せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2010年03月25日(木) |
卒業式 劇団俳小「ゴルゴダメール」 |
3月25日(木) 富士見丘小学校の卒業式。 控え室の集合時間に少し遅れてしまい、廊下を特活室まで移動する六年生の列の一番うしろについて歩く。 みんな、ブレザー姿で大人っぽい、髪型が変わっている子も何人もいる。 篠原さん、相馬さんのとなりで式に参加させてもらう。 今年もまた、卒業証書の授与の前に、一人一人将来の夢を話していく。 マイクなしで、体育館全体に聞こえるいい声で。 声の大小ではない、ちゃんと響きのある声でみんなが話してくれた言葉はどれもみんなすばらしかった。 無理に大声を出しているというのでもなく、しかたがなくしゃべらされているというのでもなく、ちゃんとその場で自分の思いを言える子供たち。すばらしい。 一人一人が卒業公演の役々と重なって見えてくる。 最後は、子供たちの「門出の言葉」と歌。「ここは牛肉特売タウン」の劇中歌「絆」が歌われた。その後が校歌。 子供たちの言葉がそのまま歌詞になっている「絆」と、やや不思議な文語体の歌詞が特徴的な校歌の対照がおもしろかった。 全員でひな段にならんでいる姿を見るのもこれが最後かと思うと感慨深い。 終了後、来賓控え室で、みなさんに御挨拶。以前、図工を教えて下さっていた前田先生、それに昨年度までの校長先生の宮先生。 今日は、雨降り。天気が良ければ校庭に五年生がアーチをつくって、その間を卒業生が通って、写真撮影という流れ。 2階と1階の廊下が会場になって、卒業生が担任の長崎先生、杉本先生の後を歩いてきた。 拍手をして、握手。卒業おめでとう! 夜は、篠原さん、相馬さん、それに平田さんと一緒に、劇団俳小公演「ゴルゴダメール」@シアターグリーンへ。 エレベーターで俳小の研究生になっている母校の演劇部の後輩、信太くんと会ってびっくり。エレベーターボーイをしてた。 会場では、久しぶりにお会いする何人もの方にごあいさつ。 「ゴルゴダメール」は、一昨年の劇読みで演出をさせてもらった篠原さんの作品。 いろいろな声やイメージが甦る中、拝見。 圧倒的なセリフの力にほろほろと泣かされてしまう。 終演後、相馬さん、平田さん、篠原さん、それに合流した劇団劇作家の有吉朝子さんと乾杯。 富士見丘組は卒業式後の打ち上げ、「ゴルゴダメール」についての思いもみんなそれぞれたくさん語った。 帰宅して、出演していた山本悠生さんからメールをもらう。 劇読みでと同じ役で今回出演している彼。 新国立の研修所での卒業公演「リハーサルルーム」からの、成長と円熟ぶりが感慨深い。 まっすぐにシンプルに、祈りのような気持ちで千穐楽まで演じていってくださいね、と返信する。 いい夜。
2010年03月21日(日) |
ワークショップ「ハムレット」 |
ワークショップ2日目。今日は集団でのワークがテーマ。 自己紹介、シアターゲームの流れはいつもと同じだけれど、今日は後半につなげるため、ややイメージをひろげるエクササイズをしていってもらう。 部屋の中を僕が伝えるイメージを表現しながら歩いていってもらったり、ペットボトルやハンガーや椅子を(ちょうど部屋にあったので)いろいろなものにたとえていってもらったり。 正解がないこと、類型化よりは、人と違うことをしていってほしいと伝える。 後半、今日のテキストは「ハムレット」の旅役者たちが演じる「無言劇」の場面。 一人が1フレーズずつ王と王妃と暗殺者の動きを読み上げる前で、そのとおりに演じていってもらう。 演じてもらいながら、疑問に思ったこと、「ト書き」に書かれてないけど必要なことなどを次々上げていってもらい、それを踏まえて、また演じてもらう。 毒薬はどんなものなのか、王妃への贈り物は何なのかなどなど。 セリフを言ってもいいということしたら、一気に場面ができあがってきた。 最後は、「ト書き」自体を変えて読んでもらい、それに沿って演じてもらう。 とてもおもしろい場面が立ち上がった。 正解を探すのではなく、類型化するのでもなく、自分だけの具体的なイメージをちゃんと持つことの大事さ、それが生き生きとした表現につながることを確認して終了。 帰り、参加者全員で打ち上げ。なつかしい面々と楽しくしゃべる。
2010年03月20日(土) |
ワークショップ「瞼の母」 |
フライングステージのワークショップ、先週に続いての第二部。一日目。 自己紹介、シアターゲームに続いて、今日取り上げたテキストは、長谷川伸の「瞼の母」の大詰め。 今日のテーマは「二人の関係」ということなので、二人組になってもらって、いろいろやってみてもらう。 人数の都合で、僕も一組参加する。ひさしぶりにセリフをしゃべっていっぱいいっぱいになる。 余裕をもってプログラムを考えているのだけれど、今日もまた時間いっぱいでばたばたする。 明日のプログラムを再検討する。
2010年03月14日(日) |
シアターΧ名作劇場「茶の間」「囲まれた女」 ワークショップ「アンドロマック」 |
3月14日(日) 午後からシアターΧの名作劇場を見に両国へ。 駅で、石関くんと待ち合わせ、倉庫から借りていた着物類を受け渡し。 彼は日ヶ久保さんと待ち合わせて、一緒に倉庫に向かうとのこと。 名作劇場、今回は室生犀星「茶の間」と田口竹男「囲まれた女」の二本。 雪の降る夜、夫の帰りが遅い中、姑と熱を出して寝ている子供たちと留守番をしている妻。幼なじみのように親しかった男がやってきて、お茶を飲んで帰って行く。 帰ってきた夫は、そのことに少し気持ちを乱されながらも、寝室へ先に行く。 鏡台に向かって寝支度を整える妻。と、そこで幕。 これだけのほんとに何も起こらないと言っていいような話なのだけれど、とてもおもしろかった。 「根岸の一夜」でご一緒した山口晶代さんが妻、訪ねてくる荻島という男を松尾智昭さん、夫を「城」に出ていた藤本至さん。しっとりといい芝居だった。 二本目は、終戦後間もなくの京都の一杯飲み屋を舞台にしたお話。 女で一つで切り盛りしている主人公が、身内や妾として世話になっている旦那やら、妹同然の女の子やらに、どんどん追い込まれていく。全くお金の問題なのだけれど。 軽やかな京都弁と身のこなしで演じていた山崎七甫さんが素晴らしかった。どんどんやってくる無理難題としょうもない男達を一手に引き受けて、一歩も引かない強さ、したたかさ。 二本をとてもおもしろく見て、終演後、キャストのみなさんに会い、松尾さんとは握手。川和先生に御挨拶して失礼する。 夜は、ワークショップ2日目。 昨日の続きということではなく、ほぼ同じアップとゲームをして、その後、テキストへ。 今日は、ラシーヌの「アンドロマック」4幕2場。 エルミオーヌとオレストの場面。 昨日の「真夏の夜の夢」で、「シェイクスピアはカットできるけれども、ラシーヌはむずかしい」と話したそのラシーヌを、テキレジしていってもらう。 大事なせりふはどの部分なのか。 今日は、2人組ではなく、エルミオーヌ組、オレスト組に分かれて。 2人で話しあうのとは違う、大変さがあるのだけれど、そのあたりも体験しながら、作品作りにつなげていってもらう。 ドラマチックなエルミオーヌ組がほぼ男性、誠実なオレスト組が女性ばかりだったのがおもしろかった。 最後に、ざっくりと動きをつけてもらっての発表。 昨日とはまた違った、みんなで作品を作ったという手応え。
2010年03月13日(土) |
ワークショップ「真夏の夜の夢」 |
3月のワークショップの一日目。 自己紹介から始めて、ウォームアップのシアターゲーム。 その後、後半はシェイクスピアの「真夏の夜の夢」のヘレナとディミートリアスの場面を二人組で。 まずはテキストのままで、その後、「ここはなくてもいい」という部分をカットしてもらって。 チーム毎に、カットのしかたがいろいろでおもしろい。 初めて参加の15才の彼がとてもまっすぐでいいディミートリアスを創り上げていて、みんなで拍手。 帰り、地元に住んでいる参加してくれた人の案内で、定食屋さんで食事。 僕は雑穀米にほっけの開きの定食。おいしかった。 ゆっくりしゃべりながら食べたせいか、とてもお腹いっぱいになる。
3月10日(水) 午後から、富士見丘小学校の卒業を祝う会、「ありがとうの会」にお招きいただく。 ランチルームに集合して、六年生に案内されて体育館へ。 保護者のみなさん、六年生の出し物を楽しく拝見。 お礼のカードとプレゼント、お花をいただく。 終了後、先生方、講師陣で振り返りの会。 今年の卒業公演のこと、そして来年のことなどなど、たくさんの話。
2010年03月09日(火) |
リーディング「湯島の境内」 |
「湯島の境内」のリーディング本番。 下北沢の劇小劇場へ向かう。 みぞれまじりの雨が雪に変わりそうな天気。 先日、拝見した稽古に少しだけ動きがついて、青井さんが「余所事浄瑠璃」の「三千歳」を語っての上演。 始まりと終わりにニーナ・シモンの歌が入って。 終演後、シンポジウム。 外に出ると吹雪のようなことに。 青井さん、北川さんに御挨拶して、石原燃ちゃんと失礼する。 二人で自然食の定食屋さんで食事。 こんなところがあったんだねえと言い合いながら。
2010年03月05日(金) |
リーディング「湯島の境内」稽古場見学 |
3月5日(金) 演出家協会主催の近代劇研究会のリーディング、泉鏡花「湯島の境内」の稽古を見学させてもらう。 演出は青井陽治さん。 久しぶりに行った西新宿の花伝社。中野坂上から下っていったら、青梅街道沿いの町並みががらりと変わっていてびっくり。 こんな大きな道やビルがあったっけ?と戸惑う。 稽古場で石原燃ちゃんと合流。 北川能功さんの早瀬主税がまっすぐですがすがしい。 女形でお蔦を演じる樋口さんも、新派の口調を真似るのではなく、ひたすらまっすぐにセリフを発しているのがいい。 青井さんが稽古の合間にセリフをしゃべる口調が、そのまま新派で、それを聞いているだけでもおもしろかった。 帰り道、青井さんとおしゃべりしながら、まっすぐに語られる鏡花のセリフがラシーヌのようですねと話す。 新宿までの長い道を芝居の話、鏡花の話をあれこれしながら。 初めて見た1986年の「天守物語」@日生劇場のことなどなど。 本番がとても楽しみ。
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