せきねしんいちの観劇&稽古日記
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暖かい日。電車はもう冷房が入っている。 駅でいいにおいがすると思ったら、大きな藤が植えてあった。満開の花房が甘いにおいをだしている。 藤ってこんなにかおるものだったんだ。 長唄の「藤娘」は、この甘いにおいの中で踊ってるんだなあと、思ったりする。 劇場入りして、アップ、そして、ダンスと段取りの確認。 そして開演。 2日目の舞台なので、出来たことをなぞらないように、今を楽しむよう心がける。 終演後、宇田くん、アルピーナさんにご挨拶。バーバーといっしょにしばしおしゃべり。 雑遊では、3つの演目が交互上演される。今も袖には知らない小道具が置いてあるのだけれど、これがさらに増えていく。 「狂人教育」の装置をばらして、明後日、また立ち上げることに。 そんなことを3つの演目で次々やっていく。 なんてすごいんだろう・・・。 スタッフさんの大変さはどれだけだろう。特に舞台監督さんのメモリーはとんでもない数のきっかけですごいことになってるんじゃないかと思う。 客演陣はお先に・・・ということで、失礼する。 帰り、いただいたメールに返事をしたり、お礼を送ったりしているうちに、すっかり終電近くなってしまった。 明日は休演日。 明後日、劇場はどんなことになってるんだろうかと、ちょっと楽しみ。
ゆっくりだった昨日とはうってかわって、あわただしい初日。 場当たり、ゲネプロの後、本番が2回だ。 衣装とメークありでの場当たり。小道具も動きも多いこの芝居は、確認することがいっぱい。 スタッフのみなさんも昨日の今日なのに、ほんとうにたくさんのきっかけをクリアしていかないといけない。 装置のトラブルがあったりして(!)時間が押してしまい、ゲネプロはやや駆け足で。 開場を少し押して、初日、開演。 昨日よりはずっと声のとおりがよくなった劇場。 仲良くなれたんじゃないだろうか。 外に出て、見に来てくれたもっちゃんと話し、すぐに二回目の準備。 落ち着いてやれたんじゃないかと思えた舞台。 おつかれさまでした。 終演後、差し入れのお裾分けのポカリスウェットを飲みながら帰ってくる。 今日は4回弱、通したことになるので、腰が痛い。 普通の芝居でも、一番疲れるのは足と腰なのだけれど(立ちっぱなしだからね)、今回は1時間の舞台で休んでいられる時間が全くないので(舞台でも、裏でも)なおさらだろう。 終演後は、汗だくで、そして息があがって、はあはあ言っている。 そんなにすごい動きをしているわけでもないのに、どういうことだろう? 明日もゆっくりな入り時間。 これから一週間、この劇場、この芝居とつきあっていく。 短距離走というか、障害物競走というか、とにかく全編ダッシュ!に近いような勢いで芝居をしています。 みなさんのご来場をお待ちしています!
2008年04月28日(月) |
劇場入りと酔っぱらい |
朝、NHKの「生活ホットモーニング」に長塚京三さんが出ているのを見る。 来月、出演する舞台「エンバース」の話をいろいろしている。 演出の板垣さんが稽古場で話している映像も。 イギリスで見たこの舞台を長塚さんはぜひやりたいと思い、自ら翻訳されたそう。 その訳について板垣さんは、「セリフにリズムがある」と話していた。 その後、短い場面のセリフをスタジオで語った長塚さん。 たしかに耳に気持ちのいい訳だなあと思った。 「とつおいつ」なんて言葉も出てくる、しっかり考えられた練られたセリフだ。 芝居について、訳について話す長塚さんは、とてもしっかり自分の「理屈」を持っている人だなあと思った。持っていてもなかなかその理屈を話せない俳優が、日本には多いと僕は思うのだけれど、長塚さんは、自分の思うことをしっかり話すことのできる俳優なんだと思った。 「エンバース」、共演は、益岡徹さん、樫山文枝さん。見に行けるといいのだけれど。
ゆっくりな劇場入り初日。 初めましてのスペース雑遊は、都営新宿線の新宿三丁目の駅のすぐ上。 地下に降りて、ドアを開けるとすぐ客席。 アゴラ劇場の3F部分だけのような印象。 狭い空間に人とモノがいっぱいで、舞台を作っている真っ最中。 音響以外のスタッフさんが大阪の方で、今日初めてぼくらの「狂人教育」の舞台を見る。プランはそれからということで、まず通してみる。 衣装を着て、大体の空間を確認したあと、頭から。 なんとも不思議な、心細い、アウェーな感覚。 小屋入り初日は耳が慣れないものだから、自分の声もよく聞こえない。 昨日までの稽古場の残響の長さに慣れてしまっていることもあって、ちゃんと声は出てるんだろうかと、心配になる。 冒頭に袖で一人でスタンバイをしているとき、左の脇腹を突っつかれた気がした。 となりには、小道具の棺桶が置いてあるだけなのに・・・。 いやな気持ちはしないけれど、いたずらをされたような、挨拶をされたような気持ち。 通しというか、段取りの確認を時間いっぱいまでやって、今日はここまで。 劇場にいた時間はそんなに長くないはずなのに、きっちりへとへとになる。 神経をはりつめていたせいだろうか。 外で明日の予定の確認をしたあと、なんとなく帰りがたくて、道路脇のコーンとロープで囲まれた「安全地帯」で少しおしゃべり。 先に歩いていった泰志さんが、よっぱらいのおじ(い)さん(トレンチコートで白髪のこぎれいなかんじ)と一緒に戻ってきた。 このあたりのバーを探しているらしい。 店の名前を聞いてもよくわからない。 「それって、ゲイバー?」などと聞いているうちに、よっぱらいは、近くにいたチョビちゃん、バーバー(馬場くん)に向かって「あなたはかわいい、きみもかわいい・・」、そして、僕に向かって「きみも『かつては』かわいかった」と言った。 御苑大通りの横断歩道を渡り、二丁目に向かって歩いていく後ろ姿に「車に轢かれろ!」と大声でつっこんでおく。よっぱらいは、振り返らないまま手を振って歩いていった。 二丁目の近くの劇場だからって、こんな目にあわなくてもいいじゃないかと思う。言われたことよりも、言い返したことの大人げなさを反省。やっぱり、二丁目の近くだからかな・・・。他じゃあんなこと言えないもの。 その後、自宅近くのコンビニのレジでも、あきらかに目つきのイっててしまっている酔っぱらいにからまれ、「明日は初日・・・」と心の中で言いながら、喧嘩をしないで外に出た。 酔っぱらいの二連発はどういうことだ? 僕にすきがあるのか? 脇腹を突っついた誰かのいたずらか? とりあえず、家に着いてから、塩をまいて気持ちを落ち着けた。
稽古場最終日。 昨日の通しのダメだしのあと、小返し、そして、衣装とメークありで通してみる。 今日は、集中しながら、意識を広げてみる、なんてことを考えてみた。 というか、それができてる状態じゃないと、手も足も出ない芝居なんだということに改めて気がつく。 僕が演じる祖母の役は、僕にとって初めての老け役。 イメージしているのは、大昔に見た「リチャード三世」で美輪さんが演じていたマーガレットだ。 当時、美輪さんは40代だったと思う。 稽古の初めの頃、「毛皮のマリー」や「青森県のせむし男」を演じていた美輪さんが、この祖母を演じたらどんなだろうと考えた。 たぶん、それがきれいな役づくりになったのだと思う。 美輪さんは、思い切った汚れ役の演技を見事にする人だ。 近頃では「卒塔婆小町」とか「ピアフ」とか。 思い切って、汚しておいても、どこかに毅然としたものがあるのは、美輪さんの舞台にかける真摯な姿勢があるからだろう。 決して、お笑いにしないで、でも、おかしくて、哀しくて、そして、とっても力強い。 僕もそんなふうになれたらなあと思いながら演じている。 公演の案内のメールをいつも見に来てくれるみなさんに送った。 60分で終わるとても短い、不思議な芝居だけれど、たくさんの人に見てもらいたいと思う。 明日は劇場入り。
オレノくん、それに音響さんが来てくれて、録音。 僕の冒頭の歌は結局伴奏ありということになった。 いろいろなお願いして、オレノくんに演奏してもらう。 小返し、そしてダンスの練習のあと、通してみる。 だんだん、この芝居がわかってきたような気がする。 約1時間のこの「狂人教育」という芝居。 その中で、どんな風に変化していくのかということが、腑に落ちてきた。 集中のしかただけじゃなく、相手にどんなふうに向き合うのかということも。 ちゃんと渡さないとちゃんと帰ってこないという当たりまえのことも。 芝居は一人でつくってるんじゃなくて、みんなで積み上げているんだということも。 通し自体は、「ちょっと疲れてたかもしれない」という出来。 明日はどうしてみようか。
6月に出演する、ショウデザイン舎の「襤褸と宝石」の顔合わせにシアターΧまで。 加藤道夫の最後の作品を、山本健翔さんが演出する。 主演は、ANZAさんと別所ユージさん。 出演とともに美術も担当している三谷昇さんが、装置の模型を机の上に並べていた。 そのまっすぐな、そして、何より、芝居を楽しんでいるその姿に感動する。 はるか昔、演劇集団円の養成所にいたとき、「赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス」という舞台が、アトリエで上演された。 そのゲネプロの直前、森番の役で出演していた三谷さんが、衣装のまま、舞台の床面に葉っぱを一枚一枚書いている姿を見た。 その時のことをまざまざと思い出した。 あれから20年経っても、同じ情熱とひたむきさで舞台に向かっている三谷さんは、なんて素敵なんだろう。 ご一緒するのはもちろん初めて。 いい芝居になりそうな予感がいっぱい。 一度、読み合わせをして、今日はおしまい。 僕の役は劇場の支配人。「狂人教育」の祖母とは全然違う。2つの人物が自分の中にいる不思議な気持ち。 その後、劇団の倉庫で衣装とかつらをピックアップ。 必要なものを持って、外に出たら、まみぃとばったり。 「新・こころ」の着物を片付けに着たのだそう。 それにしても、こんなふうに会うなんて。 舞台の本番が近くなると、こんなふうに誰かとばったり会うことが多くなるのはなんでだろう? 昨日も、去年の「劇読み!」でご一緒した遠藤さんと駅で会ったんだった。 初日がもう近いんだなあと実感する、不思議な感覚。
「狂人教育」の稽古。 持って行ったかつらが大丈夫ということでほっとする。 衣装、メークありで、通してみる。 通しの途中で、ふと気がつく。 この頃の僕は、「正しくやろう」としてばかりで、その瞬間、瞬間を楽しむことを忘れてるんじゃないだろうか。 場面を終えて、稽古場の隅で息を整えている短い時間に、そんなことを思って、愕然とする。 この数日、僕は何をしてたんだろうかと。 その後の場面は、とにかくその場でちゃんと生きることを考える、もとい、生きてみようとしてみた。 昨日までのもやもやした気持ちがうそのような、楽しい時間が僕の体を通りすぎていった。 そうだよ、こうじゃなきゃいけないんだ。 丸尾丸さんには、「かつらをつけて、盛り上がってたね」と言ってもらう。 うん、それもあったかもしれない。 体はへとへとだけれど、だいじょうぶ、楽しんでやれる。 自信を取り戻した。
「新・こころ」に出演してくれた岸本啓孝さんが、フライングステージの劇団員になった。 月曜に話をして、劇団の面々とやりとりをして、これからどうぞよろしく、ということになった。 フライングステージの公演の予定は、まだはっきりとは決まっていないのだけれど、7月に予定している公開ワークショップが、一緒にやる芝居になりそうだ。 稽古は、今日もダンスでいっぱいいっぱいになる。 その後、通してみたのだけれど、なんだかうまくいかない気持ちが僕の中にある。 どうしたらいいんだろう。 丸尾丸さんの演出意図もよくわかっているはずなのだけれど、体がうまく乗ってこない。どうしよう。 家に帰ると、猫はすっかり元気だ。 岸本くんに、昔の台本を送った。 今から、十何年も前に書いた台本。なつかしく読み返す。 芝居に対する新鮮なわくわくする気持ちが薄れてきたんだろうか?なんてことも考える。
NHKの朝ドラ「瞳」。 前クールの「ちりとてちん」ほどちゃんとは見ていないのだけれど、朝から篠井英介さんを見ることができるのがうれしい。 篠井さんの役は、「ローズ」というクラブ(飲み屋さん)のママ、そのまんま「ローズさん」。 ダンスが得意で、自宅に大きなスタジオを持っていて、今日は、ヒロインの瞳に「あんたの踊り見てられないわ」と言うと、スタジオに連れて行き(飼い犬のパグを抱きながら)、「見てなさい」と、フラメンコを踊っていた。 赤い地に黒のドットのフラメンコドレス。きれいにメークもして。 朝ドラで、こんな篠井さんが見られるなんて!! やるな、NHK。もちろん、篠井さんも。 この頃はやりのオネエキャラとは全然違う、篠井さんの「ローズさん」は、なんだか見ているだけで感動的だった。拍手! 稽古は、後半の振付(!)。 そんなに長い時間でもないのに、一度やるとへとへとになる。 意識を外にとかそんなこと言ってられないくらい、へばってしまう。なさけない・・・。 何度も、颯爽と踊っていた篠井さんが目に浮かぶ。僕もがんばらないと。 メークをして初めて芝居をしてみる。 おお、そういうことか・・と思う反面、まだかつらがないので、よくわからない部分もたくさん。 ちょっとあせってしまう。
稽古は昨日の続きから。 後半の集団の動きには、役作りと全然違う神経を使わないといけない。 その切り替えに苦労する。 劇団のみんなとメールでやりとり。 「新・こころ」が終わってから、なかなか会えないでいたみんなと連絡を取って、近況の報告をする。 家の玄関には、母親がご近所からいただいた牡丹が大きな花を咲かせている。 家中が、甘い香りでいっぱいだ。 この匂いは、花粉症の僕がいくらかいでもくしゃみがでない。 花びらの下には、黄色い花粉がいっぱい落ちているのに、不思議。
稽古場に、もっちゃんとチョビちゃんが来てくれる。 頭から順に、場面を小返ししながら、ていねいに作り上げていく稽古。 僕が演じる、おばあちゃんは、丸尾丸さんに「もっと汚れていい」と言われる。 「どうしても上品にきれいになってしまう」とも。 たしかに、そんな線をねらっていたことはたしか。 思い切って、老婆の芝居をすることに、気持ちを切り替えてみる。 どうなるかは、まだわからない。 帰り、もっちゃんと近くのベローチェで話をする。 うれしいこといろいろ。 仕事に行き、家に帰ったら、階段に血痕が! おそるおそる登っていったら、上に猫がいた。 しっぽのあたりをなめている。 先週、近くで大げんかをしてケガをしたらしく、抱き上げると痛そうに鳴いていた。 しっぽ近くの傷だから、喧嘩に負けてきたのだろう。 腫れて化膿していた傷が破れて、血が階段に落ちていたらしい。 抱き上げても、もう昨日までのようには鳴かない。 自分で治したということか。 生き物はすごいな。
アップとゲームのあと、今日はメークと衣装の確認。 候補の衣装を持っていって、丸尾丸さんに見てもらう。 馬場さん、けこ美ちゃん、輝くんが、メークをしてみる。 おお、そうなるのか・・とまた一つ、イメージがはっきりしてくる。 今までやったことのないテイストの芝居。どうなるんだろうとわくわくする。 その後、頭から通してみる。 まだまだ一貫したキャラクターは立ち上がってこない、祖母の役。もっといろいろやってみようと思う。 もう一つのキャラは、馬場さんとのからみがメイン。いっぱいいっぱいでやっていたのが、今日はずいぶんラクにできるようになった。 自分がどうやるかばかりを考えるんじゃなくて、どう人と関わるか・・・というのは、いつも芝居をしながら思うことだけれど、今回、ちょっと役作りばかりに目がいっていたような気がする。 今日の稽古では、少し目が外を向けたんじゃないかと思う。 その上でまた、どうやるかを考えていけばいい。 寺山修司の独特の世界で、どんなふうにちゃんと生きていけるか。 課題がたくさん。 楽しみもたくさん。
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ストレッチがつらくなくなったのは、ストレッチだけでなく、ゲームで走り回っているからだと思う。 ドッジボールや、鬼ごっこやら、こんなにムキになってしまうのもひさしぶりの感覚。 ゲームをして、芝居をしていると、ああ、僕は今、開いてしまっているんだなあと思う。 目とか耳とかだけじゃなくて、感覚が開いているような気がする。何て言ったらいいんだろう。それは、一人で台本を読んでいろいろ考えてるときとは全然違う感覚。なんだか分からないけど、とにかくいろんなものをオープンにして、そこにいるって言ったらいいだろうか。 作家、演出家でいるときとは全然違う感覚なことは間違いない。 この間のクロカミショウネンのワークショップでかんじた自分のいかたの、発展型のようなかんじ。 立ち稽古も全体の後半へ。 歌と動きが多くなってくる。どうなるんだろうと、楽しみながら、舞台にいるかんじ。 フライングステージで僕の台本と演出で、稽古している役者さんたちの気持ちを考えてみる。 この先どうなるんだろう?と思いながら、その場を生きるってどういうことだろうかと。 「狂人教育」はラストがわかっている台本だけれど、まだ、どうなるのかわからないところがたくさん。 でも、まずは自分がちゃんと生きていることが大事なんだなあということは、わかる気がする。 いつもは、あまり考えない、そんなことを思う稽古場。
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稽古の始まりのストレッチとゲームは、僕にはややきついようで、今朝は、ちょっと体が痛かった。 これも毎日やっていくとだんだん楽になっていくんだろうか? ともあれ、ストレッチはともかく、ゲームになると、夢中になって走り回ってしまうのが、自分でも大人げないと思う(あちこちすりむいたりしてるし)。 でも、そんなことを何度かやったせいで、座組のみんながどんどん身近になってきた。 今日は、昨日の続きの立ち稽古。 しょっぱなから、元々の「祖母」じゃないもう一つの役をやることに。しかも、かなり特殊なキャラクター。 丸尾丸さんに言われるまま、無理な姿勢と声で芝居してみたら、喉の変なところに声がひっかかって、涙が出てきた。もっとうまくやればいいのにと思うのだけれど、しょうがない。何度かやらせてもらううちに、涙を流さずに出来るようになってきた。この役の続きはまた明日。 その後の出番も、「また、歌になる?」かと思っていたのだけれど、とりあえずはセリフでいこうということに。それでも、ちょろっと歌うには歌うことに。 ありものの台本で、しかも上演時間もそんな長くなくて(だいたい1時間くらいかな)、僕はそんなに大変な思いをしないで、僕の知っている引き出しをあけて、そこからまにあわせれば芝居ができるんじゃないかと思っていた。 でも、丸尾丸さんに要求されたのは、いつもと違う僕。どうなるかわからないけれど、どんどんやってみようと思う。 毎日、よーしやってみようと思えることがあるのはいいことだ。まずは、今日、僕がやることになった役のセリフを覚えて、動きの確認をしておこう。
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今日も、最初にゲームをいろいろやって、その後、頭からの立ち稽古。 僕は準備していたセリフが「歌」になった。うにちゃんに、音を教えてもらって、なんとか歌ってみる。 途中から、とっても楽しくなってしまい、いろいろやらせてもらった。 キャストはみんな、なんだかものすごいことになっている。 「狂人教育」は「家族の中に気違いが一人いる」と言われた家族が、その一人を捜すお話。 もう、みんなあやしい(笑)。 夜は、みんなで食事に。稽古場近くの立ち飲みの焼き豚やさんで。 わいわいしゃべり、僕は結局、終電の一本前。 昨日、初めて会って、今日一日稽古しただけとは思えない。不思議な座組。
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鹿殺しの「狂人教育」稽古初日。 稽古場に向かうエレベーターの中で鹿殺しの傳田うにちゃんと初めまして。稽古場で、KAKUTAの馬場恒行さんに初めまして。「新・こころ」を見に来てくれた、鹿殺しの坂本けこ美ちゃん。輝(てかり)くんの「てかり」という芸名は、大泉の工務店さんの名前だそう。どうりで聞いたことがあると思った読み方。動物電気の政岡泰志さんも初めましてだ。演出の丸尾丸さんにごあいさつ。ほんとうにひさしぶりのチョビちゃんが、今日は稽古場に来てくれた。 6人のキャスト全員に丸尾丸さん、それにチョビちゃんも時々参加しながら、ゲームをいろいろやったあと、読み合わせ。 「狂人教育」は不思議な戯曲だ。 もともとは人形劇として書かれたこの芝居、この頃は人間が演じる劇として様々な演出で上演されているようだけれど、僕は一度も見たことがない。 戯曲は読めるけれど、それがどう立ち上がっていくのかは、イメージできないというのが本当のところ。 読み合わせのあと、丸尾丸さんから演出の方向をうかがう。なるほど、そうなるのかとわかったする部分、まだまだわからない部分、あちこちに。 明日からは立ち稽古。
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2008年04月13日(日) |
小松川高校演劇部新入生歓迎公演「ヒメカタ」 |
母校、都立小松川高校へ。 コウジくん、アメちゃん、ルフィ、コマチちゃん、アキナちゃん、ヒロキくん、マサくん、ゴッちゃん、コバヤシくん ヒメカタって何だろう?と思っていたら、姫のカタログのことだった。 お后候補を探す王子とじい。じいは、これを見ればわざわざ冒険しなくても、姫が宅配されるという姫のカタログを取り出す。 文字通り、次から次へといろんな姫がやってくる。 これがまた、めちゃめちゃなキャラばかりでおかしい。演劇部のみんなもやりちぎっているかんじが気持ちいい。 終演後、OBのみんなとおしゃべり。マサくん、ヒロキくんは、さらにイケメン度が上がっている! 恒例のダメだし会も、今日はさらっと。
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この日記は、この「エンピツ」というサイトに書いているのですが、ブログに移行できたらなあと考えています。 僕は、いろんな方の日記やブログをRSSリーダーで読んでいるのですが、エンピツというサイトは、RSSに対応していないもので。 やっぱりブログの方が読まれやすいのではないかと・・・(あと、もう一つは、書きやすいというのもありますし)。 以前は、ブログは背景やら何やらで重たくて・・・と思っていたのですが、もうそんなこともなくなってきたので(時代が変わったってことでしょうか)。 過去ログを消してしまうのも惜しい気がするので、しばらくは全く同じものを両方にアップしていこうと思います。 アドレスは、http://shinichifs.exblog.jp/ です。 もっとちゃんとしたものにカスタマイズできるのでしょうけれど、それはじょじょにということで・・・。 練習(?)として、最近の記事を少し、ブログにアップしてみます。
ワークショップオーディションのあと、風邪をひいたようで、ちょっとダウン気味。 なかなか時間がとれないでいた、「新・こころ」の記録映像をまとめる。 ソフトの使い方がわからないまま、わかるところだけで、やっつけてみる。 千穐楽の夜の舞台を、またもう一度全部見てしまう。 僕は、公演の記録映像というものをほとんど見たことがない。 再演もののときに、「前はどうやったんだっけ?」と確認のために見ることはあっても、わざわざ見てみようと思うことはほぼない。 (gaku-GAY-kaiでの「贋作シリーズ」は別。これは、単純におもしろがって見てしまう。) 「新・こころ」は、なぜだか、何度も見てしまえる舞台だ。 記録の映像としては、とっても粗い、テープ交換でブチッと切れていたりもするものなのだけれど。 登場人物がみんな愛しく思える。もちろん、演じている役者たちも。 あとはDVDをまとめて買って焼くだけだ。うまくいくといいのだけれど。
鹿殺しの「狂人教育」の案内を、劇団のBBSやミクシィにアップする。 稽古は、来週の月曜から。 もともとは人形劇として書かれたこの戯曲が、丸尾丸さんの演出でどんなものになるのか、とても楽しみ。
◇劇団鹿殺し「狂人教育」 http://shika564.com/indexpc.html
作:寺山修司 演出:丸尾丸一郎 出演:坂本けこ美・橘 輝・傳田うに(以上、劇団鹿殺し) 関根信一(劇団フライングステージ) 馬場恒行(KAKUTA) 政岡泰志(動物電気)
日時:4月29日(木・祝)〜5月6日(火) 会場:新宿 SPACE雑遊 http://www.chirinbou.com/ チケット料金:2500円(すべて当日精算) ■タイムテーブル 4/29(火・祝)17:00 / 20:00 4/30(水) 20:00 5/02(金) 14:00 5/04(日) 21:00 5/05(月) 18:00 5/06(火) 13:00 / 19:00
☆ご予約はこちらからどうぞ http://481engine.com/rsrv/pc_webform.php?d=&s=e2czy9cje37cre62 (WEB予約 *当日精算で承ります)
「毛皮のマリー」ですっかり身近なつもりでいた寺山修司ですが、きちんと演じるのは、実は初めてです。 「狂人教育」は、ちょっとゆがんだ家族の物語。僕は猫マニアの「祖母」を演じます。 鹿殺しのみなさんに、小劇場界の実力派の方々とつくりだす寺山修司の世界。 どうぞご期待ください!(関根信一)
2008年04月08日(火) |
ワークショップオーディション3日目 |
前回に続いて、今日もテキストを使っての場面。セリフを入れてのやりとり。みんな、もうすっかり芝居になっていて、びっくりする。 今日もまた、すごいなあ、おもしろいなあと思っているうちに、自分の番が近づいて、あたふたする。 コメディは、特にシチュエーションコメディは、ものすごく細かい神経を使うものなんだなあと改めて思う。 短い場面の中の外せない間や息や、気持ちの変化をたどっていったら、なんでこんなに?と思うほど、耳が熱くなってきた。 野坂さんからのアドバイスで、芝居を大きくと言われたのを、思い切ってやってみる。きっと本来の場面では、さらっと流すのがかっこいいし成立するだろうシーンを、ありえないほど拡大してみる。出来はどうだろうか? まあ、やってみようと思ったことはできたんじゃないだろうか。 3日間のワークショップで知り合ったみんなとも今日でいったんさよならだ。今度会うのはこの中の誰と誰なんだろうと、ドキドキする。 今日結局、やらなかった2つめの場面(女性役)のセリフが、まだ頭のなかに残ってしまっていて、なんだかもそもそするかんじ。今日やった役より、実はそっちの方に、僕は力を入れていた(笑)。 新しいセリフを入れてみようと、来週から稽古が始まる「狂人教育」の台本を読み始める。僕は、こちらでは「祖母」の役。久しぶりの寺山修司。そして、初めましての鹿殺しの丸尾丸くんの演出。どんな芝居になるんだろうと、いろんなことを考えながら、何度も読んでみる。
新宿御苑で花見。 ゲイコミュニティの集まり、プラス、フライングステージの面々(といっても、もっちゃんとヤケ太さんと僕)との合同で。30人ほどの大所帯。 朝からいい天気。ソメイヨシノは散り際だけど、八重桜は咲き始めている。花吹雪も舞ったりなんかして、おしゃべりと、みんなの自慢の料理を堪能する。 初めましてのつもりが、すっごい昔に会ってることが判明したり、知り合いの元彼(!)なんてことがわかったり、びっくりすることたくさん。 こんなふうな年に一度のイベントでは、たまにしか会わない人と話せるのがうれしい。 この間の「新・こころ」を見てくれたという方々とも、たくさん話す。 いい日。
2008年04月05日(土) |
ワークショップオーディション2日目 |
クロカミショウネンのワークショップオーディション2日目。 巣鴨から都営三田線に乗り換えて今日の会場へ。 しばらく経って、反対の電車に乗ってしまったことに気がつく。あわてて降りて、乗り換える。 今日は、前回、配られたテキストを使ってのワークショップ。 前回のようなやりたい放題ではなく、何ができるかとやや慎重にさぐっていく。 今日もまた、やっているときよりも、見ているときの方がおもしろくなってしまう(僕の今日の役は、出番が少しなので)。 みんなバラバラな個性で、それぞれがとても輝いている。ぜひ一緒にやりたいと思う人ばかりだ。 夕方から、山本健翔さんと恵比寿で打ち合わせ。6月の加藤道夫研究会と「襤褸と宝石」の上演について。いろいろおもしろいことができそうだ。 帰り、明日の花見のための買い物をしてくる。晴れるといいな。
芝居がひと段落したら見ようと思っていた「華麗なる恋の舞台で」をようやく。 40代の妻子のある女優が、若い男と恋に落ちて・・・という、ある意味とってもベタなメロドラマなのだけれど、「女優」をこんなに面白く描いた作品もないんじゃないだろうか? ヒロインの大女優、ジュリアを演じるアネット・ベニングは、若くないことがあらわになる瞬間がすばらしい。目尻のしわやあごのたるみ。こんなにさらけ出しておいて、舞台の上では圧倒的な輝きを見せる。ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞受賞も納得。 原作はサマセット・モームの「劇場」。この作品は、「ガラスの仮面」で亜弓さんが乙部のりえに復讐する場面のエピソードが、そのまま描かれてる(美内すずえは、絶対これ読んでると思う)。 映画の中での、新人女優への「復讐」のエピソードは、原作に較べてややあからさますぎるんじゃないの?という気がしないでもないけど、わかりやすく、おもしろくなってることはたしか。 第二次大戦前のロンドンの劇場がどんなだったかというのもわかって(稽古風景とか)とてもおもしろい。 イギリスならではの個性的な俳優たちが脇をしっかり固めていて、名前は知らないけど、いいなあ、この人と思える人がいっぱいだ。 「女優」や「劇場」が好きな人にはぜひおすすめしたい一本。
芝居がらみで、何冊か本を読む。芝居が終わったら読もうと思っていたものと、急に必要になったものなどなど。母親がすすめる推理小説もまとめて何冊か借りてみる。 仕事の帰りに寄った本屋で何冊か衝動買いする。 今発売中のシアターガイドに富士見丘小学校の卒業公演ことを書いていただいた。 小学校の演劇授業のことを、シアターガイドの読者である演劇好きの人たちに知らせてくださったことがまずうれしい。そして、芝居についての感想だけでなく、子どもたちの聞く、話す力について触れてくださったことがとてもうれしい。今年度の授業にも、僕はまた関われることになった。新しい六年生と、また新しい芝居をつくる。まだ、どんなものになるか全くわからないけれど、きっとまたおもしろいものになるだろう。
MacBookに入れっぱなしのDVDを移動の途中見ている。今日は、のいのいにもらった、ミュージカル「カンパニー」(NHKの地上はで放送したもの)を見終える。 ああ、おもしろかった! もういっぺん、通して見てみようと思う。 出演者が楽器の演奏もするというジョン・ドイルの演出が、この難しいミュージカルを、見事に立体的に立ち上げている。前に、曲だけを聴いていたときには、ソンドハイムの曲は好きだけど、ストーリーは・・・と正直思っていたのが、こんなにおもしろくなるなんて。 劇中の人物の年令に追いついた(追い越した!)というのもあるかもしれない。人ごとじゃないミュージカルにいつの間にかなっていたのが、一番のおどろきかも。 それにしても、歌って芝居して楽器も演奏って、そんなことのできる俳優がこれだけの人数いるっていうのはものすごいことだと思う。みんな当たり前なんだもの。歌も芝居も演奏も。日本には何人いるんだろう?と考えてしまう。 ごくごく普通の日常を切り取った場面を演じる俳優たちが、日常をしっかり演じていることにも感動する。歌やセリフの裏側、むこうがわの思いが、ずっとありつづけていることのすばらしさ!
2008年04月01日(火) |
ワークショップオーディション1日目 |
9月に客演するクロカミショウネン18のワークショップオーディションにおじゃまする。 演出の野坂さんにいろいろ言われながら、よく知っている人&初めましてのみなさんといろんなことをする。 もう身体が喜んでしまってどうしようもないかんじ。広い野原で首輪を外されて、「ほら好きにしていいよ」と言われたときの犬のような気持ち。 「新・こころ」とは、全然違う、身体の喜び方が新鮮。ここ数日、芝居が遠かった分、がつがつととびついてしまう(笑)。 ほんとに楽しかった! 人の演技を見ているだけでもうれしくてしかたない。ちょっとげらげら笑いすぎて迷惑だったかもと反省。 あと2回のワークショップ。遠足前の子どものように楽しみでしかたない。
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