せきねしんいちの観劇&稽古日記
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来年8月の本公演のタイトルを決めた。「ムーン リバー」。 舞台は、昭和50年代の東京の下町。町のはずれの長い坂を上るとそこには、必ず川がコンクリートの土手に囲まれて静かに光っているそんな町。 この町を舞台に、おとこおんなと呼ばれ、いじめられている主人公と、幼なじみ女の子、この子はとっても男の子っぽくて、母親同士に「反対だったらよかったのにね」なんて言われてる。 その男の子の初恋の相手、今はどこに行ったかわからないその人の行方を捜す二人。 どぶ川もすっかり暗渠になって排水場の設備も整った下町を、台風の大雨の水が埋め尽くしたある夏の物語。
gaku-GAY-kai本番まで、あと25日!
2005年11月29日(火) |
「マツケンサンバ3」 |
マルゴリータ奈須邸で、ジオラママンボガールズの打ち合わせ。 ようやく発売になった「マツケンサンバ3」のDVDを見ながら、フリを少しずつ頭に入れていく。 マジーこと、真島茂樹さんは、今回もノリノリだ。フリの難度は「マツケンサンバ2」を上回る。マジーこと真島先生も、「ついてこれない人はいいです」みたいなかんじで、かなりレベルの高い振付をしてる。 それでも、相変わらずのお茶目なトークは全開。「ちょいと、ちょいと、ちょいと、ちょいと」とか「かいぐり、かいぐり」とか、おなじみ(?)のフレーズでフリをイメージさせてくれる。 曲の中でイカす!と思うフレーズは「エスぺランサ」という言葉。何だこれ? あと、「アミーゴ」も。「野ブタ。をプロデュース」の主題歌「青春アミーゴ」と相乗効果で、ちまたに「アミーゴ」って言葉が広まるんじゃないだろうかと思ったり。 今日にはレパートリーを決めようということだったのだけれど、「マツケンサンバ3」のあまりの難易度に、「新曲は1つでいいよ。あ、マツケンサンバ3をいれると2曲だし」ということで、残りの一曲は再演ものということにした。 次回の打ち合わせまでにそれぞれ自習。集まって、まずは踊れるようになろうと固く誓う。 頭の中に「マツケンサンバ3」が流れっぱなしのまんま帰路につく。コンビニに寄ったら、平井堅の「ポップスター」が流れてた。この時期、ひさしぶりに胸がきゅんとする曲に出会ったなあと思う。歌詞は全然関係ないんだけど、クリスマスっていいもんだよねと思ってしまう、そんな種類の曲。バラードよりも、この手のポップな曲の平井堅の方が僕は好きだ。 「ポップスター」が流れるまま、駐輪場に。1Fの奥のほうで、誰かが「笛」の練習をしてるらしい。楽器の種類はわからないけど、金属じゃないかんじの音。何の曲だろう?としばらく聞いていたら、判明した。「昔の名前で出ています」だった。なぜ、今? なぜ笛で?と思ったのだけれど、聞いてしまった時点で頭の中のプレーヤーはチェンジされて、小林旭が流れっぱなしのまま家に着いてしまう。
gaku-GAY-kai本番まで、あと26日!
昨夜、母親が携帯をなくした。上着の背中にあるポケットに入れて(どんな上着だ?)自転車に乗っていたら、いつの間にかなかったという。落としたことはほぼ間違いない。部屋のどこかにあるかもしれないと探したが見つからない。着信音が鳴らないように設定&バイブもセットしていないので、かけてみても出てこない。電源が入っていないか電波の届かない所に……というメッセージを聞いて、悪用されてなければいいねと話す。 結局、夜中にあちこち電話して、とりあえず一時停止の処理をしてもらう。機械相手にあれこれしゃべらされ、それでも、停止になるのは今日の朝という、なっとくいかないやりとり。 夜、明日以降の予定の変更と連絡がいろいろ。週末は映画の撮影と稽古。高市氏の日舞の発表会には行けるかどうか微妙だったのだけれど、なんとかなりそうでほっとする。 毎年そうだけれど、12月はなんてあわただしいのだろう。その中でなんとかきっちりやらなければいけないことをして、毎日をきっちり過ごしていけたらなと思う。これも毎年のこと。 例年だとこのぐらいの時期に必ず風邪をひいて熱を出しているのだけれど、今年は10月にどかんと済ませてしまったので、今のところ、元気だ。このまま年末まで走って行けたらと思う。 夜中、書きためていた日記をまとめてアップ。日記だけど、週に一度まとめて公開というスタイルにこの頃なっているなと反省。 gaku-GAY-kaiまでのカウントダウンを開始する。
gaku-GAY-kai本番まで、あと27日!
午後から、gaku-GAY-kaiの稽古。 久しぶりの三軒茶屋。またしてもというかんじで、店がいろいろ変わっている。 集まったメンバーに「贋作・Wの悲劇」のストーリーと配役の説明。その後、劇中で歌うナンバーを紹介しながら、キーの確認。永山くんとしいたけをさんには、やや無理なキーにチャレンジしてもらうことに。 後半は、しいたけをさんによる、劇中レビューの練習。いるメンバーでどんどん振り付けていってもらい、ほぼ完成。 次回の稽古は台本を使っての読み合わせから。前半はダンス、後半は芝居ということになっていきそう。 駅までの道を、ひさしぶりの荒くんとおしゃべりしながら歩く。体調を崩した話をお互いに。 夜、宇宙堂の稽古場で、非戦を選ぶ演劇人の会の打ち合わせ。 パントマイムで出演してもらう、イラクから来日中のアナス・アジールさんが来てくれている。 当日の打ち合わせを、宇宙堂の小道具チーフの奥山さん、それに今回お世話になる通訳の中川さんと一緒にすすめていく。 小道具の説明をし、衣装の確認のためにアナスさんのサイズをはかり、なんだかとっても一緒に芝居をするんだなあという気持ちになってくる。 えり子さんは、「本当は合同公演ができたらいいんだよね」と言っていた。ほんとにそう思う。 後半は、宇宙堂の劇団員のみなさんに対してのワークショップにおじゃまする。 アナスさんに対しての質問がいろいろ。大きな会場とは違う、アットホームな雰囲気のなか、演劇人が演劇人にする質問というのが、いつもとは全然違うんだなあと思った。アナスさんの答えにも、いろいろ考えさせられるものがあった。有意義なとってもいい時間をすごさせてもらった。
映画「地球でたったふたり」の衣装合わせとリハーサル。初めてお会いするみなさんにご挨拶。リハーサルを見ていても、男たちのバイオレンスなやりとりにわくわく、そしてドキドキ。 菜葉菜ちゃん以外、知っている人がいない、心細い現場で、はじめて知っている人に出会う。テアトルエコーの落合弘治さん。待っている間、少しお話する。見てもらった僕の芝居のこと、落合さんが出演していた「ら抜きの殺意」のことなどなど。諸々の近況報告。ちゃんとお話するのは初めてなのだけれど、なんだかほっとしてしまう。 衣装合わせはさくさくと終了。その後、新しい場面のリハーサル。映画の演技ってなんだろうと思いながら、いろいろやらせてもらう。
2005年11月25日(金) |
スパンドレル/レンジ「家族喪失」 |
高円寺明石スタジオにノグが出演している。スパンドレル/レンジ 「家族喪失」 を見に行く。宇田くんとは待ち合わせ。さっこちゃん、としくん、それにホントに久しぶりなカサピーに挨拶。 *感想のようなものは、後日アップします。 ノグは声が枯れていて、スマップの中居くんみたいになっていた。エキセントリックな役を思い切ってやっていて、がんばっているなあと思った。 終演後、ノグとべんちゃんにご挨拶。 食事に行くみんなと別れて、さくさくと帰ってくる。
非戦を選ぶ演劇人の会の12月8日のリーディングの案内を送る発送作業。青年劇場さんの事務所にて。 宇宙堂のみなさんがきてくれたおかげで大勢でわらわらと取りかかり、今日の予定は早めの時間にクリアできて、ほっとする。 僕は、篠原さんと台本の打ち合わせ。手を動かしながら。 僕らの担当は、第一部のイラク、パレスチナの今についてのパート。どうしてもどんどん長くなってしまうのを、どうしたものかと相談する。 足りなくなって、近くの100円ショップ(旧丸正の2F)で買ってきたノリがどうにも扱いにくくて、かえってめんどくさくなってしまったと後悔。 解散したあと、宇田くんと二人で久しぶりのアイランドに行き、今度は一人でタックスノットへ。懐かしいみなさんとご挨拶。ごぶさたしてしまってごめんなさい。 帰りは台本を書きながら。いろんな人を話したせいで、何かがものすごく動き出した、そんなかんじ。
猫が昨日の夜、帰ってこなかった。こんな寒いのにどうしてるんだろう?と思って探してみたけど見あたらない。ま、初めてではないのでほうっておいたら、朝もずいぶん遅くなってから帰ってきたらしい。 で、昨夜。妙におとなしくしょぼしょぼしている。外に出ていこうともしないで、テレビの上にじっとしている。 部屋に連れていったら、自分で僕の布団の中に入っていった。どうしたんだろうと考えたら気がついた。風邪を引いたのかもしれない。毛のつやも悪いし、なんだか目つきもぼんやりしてるし、あまり動かない。なんだそうなんだと勝手に納得して、暖かくしてやる。 寝る前には消すオイルヒーターも今日は少しつけておくようにタイマーをセットする。 僕も昨日、倉庫に行ったせいか、鼻風邪をひいている。猫と一緒にしょんぼりしながら、朝方近く、布団に入った。
2005年11月22日(火) |
衣装探しと打ち合わせ |
両国の倉庫に行く。gaku-GAY-kaiと映画の仕事に使いそうなものの確認。映画は、当初の予定とキャラクターがどーんと変わってしまったので、使えそうなものはとりあえずなさそう。それでも、もらったままで一度も履いてない黒の靴をピックアップ。その他、gaku-GAY-kaiの「気持ち」になるための女装関連グッズをいくつか拾っているうちに大荷物になってしまう。結局、倉庫におきっぱなしだったカートに詰めこまないといけないほどの量になってしまう。 倉庫の近くのコインランドリー「ちびた」が、イルミネーションですごいことになっている。無人のコインランドリーがなぜ?という疑問はさておき、入口の脇にショーウィンドウのようなものまでが作られ、中にはツリーとオーナメント。狭い間口の入口の上には、点滅するイルミネーションがどっさり。少し横から見ると、幾重にも重なって、豪華さはひとしお。静かな暗い通りだから余計に目立つ、この飾り付け。この一角だけ、ひとあしさきにクリスマス気分いっぱいだ。少し歩いて振り返ったら、ほのぼのといいかんじ。なるほどねと、ちょっと作者の気持ちがわかったような気になる。 22時、恵比寿で篠原さんと待ち合わせ。非戦の会の台本の打ち合わせをする。 メールや電話じゃない、「会って話すこと」が何かを進めてくれる。担当部分の資料をあれこれ持ち寄って話し、いいかんじで話がまとまっていく。富士見丘小学校の話もできてうれしかった。 最終までにはならずに地下鉄に乗って帰ってくる。東武動物公園行き、座りっぱなし。 駅からは自転車に乗って。カートの背中(お腹)からショルダーを出して、よししょと背負って自転車を漕ぐ。快適だけれど、はたから見たら、かなりおかしい姿かも。
gaku-GAY-kaiのフライヤーを入稿する。いろいろあって、こんなに遅くなってしまった。仕上がりは29日とのこと。 新宿で、クニオさんと会う。今日は酉の市。熊手をもった人を何人もみかける。昼間仕事で行った練馬のおとり神社も酉の市ですごいにぎわいだった。お参りした方がいいかなと思ったのだけれど、練馬は駅前からのすごい行列だったし、新宿の花園神社もきっとすごいことになってそうだったので、やめておく。 その後、また別の約束。会って話すことが今日はいっぱい。メールじゃないやりとりが、いろいろなことをスムーズに進ませてくれる。
一日、部屋にこもって、台本に向かう。「贋作・Wの悲劇」ともう一つ年内締切のもの。 昨日一昨日と見た舞台がカラダのなかにいっぱい残っていて、何を書いても、これが自分の言葉なのか?と自問してしまう。 「贋作・Wの悲劇」用の音データをメールで送る。最初のプランでは、「コーラスライン」のナンバーをメインにという予定だったのだけれど、「知らない曲は微妙かも」と思い直し、「ウエストサイドストーリー」のナンバーがメインになりそう。 夜、篠原さんと電話で打ち合わせ。12月8日のリーディングの台本と富士見丘小学校の話。一度会って打ち合わせすることに。 録画していたドラマ「野ブタ。をプロデュース」を朝方まとめて見てしまう。 今クール、ちゃんと見ているドラマのひとつ(あともう一つは「宮廷女官チャングムの誓い」。 「すいか」で大好きになった木皿泉のシナリオが、今回もなかなかおもしろい。 いじめの問題を扱って、相変わらず日テレの土曜九時は、冒険していい枠なんだなと思う(先クールは「女王の教室」だもの)。野球が終わったので、時間がずれることもなく、しっかり見ることができるのは、とてもうれしい。 「この子たちって誰?」だった、若いジャニーズ男子2名を見ながら、「今の若い子ってこうなんだ」と思うくらいにはなった。まだ、名前はちゃんと書けないけど(亀梨くんだっけ?)。 教頭役の夏木マリがやりたい放題なかんじがいい味。こちらもようやく「湯ばーば」じゃなく声が聞けるようになってきた。
2005年11月19日(土) |
ボタタナエラー「バーハイレ」 |
森川佳紀さんの出演する舞台を見に、目白と椎名町と下落合の中間のとっても不便なところにあるシアター風姿花伝へ。椎名町の駅から歩いてたどり着いた、初めての劇場は、とってもきれいな空間でほっとする。 レゲエバーを舞台にした、そこに集まる人たちのお話。というか、お話のようなものがドカンとあるわけでなく、人々のその時々の姿が断片的に描かれる群像劇。 行き当たりばったりのようで、じつは緻密に作られている台本が、僕はとても好きだ。俳優さんたちも、その場でだらだらとおしゃべりしているようすに嘘がなくて、好感をもった。男優陣が、二枚目というのではないけど(ごめん)それぞれみんな「いい男」だったのもうれしい。 一番驚いたのは、劇中ずっと流れるBGM。バーだから音楽が流れるのは当たり前なのだけれど、ずっと流しっぱなしの音楽というのは、芝居としてどうなんだろうと、初めはちょっと心配した。 でも、芝居が進むにつれ、音楽は全然気にならなくなった。不思議な経験。劇中では軍歌も流れるのだけれど、そのときの音楽の聞き方と、ただ流れているBGMのスカやレゲエとの違いを、耳が聞き分けているかんじがおもしろい。これもある種の観客参加といえるかもしれない。 右翼の人たちがいっぱい出てくるわりには、右翼の話では全然ない(あ、全然でもないか)。右翼をしながらラーメン屋をやってたり、元組長の娘がとっても普通のおっとりしたお嬢さんだったり、はしばしで人間がとてもちゃんと描かれている。派遣OLのおしゃべりもなかなかに生々しい。 人間が書けていて、その人がちゃんとそこにいれば、ストーリーの引っ張る力は、別に必要ないんだなと思った。観客は、お話を見たいんじゃなくて、生きた人間を舞台に見たいんだなと思った。 二人きりの場面で語られる、いくつかの恋のありようが、それぞれとてもよかった。右翼の塾長とお嬢さんのあわい恋のやりとり、気の弱い弁護士と派遣OLの恋の始まり、そしてトラブルに巻き込まれる跡取りでない、社長の次男とその妻の倦怠と連帯、バーの店長と帰ってきた昔の男との気持ちのすれちがい。 終演後、森川くんとごあいさつ。帰りは、一緒になったマミー、ヤマガタくんと、目白駅まで歩く。いい芝居を見た後は、全然平気なJR目白までの徒歩十数分。でも、ツライ芝居を見た後は、わりと近くの椎名町の駅にさっさ向かってしまいそうな、そんなシビアな劇場だなと思った。
2005年11月18日(金) |
青年座「パートタイマー・秋子」 |
久しぶりの本多劇場。駅前のペルモビルがすっかり様変わり。居酒屋やバーが入っていてびっくりした。 で、「パートタイマー・秋子」。スーパーのチラシのようなフライヤーで、軽めのコメディを想像していたら、おもいきり裏切られる。 下町のスーパー「フレッシュかねだ」を舞台にした、権力争い。スーパーの店長が誰になるかというかけひきや、パート仲間でのいじめや派閥、とっても身近な「政治」の話。まるで、シェイクスピアの歴史劇みたいだなとちょっと思った。 あきらかにパッとしないスーパーに、あきらかに負け組の人たちが吹きだまってる。その中でおこる、とてもみにくい、でも、切実な争いが、ほんとにおかしく描かれる。 誰も完全には正しくない、でも、正しく生きたい、嘘をつきたくない、でも、いけないこともし、嘘もつかなければ、生きていけないという切実さが、おかしさにつながる。 このあいだの「歌わせたい男たち」同様、誰にも肩入れしない、クールな視点で書かれた台本がみごとだ。 こういう話は、テーマや言いたいことが勝ってしまって、「ああ、それがいいたかったのね」と思わされておしまいということになりがちな気がするけど、見終わった後、「言いたかった」ことは言葉としては何も残らない。この残らなさが、もしかするとおもしろい芝居の醍醐味なのかもしれないと思った。一言では言えないものを、2時間かけて芝居にする。そのことこそが。 客席の年齢層はとっても高め。芝居は若い人たちのものばかりじゃなくて、こういうものもちゃんとあるんだというのが、とてもうれしかった。 見ている間はゲラゲラ笑って、カーテンコールのあとに涙が出てきた、そんな芝居。出演の小豆畑くんに、お疲れさま、いい芝居をありがとうとメールを送った
今日はまた新しい課題。「エモーショナルプリパレーション」。 先週の「作業」は続行。今度は、相手としてコールする人の側の課題。 ドアの外からノックして入る。そのとき、外で感情を準備してくる。 メンタルなものでも、フィジカルなものでもいい。 感情を動かして、エンジンをかけることが目的。 外で準備をしても、中に入ったら、全部忘れて目の前のことに集中して、コールをしていく。 僕にとっては、初めての作業。先週考えた、DMの挨拶文を書くということをやってみた。途中で、時間内にいけてしまいそうだということがわかってしまい、または、集中してやり終えなくてはいけないという緊迫感が希薄になってしまって、やや言葉のやりとりがメインになってしまったような印象。途中で挨拶文をシンプルにしてしまったことも反省。 次回は、最後まで妥協できないものを選ぶように言われる。 外から入ってくる方の役割もやってみる。メンタルなものは、どうしていいか正直わからなかったので、とにかく走ってみた。花伝舎の廊下を一走りし、やや足りない気分だったので、外に少し出てみる。 部屋にもどったときは、かなり息が上がっていたのだけれど、カラダの問題よりも、走っていたときのてれくささのようなものの方が、カラダに残っていたようなかんじ。 相手役のジョニーさんに対してのコールがやや細かく変化しすぎていて、「本当にインパクトがあったの?」と言われる。こっちでも、やりとりをしようとしてしまいたがっていたと、また反省。 コールを細かく変えないこと。 マイズナーさんの言葉「セリフは感情の川を流れる小舟」。まず感情があるんだということをカラダにしみこませていくワークショップなのかもしれないと、ぼんやり思った。
2005年11月16日(水) |
富士見丘小学校演劇授業打ち合わせ |
これからの授業と卒業公演の舞台の打ち合わせ。 授業とは別に、どうしても、一度ちゃんと時間を持ちたかったので、先生方にお願いして、時間をつくっていただいた。 前回の授業以降の子ども達の様子が聞けてうれしかった。 全体の構成と、これからのスケジュールの確認をする。 他の行事や、受験を抱えながら、6年生はほんとにタイトなスケジュールだ。もちろん先生方も。 その中で、どうしたらおもしろいものを楽しくつくりあげることができるかをみんなで考える。 いろんなアイデアが登場、やれそうなこともいろいろ。 この時期に、具体的に見えてきている、そのことがうれしい。 駅までの道を田中さんと篠原さんと歩く。 田中さんは、扉座の新作に久しぶりに役者として登場する。そんな稽古の話をいろいろ。これは見に行かないと。 篠原さんと、「非戦を選ぶ演劇人の会」のリーディング台本の構成について相談。次回の授業は12月8日、その日の夜がリーディングの本番だ。まずは、それぞれできることから。僕は、「贋作・Wの悲劇」とずっととりかかっている台本のめどをつけないと。
今年のgaku-GAY-kaiの演目は、「贋作・Wの悲劇」。このあいだ、ちょっと若い人たちと話したら(10代から20代前半)、あんまり知られてなくって、ショックだった。名作だよね?(>30 代から40代のみなさんへ) 僕は、わりとリアルタイムで見た覚えがあって(でも、たぶん名画座)、そのときの印象は、「演劇」についてずいぶんしっかりと書かれた脚本だなということ。あ、その前に、何の予備知識もなくて、夏木静子の原作を読んでから見たら、ほんとに劇中劇としてしか登場しなくて驚きもしたんだった。 当時、とっても好きだった加藤健一さんが書いた「俳優のすすめ」という本のなかの言葉が、いっぱい盛り込まれていて(世良公則のセリフね)、あららと思ったり。劇中に登場する「海」っていう劇団は、「ガラスの仮面」の「劇団つきかげ」や「オンディーヌ」みたいに、絵空事、もしくは理想郷の演劇を体現しちゃってて、当時でも、かなりうさんくさく見た覚えがある(今は、かえっていとおしい気がするけどね)。 とにかく、僕は、まだ二十歳そこそこで、まだ劇団の養成所にも入ってなかったから、今より、ずっと「お芝居の世界ってなんてすごいんだ!」という視線で見てた気がする。 で、今の僕にとって、この映画のおもしろいところは、トシを取るにつれ、おもしろいなと思うポイントが変わってきたことだ。 芝居をやめようかどうしようか考えていた頃には、世良公則のセリフがとってもしみた。つきあってた相手ともめてた頃には、「芝居をとるか、自分をとるか」というようなことを、実際に言われて、「わ、『Wの悲劇』みたいだ」と思ったりもした。喧嘩の最中にそんなこと考えてるくらいだから、僕が芝居をとったことはいうまでもない。 すっかり芝居ばっかりの暮らしの今になって、ようやく、この映画をシンプルにおもしろがれるようになったのかもしれない。何年か前だったら、やっぱりこの映画をとことんおもしろがることはできなかった。薬師丸ひろ子の役がなまなましくて。 でも、今は、この映画の三田佳子をおもしろがってしまえる。存分にね。 こんな女優いるんかい?というぎりぎりの線で「あり」になってるのがすごい。 セリフも、ほんとうに真剣に書いてるの?というくらい、イカしてる。 僕がこの映画の三田佳子を再認識したのには、札幌のジュソくんの役割がとっても大きい。札幌に行くたび、東京で公演を見に来てくれるたびに、三田佳子の名セリフを「演じて」くれたからだ。 「そういうとき、オンナつかいませんでした?」「私はそれでも舞台に立ったわ、血にまみれて」「あー、もう私だめだわ、ただの女になっちゃう」 まさにゲイが好きな女優の要素のあらかたが、三田佳子演ずる羽鳥翔という女優にはブレンドされてる。 それと、高木美保のヒールぶりも、もとい、高木美保を陥れる三田佳子のヒールぶりも、なんてイカしてるんだろう。このへんは、郡司明剛さん改めしいたけをさんに学んだところが大きい(*しいたけをさんは、今回、高木美保の役です)。 「Wの悲劇」の各シーンは、もしかすると、ゲイカルチャーの無形文化財のようなものかもしれない。本編の中にはゲイのゲの字も登場しないけど、あちこちのバーや、友達同士のおしゃべりの中で、みんながいちどは聞いたことのあるセリフの数々。それを今回、思う存分遊んでしまおうと思う。 去年の「贋作・毛皮のマリー」も女優が登場するバックステージものだったけれど、今回はもっとストレートなものになりそうだ。 とりあえず、同じ頃に公開された角川映画、原田知世主演の「時をかける少女」もちょっと盛り込んで、にぎやかなミュージカルにしようと思う。 稽古は来週の日曜日からはじまり。今年もまた、ナンバーのキーの確認をして、歌稽古から始まりそう。 すすみぐあいをややネタバレありで、この日記で紹介していこうと思うので、よかったらどうぞご覧下さい。 「ストーリーはみんな知ってるでしょ?」という前提でのお遊びなので、「『Wの悲劇』ってなあに?」という人は、ビデオorDVDで予習しておいてくださいね。その方がきっとおもしろいから。
gaku-GAY-kaiのフライヤー、今年はウラに出演者の写真を載せることにした。みんななかなかおもしろい写真。基本的にこれまでのgaku-GAY-kaiの舞台写真を選んだので、懐かしい顔がいっぱい。 トシくんこと水月アキラは、「贋作・大奥」のアフロな腰元。荒くんのは「贋作・犬神家の一族」の立花署長役で、おやくそくの「よーし、わかった!」と叫んだところ。小林くんも「贋作・大奥」で、本当はオンナなんだけど男装して連れて来られて、家光と結ばれるという設定の、じつは男な役者役(あとで妊娠したりしたね)。郡司明剛さん改め「しいたけを」さんは、同じく「贋作・大奥」のとびきりのヒール、阿茶局(あちゃのつぼね)の楽屋での一服姿。 僕とマミーは、それぞれ去年の「贋作・毛皮のマリー」から。エスムラルダさんも「撮影所の怪人」役で歌っているところ(ミュージカルなので)。 今回、初めて出演してもらう「劇団おちないリンゴ」の三人からも写真が届く。彼女たちは、今年の4月の青年座のスタジオの舞台でご一緒した。養成所が舞台の「Wの悲劇」に、今年の春に卒業したばかりの彼女たちに出演してもらおうと思って出演をお願いした。 「おちないリンゴ」の旗揚げ公演は、11月30日、12月1日の両日、OFF・OFFシアターにて。HPのアドレスはこちらです。
2005年11月13日(日) |
リハーサルと非戦の会 |
朝、母親は仕事先の観劇会で新橋演舞場に出かけていった。朝方、昨日のほこりいっぱいで敏感になった鼻が、母親が引っ張り出したよそゆき(?)の防虫剤の匂いで、またエラいことに。くしゃみと一緒に今度は涙も出てくる。 映画「地球でたった二人」の撮影のためのリハーサルのため、中野に向かう。スタジオの前でプロデューサーの浅野さんにご挨拶。中に入って、今日が始めてのスタッフ、キャストのみなさんにもご挨拶。菜葉菜ちゃんに久しぶりに会って、ちょっとおしゃべり。 まずは衣装、メークと役柄についての話を内田英治監督と。役柄がどんどん変わっていっていて、びっくり。やったことのない役どころ。 いただいていた初稿から、ずいぶん台本が変わっていたので、他の場面の稽古をしている間に、新しい台本を読ませてもらう。 今日が初めてのみなさんを相手にやりとり。僕の役はまだどうなるかわからない。ともあれ、舞台の芝居じゃない、映画芝居をしなきゃいけない。ドラマでもない、映画の芝居。どうやっていこうかと楽しみがいっぱい。 帰りに高円寺によって、ビデオの録画のお願いとgaku-GAY-kaiのフライヤー用の写真の読み込みとプリント作業。まみー、高市氏とおしゃべり。 夜、宇宙堂の稽古場で「非戦を選ぶ演劇人の会」の打ち合わせ。12月8日の内容について。ばたばたと終電で帰ってくる。土日の終電がうらめしい。
朝からとってもいい天気。洗濯機を4回回して、思う存分干したあと、部屋の大掃除を始める。 あれはどこにいったんだろう?と気になっている、または、急遽見つけなくてはいけないものを捜索する。ついでになあなあになっていた、衣替えもやってしまう。 押入の衣装ケースを引っ張り出して、中身の総点検。もともといい加減にしまいこんであるので、何が何やら。目当てのものはなかなか見つからないが、やだ、こんなところに!なものがいくつも発掘される。 そんなものを別の山に取り分けておくものだから、狭い部屋はものであふれかえってしまい、足の踏み場もない。 かさだかい冬物を出して、これは洗濯、これはクリーニングとこれもまた大きな山になっていく。 庭の物置に持っていけるものは、さくさくと移動すればいいのだけれど、重い荷物を持って往復するのは、今日のところは、出しっぱなしだった冷風扇とオイルヒーターをチェンジする。 だんだん日が暮れかかってきたころ、目当てのものをついに発見。フライングステージの旗揚げ公演のフライヤー。正確には、旗揚げ公演のときの台本。僕が使っていたもので、表紙にフライヤーが使われてる。どこかで見たと思って、探したんだけど、これまでずっと見つからなかった。「これはもう絶対に開けない」と覚悟を決めて封をした箱の中に入っていた。 一緒に、第二回公演、L&G映画祭で上演したときのプログラムも出てくる。「おこげ」と同じページに、写真と僕の文章が載っている。旗揚げの頃の心意気が丸出しの文章。ちょっと青くもあっててれくさい。 引っ張り出しても、他の目的物は見つからず、ようやく片づけ始める。 ゴミ袋を3つ満杯にして、ベランダにとりあえず出す。 夕食の時間もとうに過ぎた頃、ようやく片付け終了。 最後に大きな鏡をきれいに拭いて、ひとだんらく。 見つかった台本を、大阪の人権博物館に送る手配をする。それにしても、よかった、見つかって……。 盛大に舞い上がったほこりは、夜になっても静まらず、くしゃみが出てしかたない。 暗くなっても取り込み損なった洗濯物は夜露で湿ってしまったので、一晩夜干しをすることにした。
2005年11月11日(金) |
中古レコードチェック |
ジオラマ・マンボ・ガールズの曲探しを続けている。残る一曲をどうするか? これはという曲をピックアップして、ネットで検索。中古レコード屋さんにたどりつき、その店の在庫をずーっと見て、またおもしろそうなものをチェック。 候補になりそうなものを4曲ほどみつける。早速、そのうちの2曲の在庫の確認のメールを送る。 ついでに、やっぱり気になるヒルサロの「二人のムラサキ東京」も注文してみる。こっちの在庫が、とっても心配。使う予定はないのだけれど、ゲットするなら今しかないような気がするので。 こちらのCDのすごいところは、「葛飾は今日も雨だった」というカップリング曲のタイトルもそうだけれど、「二人のムラサキ東京」の男性、女性、別々のカラオケがあるということだ。練習するにはもってこい! どうぞまだありますように。
先週仕事で参加できなかったので、二週間ぶりのWS。今日は12人全員そろったそう。この顔ぶれで12月までやっていくんだと嬉しい気持ち。 今日から新しい課題にとりくむ。これまでやっていたリピティションとは違った課題。 それぞれ「作業」を見つけるよう言われる。 その作業とは、カラダを使ったもので、自分にとって重要で、今やらなきゃならない理由があって、時間内に終わりそうもないものであること。 説明を受けたあと、「じゃあ、55分まで解散」と言われ、みんなそれぞれ、考える。 僕は、買い物をしにコンビニに向かう。何人かの人と一緒になる。でも、お互いに何を考えてるかは内緒。不思議なかんじ。 僕は、「劇団の招待状にサインを入れるのを忘れたので、出かけるまでのあと10分でそれを書いておかなくてはいけない。」というのを考えた。で、便箋を買ってもどる。 まだ時間があったので、エントランスでお茶をしていた藤野さんと明樹さんとおしゃべり。意外なところで藤野さんとつながっていてびっくりした。ほんとにびっくりしたようで、明樹さんに「ほんとに感情が顔に出るよね」とか「びっくりするとほんとに目ってまんまるになるんだ」と言われる。そのくらいおどろいた。 時間が来たので、教室にもどって、開始。 紙(処方箋)をやぶってしまって、なんとかセロテープでつなげようとしたり、時間までに鶴を折ったり、台詞を覚えたり、服を脱ごうとしたり、自画像を描こうとしたり、みんないろいろするなか、もう一人の人物が、コールをしていく。 熱中している相手に向かって、どんどんコールをつづけていって、熱中しながらも反応していかないといけない。 僕は、コールする方だけを今日はやってみる。作業する方にならなかったのは、サインするというそのこと自体が信じられるかちょっと心もとなくなったからでもある。だって、サインするのは印刷されたDMじゃなくて、白い便箋なんだものね。信じられればOKと藤野さんは言ってくれたのだけれど、ちょっとでも微妙ならやめておこうと思った。 コールする方をやった後には、久しぶりのゲームでやや緊張して、見たままよりも「したいという意志」をさぐってしまいがちだったと話す。次回はそうじゃなくなるといいねと言われる。うん。 時間が来たので、今日はここまで。 課題がいっぱい見えてきた。次回は、またちゃんと新しい「作業」を見つけて。
2005年11月09日(水) |
富士見丘小学校演劇授業 |
1〜4時間目まで、1クラス2時間ずつの授業。今日はいつもより5分ずつ短い授業時間ということで、ちょっとあわてる。 田中さんのアップメニューで、子どもたちはとても盛り上がる。「ナイフとフォーク」。2人で、一つのものを表現していく。たとえば、ナイフとフォーク、カップとソーサー。後半、歯医者と患者など、人間になり、シチュエーションをつくっていき、きっちり今日の授業の中身にむけての準備になっているのがすばらしい。 その後は、まず、篠原さん担当の「放課後の卒業式」から。やめていく先生をめぐる子ども達のやりとり。僕の卒業式をやってくれないか?と話す先生に対しての子ども達の反応。先生は登場しない場面で、意見を言い合う。机と椅子を8つずつ用意して、舞台は教室。 彼らには、昨日、原作のお話だけを渡して、台本は当日。つまり、初見。 はじめはややとまどいが見られたものの、次第のどんどん慣れて、いきいきとしてくる。びっくりだ。 それにしても、小学生には机と椅子がよく似合う。授業している場所も学校で教室だし、彼らはまんまそこにいて、台詞をしゃべっていた。 後半、即興でやってもらったやりとりも、学級会そのまんまで、実におもしろかった。 続いて、僕が担当した「未来の友情」。長いお話のほんとの冒頭部分。氷という少年が支配する町に迷い込んでしまった4人の6年生と町の人とのやりとり。 原作は男子3人だったのを、女子を1名足してみた。町の人には、一人一人名前を考えた。 どこだかわからない不思議な町という設定は、さっきの学校にくらべるとずっとずっと難しかったようだ。台詞はとてもいきいきしゃべれたのだけれど、即興で続きをつくるというところになると、ちょっと停滞したかんじ。 それでも、僕の書いた台詞が彼らの声で聞こえてくるのは、感動的だった。原作者のオオタくんといろいろ話す。もっともっとおもしろいものにするからねと約束する。
高円寺に寄って、フライヤーの写真の選択。ひさしぶりにマミーとおしゃべり。 子どもたちのお話も、全部をプリントしてみる。2クラス、今のところ、77人分のお話は、分量もたっぷりでずっしりと重い。 この中から、できるだけたくさんのストーリーやプロットやエピソードや台詞を拾っていきたいと思う。 書きかけの明日用の台本にちょっとつまり、それでもえいえいと書いていく。 中野からバスに乗って渋谷まで。いつもなら絶対乗らない長時間バスだけれど、今日は「ずっと座って書ける」とわざと選択。工事中の山の手通りで思い切り揺られながら、なんとか前半を仕上げる。 三茶に出て、パブリックシアターで助成金の勉強会におじゃまする。佐藤竜太郎くんに誘われて。 文化庁の説明会で知ったこととは、全然ちがった角度から、助成金制度について、書類を書くときの心構えについてうかがう。どうしたらいいんだろう?と謎&心配だったことが、いくつもすっきり解決する。 何人もの方から名刺をいただき、早く新しい名刺を用意しないといけないと思う。 三茶から地下鉄に乗り、座りっぱなしで帰ってくる。台本に朝まで取り組むが、朝方、途中で断念。 授業時間を考えて、2つ予定していた僕の台本を1つでいこうと決める。 名前のない役が何人も登場することになっていたのだけれど、篠原さんと相談。名前のない役を演じるのはさびしいものだよねと話し、急遽、役名をつくる。これがけっこう大変だった。もともとついている他の役名とのバランスなどなど。大いに時間をくってしまう。 自分だけでつくっているんじゃない、原作のある台本に書き足すのは、とてもむずかしい。大胆さのさじかげんが、授業でやってみてわかるといいと思う。
ジオラマ・マンボ・ガールズの打ち合わせ@曙橋、マルゴリータ・奈須邸。 万が一というノリで「二人のムラサキ東京」のCDをゲットして行く。ヒルサロ版は見つからず、オリジナルのキンモクセイ&東京ジェンヌ(松たか子)版。 やっぱりパンチが弱いのでレパートリー化は断念。 今日も、小林カツ代レシピのご飯をごちそうになりながら、候補局をいろいろ聞く。2曲は決定。あと1つ。まだまだおもしろいものはありそう。あきらめずに捜索続行。
昼間、新宿で篠原さんと打ち合わせ。富士見丘小学校の授業について。今度の水曜のことと、卒業公演についての二本立て。 芝居関係の打ち合わせはここしかないね!というかんじのトップスから、食事しましょうということになり、三越の2Fのワイアードカフェ。 夜12時までやってる便利なスペース。夜になるとかなり暗くて、にぎやかになるので(音楽が)打ち合わせには向かないのだけれど、それでも僕は便利にちょくちょく利用している。 食事しながらも、結局は打ち合わせ続行。 今度の授業では、子ども達に書いてもらった「お話」をベースに、ぼくたちが台本化、それをもとに当日、続きを即興で演じてもらおうというもの。 まず、どれを選ぶか。 送ってもらったお話たちは、どれもとってもおもしろい。 短編小説として完璧なものがいくつもあって、このあいだ中学生が文学賞をとったなあと思ったり、舞台ならではのおもしろさをわかって書いたとしか思えないようなものもあって、まんまと泣かされてしまったり。 今日は、2つを選んで、分担を決める。 さあ、どんなふうにアレンジしようか、水曜には、僕が書いた台詞を彼らにしゃべってもらう。楽しみ楽しみ。
gaku-GAY-kaiのフライヤーと台本の準備。洗濯をしそこない、微妙な気分のまま部屋にいる。 今回、イラストを拝借したのは、レインボーアーツのランベルティさん。「3人の歌姫」という作品が、とってもステキで、ぜひとお願いしたら、快く承諾してくれた。 近々HP上にアップできると思うので、もうしばらくお待ち下さい。 とってもイカしてます。
夜、NHKの「休廷女官チャングムの誓い」を見る。今回、地上波ということで全部きっちり見てみようと思い、見始めたら、けっこうはまっている。 今日は、ぱっとしない部署から急遽、重要なポストに連れてこられたチョン・サンガンというおばさんがすばらしい。陰謀渦巻く宮廷で、ただのお飾りのはずだったのが、とんでもなくしっかりと実権を握っていく。そのかっこよさ。 今日のラストでチャングムは子役から、イ・ヨンエにチェンジ。来週からは、さらにどろどろのお話が始まる。このあと、「オンエアバトル」「ER」と土曜の夜は毎週長時間録画。オンエアバトルの微妙なところを早送りしながら、2つのドラマはじっくり見ている。
2005年11月04日(金) |
「ロマンチックナイトin写美」 |
東京都写真美術館に出かける。恵比寿のガーデンプレイスはほんとにひさしぶり。クリスマスイルミネーションはまださすがに始まってない。 お目当ては『恋よりどきどき〜コンテンポラリーダンスの感覚〜』という展覧会の一環として行われる、黒沢美香『ロマンチックナイトin写美』。松之木天辺さんが出演している。 いろいろうわさに聞いていた黒沢美香、初体験。堪能いたしました。 ムード歌謡をバックに踊る、もしくは踊らない黒沢美香のカラダが、とってもあいくるしい。幼児体型のような、すっかりおばさんの体型というか、ちってもスレンダーでないカラダが憑かれたように動いているのを見るのはとても楽しい。 選曲ももれなくツボだった。なかでもヒルサロの「二人のムラサキ東京」はすてきだった(後で、検索してタイトルを発見)。 天辺さんはスーツ姿で、SP風、他のスーツ男性3人(うち、1人は堀江進司さん)と、時折相談したり、踊ってみたり。 ダンスの額縁としてのきっちりしいた存在がきれい。 終演後、天辺さん、堀江さんに、一緒になったいっこうさんとご挨拶。 いっこうさんと二人、右も左もわからない恵比寿で、行き当たりバッタリ地下にあった村さ来に。女性客が一人もいない、サラリーマン専用のような飲みやさん。 ひさしぶりにがっつり話し込む。ダンスのこと、芝居のことなどなど。
NHK教育の新番組「趣味悠々・パパイヤ鈴木のENJOYダンシング」。 なつかしいディスコダンスをパパイヤ鈴木が教えてくれる。 やっぱり、なかなか濃かった。まあ、予想していたことではあったのだけれど。だって、生徒役が斉藤慶子と川平慈英。慈英の方は、にこにこしながらどこかとっても真剣で、その様子は、今や絶滅しつつあるディスコダンスがしっかり伝承されていく現場ってかんじ。 斉藤慶子は、どういう人選なんだろうと思うけど、教育テレビに引っ張ってこられる女性タレントの微妙さというか、ちょうどよさには、いつも感心する。編み物の広瀬先生にくっついているキャシー中島、萩尾みどりにはじまって、鶴太郎の日本画の田中好子などなど。斉藤慶子は、まあちょうどいいおさまり方かな。 最後に、オヤジダンサーズがさりげなく登場。ひさしぶりに見て、オヤジ度がしっかり上がっているのをチェック。 毎週見て、真剣に勉強してみようかな?と思える、手軽さがいいかんじ。 でも、ディスコダンスなんて、今どき、どこで踊るんだろう?と、ちょっと考えたりもする。
朝、病院に寄って、診察してもらう。微熱が出て、また喉が腫れてきたような気がするので、いちおうということで検査してもらう。 結果は、ダイジョブですよとのこと。このあいだみたいにひどくなったらまたいらっしゃいと言われる。 待合室が老人のたまりばになっているという話をよく聞く。たいした病気でもないのに来てしまうからと。 今日、やっぱり心配で来てしまった僕も、老人たちと同じような心細さを抱えていた。他人事とは思えない。 待合室にいると、病院というもののもつ、しっかりしたシステムに守られているような気がする。 お年寄りは、この守られているというかんじを頼ってくるんだろうなと思ったりした。
午後から、谷岡健彦さんに招かれて、共立女子大の英米文学の特講にうかがう。 イギリス演劇における「ゲイ」の作品に関連して、日本のゲイ演劇、というか、フライングステージの芝居について話をさせてもらう。 大学の授業は初めてではないけれど、女子ばっかりというのは初めて。 「Four Seasons 四季」の映像を見てもらい、作品の解説。そして、僕と演劇の出会いなどを話し、土田英生の「初恋」、そして「メゾン・ド・ヒミコ」の感想など。 フライングステージを見てくれている学生さんもいて、ずいぶん楽に話ができたと思う。 帰りに、谷岡さん、駅で待ち合わせをしてくれた溝口彰子さん、それに授業をきいてくれた学生さん、フライングステージを見てくれていた先生と、一緒に軽く打ち上げ。 芝居の話で、楽しい時間を過ごす。 大学の授業でいつも思うのは、その時々の自分がかつてにくらべてどうなっているのか振り返る、いい機会を与えてもらったということだ。 今回は、溝口さんと久しぶりに話せたこともうれしかった。 そうそう、学生さんたちは、サイトで、僕の台本を予習してくれていて、とても話がしやすかった。この日記も読んでくれているようで、「それ、日記のコートですね」と言われたりもした。ちゃんと話ができなかったけれど、僕はみなさんにとても感謝しています。どうもありがとうございました!
ひさしぶりに髪を切った。実にさっぱりする。もっとも、病み上がりのせいか、急に老け込んだ気になり、どきっとする。昨日見た、「メゾン・ド・ヒミコ」の住人たちがとても身近におもえてくる。 夕方、三枝嬢と打ち合わせ。原稿の相談など。「メゾン・ド・ヒミコ」の感想を話すと、「柴崎コウが主演っていう時点でゲイの映画になるわけない」とあっさり言われる。なるほどねと納得。
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