へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 百舌鳥








窓辺に横たわった

百舌鳥の亡骸を掌に乗せ

彼女は言った

「お前はどこを飛んでいたの?

高いところには大きな鳥がいる

低いところには大きな獣がいる

ただ お前は無理をせず ただ卑屈にならない程度に

自分の高さを 飛んでいるだけでよかったのに」





…その日 きっと僕は 初めて

彼女の流す涙を見た気がする




(2003年9月1日にROSE GARDENさんに投稿した作品)






2003年03月31日(月)



 汚い懺悔








神様は残酷で

神様はすごく残酷で

神様は

すごく狡猾で

神様

は 凄い

作り笑いで 私に

微笑む

神様ごめんなさい

今日も 私は

悪い子でした。




(2002年9月3日にROSE GARDENさんに投稿した作品)






2003年03月30日(日)



 妬みからの怒り






消えましょう 僕から

何も言わず 何も言えず 何も聞かず

楽でしょう?

僕が消えれば楽なんでしょう?

だから消えます

僕から あなたの前から 

消えようと思います








2003年03月29日(土)



 片思い








好きだよ 嫌いだよ 言いたいことはイッパイあるよ

…言えないのは僕の弱さだね…








2003年03月28日(金)



 肉体関係








扇情的な付き合いだからこそ美しい

ましてやそこに「恋」なんてあるのなら

もはやこれは狂気の沙汰だね

これだから男女の付き合いは楽しいんだよ。








2003年03月26日(水)



 当たり前







生きていることを当たり前と思えだなんて

いったい誰から教わったのでしょう?








2003年03月25日(火)



 甘い悩み








何かを悩む以前に

悩むことに悩んで

つい自分に甘えた答えばかり探ってしまう

これが僕の悪い癖だね








2003年03月24日(月)



 








我侭な貴女の性格に苛立ち

苦しみ悩んで空を見上げれば

どこまでも続く広い青空が

僕を半笑いで見下ろしてた

僕も半笑いで空を見上げた





…明日もう一度貴女と話そう








2003年03月23日(日)



 カナシミ








たかだかメールの1通が来ないだけで

泣きそうになる一日だってあるんだよ?







2003年03月22日(土)



 戦う








戦う

僕は僕を取り巻く

現実

苦難

苦労

障害

自殺

全てに宣戦布告をする

僕は戦う

貴女の元に還るために

僕は当て所なく

戦い続ける









2003年03月21日(金)



 ごめん








傷つけてゴメン

もっと君のために何かできる男になりたかったけど

やっぱ、僕じゃ無理だ

ごめん

せめて 僕が蒔いた悪い種は 僕が枯らすように努力するよ

ごめん 君に恋してゴメン。








2003年03月20日(木)



 リリィシュシュを見ながら








君がいてくれるだけで幸せなこともあるんだよ

君がいてくれるだけで救われているんだよ

だから そんな悲しい顔をしないで?

泣き顔でいるより笑顔でいられるほうが僕ららしいだろ?

そんな二人にしかできないこともあるさ

二人で見たリリィ・シュシュ

アラベスクの音色に身を任せ

ジムノペディの音色で未来を語り

アイドルPOPの音色で彼に埋められないものを僕が埋める

僕らの関係はまるで混ざり合った「エーテル」のようなもの

美しく神秘的で理想的であっても

実物は存在しない幻の原形

それでも夢を見られるのならいいじゃない?

僕は十分幸せだよ

君と一緒に混ざり合える「エーテル」の時間があるだけで

十分すぎるぐらい幸せだよ 

…愛してる。















2003年03月19日(水)



 雪路








貴女がつけてくれた処女雪の足跡を

僕は見失わないように辿って行きます

きっと また 貴女に会えるから

きっと また 僕にも会えるから




貴女に会えて本当によかった












2003年03月18日(火)



 無題








握った手を離したくないと思ったあの夜

辛かったのは

「もう行かなきゃ…」の一言と

君から手を離して

僕の知ることのできない場所へ帰ってしまったこと

君が離した右手の感触が徐々に冷たくなっていく

君と僕との思い出が徐々に過去になっていく

徐々に徐々に

全てがなくなっていきそうで怖くなる

なくなって僕はどうすれば良いのかわからない

ただ ただ 怖くて

この夜に甘えている僕がいる






助けて

誰か

助けて
















2003年03月17日(月)



 ウタタカに出来損ない








ウタタカな夢に呼吸器系を塞がれて

息をすることも忘れてキミに抱きついた朝

そのまま息をし忘れて

キミに恋し続ける

僕は出来損ないの人間

出来損ないの出来損ないな片恋に

冷静な目で突き放すキミの態度にまた

息をし忘れ目を瞑る

このままウタタカに

出来損なった恋を抱いて

僕は弾け散る











2003年03月16日(日)



 沈没船








嫉妬さえなければ

キミと素直に話せれるのに

神様は上手く僕らを泳がせてくれないんだね

僕の沈められた恋愛の水槽は常に不条理な障害で溢れ

荒波が僕を底へ底へと飲み込もうとする

藁をも掴みたい気持ちで浮き上がろうとする僕を

キミはこの水槽のどこで見ているの?




僕はどうすればよいの?

神様は僕を溺死させたいの?

神様は僕を試練の名の下に遠ざけてしまいたいの?

水槽の底で砂に埋れながら

僕は引き上げられるのを待つ沈没船になって

キミの暖かな手を待っているんだよ?

早く見つけて。僕を。僕のことを。

ここは暗くて寒くてもう嫌なんだ…










2003年03月15日(土)



 告白という名の決意








例え貴女に嫌われても僕は貴女が好きです

例え貴女に捨てられても僕は替わり続けます

貴女が望む理想の男に

告白であり決意であるこの言葉を

貴女がどのように受け止めようとも

僕は貴女を密やかに胸に住ませる事でしょう

替わり続けるために

浮き沈みの激しい僕のオンボロ船の重石となるよう

僕は貴女への想いを胸にしまいこみます

回りくどい言い方しかできませんが

僕の精一杯の声が貴女に届くことを祈り

今日を力強く生きていきます

ありがとう

大切な僕の貴女











2003年03月14日(金)



 甘え・自分・過去・さよなら・おかえり








自分を悲観的に見せてきたことに恥じる気持ち

自分を末期ととらえてきたことに恥じる気持ち

自分を見つめることに怯え避けてきたことに恥じる気持ち

全てが甘えで全てが僕自身への暴力だと思い

今朝の朝日に恥じる気持ちと

今朝の朝日に向き合う気持ちを

僕は僕を支える過去達に

教えてやりたいと思う

さよなら…




…そして

おかえり

捨ててしまった僕達。






2003年03月13日(木)



 悪夢








覚めたくない悪夢を

目覚めたくない悪夢を経験しました

今も僕は悪夢の中にいます

起こさないで…起こさないでください

この悪夢を僕は愛しています

この悪夢を僕は

愛しているのですから。









2003年03月12日(水)



 書き捨てられた紙くず








恋 恋 恋 恋 恋恋恋恋恋…








2003年03月11日(火)



 恋シタイ








キミのために生きる

キミの小さな小さな騎士に

偶には恋をさせてください









2003年03月10日(月)



 魔法








魔法をかけられて

南瓜は馬車に変身を遂げる

魔法をかけられて

不完全な二足歩行者が

完全な二足歩行を始める

魔法をかけられて

死人だった僕が蘇る

魔法をかけられて

僕は…僕は貴女にコイヲスル!









2003年03月09日(日)



 








愛しくて

恋しくて

会いたいから

僕は鳥になれればいい

貴女の元へ飛び帰る

一羽の白い鳩になれればいい

貴女と幸福になりたいから

白無垢の鳩となって

貴女の元へと飛び立ちたい








2003年03月08日(土)



 行。








どこまで行こうか

どこまで走ろうか

どこまで逃げようか?








2003年03月07日(金)



 Night Night Knight






僕に生きる意味があるとするならば

今夜キミの濡れた頬を乾かす事にあるのだろう

安心して身を任せてごらん?

キミのナイトが守ってあげる

夜からやって来て朝には消える

勇敢な夜だけの騎士が貴女をお守りしましょう

さぁ 

ボクの胸で涙をお拭き

ボクの腕で安心してお眠り

必死で戦い命がけで守るよ 

キミを涙と寂しさで惑わせる 

孤毒の息を吐きつける夜の魔物から



例え手強い夜の魔物のせいでボクが倒れたとしても

キミを守れた事を誇りに思うよ

誇りを持って騎士は眠れるのさ

だからそんなに悲しい素振りを見せないで?

また会えるよ 次の「夜」にまた会えるさ

またキミを守るよ



女の幸せに埋められて

女の思い出を墓標にして

男は眠る

静謐で華に囲まれ朝日を浴びる墓の下で

騎士は眠る

そして女は勇敢な男の事を墓標にこう刻む





「勇敢な夜の騎士 私のナイト ここに眠る」










2003年03月06日(木)



 落死運命








空を飛ぶ夢を見ると

必ず僕は最後に

誰も居ない地面に向かって墜落してゆく

衝撃は涙を飛散させる

絶叫は無言の朝を呼び覚ます

誰も居ない地面に横たわり

深紅の薔薇に埋れ

落下の衝撃で崩れた僕の亡骸を

一番最初に見つけた

君の両手で埋めて欲しい

幼き頃の愛する猫を埋めた

あの尊い優しさで



あぁ…僕は幸せが欲しかったんだよ…










2003年03月05日(水)



 震え








嘘つき

嘘つき

嘘つき

笑わない猫。飛ばない鳥。従わない犬。

嘘つきだ。みんな。

特に少し笑った僕の顔が一番嘘つきだ。



ガシャンッ!!



僕の不快な怒りと焦りが似た者同士の僕を殺す。

だって嘘つきなんだもん。

だって あいつは 嘘つきだったんだもん。




理不尽な恐怖に膝を抱えて怯る僕を

貴女は無下に笑いますか?

貴女は それでも 哀れなこの男を 笑い飛ばしますか?







2003年03月04日(火)



 欲しい








「もう少し頑張りなさいよ」

なんて言って

ポン…と背中を押してくれる…

…そんな優しさが欲しいです。









2003年03月03日(月)



 産声








僕の生まれたての心が突発的な産声を上げる

耳障りな産声に苛立って暴力を振るっても

生まれたの心は産声をさらに高めて僕の内側を削っていく






…誰か助けてくれ。










2003年03月02日(日)



 








雨が降り 川を流れ 海に行く

僕の涙も 流れ 流れて 海に行く

心の中で 広く深い 海になる

とても悲しい 海になる

僕は海で泳ぐ 毎日泳ぐ



何時かきっと溺れる

僕は僕の海に溺れる



僕は溺れて 沈んで 海に溶ける

そして

きっとまた 悲しい涙になって

心の奥に海を作る

誰かを溺れさせる

海になる。僕は。









2003年03月01日(土)
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