Leaflets of the Rikyu Rat
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検査をしに行った日と同様に前日から彼の家へと泊まりに行った。 交通の面での利、寝坊防止と言う意味での利、誰かと一緒にいることでさっさと時間が過ぎてしまえば良いと言う浅ましい期待を以って彼の家へと赴いたのだけれど、着いてすぐ、そういえば受付の時刻は午後からだったのだと思い出し一人で苦笑。したら、彼に訝しまれた。 翌日になり、これまでの性交渉に於いて細心の注意を払わなかった自分を少し責めてから、しかしそんな詰まらない懊悩を、自分を責めた自分ごと振り払う。よーし陰性でも陽性でも今日は美味しいものを食べて帰るぞ、と心の中で独り言ち、彼の家を発った。 先週行ったばかりなので迷う心配も無い。時間潰しのために小説も用意し、万全の態勢で保険福祉センターへ向かう。建物が見えるにつれて、僅かに緊張。 入った瞬間、面食らった。 縦横無尽に置かれるベビーカー。赤ん坊を抱いた主婦の群れ。受付を見れば、「三ヶ月検診」と書いてあり、なるほどと頷く。受付のおばさんに「あの・・・」と、通知書と引き換えのために必要な紙をひらひらと棚引かせただけで「ああ、はい。」と用紙を僕から受け取り、検査結果が書かれたらしき封筒を棚から照会し探し出した。 「いつもはこっちの部屋でするんだけど・・・今日は見たら分かると思うけど空いてなくて」 「あ、はい。どこでもいいです。」 「じゃあ、悪いけどこっちで。」
たとえ赤ん坊を抱いた女性達の前で発表されても別に良かった。 さっさと結果が知りたかった。 通されたのは受付のすぐ奥で、職員たちが働いているこじんまりとした場所だった。 本来ならば通知者と本人と、他に誰も居ない部屋で通知は行われるのだろうが、通された場所では職員達が僕から一メートル程の近距離にいるし、プライバシーとかを気にするひとなら嫌がるかもしれない、と思ったけれど、僕はそんなのどうでも良かったし、たとえ僕が陽性であるということを保健所のひとに知られても特に構わなかった、というよりは(重ねて書くけれども)とにかく本当に早く結果を知りたくて、「こんなおおっぴらなところで検査結果を通知しちゃうってことは陰性ってことでいいのかな・・・」などと皮算用をしていたくらいだった。 「本人確認のために筆跡を調べますのでここに名前を書いてください」と言われ、書く。一週間前に書いた自分の筆跡と、気持ち悪いくらい似通った文字が並んだ。 「それじゃあ・・・こちらですね。」 通知書が開かれる。 結果、陰性。 「梅毒、クラミジア、HIV全て陰性でした。ですがこの陰性というものは三ヶ月前までのものですので、それ以降に何かあった場合、心配でしたらまた検査しに来てください。」 「あ、はい。わかりました。ありがとうございます。」
外に出た。開放感。 見る見る身体に力が漲り、駅へと向かう足が躍動する。 空を仰げば水色で明るい。 雲の一部がぴかぴかと光っていた。
更新が滞ってしまっててすいませんでした。 mixiの方で日常についてはツラツラと(なんだか妙にしょっちゅう)書いてまして。 そちらのほうは本当に何も考えずに文章を打っていて、それになれてしまったのもあるかもしれません。 HIV抗体検査結果の通知書画像も検査結果が判明した当日にアップしてます。 尚mixiへのリンクは右下の方に張っておきました。 日記は友人まで公開になっているので(ホント大したことは書いてませんが)遠慮無くマイミク要請してやってください。(3/5更新)
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