doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 「初代 若松若太夫展」開催中

「初代 若松若太夫展 哀切なる弾き語り−説経節−」が、4/25(火)から6/25(日)まで東京の「東村山ふるさと歴史館」で開催される。入場無料(月曜休館)。
それに伴い、5/14(日)と6/11(日)には、三代目 若松若太夫による説経節の公演が同館で予定されている。こちらも入場無料とのこと。

説経節 若松若太夫(初代若松若太夫による「葛の葉」の試聴、CD-R購入等)
説経節とは(小沢昭一が語る説経節、二代目若松若太夫など。中西和久主宰の劇団『京楽座』より)
中西和久の「ひとり芝居」による「説経節三部作」(劇団『京楽座』より)














2006年04月29日(土)



 CD『ジョアン・ジルベルトの伝説』復刻

ジョアン・ジルベルトとレコード会社の間で係争中のため長らく廃盤となっているCD『The Legendary Joao Gilberto − The Original Bossa Nova Recordings(1958−1961)』(邦題『ジョアン・ジルベルトの伝説』)が、5月下旬に「EMI-KOREAの主導で正規リイシュー」されるらしい(『週末JAZZのページ』2006年4月21日付より)。

1990年にアメリカでCDとして発売された『ジョアン・ジルベルトの伝説』(1993年日本盤CD発売)は、ジョアン・ジルベルトのキャリア初期にあたるオデオンでの3枚のアルバムとEP盤の音源を収録した全38曲から成る。『Chega De Saudade』(1959年)、『O Amor, O Sorriso E A Flor』(1960年)、『Joao Gilberto』(1961年)というジョアン・ジルベルト最重要期の3枚のアルバムが聴けるCD(≒3イン1CD)であるのだが、収録曲の順番がメチャクチャなうえ、曲も短く編集されているといった問題点があるらしい。

ジョアン・ジルベルトのオデオンでの3枚のアルバムは、2003年にSACDハイブリッド・ディスクとして発売予定という情報があったものの、残念ながら実現しなかった。ジョアン・ジルベルト及びボサノヴァの必聴盤であるオデオンでの3作が容易に聴けない状況が続くなか、CD『ジョアン・ジルベルトの伝説』の復刻は朗報と言えそうだ。ただ、訴訟問題などのため、実際に発売されるか予断を許さないと思うし、発売されたとしても即廃盤となるかもしれない。

→5/17追記ディスクユニオンのWEB上でも予約開始、「5月末発売がほぼ確定」らしい(「新宿本館ラテン/ブラジル・フロアmail情報」5/16付より)。

→5/22追記右の画像は、予定通り発売されたEMI KOREA盤。ディスクユニオンでは「5/20(土)より発売開始」となった模様。

2006年04月23日(日)



 トップページに掲載した作品 Vol. 16

プリンスの1987年発表作のDVD『サイン・オブ・ザ・タイムズ』(2/25発売の日本盤, 初DVD化, 公式デジタル・リマスター, 日本語字幕入り)
キース・ムーンが1975年に発表した唯一のソロ・アルバム『Two Sides Of The Moon』(2/24発売の日本盤, オリジナル特殊「穴あき」デザイン復刻の紙ジャケット仕様, 国内初CD化[直輸入国内盤を除く], 2006年国内リマスター音源使用, 試聴
ジョン・エントウィッスルの1971年発表の1stアルバム『衝撃 !! − Smash Your Head Against The Wall』(2/24発売の日本盤, 紙ジャケット仕様, 2006年国内リマスター, 「Heaven And Hell」収録, 試聴
ピート・タウンゼントが1983年に発表した2枚組デモ集『Scoop』(2/22発売の日本盤, 2CD, ピート自身による解説の翻訳付き, 紙ジャケット仕様, 試聴

ユッスー・ンドゥールのDVD『Live At Montreux 1989』(2/22発売の日本盤, 全117分, 1995年に同フェス出演時のパフォーマンスから約29分追加, 英文ライナーの対訳付き, 来日公演8/5&6決定)
“アラブ歌謡の女王”ファイルーズが、レバノン内戦下の1983年に制作、4年後に発表した欧米ポップス色全開の問題作『愛しきベイルート − Maarifti Feek』(2/5発売の直輸入盤, 試聴
プリンスの新作『3121』(3/20発売の日本盤, シングル「Black Sweat」のPVのフル視聴
9年の歳月をかけて作られたチャールズ・ミンガス(1922-1979)のドキュメンタリー映画で、1998年サンフランシスコ国際映画祭ゴールデン・スパイアー賞受賞のDVD『Triumph Of The Underdog』(2/2発売の日本盤, 監督:ドン・マグリン, 日本語字幕付き, 78分)


スイスのピアニスト/作曲家・ニック・ベルチュのECMデビュー作『Stoa』(3/15発売の日本盤, 試聴
ルー・リードのDVD『Live At Montreux 2000』(3/22発売の日本盤, 約123分)
ジャパンのプロモ7曲と、1982年11月のロンドンでのライヴ映像作品『Oil On Canvas』を収録したDVD『The Very Best Of』(3/29発売のEU盤, リージョン・フリー, 約84分)
Joe Cocker Mad Dogs & Englishmenの1970年3月27日の1st&2ndセットと、翌28日の1st&2ndセットを収録した6枚組CD『The Complete Fillmore East Concerts』(Hip-O Selectから3/17発売のUS盤, 2,500セットの限定盤)


カサンドラ・ウィルソンの新作『Thunderbird』(4/4発売のUS盤, プロデュース:T-Bone Burnett, 試聴
ヴァン・モリソンの『Pay The Devil』(3/7発売のEU盤, 試聴
ブライアン・イーノ+デヴィッド・バーンが1981年に発表した傑作『My Life In The Bush Of Ghosts』(4/8発売のUS盤, CD Journal.com, 試聴視聴)
安東ウメ子さん(1932-2004)のDVD『けうとぅむ − ウメコウポポ全曲集』(4/10発売, 「ウメコウポポ全曲集」70分+「ウポポ録音風景」30分, 制作数800枚, 購入先:幕別町教育委員会など, 「幕別めーる」4/6付

2006年04月18日(火)



 安東ウメ子さんのDVD発売

故・安東ウメ子さんのDVD『ウメ子ウポポ全曲集 けうとぅむ』が完成した。制作はマクンベツアイヌ文化伝承保存会と幕別町教育委員会で、4/10(月)から幕別町教育委員会などで販売されている。

アイヌ音楽伝承に尽力、故安東さんの歌声 幕別の団体などDVD制作(『北海道新聞』2006年4月7日付 )

DVDは、2003年12月から亡くなる約4ヶ月前の2004年3月まで(注)に安東ウメ子さんがこの世に遺したウポポ(アイヌ語で歌の意)全31曲を収録。ウメ子さんが保存会の余興やライヴでも披露したことのある、アイヌ語による「北国の春」も入っているそうで、ウメ子さんの姿はもちろん、録音時の映像や十勝の自然風景も収められているとのこと。

DVDの値段は3,000円(+送料)。制作数は800枚。私は4/10(月)に送金したので、DVDは早ければ今週末あたりに届くだろうか(→追記4/15到着)。

アイヌ文化・ウポポの伝承者 故安東ウメ子さんの歌声後世に 〜(十勝メールドットコム[幕別町めーる]2005年2月26日付)
→4/14追記故安東さんの世界を後世に DVD「けうとぅむ」製作(十勝めーる[幕別めーる]2006年4月6日付)
→(注): 『北海道新聞』2006年4月7日付の「○四年三月までの録音」は誤りで、実際は2004年4月23日までの録音を収録している(DVD入手により判明)。

→4/30追記DVD『けうとぅむ』の感想
DVD『けうとぅむ』は、安東ウメ子さんの熱心なファンの方なら、是が非でも入手しておくべき作品である。制作数800枚の完売後、再プレスされる保障はない。

ウメ子さん最晩年の闘病中における録音ながら、あの自然体で揺らぎのある優しい歌声は、本DVDでも健在。なかでも、ラスト・レコーディングとなった2004年4月23日(亡くなる約3ヶ月前)の、「マツエヤイサマ」(即興曲, 荒田マツエ伝, 『イフンケ』収録の「ヤイサマ」と同曲)を歌うウメ子さんの姿をとらえた映像でのウポポは、本作のハイライトと言えるくらいに素晴らしい。このシーンには、ウメ子さんのウポポの神々しさまでもが真空パックされている。
なお、本DVDにムックリ(アイヌ民族の口琴)の演奏は入っていない。トンコリ奏者のOKIとウメ子さんのコラボレーションでは取り上げられなかったウポポは、7曲収録されている(アイヌ語による「北国の春」を含む)。

ところで、DVD『けうとぅむ』はいろいろと不満のある作品でもある。大きく分けて3つ挙げておこう。
1つめは、DVDの本編である「ウメコウポポ全曲集」(70分)には、ウメ子さんの映像は一切収録されていない。北海道十勝地方の四季の自然風景にアイヌ民族の儀式や踊りなどを挿入した本編映像も悪くはないが、DVDの特典映像で追加収録的な「ウポポ録音風景」(30分)と同じように、ウメ子さんの歌う姿とウメ子さんの魅力の一つであるトークのみで構成すべきだった。

2つめは、DVDの本編「ウメコウポポ全曲集」(70分)におけるウメ子さんの歌声には、リヴァーブが施されている。曲によって程度の差があるが、リヴァーブの作為的な響きが耳に付くウポポもある。ウメ子さんのウポポを永久保存し、後世に伝えるという本作の趣旨と、リヴァーブなしの「ウポポ録音風景」(30分)での歌声から判断すると、リヴァーブは不要に思える。そのうえ、本編映像には、ウメ子さんのウポポに鳥のさえずりや川のせせらぎなどの音が、擬似フィールド録音/効果音風に被せてある曲も多い。これらは、あまり気にならないとして受け入れる方が多いかもしれないが、個人的には初めて本作を見た時はもちろん、現時点でも違和感があるのは否めない。

3つめは、安東ウメ子さんが逝去されたのは「2004年7月15日」と新聞等で広く報道されているが、「ウポポ録音風景」(30分)のエンディングの画面には「2004年7月14日」と出てくる。これは誤りではないか。さらに、人の名前も正確に記すべきと私は思う。DVDのパッケージ等において、「ウメ子ウポポ全曲集」ではなく、「ウメコ〜」とカタカナで表記してあるが、いかがなものか。

以上、いろいろと不満はあるものの、ウメ子さんの真の遺作であるDVD『けうとぅむ』をほとんど毎日見ている。大腸がんという病にも関わらず、亡くなる直前まで歌い続け、貴重なウポポをこの世に遺してくださった安東ウメ子さんに改めて感謝している。

2006年04月10日(月)



 『伊福部 昭 追悼コンサート』、4/7 けやきホールで開催

2/8に逝去された作曲家・伊福部 昭先生の追悼コンサートが、4/7(金)に東京・代々木上原のけやきホール(古賀政男音楽博物館)で開催される。
主催は東京音楽大学付属民族音楽研究所。プログラムは「北方諸民族に取材した歌曲を中心」としたものになるらしい。入場無料。

プログラム
1.ピアノ組曲(日本組曲) 1933年
2.ギリヤーク族の古き吟誦歌 1946年
3.サハリン島先住民の三つの揺籃歌 1949年
4.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 1985年
5.朗読「昏れるシレトコ」「オホーツク海」 詩/更科源蔵
6.オホーツクの海(女声合唱版 編曲 甲田潤) 1958年/2005年
7.アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌 1956年

出演: Sop. 弓田真理子, Vn. 戸塚ふみ代, Timp. 長谷川友紀, P.f. 荒井滋美 中井徳子 森 浩司, 合唱 Chor June, 朗読 木部与巴仁

伊福部昭氏を悼む 木部与巴仁(文化ジャーナル3月号, 徳島県『北島町HOMEPAGE 文化ジャーナル』)

2/8の伊福部 昭先生の逝去に際し、テレビで追悼番組が放映されるはずと思い、新聞のテレビ欄などを本日まで毎日隈なくチェックしてきたが、徒労に終わった模様。トリノ・オリンピックの開催と重なったことも影響したのだろうか。特にNHKでの放映に期待していたのだが。
左の画像は、伊福部先生の追悼記事を掲載している『レコード芸術』4月号,『音楽現代』4月号,『映画秘宝』5月号。
ここ2ヶ月の間、音楽を聴く時間の半分は伊福部先生のCDを聴いている。

2006年04月04日(火)
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