続けるか…… または、同類共からの評価を撥ねつけ、今一度迷宮の構成からやり直す事も可能です」 如何致しますか?と逆に尋ねられた王は、また溜息をついて、 「……とりあえず、一晩寝てから考える……」 言い終わると同時に、迷宮中に響くようなくしゃみをしたのだった。 そんな訳で、ちょっと油断して目を離すと(普通とは違う意味で)えらい事になるゲームだったのでした。 太字部分はゲームからの引用です。不覚にもこれを見た時はちょっと感動してしまいました。 取り敢えず、最初から最後まで吃驚するほどのやりこみ主従ゲーだったという事で……
フリーゲームThe Shop2が面白い。 ファンタジー世界で武器屋さんを経営するシミュレーションゲームなのですが、「仕事中や勉強中に他人に気付かれずこっそり楽しめる」様に、いろんな工夫がされています。ちまちまとセーブなんかを繰り返しつつのんびり遊ぶのに最適。 経営シミュレーションと言えば、D-MASTER(リンク先NO.190の作品)もお勧めです。 ファンタジー世界設定(であろう)というのは同じでも、こちらで経営するのは悪の巣窟、モンスターと罠が蔓延るダンジョン。 プレイヤーはダンジョンマスターとなって、モンスターや罠、そして冒険者達をおびき寄せる財宝などをダンジョンに配置し、財宝を掠め取らんとしてのこのことやってくる愚かな冒険者達をアレしてゆく……というゲームです。 このゲームの特徴は「モンスターや罠、冒険者など全てのものがテキストと数値で表示されている」という事。 画像は全く無いため、プレイしていると「ああ、このモンスターはきっとこんな外見だな」「このやたらと素早い侵入者はこんな奴だろう」「この財宝は名前や効果などから考えて、きっとこんな感じに違いない」などなど、否応でも想像力を働かせてしまいます。 で、ゲーム中、プレイヤーには色々なアドバイスやヒントが提示されるのですが、それが 「我らが主よ、何なりと申しつけください・・・」 「本日より貴方は我らが主 生あるものの血肉より死を呼び覚まし、愚かなる侵入者に死出の制裁を・・・」 「我らが主よ、土足で我らの世界へ踏み込むことの意味を刻んでさしあげましょう・・・」 などなど、どれをとっても主従属性爆発。 前述の様にこのゲームは最小限のテキストと数値で構成されているので、「この迷宮はきっと銀髪黒衣の麗しい覇王が、可愛い下僕と一緒にニヤニヤほくそ笑みながら経営しているに違いない……!!」なんて妄想に浸る事も可能なわけです。 こういった「ゲームそのもの以外の面での美味しい所」では、母体となったゾンビヴァイタルをも超えているのではないだろうか、と勝手な事を考えておりました。 ゾンビヴァイタルも面白いけれど、「主よ…」とか呼びかけられるD-MASTERのいじらしさには敵わないよ……!(凄い評価) 因みに「D-MASTER」のレビュー兼攻略まとめページはこちら。 次はrogueをやろうかな。
リュー紹介まだかな〜 いろんなサイト様の更新を楽しみにする気持ち、というのはとても幸せなものでありますね。 こんばんは、TALK-Gです。 幸せ、でふと思い出したのですが。 小さい頃、私はチョコレートやケーキ、アイスクリームなどの甘いお菓子が大好きでして。 食べている時は、その前後にどんな事件があろうと、まず間違いなく幸せだったのでありました。 しかも、小さい子供の欲望というのは恐ろしいもので、子供には十分な量がある明治の板チョコレートなどをかじりながら、それでも尚「このチョコレートがもっと大きかったらいいのに!」などと夢を見ていました。 で、バレンタインデーの時期になると、スーパーなどで必ずと言っていいほどノーマルサイズの十倍くらいでかい(でも包装のデザインなどは同じ)板チョコが売ってあるのを見かけますが。 あれを初めて見た時には、雷が落ちたような衝撃と共に、私の理想そのものだ!あれを是非独り占めして食べたい!と強く強く思ったのです。 しかしそのチョコ、流石に小さい子供にとっては高額ですし、親に「あれ買って!」と駄々を捏ねるのも気が引けましたので、いつも指を咥えて「いつかきっと……!」と見つめる他に無かったのです。 それから月日が流れまして。 今では子供の頃憧れたその特大チョコも、乏しいながら自分で稼いだお金でもって、買える様になった訳ですが。 皮肉なもので、甘いものが駄目になった今の私は、それを買いたいとはこれっぽっちも思わないのでした。 嗜好の変化や価値観の変化などを考えれば、別に何もおかしくない、寧ろ「よくある事」なのですが…… しかし、子供の頃にどれほどそのチョコレートが食べたかったか、という事まで忘れてしまった訳ではないので、何だかこう……大事な夢をひとつなくしたような、寂しい気分になります。 「芋粥」のように飽きるほど食べて嫌になったのなら、そう寂しくもならないのでしょうが。 バレンタイン特設会場の華やかさやいちゃつくカップルの空気に当てられ、侘しさまで倍率ドンです。 出来る事ならば、小さい頃の自分に大好きだったあれを買ってあげたい。と、叶うはずも無い夢を見ながら一人で勝手に感傷的になってる春浅い夜の出来事でございます。 子供心には、ビエネッタも憧れと夢のお菓子でした。 豪華で高価なとっておきのアイスクリームケーキ、という位置づけだったのです。 皆様には、そういった「憧れのおやつ」はありますか。
ひな祭りですね! 雛壇は飾りましたか?白酒は飲みましたか? 早速ちらし寿司を作ろうとしたら、母の買ってきた刻み海苔に引き立て上手なんて商品名がついていていきなりウンザリしました。 黒い引き立て上手。磯の匂いのするアイツ。 初っ端からひな祭りの桃色気分ぶち壊しな事を書いていますが、やはり今日は女の子の節句という事で、女性キャラについて語ってみたいと。 そう……ガルデンの母さんとか……。(それは桃の節句の主役たる「女の子」ではないのではないか) ガルデンの母さんといいますと、皆様はどんな女性を想像されるでしょうか。 メルやソフィー母の様な「神秘の力を持つ聖母」系? マーリアやジェノバの様な「自ら戦う女王」系? TVイドロの様な「暴君のアグリピーナ」系? で、その女性の種族は何なのでしょうか。 普通のエルフ?ハイエルフ?ダークエルフ?人間?邪竜族?魔族? 個人的には、これが「誇り高い女性騎士系邪竜族」の女性だったら良いなあと思っています。 そう、例えばこんな感じで。 母: 「良いか小僧!!お前はこの私と闇の魔法一族の長の間に生まれた子供なのだ!!それが最強でない筈が無い!! 強さを誇れ!血筋を誇れ!!卑しき亡者共の言葉に耳を貸すな!!! このアースティアの未来を導く覇王となるのはお前だ!!」 子: 「じゃあ、じゃあ、わたしがはおうになったら、かあさんはうれしいか?」 母: 「ああ嬉しいとも、お前がお前の生き様を貫き、誰にも負けない騎士になるのが私の夢だからな!」 子: 「じゃあ、じゃあ、とうさんもよろこぶか?」 母: 「無論だとも! あいつは己の比類なき剣技と魔術を、誰よりもお前に受け継がせたいと願っていた。結局、願いが叶う前に、奴は逝ってしまったが…… お前を見ていると、奴の面影や剣の冴え、魔術の巧みさが時折顔を覗かせてな。 まだこんなに幼いのに、と、実はしばしば驚かされているのだ」 子: 「かあさん……」 母: 「……ふっ!まあ、槍の扱いや空中戦では、バルキリーたるこの私に敵う奴ではなかったがな! それに、お前には奴と私から引き継いだ無限の可能性がある。 お前はいつか、奴も私も超える最強の魔法騎士になる筈だ!! だから小僧、もっともっと戦って強くなれ! 誇りと力を身に纏い、千年・二千年と歩む事になるであろうこの世界を、あのアースブレードから見下ろせる程の男になれ!!」 子: 「かあさん…… わかった、わたしはこのせかいでいちばんつよい『はおう』になる!!」 母: 「よーし小僧、良くぞ言った!! それでこそ誇り高き覇者『ガルデン』の名を継ぐ者だ!! 奴もあの世からお前を見守って、感動の涙を流しているだろうよ!! いや、こんな肝心の時に傍に居てやれなかったという悔し涙か? クッ、ザマを見ろ我が夫!我らのガキがすくすくと育ってゆくのを草派の陰から指を咥えて見ているが良いわ!! ハーーッハッハッハッハッハーーー!!!(仰け反り笑い)」 子: 「は……はーーっはっはっはー……(少しヒきながら真似っこ)」 こう……TV版ガルデンみたいなイッてる女性だったら面白いかなあと…… お嬢様育ちの激情家で、皇族にも血縁がある様なサラブレッドで、プライドが山より高くて、我儘で騒々しくて、気まぐれで、でも一度惚れたひとにはとことんついていく女性。 で、お父さんが漫画版ガルデンの様な、苦労性だけどシニカルで気障で飄々として、めったな事では動じない男性(闇のハイエルフ希望)。 邪竜族の騎士だった彼女とアースティアの闇の一族の長だった彼、言わば敵同士の二人がひょんな事から出逢って、衝突を繰り返して、次第に惹かれあって、どうしようもないバカップルになった所で生まれたのがガルデン、と。(ヒー) ガルデンはこんな両親から多大な影響(刷り込み?)を受けて育ったので、イドロの手に落ちた後も「わたしははおうになる!!」と駄々を捏ねまくって言う事を聞かなかった、とか。(おかげで邪竜族の従順な手先にしようとしたイドロの思惑丸つぶれ) で、シュテルはもともと父親(ガルデン一族)のリューであったところに、イドロ辺りの手によって、母親のドゥームを融合されて今の姿になった、とか。(お陰でシュテルまでイドロの命に従わなくなり、大誤算) 二次創作では、TVガルデンママはガルデン一族の皇女様、という説を一番よくお見かけしますが、こんな風なアレな邪竜族のバルキリーなんかもいかがでしょうか、という事で…… 突き詰めて言ってしまえば、TVガルデン(特に初期)と漫画ガルデンの相性も良いんじゃないかな、という…… 桃の節句からは遠く離れた話になってしまいました。 ――――― 今日の落書き。 ……なにこれ……? 多分アレだ、「エルドギア学園」に、白竜学園長の強力なラブコール(実質は引き抜き)を受けた、ライバル高校邪竜学園からの転入生がやって来るんだ。(エ学園は男子は学ラン指定なのに、そいつだけ前の学校のブレザーを着ている)で、無愛想というか他人に関心を持っていない様子の転入生が早く学園になじめるように、ゼファー生徒会長が色々と世話を焼くんだ。でも彼らと同じクラスのマジドーラ学級委員長にとってはそれが面白くない(というかこの転入生が好きじゃない)から、この三人の間ではすぐに喧嘩が起きるんだ。他のクラスメイトや学園長もほとほと困っているんだ。 でも或る日ゼファーとマジドーラは、いつも鉄面皮で冷たい目をしている転入生が、少し恥ずかしそうに、でもものすごく嬉しそうにふやけた表情で、綺麗な銀髪の少年と一緒に歩いている所を目撃してしまうんだ。そこから三人の関係が微妙に変わっていくんだ。 でも三人仲良しになるかというとそんな事は無く、マジドーラと転入生は大人になってからも反発しあっているんだ。 妄想だらけの話なのに、変な所だけリアルで困るんだ。 リューで学園ものは想像し易いけど、擬人化となると話は別なんだ。 というか、ゼファーの擬人化は果てしなく難しいんだ。
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