TOM's Diary
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2006年01月31日(火) 東横イン

ただでさえ、ヒューザーだのアネハだのと揺れているのに、
なんというニュースだ。
・・・と思ったのは、急遽盛岡へ出張へ行く日の朝。

そんなことは忘れて、会社に着くころにはすっかり忘れて、
出張の準備。お昼前に出なければ約束の時間に間に合わない。
宿の手配は盛岡の営業所にお願いをして、こちらは持ち物
チェックや電車の時間の確認などあわただしく準備を整える。

営業所からは東横インが取れたと連絡が入る。

よし、よし、宿はOK。
ところで東横インって・・・?


客先での作業を終えてタクシーに乗り「東横インへ」と告げる。
フロントはえらく混雑していて、少し順番を待つ。
待っている間前の人とフロントとのやり取りを聞いていると
「ニュースでお騒がせしている件について社長からのコメントが
ありますのでご一読ください」と紙切れを一人ひとりに渡して
いるようす。

あぁ、そうだ、今朝のニュースでなんか言っていたなぁ〜。

なかには、「ニュースってなに?」とフロントに聞き返している
客もいる。ニュース見てないな。
私の順番が回ってきて、紙切れを貰う。エレベータの中で
その紙切れを読む。

「お詫び」で始まるその紙切れはB6サイズの小さな紙切れ。
「1月23日にオープン致しました・・・・市の条例に違反
したことは誠に申し訳ございませんでした。
すぐに元に戻し、社会に対する信用を取り戻す努力をいたします。
なお、早急に対策委員会を設置し・・・全ホテルについても、・・・
該当する案件であれば、至急是正措置を講じるようにいたします。
・・・」
かなり省略したが、体裁はともかく(急いで作った感がにじみ
出ていてむしろよい?)、内容はきちんとしている。
さすがは大手のホテルチェーンの中でも規模の大きい部類に
はいる東横インだけあってしっかりしている感じがする。

エレベータを降りて部屋に入り、テレビをつけると、ちょうど
ニュースをやっている。画面に写っているのはまさに今貰った
紙切れの人物、東横インの社長だ。

なんと言ったらよいか、今手元にある紙切れと雲泥の差がある
人物だ。おそらくこの紙切れの文章は側近が書いたのであろう。
この社長がこんなしっかりした文章を書けるとは思えない。

正直、社長の言っていることは、本音も本音、ぶっちゃけ過ぎな
くらい本音トークをしているとは思うし、社長の気持ちもとっても
よく判るのだが、普通、こういうときはうそでも「ごめんなさい」と、
余計な言い訳なんかはしないで素直に謝るものではないか?
どうして、ここで本音トークなんかしているんだ?と実に不思議である。

これが友人かなにかに話をしているんだったらともかく、記者会見で
このコメントは、あまりにも常識はずれと言うか、なんと言うか・・・

今日、これから泊まろうかと言うホテルが不祥事を起こしたことは
あまり気にならないが、ホテルのフロントの対応のよさや、
紙切れの文章から受けるイメージと社長とのギャップに一抹の
不安を覚える。

窓から外を見るとビジネスホテルがいくつも見える。
あっちに変われないかなぁ〜と思った人はたくさんいるのでは
ないかなぁ?


2006年01月25日(水) ホリエモン社長辞任

ライブドアの事件については、それはそれは大きな事件であると思う。
だが、たかが証券取引法違反の容疑でこれほど報道が過熱するのは
いったいどういうことなのか?そればかりか東証を取引停止にまで
追い込むほどの衝撃をもたらした要因はなんなのか?

証券取引法違反の事例など、新聞を読んでいると頻繁に目にする。
どのくらいあるのかと、「証券取引法違反」で検索すると、ライブドアの
情報ばかりで肝心のところを探せない。いや、じっくり検索していけば
良いのかも知れないが、そこまで調べるほどのこともないのであっさり
あきらめる。が、それほど珍しい事件でもなく、それほど騒ぎ立てるほどの
事件とも思われない。

今回は粉飾決算により、実質よりも利益があるように見せかけ株価を
不正に吊り上げたことが容疑として取り上げられている。では粉飾決算は
そんなに珍しい事件なのか?

粉飾決算と言えば、カネボウの事件が記憶に新しい。
しかし、カネボウの事件がワイドショーのトップを毎日にぎわすような
ことがあっただろうか?そんなことはない。大きく報じられていたことは
間違いないが、ライブドア事件ほど世間を騒がすようなことはなかった。
ましてや、東証が取引停止と言う事態に陥るなどと言うことはカネボウの
ときにはなかった。
外国の例ではエンロンの事件があるが、これは外国と言うこともあるが
規模の割りにほとんどニュースになっていない。

つまり、事件そのものが今回の騒ぎを巻き起こしているわけではないと
考えられる。
考えられるのは、それもこれもホリエモンがタレントとしていかに世間の
注目を浴びていたかと言うことの証ではないかと思う。
報道ばかりか証券取引場まで混乱に陥れるほどの注目を浴びていた人物が
これまでにいたであろうか?

そう考えるとホリエモンはやはりすごい人物であったのではないかと思う。



ところでそろそろライブドア株は”買い”の段階に入っても良さそうだと
思っていたが、ようやく値がつき始めたようだ。しばらくは乱高下が続く
と思うが、長期的に見た場合、おそらく今日明日が一番の買い時だと思う。
ただし、監理ポストに入っていることを忘れずに、大きな利益を望まない
ことが肝要なので、ライブドア株に興味のある方は自己責任で。


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2006年01月24日(火) 粉飾決算

ライブドア株が監理ポストに入ったようだ。
上場廃止は間近だろう。

しかし、株価はライブドアの資産価値を下回ったようだ。
明日当たり”買い”時かもしれない。
しばらくは乱高下が続くだろうが、大きな利益を望まず、
小銭程度を稼ぐつもりなら明日当たりから手を出しても
良いかもしれない。無理な深追いをすると突然の上場廃止で
大きな痛手を負ってしまうかもしれないので、その辺は
自己責任で・・・


さて、今回のライブドアの容疑は、粉飾決算によって不当に
利益を多く見せることによって株価を吊り上げ資金を調達
していたことが、証券取引法に触れるとされたものだ。

粉飾決算とは決められたルールに従わないで利益が実際よりも
多いように装うことを言う。

しかし、粉飾決算など日常茶飯事ではないか・・・いや、それは言いすぎだが
棚卸資産の評価なんて、経営者の考えひとつで簡単に変えられるし、
(もちろんルールに則った評価をすることは求められるが)
経費を設備投資とごまかしたり、デリバティブ取引で利益を粉飾したり、
多くは倒産しそうな会社が行うことが多い。
いずれにしてもルールを逸脱しては犯罪である。

利益を実際よりも多く見せかけることは税金を多く払わなければならず
倒産しそうな企業にとって不利ではないかと思われるが、そうではない。
利益が多いほうが資金繰りを改善するために行われるのだ。
大企業ではカネボウやエンロンなどが良い例である。

粉飾決算ではないが、こんな事例もある。
ゴーン社長が就任した翌年の日産の決算。
新聞では「奇跡のV字回復」などと報じられたが、就任わずか1年
と言う短期間で黒字に転換することに成功した。
しかし、決算書を見ると、売り上げは伸びていないし、製造原価も下がって
いない。つまり、実際には回復などしていなかったのである。
変わったところと言えば、減価償却の方法を変えただけである。
(減価償却には定率法と定額法がある)

もちろん、減価償却の方法を変えることは手続きさえ踏めば証券取引法
違反ではない。
日産の場合は法的にそれなりの手続きを踏んだ上で減価償却の方法を変更
しており、また、そのことは公の資料にて、きちんと説明されている。
よって、決して粉飾決算ではない。
だが、決算書上は報道機関が言うとおり業績がV字回復しているものの、
その内情は前年度代わりが無いのも事実である。
粉飾決算ではない、つまりシロではあるが、かなりクロに近いのである。

なお、その後、工場閉鎖や人員整理によって経営状況は本当にV字回復
されたが、このV字回復の一番の要因はこの減価償却の方法の変更では
ないかと考えられる。
すなわち、減価償却の方法を変更で、見かけ上、赤字から黒字への転換
を行い、それにより、資金繰りがしやすくなったことが黒字化への大きな
原動力になっていることは間違いない。

日産のやったことが悪いことだと言っているわけではない。
法令は遵守しているし、経営戦略としては非常にうまい手法だと思う。


さて、日産のようなすぐれた経営戦略を持たない会社は、やはり粉飾決算に
よって資金繰りをなんとかせざるを得ない。それらの会社は通常、証券取引
法で罰せられるまでもなく、市場から見放され、ついには消失していくのが
常である。もちろん社会に影響を与えるほどの大企業の場合には、経営者や
監査法人の逮捕と言った結果になることもあるが、いずれにしても、なんとか
会社を立て直そうと必死の思いで止むにやまれず粉飾決算に手をだすことには
若干の同情の余地もあるだろう。

しかし、ライブドアは倒産などしそうな状態ではなかった。
過剰な利益を得るための粉飾決算となれば、「出る杭は打たれ」ても仕方
ないと思う。打たれるべくして打たれているのだろう。

それにしても、報道機関はホリエモンを叩きすぎではないか?
「出る杭は打たれ」て、平らにされるのは止むを得ないが、今の報道は、
「出る杭を」故意に打ち過ぎて、杭そのものをダメにしようとしているか
のようだ。

明日に続く。


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2006年01月23日(月) 航空写真

何年か前にちょっと気になることがあって、
実家周辺の航空写真を検索した。
大したことではない。
谷津干潟周辺の海岸線がどんなだったか、子供の
ころの記憶が正しいか確認したかっただけだ。

それなら地図で十分なんだが、地図よりも色や
波の感じなどリアルで記憶と照合しやすいだろう
と思い航空写真を検索してみたのだ。

その結果自分が見てみたかった年代の航空写真は
なかったため、一部については記憶が正しかった
ことが確認できたが、一部については埋め立てが
完了してしまっていて、記憶通りか確認できなかった。

しかし、実際に古い航空写真と新しい航空写真を
比べてみると実に面白い。

昨夜そのときの写真を見つけてもう一度見比べて
見たのだが、谷津遊園のあった場所の変化を見て
みるだけでも実に面白く、逆に変化が無いところも
「あぁ、あそこ、そういえばあのころからずっと
変わらないなぁ」などと思いながらみると実に
楽しい。
実家周辺に限らず、自分が住んだことがある場所を
片っ端から表示させてみる。住んでいた当時の
写真と今の写真を見比べるとこれまた楽しい。
「へぇ〜、いまはこんな風になっているのか。」
「あ、こんなところにビルが建っちゃってる」とか・・・

ついでなので、かみさんの実家周辺も表示させてみる。
自分は現在の様子こそ若干はわかるが、基本的に
全然しらない町ではあるが、かみさんの話を聞きながら
過去の写真と現在の写真とを比較してみてみると
これまたとても楽しい。

みなさんもぜひ、ここを試してみてほしい。


2006年01月20日(金) コニカミノルタ

コニカミノルタが写真事業から撤退するそうだ。
それ自体は、多少の驚きはあるものの、最近のコニカミノルタの動向を見て
いると、驚きよりも、やっぱりそういうことになったかと言う感が強い。
思えば私が本格的に写真を撮り始めた最初のカメラはミノルタのXG-Eだった。
そしてミノルタのX−7にとても憧れていたものだ。

最近はデジタルカメラが主流になり、それにともない家電製品メーカー製の
カメラが広く普及している。家電メーカーにカメラメーカーが負けてしまう
って言うのが信じられない。
私なんかはパナソニックとコニカミノルタのカメラのどちらか一方を選べと
言われたら、カメラメーカーであるコニカミノルタを選ぶが、見た目や
宣伝の内容なんかを見るとパナソニックに分があるようにしか見えない。

それにしても携帯にもカメラ、パソコンにもカメラ、街角にもカメラ。
世の中カメラだらけである。
こんなにカメラだらけでどうしようというのだろう。
カメラが無い世界に行きた〜いなんて人がそのうち出てくるかも。

こんなにカメラだらけな中、コニカミノルタが撤退すると言う経営判断は
私は正しかったのではないかと思う。むしろ決断が遅すぎたようにも思う。
もちろんコニカミノルタがすべてのカメラ事業から撤退するのではなく、
今後も医療・計測などの分野でこれまでの光学機器のノウハウを活かして
行くことになるだろうし、世の中から消えてしまうわけではない。
今後も良い製品を作り続けてもらいたい。

それにしてもコニカとミノルタが合併した際には、フィルムからカメラ
そして印画紙とトータルでサポートされるような画期的なサービスが
提供されるのではないかと期待したのだが、残念な結果となってしまった。


2006年01月19日(木) S氏の兄

S氏の兄をじっくり観察すると、髪型は同じ床屋で同じ注文をしたかの
ようにS氏にそっくりであり、服装はまるでS氏の洋服ダンスから取り
出した服を着ているようであった。
兄弟だけあってセンスが似ているのかもしれない。

しかし、こちらに近づく様子は、とてもぎこちなかった。
まるで老人のようであった。歳がそんなに離れているのか?
それにしても同じ親から生まれたのならどんなに歳が離れていても
老人と言うことはあるまい。きっと大怪我か何かの後遺症かもしれない。

いずれにしてもS氏は早く近くでS氏の兄を見てみたくなり、
玄関を出てS氏の兄のほうへ向かっていった。
S氏の兄はそれに気がつかないかのように、庭や建物をくまなく
観察しながら歩いていた。まるでビデオカメラで隅から隅まで余す
ことなく、記録をとっているかのように思えた。
しばらくしてS氏が向かってきていることに気がついたS氏の兄は
旧知の知り合いにするように右手を上げて挨拶をした。
その動きもとてもぎこちなかった。
そしてS氏の兄は再び観察を続けた。

S氏はようやくS氏の兄の前にやってきたが、どう声をかけてよいか
判らなかった。S氏の兄は立ち止まり、手を出しだした。
S氏は恐る恐る握手に応じたが、その手はゴツゴツとしており、
人間の手としてはとても硬い部類に入るように思えた。
おそらく手を酷使するような仕事でもしているのだろうとS氏は思った。

そのとたんS氏は気を失った。

目が覚めるとS氏はリビングルームの椅子に腰掛けていた。
窓から外を見ると、夕焼けで庭はオレンジ色に染まっていた。
不意にS氏の兄が視界に飛び込んできた。

S氏は急に不安になった。
いくらS氏の兄とは言え、勝手に人の家に上がりこまれたのである。
自分が気を失ったのがいけないのであるが、なぜか納得いかなかった。

S氏の兄はゆっくりとS氏に近づき、S氏の様子を伺った。
そして、口を開いた。
「すばらしい発明品の数々じゃないか」
S氏は自分のことを案じてくれていると思っていたがそうではなかった
ことに、いらついた。
さらに、この部屋にある発明品は防犯システムくらいしかなく、その防犯
システムも来客中は音も光も発しないため、気がつくはずがない。そのため
S氏はS氏の兄のこの発言にはとても不審感を抱いた。

「発明品とはなんですか?」
「私も発明が趣味でね、いろんなものを発明したよ」
S氏の兄は自分がしたと言う、さまざまな発明についてしゃべり始めた。

S氏は兄の発明品の話に夢中になった。さすがは兄である。自分と同じ
ような発明をたくさんしていた。さきほどの不審感は消えかけていた。
S氏は自分の発明についてもいろいろ発言をし、そして助言を貰い、
そして、自分の部屋に移動し、実物を前にいろいろな説明を行った。
S氏は、とても充実した時間をすごしたつもりになっていた。

しかし、話をしているうちに兄の発明に違和感を覚えた。同じような
発明をしているように聞こえるが、内容を吟味するとS氏の発明品を
事前に見ていれば話せるような内容である。もっともS氏が発明した
ものではないものについても兄は話していたが、それらも他人が発明
し、公表されているものに良く似ている。

S氏は自分が発明した情報収集ロボットを思い出した。
人間そっくりなロボットであり、握手をした際に手のひらから相手の
手に麻酔注射をして気絶させ、その隙にカメラで映像を写すタイプや
相手の話にあわせた会話をして相手を信用させて、話を聞きだすタイプ
や、こっそりと建物の内部を捜索して、情報を探し出すタイプなど
さまざまなものがある。
発明当時のものは、すべての機能を一度に持たせるとCPUの処理能力
が追いつかず、情報収集中はぎこちない動きになってしまうが、最新型
はクモ型ロボットの技術を用いており、そのようなことはない。

最新型を作ったのは何年も前の話で、そのためS氏は忘れていたのだが、
S氏の兄の動きはまるで初期型そっくりなのである。
S氏は試しに、呪文を唱えた。
「SSIROBOSTP」
S氏の兄が突然動きを止めた。
5秒おいて、さらなる呪文を唱えた。
「SSIROBOSD」
S氏の兄型ロボットはシャットダウンした。

S氏はS氏の兄型ロボットの背中のコネクタ端子にコンピュータを繋ぎ、
S氏の兄型ロボット内部のハードディスクにアクセスした。

S氏は自分の発明の全貌をきちんと把握できていなかったが、S氏の兄型
ロボットのハードディスクにはそれらがきちんと整理されて保存されていた。
S氏はそれらの情報を自分のコンピュータに移動し、データベースソフトで
開くと、自分の発明品が画像付き(一部は映像付き)でデータベース化され
ており、S氏はなにもせずに自分の発明を品目リストを手にすることが出来
たのだった。

S氏は兄の存在に大いに感謝するのであった。

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S氏に情報収集ロボットを送り込んだ、「組織」の係官はS氏の家の周辺で
ロボットの回収をするべく1週間待ち続けたあげく、情報収集ロボットが
どうなっているか様子を伺おうとS氏宅を覗き込もうとした際に、防犯シス
テムを「非常事態モード」にしてしまい、レーザー光線で高価なジャケット
を台無しにされるとはこの時点では思いもしないのであった。


2006年01月18日(水) S氏の兄現る

S氏が驚いたのは、S氏の兄が突然尋ねてきたからではない。
S氏に兄がいた事に驚いたのだった。

S氏の記憶の中には兄は存在しない。
しかし、歳の離れた兄がいると言う話を幼いころに聞いたことが
あるような気がするだけである。しかも、その話は、そういう
物語を自分のことのように思っただけのように感じていた。
いずれにしても、S氏の記憶の奥深くに埋もれた話であり、兄が
尋ねてくるまですっかり忘れていたのであった。

その時S氏はいつものように、広大なリビングルームの中心に
おいた椅子に腰掛け、壁一面ガラス張りの窓から、絵に描いた
ような自慢の庭を眺めていた。BGMにはバッハを選び、とても
優雅な気分で休日の午後を楽しんでいた。

ガラス面に表示が現れたのは、S氏がうとうとしかけたときだった。
S氏のリビングルームの窓ガラスには、飛行機のヘッドアップディス
プレーのように、さまざまな情報が表示できるようになっている。

最初の表示は、ゲート前に何者かが近づいたと言う記号であった。
すぐにそれが人間であることが表示された。もし、それが野良猫や
野良犬であれば内部に侵入してこない限りそれ以上の表示はないの
であるが、人間であると判断できれば表示が切り替わることになる。
カメラが自動的に画像解析し、その人物がS氏の知り合いであれば、
カメラの画像が表示され、S氏はだれが尋ねてきたか判ることになる。
しかしカメラは切り替わらなかった。つまりS氏の知り合いでは
ないようだ。

カメラはその人物がS氏の知り合いでないことが判明してから2分
以内に呼び鈴が押されなければ不審人物として室内に警報が鳴り
ゲート前様子が録画されることになるのだが、だが、その人物は
30秒ほどで呼び鈴をならした。おそらく表札を確認していたのだろう。
S氏は手動でカメラ画像を表示させた。

そこにいたのはなんと自分であった。

いや、正確にはS氏の兄なのだが、その時点ではS氏は兄の存在を
知らなかった。そのためS氏は間違って録画された映像が表示された
のかと思い、端末を操作したが間違いは無いようだった。
なにしろ、監視カメラの画像である。画質はそれほど良くない。
自分と同じような顔つきで同じような髪型でしかも同じようなセンス
の服装をしていれば、思わず自分だと思ってしまうのも無理は無い
だろうと考えた。なにしろ、カメラが画像解析を行った結果S氏が
帰宅したのだと判断されれば自動的にゲートが開くようになっている。
しかし、開かなかったということは、監視カメラ越しにはそっくりだが
実物はそれほど似てはいないのだろう。

S氏はインターホン越しに用件を尋ねた。
「私はあなたの兄で、あなたに会いに来ました」
そういわれてS氏は驚いたのだった。

兄?

そう、S氏は自分に兄がいるとは思っていなかったからだ。
S氏はリモートコントロールでゲートを開けた。
そして、玄関に走った。
S氏の兄はゲートからゆっくりとこちらに向かって歩いてきている。
まだ遠くてはっきりとは顔が見えないが、S氏は自分の兄がどんな
人物なのか早く間近で見てみたかった。いや、それよりもこれが
本当にS氏の兄なのか確認したかったと言った方が正しいかもしれない。
いずれにしても期待と不安が錯綜し複雑な気分であった。


2006年01月17日(火) オジャマモンとホリエモン

ライブドアに強制捜査がはいったとか。
事の真偽は分からないが、報道を見ていると
それほど露骨ではないものの、一気にホリエモンが
悪者のような位置づけに変わってしまった。

いままであれほどホリエモンを追っかけてバラエティに
出演させ、視聴率を稼いでいたのに冷たいものだ。
「私は知らないよ〜、関係ないよ〜」って言ったって
あれだけもてはやしておいていまさら何を・・・
って言われるのも癪だからってことか、それとも
純粋にホリエモンの言い分が聞けていなかったからか
昨夜のニュースではホリエモンが悪いとも良いとも
言わない、歯切れの悪い報道の仕方だった。

ところで、ヒューザーの小嶋(オジャマモン)の
証人喚問の日にかぶせなくても良いんじゃないの?
そのニュースがみたくてテレビを点けたら、ニュースは
ライブドア一色。

こりゃぁ、なんかあったなと勘ぐりたくもなる。

きっと昨日はなにか重要な証言でもしたのだろう。
それをあんまり公にしたくない、一握りの人たちが
いたに違いない。その人たちと親交の深い人たちに
従来の常識を覆すような行動をとり続ける、そして
それがとてもやっかいな存在に写っているホリエモン
をなんとかしたい人たちがいて、両者の力が動いた?

つまり、ホリエモンを吊るし上げ、さらに小嶋の
発言を目立たなくするに、強制捜査は昨日のあの
タイミングになったのでは?なんていうのは勘ぐりすぎ
だろうか?

ホリエモンはともかく、偽装問題についてはいろいろ
裏がありそうでならない。


2006年01月10日(火) PSP

PSPと言うゲーム機がある。
ゲーム機は以前から欲しいと思っていたものの、私の中ではどうしても無駄な
買い物と言う印象が強くなかなか買う勇気がでなかった。姪っ子や甥っ子が
DSと言うゲーム機を持っていてこちらはペン入力でゲームが出来てとても
面白い。PSPよりも面白いのではないか?

しかし、PSPは写真や動画、音楽を入れて持ち歩ける。しかも無線LANを通して、
インターネットまで楽しめる。これは買いかも・・・・と思い続けて1年以上
経過した。
本体価格に、写真などを入れようと思うとメモリースティックを大きなものに
変えなければならず、これが半端ではない値段がする。結果として4万円近い
金額になるので、ちょっと手が出なかったのだが、1Gのメモリーが付いて
3万円ちょっとと言うセットが昨年末に発売された。これは買いかも・・・
と思い始めて数ヶ月。

気がついたらギガパックの出荷は終わり店頭分だけになっていた。
やはり縁がなかったか。
いやいやヤフオクで見るとあるではないか。3万円未満であれば落札しても
いいかも。などと思い入札してみる。
ちなみに未開封のギガパック、ほとんどが3万円で落札している。
私が入札したものも残り5分くらいで一気に値段があがって他の人に落札
されてしまうのだろうな。3万円になると送料やらなんやら入れると店頭の
売れ残りを探した方が安い。どう考えてもこれ以上入札額が上がったら
手が出なくなってしまう。

落札できないことを覚悟の上で28500円で入札。待つこと1時間。
ヤフオクからメールが・・・「おめでとうございます。あなたが落札しました!」
あれ?落札しちゃった。
あっと言う間に出品者からメールが入り、必要な情報をやり取りし、Yahoo簡単
決済で入金。すぐに入金確認のメールが入り、発送手続きしますとのこと。
落札から45分と言うすばやい対応に驚きつつも、出品者の方はとても信用でき
そうな感じの方で一安心。
翌日の午前中にはゆうパックがファミマに届いた旨のヤフーからのメールがあり
さらにその翌日の夕方には、郵便局の人が我が家のチャイムを鳴らす。

さっそく、スイッチを入れて、写真をMacからコピー。
おぉ、スライドショーまでしてくれるではないか!

インターネットは?
我が家には導入したばかりのAirMacがある。
さっそく、設定・・・マニュアルを読まないと出来ないかな?と思いつつも
メニューを開いて・・・・おっ!AirMacが検出された!
それを選択すると、あとはなにも必要ない。ブラウザを起動するともうインター
ネットにつながっている。
なんと、Mac並みの簡単さだ。

少し前に、会社の組合室で使っているPCを無線LANにできないかと思った。
LANケーブルが邪魔だったし、せっかく無線LANの設備があるのだ。使わない
なんてナンセンス!無線LANのカードを差して、コンパネで「内臓イーサネット」
から「無線LANカード」に変えるだけだろうと・・・まぁ、CD-ROMを入れてドラ
イバをインストールするくらいは覚悟していたが、その程度だとタカをくくって
いた。
がっ・・・「すぐ出来ますよ。」とA4用紙に30枚くらいの束を渡された。
なにこれ?
「それを読みながらやれば30分もあれば出来ますから」
30分っ!?
ヤメヤメ。LANケーブル持ってくるだけなら5分で出来るし。

ちなみについこないだ購入したばかりのiMacは、無線LAN(AirMac)の設定には
1分くらいかかった。PSPも2分で接続できた。
どうしてWinPCはなにをやるにしても設定がめんどくさいのだろう。
(もちろん、会社ではIPを設定したりとか余分な設定は必要だから
 ゼロからの設定が面倒なのはやむをえない。でも、設定済みの
 PCをLANケーブルから無線LANに変えるだけなのに。)

それはさておき、いろいろいぢっていると、結構楽しい。
その時点ではゲームソフトはまだ無かったが、無くても十分に楽しい。
ゲームソフトはこのまま買わなくてもいいか?(笑)

と思いながらもやっぱりゲームソフトがないと1時間程度で飽きてしまう。
で、さっそくゲームソフトを買いに行くことにはなるのだが、ソフトも
3000円程度で変えてしまう。昔、ファミコンのソフトってあんなチープな
ゲーム内容にも関わらず5000円くらいしたような気がする。
安くなったものだ。

そんなわけで、これで出張に行く時に重たいノートPCを持ち歩かずとも
ホットスポットさえあればメールチェックも出来るし、長い移動時間は
ゲーム機で楽しめる。
そう考えると、安い買い物だったように思う。




2006年01月09日(月) 皇帝ペンギン

皇帝ペンギンのDVDをレンタルしてきた。
テレビなんかのレビューで感動の作品などと紹介されていたので
かなり期待していたのだが、ちょっとがっかりしてしまった。

期待しすぎた私が悪いのか?

いきなり台詞をしゃべるペンギンにまず興ざめ。
途中でいろいろ解説が入るのだが、この解説が中途半端でがっかり。

たとえば、卵を失った親ペンギンはどうするのか・・・そのまま
仲間と一緒にその場に止まり続けるのか、それともエサを求めて
海に戻るのか?など・・・いろいろ疑問がわいてくる。

最初の30分の時点では100点満点で10点くらいしか上げられなかった。

NHKで深夜に動物のドキュメンタリー番組をやっているが、
あっちの方がよっぽどか感動的だし、知識も得られるし、はるかに
おもしろい。疑問なことが出てきてもちゃんと最後まで番組内で
解説をしてくれる(NHKオリジナル作品も良いが、BBCなんかが
作った番組もおもしろくて、ついつい夜更かしをしてしまう原因に
なってしまう)。

で、皇帝ペンギンだが、そうは言っても見ているうちにだんだん
引き込まれていく。激しいブリザードを必死で耐えながら卵を
暖めている姿や、凍ってしまった卵をむなしく突く親ペンギンの
姿は惹かれるものがある。
あの撮影をしたスタッフはすごいと思うし、ペンギンたちの生態も
とても感動的であるとは思う。

じゃぁなにがだめなのか?
どうも、あの解説がこの作品をだめにしているように思う。
編集も、もう少しなんとかならなかったのか?
ペンギンと現地の撮影スタッフの苦労が台無しになっているように
思えてしまう。

と、言うわけで





かな。


2006年01月07日(土) 平成

今日は1月7日。
何年か前の今日昭和が終わった。
平成が始まるのは明日。
あっ、何年か前って、今は平成18年だから、考えるまでもあれへんかった。

平成元年ってなにがあったんやっけ?と思おてウィキペディアを見てみる。
下関駅炎上?って、今日の出来事やんけ!ニュース並に早っ!
などと思いつつも、平成元年(1989年)をクリック・・・

ミスチル結成? どうでもええわ。
昭和天皇崩御・・・わかっとる。
あぁ、手塚治虫氏が死去・・・そうそう、そんなこともあったなぁ。

ソ連のアフガン撤退完了・・・
 あのころはそんなに大きな出来事だとは思わへんかったなぁ。
 その後の内戦だのなんだので、なにも終わっていないって言う印象の方が強かった。
 ムジャヒディーンとかが内戦を始めたのはこの年から。
 タリバン、アルカイダみんなこのあたりからずっとアメリカやらなんやらに鬱憤
 貯めてたんやろなぁ。

女子高生コンクリ詰め殺人事件・・・
 あぁ、あれはほんとにかわいそうだと思ったな。
 しかし、周りの大人はなにをしとったんやろ。
 しかもあのときのリーダー格の少年が成年後、あの事件のことを自慢げに話を
 しながらさらに犯罪を犯していたと言うから絶句である。

おっ!でかい事件発見!
消費税開始!・・・
 こんちくしょう!貧乏人からもたっかい税金とりやがって!
 しかもなにかい?税金に税金が上乗せされるのっておかしくないかい?
 あげくに7%!大増税反対!
 いやいや、平成元年から外れて21世紀の話になってしまった。

埼玉連続幼女誘拐殺人事件・天安門事件・ベイブリ開通・・・

こうやって見てみるとなんか今よりちょっと平和に見えるな。
なんて言うか、アフガン撤退だって、その時点で見れば一応、和平に向かっているように
見えるし(後から見るとそうでもないことがはっきりわかるけど)、消費税だって、7%
になろうかって言う現在からみれば3%ならいいじゃんって思えちゃうし。
しかし、平成は消費税の歴史とともに始まるわけだ。

女子高生コンクリ事件も当時はすごい事件が起こったと思ったけど、今や普通にあるよう
に思えてしまう。埼玉連続幼女誘拐殺人事件だって、同じような事件は今や年に何回か
あるような事件になってしまった。
そう考えるとこういう少年犯罪や子供を狙った変質者による大きな事件のがクローズアップ
されはじめたのって平成になってからかもしれない。
平成元年は少年犯罪元年でもあるのかな?

さて、もう少し見ていくと・・・

おっと、ベルリンの壁が壊れたのもこの年のようだ。
これは驚いた。いつかはそういう時代が来ると思ってはいたけど、まさか・・・
壁の崩壊はあくまで象徴であり、そう簡単に冷静が終わるなどとは思っていなかったが
どんどん冷戦の氷は融けていった。冷戦の終結はある意味喜ばしいことだったが、
今後どうなるのかなんともいえない不安もあった。その不安は親子2代に渡るブッシュ
政権のもと、熱い戦となって現実になっていくのである。
そうか、平成はポスト冷戦時代の幕開けとともに始まったわけだ。

そして、この年の最後の日、東証の日経平均株価が大納会で史上最高を記録する。
つまり、これ以降景気はどんどん下降していくのである。バブル崩壊の始まりだ。
好景気(バブル景気)の影響はこの後も数年間続くわけだが、事実上ここから
不況が始まったとも言える。
いやはや、平成は不況の始まりでもあったわけだ。

さて、最後に組合執行部員として忘れてはならないことが一つある。







意外と歴史が短いのね。


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