ダンナの妹さんちの葬儀が終わったと思えば、今朝電話が鳴って、今度は私の姉の嫁ぎ先で不幸があった。悪い運気というのは伝染するものか。義母、父の顔が浮かぶ。じわじわと見えないものに取り囲まれているようで不安が募る。

実家の父の顔を見に行く。元気であれば葬式に出たいという父の顔は、肉が落ち痛々しかった。先月、保津川下りに出掛けた頃よりかなり痩せた。
それでも入院はせずに、いけるところまで気ままに一人暮らしを通すという。

病院で点滴を受け少し楽になったというが、食欲がまったくないらしい。
持ってきた野菜ジュースや、豆腐や、レトルトパウチの粥が入った袋を見せると、中に好物の魚そうめんを見つけて、おう、これは食べたいな、と笑った。

テレビのチャンネルは競馬中継。さすがに馬券を買いに行く元気もない。だから予想だけで楽しむんだという。長時間テレビを見るのもこの頃は疲れるようで、阪神タイガースの応援ももっぱら布団に寝もってのラジオ観戦らしい。

帰りしな、鍵を締めて出ようとしたら、開けておいてくれ、という。郵便受けまで、午後の郵送物を見にいかないといけないそうだ。日曜日じゃないかと思ったが、黙っておいた。父曰く、結構、わしは忙しい。のだそうだ。イケズなようだが、出来る間は何かやる事があったほうがいい。その方が気がまぎれる。

頂き物のそうめんやら、コーヒー豆やら、持って来た以上に荷物が増える。
その上、言うことにゃ、お前も無理をするな。気をつけろ、と、あべこべの台詞。もうええ加減しんどいやろうに、親でいることも煩わしいやろうに。心細さと、不安と、覚悟と、痩せ我慢。そんな顔で父はシャッターを下ろした。

ムシムシ・ジメジメ・ジリジリ…
バランスを崩しやすいこの時期、皆さんもご自愛を。

実家から帰ってきた夜。突然、給湯器が壊れた。
蒸し暑い夜にお湯が出ない。
給湯器よ、お前も何かにとりつかれたのか。

２時間ほど経ってようやく燃焼するようになり一安心した。
どうやら夕立のように降った雨が着火部分に浸入したのが原因か。まぁ騙し騙し１５年以上も使っているシロモノだから、やっぱり取替え時期なのかな。

オンボロ給湯器が代わりに厄を落としてくれたのかもしれない。
だったら、父もとうぶんは安泰だ。

さて。明日からまた仕事。急に休む事になって迷惑もかけたし…。
おい。こら。早く抜け出せよ。不調の連鎖から。

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