へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 童貞






「女」なんて知らなくてよかった

「体」の交わりなんて知らなくてよかった

知ってしまえば

辛い 辛い ことばかり増えてゆく

見なくていい世界が津波となって押し寄せてくる

夢を見ていた過去を貶したくなる

やはり 夢を見ることは 所詮儚い人の夢






僕は一生夢見る童貞でよかったのかもしれない。








2003年07月31日(木)



 歌を歌う






僕の書いた歌を聴いて

「寂しい歌ね」と君がポツリと呟く

それはそうさ

君を思えば賛美歌だって悲しく歌える

恋心なんてそんなもんだろう?








2003年07月30日(水)



 歌を書く






君に逢いたいから歌を書く

君を求める歌を書く

君が恋しくて歌を書く




鬱陶しくてごめん




でも 僕にはこれしかできないんだ







2003年07月29日(火)



 外野






全てを投げ打ってまで夢の切れ端を探し集める

そんな男を「愚かなことだ」ときめつけて

蚊帳の外から笑う権利が僕らにあるのだろうか?







2003年07月28日(月)



 贈り物






何も出来ない僕が君に贈れる唯一の宝物

何もない部屋で1人書き上げた

何の変哲もない優しい歌

何故かしら手に取って眺め涙する君の姿を見て

何とも言えない幸福感を抱えて

何と僕はこの日初めて君の前で…泣いた…。








2003年07月27日(日)



 はぐれ







空は遠く 広く 青く

雲は流れ 僕は逸れ

帰る場所を失った








2003年07月26日(土)



 じぇらしー






あの時離したくないと思ったキミの左手は

今 誰が離さないで握っているんだい?








2003年07月25日(金)



 切ないこと






初めて君が笑ったことよりも

初めて君が泣いたことの方が

捕らえて僕を放さないんだ




…これだから思い出って奴は…。







2003年07月24日(木)



 聞きたい言葉






僕が聞きたいのは「愛してる」ではないんだよ

いや 言われると確かに嬉しいけど

本当に聞きたい言葉はもっと別にあるんだ

一度でいい

一度でいいからこう言っておくれ

「あなたが私の一番よ」

その一言で僕は

世界中の人間を敵に回しても生き抜けるぐらいの

強い自信を持てるんだ




…君を愛せる自信を持てるんだ。







2003年07月23日(水)



 夏恋






花に鑓水

鳥の雁行

風に風鈴

月に群雲

闇に散り行く線香花火

夕に涼む浴衣美人

夏の夜に心ときめく

片恋慕

心踊らす横姿

頬を染める赤色の

意味を問えずに

迷い道

夏の思い出 夢回廊








2003年07月22日(火)



 路地裏





路地裏で死んでいた。そいつは

アスファルトに阻まれて

食物連鎖を裏切って

大地に還るのを拒否って

誰かに看取られるって信じて

死んでしまってた。そいつは。

そいつはあれ…そう。俺だ。







2003年07月21日(月)



 自慰行為






君は一体誰なの?

毎夜聞かせる金切り声

喘ぐ吐息に溢れる股間

痺れる脳髄に流れる時間

磨耗する利き腕に飛び散る瞬間

削る削る生命に

笑い声でしか答えてくれない

私を狂わす 片鱗の愛情 偏屈の愛情 片々の愛情

君は一体誰?

私が求める

君は誰なの?








2003年07月20日(日)



 生命運動






糧を食らえ

糧を食らえ

餓えた腹を満たせ

貪欲なまでに悪辣に

己の欲望のままに

糧を食らえ








2003年07月19日(土)



 迷子






僕の地獄でもない

君の天国でもない



ここは一体どこ?







2003年07月18日(金)



 心中






いつか2人 鳥になれたら

あの崖から飛び降りよう







2003年07月17日(木)



 






自分の底辺を見つめたことはありますか?







2003年07月16日(水)



 ゴウスケ






業に蝕まれ助けを求める哀れな男。






2003年07月15日(火)



 泣き虫






空があるから鳥は飛び

君がいるから僕は泣く








2003年07月14日(月)



 






笑わない僕は

鳴かない鳥と同じくらい傲慢で

痛々しい生き物だと思います

憎いでせぅ?

憎いでせぅ?









2003年07月13日(日)



 ジコチュウ






「過去何人の女を泣かしたの?」

違うよ

泣いているのは僕なんだよ

ただ みんな

泣いている僕を見ようともしないのさ










2003年07月12日(土)



 呟き






絶望する手前が

絶望した後よりも残酷なのものだと思いませんか?







2003年07月11日(金)



 






「後悔した」…その一言が

僕には一番辛かったりするのです







2003年07月10日(木)



 






忘れてと言われて忘れられるような

そんな甘い夢ではなかった

…だから悪夢って言うんでしょうね。







2003年07月09日(水)



 そんなに






そんなにきつく抱きしめないで

そんなに愛らしく笑わないで

そんなに傷ついた姿をみせないで

そんなに「アイシテル」だなんて言わないで






…別れが辛くなるでしょう?







2003年07月08日(火)



 苦しみ





小鳥が飛ぶことを知らなければ

羽を失う痛みも苦しみも知ることはなかった



私が貴女の体を

きつく抱きしめることをしなければ

こんなに苦しむ必要はなかった



貴女を忘れるために

目を潰し耳を塞ぐ苦しみを

知ることなんて無くてよかった





…貴女なんて知らなくて良かった…








2003年07月07日(月)



 弄ぶ






男も女も関係なく

弄ばれる全ての人間は

みんな不幸な気分に浸ると思う

そこに例外なんて

きっと存在しないんだ






2003年07月06日(日)



 カエル






ここは私の帰る場所ではありません

ここも私の帰る場所ではありません

私の心の帰る場所を返してください








2003年07月05日(土)



 大人





夢を「見れない」から大人じゃないのさ

「見た」夢を思い出せないから大人なのさ







2003年07月04日(金)



 将来






難しく考えることはないさ

食べたことのない飯

飲んだことのない酒

それと同じさ

食べたいと思えば食べればいい

呑みたいと思えば呑めばいい

それだけのことを難しく悩めるなんて

人間ってのはつくづく暇な生き物なんだね。








2003年07月03日(木)



 皮肉






「人は誰にでも明日を生きる権利がある」

じゃあ 

昨日と今日に死んでいった人間の権利はどこにあるんだい?






2003年07月02日(水)



 人生ってなんですか?







花に花の生き方を質問しているのと同じことだよ。

それを賢しいと思うか愚かしいと思うかは

人それぞれの勝手な判断だけどね。








2003年07月01日(火)
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