TOM's Diary
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少し話がそれるが、前回アイドリングストップ機能のつかないクルマでのアイドリングストップには反対すると書いたが、その理由として下記の点を上げた。 1)バッテリーや部品の寿命 2)短時間のアイドリングストップは効果が少ない (むしろ環境に悪い場合もある) 3)発進動作の手順が通常より増える
実はほかにも理由がある。 クルマの取説など普通は読まないかもしれないが、大概は「走行中はエンジンを切らないでください。エンジンを止めるとハンドル操作やブレーキペダルが急激に重たくなり、操縦不能となる場合があります」と言うような記述がされている。 これは走行中でなくても同じである。ためしにエンジンを切って駐車中のクルマのハンドルを回してみれば判るが、ハンドルがとても重たく感じられるだろう。ブレーキも最初の一踏みはいつもどおりだと思うが一度離してもう一度踏みなおすととても重くなるのが感じられるはずだ。 これはエンジンの動力を使って補助機能が働いているからである。
もし、ハンドルもブレーキも重たい状態で信号待ちをしていたとしよう。 突然後ろから追突されたら、ほとんどノーブレーキ状態で横断歩道に突き出されることになる。万が一そこに歩行者がいたら・・・
さて、燃費走行(燃費を良くする走行術)も序章を含めると8回目になった。 それもこれも応援してくださっているみなさんのおかげである。 応援してくださっている方が本当にいらっしゃるかどうか、私にはわかりませんが きっと一人や二人はいるに違いないと思っている、いや、そう思いたい(笑)
ところで、先日アイドリングストップ機能の付いた路線バスに乗っていたところ、 後ろに座った親子が次のような会話をしていた(概略です)。
「なんでこのバス、エンジン止めるの?」 「停まっているときにエンジンを回しっぱなしだと環境に悪いからだよ」 「なんでパパのクルマは止めないの?」 「バスには信号で停まると自動的にエンジンを止める装置が付いているけど パパのクルマにはついていないんだよ」 「なんで、付いていないの」 ・・・以下、ひたすら質問小僧と化す。
パパのクルマにアイドリングストップ機能が付いていないからと言う回答は 正しいのだろうか?そもそも短時間の停車でいちいちアイドリングストップ することが環境に良いのだろうか?
正解はわからないが、エンジンは始動時に多くのガスを食い、また、公害物質を 多く発生させることは間違いない。しかし、停止時間が長ければ、その間に消費 するはずだったガスよりも、少ない量でエンジンを再始動させられるだろうし、 また、公害物質もエンジンを回しっぱなしにしたときより少なくてすむだろう。 よって、無意味ではないと思われる。
では、パパのクルマではどうだろうか? もちろん同じことが言えるので、長時間停止することがわかっていれば、手動で アイドリングストップをするべきである。バスのような業務用車両ならいざ知ら ず、個人所有のクルマわざわざ高価な装置をつけるより経済的であり、環境負荷 も少ない。よって、それだけ考えれば、機能がないからアイドリングストップを しないと言う、パパの回答は正しいとは思えない。
しかし、アイドリングストップ機能を有したバスの場合、バッテリーを大型して あったり、スターターモーターやダイナモ(発電器)も強化されたものを使用し ているのに対し、パパのクルマは、単に機能を有していないだけでなく、その ようなことを想定したつくりになっていない。 バッテリーの寿命も短くなるだろうし、故障も多くなるだろう。場合によっては バッテリー上がりにより路上で立ち往生などと言うことも考えられる。バッテリ ーを頻繁に換えることや、故障で部品を頻繁に換えることは違った意味で環境 に良くない。また、路上で立ち往生などと言うことになれば、大渋滞を招き、 ますます環境によろしくない。 それらを踏まえて考えると機能がないからアイドリングストップをしないと言う パパの主張は俄然説得力を増してくる。
実際のところ、私は機能を有していないクルマでのアイドリングストップは 安全にしかも長時間(最低でも概ね3分以上)に渡って停車していられる場合を 除き、しない方がよいと考えている。なお、長時間の定義だが、科学的根拠が あるわけではない。科学的な根拠で言えば、エンジン始動時に発生する排気ガスの 量はアイドリング時間20秒に相当するので、30秒から1分以上の停車となる 場合にアイドリングストップするのがよいようだが、上記の安全にしかも長時間 停車する状況と言うのは、人の乗り降りなど一時的な停止よりも長い時間の停車 を想定しているので3分以上としているが、これは大まかな数値だ。 人の乗り降りでも荷物の積み下ろしが伴うなど3分を超えるような場合には やはりアイドリングストップしたほうが良いという意味に捕らえて欲しい。
安全かつ長時間の場合にアイドリングストップをしない方がよいと考える理由だが もちろん、上記の環境の問題もそうだが、それ以外にも理由はある。それは、操作 性の違いから来る安全性の問題だ。
アイドリングストップ機能を有している車両は、通常の発進操作をするだけで すぐに走行が可能である。それに対し、機能を有しない車両は、通常のエンジン 始動手順を踏まねばならない。つまり、エンジンをかけっぱなしのときと、止め ている時とで発進の手順が変わってしまうのだ。 これでは、操作手順を間違えて発進できずに誤操作による事故(AT車の急発進 事故や、見込み発進をした後続車両に追突されるなど)を誘発したり、突如 救急車が現れるなどして緊急回避動作をしなければならなくなったりした際に すぐに動けなかったりして、事故を誘発することになりかねない。
そんなわけで、アイドリングストップは燃費に良いとは思うものの、状況に 応じた適切な判断で行うべきだと考える。
次回に続く
【補足】 都条例では無駄なアイドリングを禁じている(他府県でも同様の条例があるよう だが詳細は調べていない)。しかしながら、どのくらいの時間アイドリングを したら条例違反となるかは書かれていないようだ。すなわち30秒から1分以上 と言うのも正解だし、概ね3分以上と言うのも正解になる。しかし、30秒から 1分未満は科学的根拠があるので、どんな状況でも正解だが、概ね3分以上と 言うのは、状況により不正解となる場合もあるので、注意してもらいたい。
また、都条例では、信号待ちや交通状況によるやむを得ない停車(渋滞のこと)、 救急車や作業者など動力としてエンジンを使用しているクルマ、緊急の用途に 使用しているクルマ(取り締まりや交通事故の現場で作業中のパトカーなど) のアイドリングストップは免除されている。
前回の話を要約すると、「とにかく、周囲に注意を払い、その場の状況をよく勘案 して、効率的な運転を行うこと」と言うことになるだろうか。つまり適切な状況 判断が重要であると言うことである。 実は、これを実行するととてもすばらしい副作用がある。
当然のことだが、周囲に注意を払うと言う事は安全運転に繋がる。 安全運転と言うと、スピードオーバーをしない、信号無視をしない、走行区分を 守る、そう言ったことを思い浮かべるかもしれないが、そうではない。事故を 起こさない、事故を誘発しない、回りのクルマや歩行者へ迷惑をかけない、と 言う意味だ。
制限速度をオーバーしなければ事故にあう確立が下がるかと言えば、下がるに 違いない。しかし、周囲の状況によっては制限速度をオーバーしてでも、流れに 乗った速度で走った方が良い場合もある。たとえば高速道路の追い越し車線。 80キロで走っているクルマを追い越そうとした時、120キロで流れて いる追い越し車線に100キロで飛び出したら、自分は事故にあわなくても、 後方で急ブレーキを踏まざるを得なくなり、事故の誘発原因になる危険が高く なる。 もちろん、本来は120キロで流れている集団をやり過ごすまで80キロで 我慢するのが正解であり(燃費だって120キロで走るより80キロの方が良い ので、燃費走行と言う観点からも正解である)、速度超過を推奨しているわけ ではない。しかし、80キロで我慢することにより、イライラして車間距離を 詰めたり、120キロの集団をやり過ごした後、急ハンドルで追い越し車線に 出てバランスを崩したり、そんな状況に陥るくらいなら、周囲の状況や自分の 置かれた状況などを充分に勘案して120キロまで加速した場合が良いことも あると言うことである。
たとえば、片側2車線の道で右車線を走行中、前方に右折しようとしている クルマが現れることがある。そんなとき、一般的には左車線に割り込むことで、 そのクルマを避けるだろうが、左車線が空いていれば問題ない。しかし、左車 線がとても混んでいて、しかも速い速度で流れているときにも強引に割り込もう としているクルマを良く見かける。 そんなときでも充分に周囲の状況を見ていれば、右折しようとしているクルマを 早めに発見できるため、かなり手前から、速度を落とす前に左車線に車線変更 することが出来るであろう。直前に大型車がいたりして、なおかつ、両側の 商店のガラスなどに反射するウィンカーランプの明かりが見えなかったりして 発見が遅れたとしても、対向車の群れの切れ目を認識していれば、そのクルマが 実際に右折を行うタイミングが判るので強引な割り込みをしないで、すこし、 アクセルを戻すだけで、まっすぐに走り続けられるかもしれない。 直前で右ウィンカーを出され、しかも急ブレーキに近いかたちで減速された場合 でも、左車線のクルマの流れや、対向車線の状況が判っていなければ、自分も 急ブレーキをかけなければならなくなり、追突される危険が発生するが、充分に 状況を把握していれば、急ブレーキ以外の回避方法も選択肢に入れることが出来、 危険度を低減させることができる。
周囲の状況を良く見ていると、意外に多くのクルマが制限速度で走っていること に気が付く。特に平日の深夜などは、「制限速度で走っているクルマなんて ほとんどない」と言う声を多く聞く割に、実際には幹線道路ほど制限速度で走っ ているクルマの割合が高い。制限速度を超えていてもせいぜい10キロ程度まで である。 もっとよく見ると、流れが速くなったる区間と遅くなる区間があることもわかる。 (上記の通り、平日深夜の場合である。休日や昼間は必ずしもそうとは限らない。 特に休日はむやみやたらと速度超過しているクルマを良く見かける) もう少し具体的に書くと、制限速度で流れている場所と、制限速度を10〜20 キロくらいまで超過している場所がある。特に後者は、20キロをはるかに超え る速度で走行しているクルマの割合も増える。 この理由の一つには、取り締まりが多く行われていたり、オービスが設置されて いる区間だったり、信号にひっかかる確立が高かったり、事故が多い区間が、 制限速度に近い速度で流れ、逆に信号にひっかかりにくく、取り締まりがあまり 行われていない区間が、比較的流れが速いようだ。 つまり、周囲の流れる速度を良く見ることで、取り締まりや、信号で無駄に急 ブレーキをかけたりする必要がなくなるわけだ。
取り締まりに関して言えば、周囲の状況を見ていれば、取り締まりが行われやす い場所と言うのが判ってくる。樹木など物陰に隠れやすい場所があり、その先に 違反車両を停車させられるスペースがあるような場所で、道幅が広く、見通しが 良い場所はネズミ捕りが行われる可能性が高く、また、長い直線で0−400禁 止などと書かれている場所には確実に覆面が多く走っている。
すこし話が逸れたが、周囲の状況を常に認識しておくことは、とっさの場合に 速やかに対応できることに繋がる。 例えば対向車線の大型トラックが突然センターラインを飛び出してきたら・・・ トラックを見てから周囲の確認していたのでは回避行動に移る前にトラックと 正面衝突しているだろう。なにはともあれブレーキを踏むことは当然だが、 突進してくるトラックを避けるにはやはり右か左に避けなければ絶対にぶつか ってしまう。最初から左側の車線が空いていることが判っていれば躊躇なく 左に避けることができるだろう。 もっと言ってしまえば、よく周りを見ていれば、大型トラックがセンターライン を超える前になんらかの前兆(ふらついているとか、大型トラックがこちらに 避けてくる可能性がある事故が発生したとか)を見出すことが出来たはずであり あらかじめ左車線に避けておいたり、いつでも避けられる位置に移動しておく ことが出来るはずである。最悪でも、被害を最小に抑えられるはずだ。
そんな訳で、燃費走行は安全にも良いというお話でした。 次回に続く
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