へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 人生に疲れた。








人生に疲れた

じゃあ お前さんは

疲れるぐらい人生を全うしたと言い切れるのかい?








2003年06月30日(月)



 感動の名作






感動は欲しいけど苦労はいらない

だから人間は文物に頼るんだろう?







2003年06月29日(日)



 懺悔末文






この懺悔を紙に残すことはできません

二度と浮かび上がらぬよう

海の底へ沈めます



もしくは

僕が死んだ暁には

棺桶に入れて

煉獄とともに焼き捨ててください

遺品は一切いりません

僕の唯一の遺品はこの懺悔だけ良いです



涙はいりません

願わくば

罵声と嘲笑で

人生の結末を見送ってください



犯した罪に値しない

ほんの小さな罰ですけども

それでも罪深き僕には必要な罰なのですから











2003年06月28日(土)



 懺悔主文






七つの大罪に享楽していた

貴女が死ぬことなんてないと

高を括って放蕩していた



「人には個性がある。

 たった一回の人生

 僕には僕の生き方がある。」



正しいような嘘を吐き

本当は本能のままに罪を犯していた



「また明日来るから」



嘘だ。

明日楽しいことがあれば

僕はそれを真っ先に選択していた



「ごめん忙しくて」



嘘だ。言い訳だ。

貴女を前にしてどんな嘘も御託も言い並べた

いつも貴女は嬉しそうに僕の話を聞いていた

その姿を見ていい気になっていた

やるべきことは果たされたと自己完結していた

いつも貴女は優しかった

僕にいつも優し過ぎるほど優しかった



「貴女の子供でよかった」



本当だ。でも、甘えからだ。

過去どれだけ貴女を泣かせた?

どれだけ苦しめた?

病床の中まで僕のことで悩ませた

なぜ悩む?決まっている。

僕が大罪の誘惑を甘受していたから。





貴女が死んだ朝

僕は貴女の手を握り誓った

「もう 僕は 今までの僕ではない。生まれ変わります」





確かに生まれ変わった

今まで以上の罪を抱えて。

今まで以上の豚になった。





何も変わらない

何も変われない

情けない

貴女の命をかけた叫びにも答えられない




結局僕は

今でも貴女を苦しませる

愚かな罪でしかない

愚かな子供です




ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。








2003年06月27日(金)



 懺悔前文






体に刻む

罰が欲しい

罪が消えるなら

どんな罰でも受けようと思う

例えそれが死でも 生でも 

煉獄でも

一生の懺悔で 貴女に悔いる

僕は罰が欲しい

貴女を失った

罰が欲しい








2003年06月26日(木)



 怠惰






鎖に囚われた僕は

飼育された豚のようで

浅ましく醜い姿を晒している

か細い泣き声で

必死で主人に言い訳している

小心で愚かな豚





豚は僕だ 豚は僕だ 豚は僕





三度の祈りは 決して僕を救わない。








2003年06月25日(水)



 鎮魂歌






一年に一度だけ

自分の罪を悔いて

前向きに崩壊して逝く日






僕は砂の子

風が吹けば舞散る

浮ついた粒子の存在






僕は雨の子

雨が降れば貴女を思い出し落涙する

湿った性格の持ち主





僕は貴女の子

貴女を追いかけて追いつけず

挫折して今でも貴女を苦しめる

腐った林檎の欠片






僕は罪の子

僕は罪な子

僕は僕は僕は









僕は居てはいけない子?






2003年06月24日(火)



 






春に飲むは 友と杯交わす 桜酒

夏に飲むは 父と杯交わす 麦酒

秋に飲むは 涙と杯交わす 別酒

冬に飲むは 鐘と杯交わす 忘酒








2003年06月23日(月)



 アセビ






アセビの釣鐘の中で眠るのは

僕独りだけで良いと思う

「犠牲」の上に成り立った恋だから

別れ際には僕が「犠牲」となろう

全ての苦楽は因果応報

全ての快楽は因果応報

流した涙の温かさだけが生々しい

それだけの恋

それだけで良かった

僕の恋。







2003年06月22日(日)



 スイセン






平常心だと思っていた

思っていた…思い込んでいた

それが「うぬぼれ」だなんて

なんとも残酷な罪に踊らされていたのだろう

いっそ物言わぬ水仙の花となって

季節の変わり目に散り去りたい









2003年06月21日(土)



 ほおずき






愛せば愛すほど不器用になる

今度は上手く愛そう…

今度こそ悲しませたくない…

心にそう思えば思うほど

裸の心を「いつわり」の皮が覆いつくす

そしてまた一つ

鬼灯が爆ぜる様に悲しき恋で砕け散る

あぁ…君よごめん…

どれだけ愛しても僕は

誰も幸せになんてできないのだよ…










2003年06月20日(金)



 100回目の恋






100回目の恋愛が幸福なら

過去の99回の失恋はいいものだろうね

むしろ

涙流したことを笑いそうだね







2003年06月19日(木)



 ミヤコワスレ





出合いと別れの渦巻くこの街を

鮮やかに彩るは

都忘れの紫と

思いの篭った涙色

「また逢う日まで」

伝えたくても伝えられずに飲み込んだ

ほんの短い優しい言葉達








2003年06月18日(水)



 アサガオ






…人の夢と書いて儚いと詠みます

朝にだけ咲き

夏の終りに枯れる朝顔のように

生まれては消える短い命

人の夢とはそのようなもの

それでも人は恋をします

夢のまた夢でも

「儚い恋」に人は現を抜かします

あたかもそれが人の背負う業であるかのように…








2003年06月17日(火)



 シオン






「御機嫌よう」

さようなら

前向きに明日明後日に向かっていこうと思います

誰も聞いていなくても構いません

ただ

紫苑の花だけは風に揺られて頷いている

そんな気がしました

それだけでも僕は満足です







2003年06月16日(月)



 フジバカマ






上限の月

雪に沈む冬の靴

二人で歩いた夜の道

全てが藤袴の薄紫の様にぼやけてゆく

もう一度もう一度

あの鮮やかな感動をもう一度

春の三日月に未練を想う

「あの日に帰りたい」








2003年06月15日(日)



 弟切草








私の屍の上に一輪の花

想いを餌に花咲かす

「恨み」の篭った

弟切草

毎春貴方の幸せの彼方に向かって

花咲かせませぅ










2003年06月14日(土)



 ピラカンサ






十月冬花の花言葉

ピラカンサを一輪採り

昨日の別れに投げ捨てる

未練がましくも伝えたい

この「燃ゆる想い」を








2003年06月13日(金)



 さくら






散り降るは

桜花弁

夢小路







2003年06月12日(木)



 罪と×






僕は罪人でよかった

生まれてから死ぬまで

僕の背中には重い業が圧し掛かっている




これは

生まれてきてしまったことに対する

罰なんだろうね。







2003年06月11日(水)



 鍵っ子が家に帰る。






玄関に立ち止まり

鍵を開けドアを開けて中を覗き込むと

いつもそこは無限に広がる砂漠だけが存在していた








2003年06月10日(火)



 希望の詩






理想郷は夢の中にも妄想の中にも存在しない

理想郷はパンドラの箱にしまいこまれている

曰く それは希望であり 

それは「何時か叶うかもしれない」と期待を持たせる

最上級の拷問である



…人はそれでも「理想郷」を

極限までに美化させようとするがね…。







2003年06月09日(月)



 ひつじ






僕は羊の夢を喰らう獰猛で老獪な狼になりたいと願う。






2003年06月08日(日)



 






この街の住人は

雨が降れば屋根の下へ流れ

青空が覗けば室内に逃れ

星が覗けば酒に酔いどれ

夜が来れば男女が戯れ

誰一人として

不条理なルールに疑問を感じることなく

異なる道を歩もうとはしない



だけど僕には息苦しいんです

この街のルールが

とってもとっても

息苦しいんです。








2003年06月07日(土)



 拒絶被害妄想






僕には

掴まる藁がない

蹲る日陰がない

首を吊る高枝がない

とどのつまり

全てに拒絶されている。

無論 君も含めて。



この感情を

「被害妄想です」と断定する奴らの気が知れない

僕らはそいつらに問いかける。

三者三様三色の声音を高々と響かせ

そいつらを問い詰める



「お前らは何に涙を流したのか?」



奴らは返事をしない。しようともしない。

奴らは恥じ入ったのか

底なしの砂に埋まって逝く



そして 砂は僕の部屋を埋め尽くし

今は重みのない

思い出の食卓テーブルですら飲み込んでゆく



下を見るのは飽き飽きだ

地下へ暗闇へ引きずり込んでゆく

砂の床には飽き飽きだ



僕は空を見る

そして

夢を見て

前を見失い

砂に埋れる








2003年06月06日(金)



 吐く








結局僕はいらない子で良かったんだと思う。








2003年06月05日(木)



 








100%だと思っていたら99%だった

そして 残った1%の思い出に 毎夜苦しめられる僕がいる。









2003年06月04日(水)



 津波 涙








どこかで風が吹くんですね

どこかで波が起こるんですね

そして突然高波が起きるんですね

高波は僕を浚いどこに連れて行くのでしょう?





また 無性に 涙が出ます。








2003年06月03日(火)



 朝に鏡色の雨が降る








鏡色の破片が

憎憎しい朝雨となって

汚濁の街に降り注ぐ

キミがボクの手を握りながら転んだ

あの中道には今

追憶を照らし合わせる水溜りが一つ

ボクに何を思い出させたいのだろう?

燃えるごみの日に捨てた記憶の胎児達が

一斉に産声を上げて

今朝もボクを揺すぶり起こす






誰も居ない一人寝の布団の中で身もだえしながら

この街に降り注ぐ雨の色と同じ

鏡色の涙で枕を濡らす。






「こんな朝はもういらない。」















2003年06月02日(月)



 神様








僕の中に眠る神様は

時には慈愛で時には憤怒で

衝動となって僕を突き動かす

腰つき嘘つきな宵の月

神様は必ず

僕にだけ嘘をつく

「自由だ。空を飛べ。」

…そんなことないのに…。








2003年06月01日(日)
初日 最新 目次 HOME


My追加