斬られ役

斬られ役
 時代劇の中に出てくる斬られる為の侍

 名も無く
 スーパーに載る事も無く
 主役を光らせる為に斬られ続ける

 斬られてナンボを続けている内に
 斬られている姿を見ているファンが増えた

 二万回斬られた男はもうすぐ定年を迎える
 二万回斬られて今も名も無い侍

 「斬られる僕らが光ったらスターさんも自然に光る」

 斬られ役は照れ臭そうに笑った

2002年04月18日(木)

ハッピーバースデイ

 母が62歳の誕生日を迎えた

 62回の誕生日がどんなだったか
 勿論全部は知らない

 僕が知っているのは32回
 その中でもちゃんと祝ったのは?
 と問い掛けると数えるほどしかない

 還暦を過ぎたら誕生日は負担でしかないかも知れない
 でもお祝いの言葉が母の笑顔を作ってくれている

 迷惑ばかり掛けているけれど
 お世話にばかりなっているけれど

 今は言葉とちょっとしたプレゼントしか出来ないけれど
 これからも宜しくお願いします

 おめでとう
2002年04月14日(日)

訪れる

 その宿は数年前に父親と一度訪れた場所だった

 現場の構成表を見ても、説明を聞いても思い出さなかったが
 機材車が駐車場に到着した瞬間にその景色を思い出した

 父のリウマチの温泉治療の為
 入院する温泉病院を下見に来た時泊まった宿


 明日のネタ、回廊の先の露天風呂は本当に素晴らしい
 90段以上階段を上った先の森林の中にそれは存在する

 露天風呂と森林浴を同時に体験出来る

 だがその時
 リウマチに苦しむ父は階段を上がる事が出来なかった

 その時も今回も一人で露天風呂に入ったが
 今回の方がより素晴らしさを感じる事が出来た

 前回はやはり楽しい旅行ではなかった
 今回は仕事での宿泊だから旅行でさえないが

 気持ちは軽い

 訪れる場所、訪れる時間、タイミング
 前回の気持ちを思い出し、清算できた気がする

 明日、生中継
2002年04月12日(金)

共同会見

 春の大一番に向けてカメラのレンズが並ぶ

 共同会見場の大勢の人の前で
 自信をみなぎらせる強気の人もいれば
 自陣の問題点、ライバルの良さを指摘する人もいる

 本番に向けて精一杯やって来た事は変わり無い

 共同会見に臨む時には本番前の最後の調整は終わっている
 後は本番当日に臨むばかり

 結果は日曜日
 陣営の努力が結実する

 自信が笑顔に変わるのは、果たして
2002年04月10日(水)

息抜き

早朝からの仕事を昼前には終わらせ
 宿の晩飯を断って仕事仲間とのBBQ

 びわ湖畔の駐車場は意外な程強い風が吹き
 意外な程寒く凍えるようだった

 夕陽が沈み暗くなる直前に風は一段と強くなった

   

たまに息を抜くのも良い

 仕事よりも頑張って準備したBBQは楽しく
 十分な息抜きになった

 明日はまた早朝から撮影
 抜いた息をもう一度戻して望む

 息抜きは良い

 
2002年04月09日(火)

雨、桜、そして銭湯

 昨晩からの雨が朝になっても降り続いていた

 滋賀県某所
 久し振りに多くの仲間が集まった
 晴れていてくれたらもっと良かったのだが

 寒い中のBBQ、そして車中泊
 慣れてはいるがここまで寒いとは予想外
 防寒具などは少ししか装備していなかった

 明けて今朝は深い霧


 麓とは違いまだ桜が残っていたが
 この雨で散っていくだろう



 濡れた地面を踏みしめて山を降りる
 そして仲間と久々のスーパー銭湯

 濡れて冷え切った体がゆっくりと暖まる
 風呂はいい、特にでかい風呂はいい
2002年04月07日(日)

八重桜

 桜の見頃が過ぎたと言ってもそれは染井吉野に限った事
 これからはしばらく八重桜の見頃の時期になる

 桜って言うとやっぱり染井吉野
 八重桜も綺麗なのには違いないが
 桜、と言う印象からは少し遠い

 でもやっぱり綺麗か

 
2002年04月06日(土)

一瞬の花

 少し時期を過ぎて葉を出し始めた桜が
 それでも美しく撮影隊を出迎えてくれる

 たった一瞬美しさを見せる花

 花の咲いていない桜の美しさはこれから
 緑の葉が茂る桜もきっと美しいだろう

 一年の内のたった一瞬しか輝けないなんて寂しい
 煌びやかではないかも知れないけれど
 そこには確かに輝きがある

 一瞬の花が散ったとしても
2002年04月03日(水)

通学路

 高校時代に毎日徒歩で通った道をポタる
 自転車でたった5分の道のり

 雨が降った日も雪の日も
 日曜祝日と春夏冬の休み以外は毎日
 勿論今日のような桜の咲く暖かい日にも


 小川沿いの道は見事な桜並木だった

 きっと当時も通っていたのだろうが
 その時は感じなかったのか
 それともすっかり忘れているのだろうか?

 とにかく見事すぎる、まさに満開の桜

 明日の現場があの寺じゃなかったら
 自転車に再び乗り始めていなかったら
 今日この道を選んでいなかったら

 この見事なまでの満開の桜を目にする事は無かっただろう
 明日放送する桜よりも見事な桜

 偶然のような必然の前で人間は無力だ

 無力な自分の前に偶然を装って必然はやってくる
 こんな必然ならいつ有ってもいい
2002年04月02日(火)

大魔王の脳溶け日記 / 大魔王

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