doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 小林ハルさん、安東ウメ子さん、西平ウメさん

盲目の女旅芸人・瞽女(ごぜ)の小林ハルさん(1900-2005)のCD-R『瞽女 小林ハル 母の墓前で涙の絶唱』が発売されている(企画・制作 小林ハル瞽女唄保存会, 製造元 燕三条エフエム放送, 1,200円)。
数日前、『燕三条エフエム放送』に購入希望のメールを出したものの、返信がないので心配していたところ、本日帰宅したらいきなり商品が届いていた。

収録されているのは、
1.祭文松坂 阿波の徳島十郎兵衛のうち「おつる母子出会いの場」(23分30秒, 昭和57年3月30日, 82歳, 10歳で母を亡くしたハルさん、70年ぶりとなる母の墓前にて)
2.瞽女万歳 「経文」「柱立て」(14分12秒, 昭和50年, 75歳)
3.祭文松坂 「石童丸」(28分13秒, 昭和48年, 73歳)

元NHKチーフ・ディレクターの川野楠己氏が自費制作したCD『最後の瞽女 小林ハル 96歳の絶唱』よりも、14年前、21年前、23年前という“若い頃”の小林ハルさんの音源が聴ける、実にありがたいCD-Rである。購入・問い合わせは、『燕三条エフエム放送』トップページにて。

今年1月に完成予定だった故・安東ウメ子さんのDVD(北海道幕別町教育委員会制作)。
某日、幕別町教育委員会に電話をかけ、DVDについて問い合わせた。まだ発売されていなかったが、値段が決まって「お分けする」ことが出来るようになったら、幕別町教育委員会から私の自宅に連絡があるようにしてもらった。連絡が入るのは、4月上旬となるらしい。
アイヌ文化・ウポポの伝承者 故安東ウメ子さんの歌声後世に 〜(十勝メールドットコム[幕別町めーる]2005年2月26日付)

樺太出身のアイヌ民族である西平ウメさん(1901-1977)と、樺太アイヌの弦楽器トンコリの企画展『西平ウメとトンコリ』の内容を盛り込んだCD+DVD付き解説書『西平ウメとトンコリ』(9,800円)が、先日、アイヌ民族博物館から発売された(『アイヌ民族博物館』トップページ参照)。

私はすでに入金を済ましているので、近日中に届くはず。練習用のトンコリ(8,000円)も、『アイヌ民族博物館』から近日発売されるらしい。

2006年03月31日(金)



 ザ・ローリング・ストーンズ & いかりや長介

ロックを聴き始めて数年の頃、原宿駅近くの雑居ビル(?)の一室で、音楽評論家の鳥井賀句氏のトーク・ライヴを見たことがある。ザ・ローリング・ストーンズの1981年の全米ツアーを収めた映画『Let's Spend The Night Together』も上映されたので、ストーンズ関係のイベントに鳥井氏が呼ばれて行われたトーク・ライヴだったのかもしれない。
鳥井氏のトークの内容はすっかり忘れてしまったが、「ストーンズのレコードは日本では売れていない」という発言は、意外だったこともあり、記憶にはっきり残っている。黄色い派手なサングラスが鳥井氏らしく、印象的であった。

来日中のザ・ローリング・ストーンズのチケット代は、今さらながら高すぎる。大のストーンズ・フリークとしても知られる、音楽評論家・鳥井賀句氏の『Gaku's Garage』の「DIARY」(2006年3月22日付)によると、「これは呼び屋じゃなくて、ストーンズ側が提示しているそうだが」とのこと。
鳥井氏のこの記述を読み、意外にもちょっとしたショックを受けている。自分では意識していなかったが、今のストーンズが持つロック・スピリットへの信頼感が、私には今でも少なからずあったからなのだろう。ちなみに、ストーンズのライヴは、1990年の東京ドームでの初来日公演を最後に観ていない。

[参考]ザ・ローリング・ストーンズのチケット代
3/22(水)&24(金)東京ドーム公演: S席¥17,500 A席¥14,500 B席¥12,500 C席¥9,000 ゴールデンサークル席¥55,000(各税込)
4/2(日)のさいたまスーパーアリーナ公演: S席¥35,000 A席¥28,000 B席¥18,000 ゴールデンサークル席¥65,000(各税込)

何年か前、キリン・ラガーのCMが放映された際、“ベーシスト”として脚光を浴びた故いかりや長介(1931-2004)。
「日本で最初にチョッパーをやったのは、いかりや長介という“伝説”がある」
「“いかりや奏法”というベース奏法が存在するらしい」
数ヶ月前、音楽通の友人との会話でそんな話題となったのをきっかけに、突如このCMを見たくなり、ネットで探していたのだが、先日ようやく15秒&30秒ヴァージョンの2種類のCMを見ることが出来た。

30秒ヴァージョンのCMの動画には、いかりや長介の訃報を伝えるワイドショーの映像が一部含まれている。エレキのアップライト・ベースを弾くCMでのいかりや長介について、ワイドショーの司会者からコメントを求められた音楽評論家の湯川れい子は、「チャールズ・ミンガスみたいなベースで、ミンガスのことが好きなんだなあというのがわかる」というような発言をしていた。湯川れい子の指摘はおそらく正しい。

2006年03月30日(木)



 新城 浪さんの映画『ナミイと唄えば』上映中

「ヒャクハタチ(120歳)まで生きてみたいと思います。世の中の人、驚かしてみたいと思っております」
“ナミイおばあ”こと新城 浪(あらしろ なみ)さんは、石垣島生まれの85歳。9歳の時、那覇の辻遊郭(料亭)に250円で身売りされてから76年間、三線弾きとして歌い続けてきた現役の唄者・お座敷歌手だ。

“三線片手に生きてきた−八重山おばあの歌と旅の物語”『ナミイと唄えば』が、3/18(土)から東京の「ポレポレ東中野」で上映されている(5月中旬までの予定)。5月初旬には、大阪第七藝術劇場での上映が決定。その後、京都、名古屋、石垣、那覇、熊本、福岡で上映予定とのこと。

3/18(土)&19(日)には、映画の公開記念ライヴ『ナミイとヒットゥイヒットゥイ!』(新城 浪さん出演)が、東中野であったらしい。新城 浪さんのことを知って数ヶ月の私は見逃してしまったが、映画『ナミイと唄えば』は、近いうちに観に行くつもり。

なお、新城 浪さんのCD『ナミイ!』は、残念ながら「売り切れ」。映画の公開を機にぜひ再プレスしてもらいたい。一方で、映画『ナミイと唄えば』関係のCD『ナミイとヒットゥイ ヒットゥイ!』が、ポレポレタイムス社から今年3月に発売されている(左の画像, 4月中旬に「ポレポレ東中野」で映画『ナミイと唄えば』を観た時に購入)。

CD『ナミイ!』(2004年1月発売, 500枚プレス, 完売)の試聴: 「ナミイのお座敷」(『Frances Culture Center』)
芸歴75年“お座敷歌手” 新城 浪さん(『読売新聞』2006年3月22日付)
Qリポート 83歳現役唄者 新城浪さん(『QAB琉球朝日放送Web Site-ステーションQ』2005年10月12日付)
『ナミイ! 八重山のおばあの歌物語』著者からのメッセージ・姜 信子(『岩波書店』)
明石雄介写真展『ナミイうたの日々』
新宿ニコンサロン・・・・3/21(火)〜3/27(月)〈場所: 新宿エルタワー28F〉
○新宿駅東口改札外・ビア&カフェ『BERG』(『マイシティ』 B1F)・・・・3/1(水)〜3/31(金)
○Space&Cafeポレポレ坐(東中野駅から徒歩2分, ポレポレ坐ビル1F)・・・・3/29(水)〜4/6(木)

2006年03月24日(金)



 “最後の瞽女(ごぜ)” 小林ハルさんの映画『瞽女 goze』制作

盲目の女旅芸人・瞽女(ごぜ)の小林ハルさん(1900-2005)の生涯を描く映画『瞽女 goze』が制作される。
映画『瞽女goze』制作で監督とシナリオライターが三条市長を表敬訪問(『kenoh.com − 新潟・県央情報交差点』2006.2.25付)

5年前に日本テレビ『知ってるつもり?!』で放映された「盲目の旅人…最後の瞽女 小林ハル」を見て小林ハルさんを知ったという瀧沢正治が監督、シナリオは椎名 勲で、小林ハルさんの若い頃の役が工藤夕貴、99歳の役が北林谷栄(1911−)とのこと。8月にクランクイン、来年6月の完成を目指すという。
映画『瞽女 goze』が完成し、公開となれば、多くの人々に小林ハルさんのことを知ってもらえるはず。小林ハルさんの「想像を絶する凄絶な人生」と生きざまに心揺さぶられ、小林ハルさんの瞽女唄を聴いて琴線を震わした者としては、とても嬉しい記事だ。

「最後の瞽女 小林ハル 光を求めた一〇五歳」(語り・小林ハル / 構成・川野楠己, 2005年12月発売, 『NHK出版 Online Shop』)
・NHKラジオ第2の番組「最後のごぜ 小林ハルさんを偲ぶ」(約30分, 期間限定で試聴できる)

コノノ・ナンバー1の来日公演が、8/27の日比谷野外音楽堂の他にも判明した模様(『Radio SOTOKOTO』3/4付より)。

KONONO NO.1 JAPAN TOUR 2006
8月27日(日)日比谷野外音楽堂
8月29日(火)名古屋クラブクアトロ
8月31日(木)広島クラブクアトロ
9月2日(土)大阪ラブリーホール
9月3日(日)大阪ラブリーホール
9月5日(火)渋谷クラブクアトロ

KONONO NO.1や『CONGOTRONICS 2』収録曲などの視聴、KONONO NO.1他のライヴ・スケジュール
BBC - Awards for World Music 2006 - Konono No1
BBC - Radio 3 - Awards for World Music 2006 - Nominees


寺内タケシとブルージーンズによる「ハイスクールコンサート」の最良のレポート: 「寺内タケシ&ブルージーンズ=ハイスクールコンサート全開!!報告」(『校長日記;嗚呼大倉山五十年』2006年2月24日付)

2006年03月06日(月)



 そばアレルギー

私は小学校4年生の頃からそばアレルギーである。そばは好きではあるが、食べられない。そばの成分が僅かながら含まれているとは知らずに食べたうどんや和風ラーメン、まんじゅう、手作りケーキなどによってアナフィラキシーを何度も起こしている。そばアレルギーは心因性のものではない。微量のそばの成分が人の命を奪うこともある危険な食物アレルギーなのだ(参考:「学校給食そばアレルギー死亡事故」の関係記事「学校給食の重さ〜ひとつの死をめぐって」, 『学校給食ニュース』4号 1998年7月)。

そばアレルギーなので、そばは食べられないと話すと、大抵の人は「はあ?」と苦笑いする。そばアレルギーについて説明したり、そばアレルギーによるアナフィラキシー体験を話しても、「命にかかわる問題なんておおげさ。そんなのは心理的なもの」と顔に書いてある。素直にわかってくれた、最初から信じてもらえたと実感したことがない。だから、めったなことではそばアレルギーだと言わない。いやな思いはしたくないからだ。

けれども、「命にかかわる問題」なら、多くの方にそばアレルギーについて少しでも知ってもらった方が良いと思われる。『doo-bop days』には音楽関係しか書くつもりがなかったが、番外編としてそばアレルギーを取り上げたのはそんな次第から。
下記の2つは、そばアレルギーに関心を持たれた方へのお薦めサイト。
そばアレルギー『ROD & SCREW』
ポイントを押さえていてわかりやすい。情報量も多く、参考になる。
アレルギー人の日々の冒険『湘南 から元気倶楽部』「から元気の素」
ここに書いてある体験、用心のために取る行動などは、私とほとんど同じ。共感すら覚える(文章も面白い。他のページも読みたくなる)。


駅構内の立ち食いそば屋。そば屋の前は息を止めて通り過ぎる。

最後に、参考として、10数年前にそばアレルギーについて私が調べた時の“記憶”から3つ挙げておこう(書き込むにあたり、裏付けは取っていない)。
1. そばアレルギーは3千数百人に1人の割合でいる(1990年代に発売された総合雑誌のそばアレルギー関係の記事において、この割合の根拠となる出典を明示して書いてあったと記憶する。信用性が高い&これは使えると思われ、そばアレルギーの説明に際していつも持ち出している)。
【追記&参考】横浜市の小学生9万人を対象としたそばアレルギー罹患率調査 : 養護教諭へのアンケートから(CiNii 国立情報学研究所 論文情報ナビゲータ)
この羅患率から計算すると、そばアレルギーの小学生は約478人に1人の割合となる。
2. そばアレルギーによるアナフィラキシー発症時には、大量出血並みの急激な血圧低下が起きている(私がそばアレルギーによってアナフィラキシーとなる時は、一口食べたか食べないかという数十秒の時点で口内と食道にむず痒いようなアレルギー反応が起き、数分以内に全身にじんましんが発生。唇や瞼などあちこちがぶつぶつ腫れ、嘔吐を繰り返し、暫くうずくまったままとなる。「急激な血圧低下」も起きているのだろう。体調がある程度回復するのに、通常24時間はかかる)。
3. アナフィラキシー発症時は、病院に申し出ると急患として扱ってくれる。

2006年03月02日(木)



 ネット・ラジオ「Vault Radio」

1960年代後半から70年代の未発表ライヴ音源が無料で聴ける、インターネット・ストリーミング・ラジオ「Vault Radio」が凄い。

『Wolfgang's Vault』(「Vault Radio」)を主宰する企業家のBill Saganは、プロモーターの故Bill Graham(1931−1991)が手掛けた全アーカイヴを2002年から所有しているそうで(500〜600万ドルで購入)、その一部を2月(中旬?)からネット・ラジオ「Vault Radio」で公開している。

私が「Vault Radio」を知ったのは、遅まきながら1週間くらい前ということもあり、マイルス・デイヴィス(「Directions」, 1970年6月17日, フィルモア・イースト)、ジミ・ヘンドリックス(「Purple Haze」, 1970年5月30日, Berkeley Community Theatre)、ボブ・ディラン、グレイトフル・デッド、クリーム、デレク&ザ・ドミノス、ザ・バンド、サンタナ、トラフィック、セックス・ピストルズ(「Anarchy In The UK」, 1978年1月14日, Winterland)などのライヴしかまだ聴いていない。他にもバンド・オブ・ジプシーズ時代のジミ・ヘンドリックス、ジョージ・ハリスン、ヴァン・モリソン、ザ・ナイス、ブルース・スプリングスティーン等のライヴ音源が配信されたらしい。

「Vault Radio」のプレイリストの更新は、毎週火曜日の日本時間22時(現地時間AM8時)。プレイリストの曲数は80〜100(時間にして7〜8時間)で、それがローテーションで繰り返し配信されるらしい。
ロックの歴史をオンラインでよみがえらせる--ある企業家の挑戦(『CNET Japan』2006/02/21付)
Video: Tour Graham's archives

2006年03月01日(水)
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