せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年03月31日(木) |
「浅草シルバースター」稽古 |
3場のあら立ち稽古。全体を通して、一番、出入りが多くて、段取りが多い場面。 読み合わせをしたかんじでも、「これは動いてみないとわからない」と思うことが多かった。 やっぱりというかんじで、登場する全員が台詞の一言ごとに細かく動いていないといけない。 とっても自分勝手な人たちが同じ時間にいるということがこんなに大変だとは……。 長い台詞の積み重ねだったら、誰かがしゃべっている間に考えることもできるんだけど、この場面はほんとに短い台詞ばっかり。全く気が抜けない。 僕の役には、新聞を読みながら、電話をかけながらという、二大「ながら芝居」がある。 新聞と電話の向こうに集中しながら、家族のみんなも気にしてる。気にしてないという芝居をするのにも、ものすごい集中力が必要なんだなと思った。 最後に一度、通してみる。ようやくやらなくてはいけないことが腑に落ちてきたかんじ。 もっともっとやってみようと思うことがいっぱい。課題が見えてきたのがうれしい。 帰りに、今日も益富さんに誘われて、青木さん、原口さん、梨紗ちゃんと養老乃瀧へ。 芝居の話をたくさん。青木さんと二人で小田急線でおしゃべりしながら帰ってくる。
稽古が休みになったので、以前から誘っていただいていた「デモクラシー」をル・テアトル銀座に見に行く。お昼に電話をして森川君と一緒に。 1969年から始まる、西ドイツ首相とヴィリーとその側近ギョームのお話。ギョームは実は東ドイツのスパイだったという物語。ブラントに鹿賀丈史、ギョームに市村正親という顔合わせ。この二人を中心にお話は進むのかと思いきや、そうでもなく、内閣の派閥のごたごたが「政治劇」というかんじでくりひろげられる。同じマイケル・フレイン作の「コペンハーゲン」のような、地味だけど密度の濃い舞台を期待して、楽しみにしていた舞台。 戯曲は、「コペンハーゲン」よりもストイックに、ブラントの成功と失墜を時系列に沿って描いていく。叙事的な台詞の合間に、ブラントが理想を語る演説と、屈折した思いを語るギョームの言葉が、精緻に組み立てられているのはわかるのだけれど、やっぱりむずかしい芝居だった。 鹿賀丈史は、やや台詞を歌い過ぎてるかもしれないし、市村正親は、内面の思いをやや過剰に身振りで表現していたかもしれない。初日からずいぶん経って、演出家の手の届かないところで、役者達がやりやすい芝居になってしまっていたのかもしれない。 もちろん、男ばかり十人の役者達は、とっても好演、健闘していたと思う。それでも、やっぱりもう少し心にひびくものがあったらなあと思わずにはいられない。舞台はゆるやかに傾斜する四角い本舞台とその上手に首相のデスク、舞台奥に男達が控えている会議室のような大きな机、そして、舞台を移動する半透明のついたてのみという構成。このシンプルな舞台で男達は、とってもストイックに、衣裳を替えることもなく、相手のうらをかこうとし、疑い、怒り、失望する。ほんとうにていねいに作られていて、退屈するということはないのだけれど、もう一つ、何かがほしいという気持ちのまま終幕まで来てしまった。 最後の場面で、それぞれの人物が、各自の「その後」の話をしながら正面に向かって立つ。 ベルリンの壁が崩壊した今、東と西の対立も遠い幻になってしまった、そのむなしさと、それでも命をかけて闘った男達のすがたに、この「大変な芝居」に取り組んだ十人の俳優達の姿が重なって、なんだかものすごいものが舞台から届いたようだった。芝居に感動したからとは素直に言えないような、わけのわからない涙を流し、拍手をいつまでも送った。 鹿賀丈史の「スター」としての存在感、市村正親の恋心にかぎりなく近く見えてくるブラントに対する思いはそれなりに見事だったと思う。近藤芳正、藤木孝、今井朋彦、三浦浩一もいい芝居をしてた。メインの二人とは対照的な地味な芝居だけど、台詞がまっすぐに届くことに感動した。 腹ぺこのまま銀座の街をうろうろし、森川くんとラーメンを食べて帰ってくる。
2005年03月29日(火) |
「浅草シルバースター」稽古 |
昨日の続きの西村家の稽古。 今日は、全キャストが勢揃いの日。 ほんとに大勢だ。 昨日の続きの読み合わせをして、通して読む。 最初の読み合わせよりも大幅に時間が短くなって終了。 課題をいっぱい見付けながら、自分の役のしなければいけないことが見えてきたかんじ。 稽古の後、みんなで飲みに行く。読売ランド前で飲んでいるというシチュエーションがすでにおもしろい。 これまであまり話せなかった、演出の高木さんと、みんながそろうまえに、たくさん話ができてうれしかった。 「あさくさハウス」組の本郷さんともずいぶんたくさん話せた。無名塾の話やら、僕のことなどなど。男気のある人だなあと感動する。 帰りの電車が今日もにぎやか。初対面の人たちとの長距離の移動は気詰まりなものかしらと心配しないでもなかったのだけれど、そんなことは全然なく、楽しくおしゃべりできている。 明日は、西村家の稽古はなし。明後日からはあら立ちが始まる。
2005年03月28日(月) |
「浅草シルバースター」稽古 |
今日は読売ランドの稽古場に間違いなく。待ち合わせ。 西村家の稽古。 昨日の続きの読み合わせ。 高木さんに、芝居が小さいと言われてショックを受ける。たしかに、自分とは遠い人物をつくるのに、小心になってたかもしれない。台詞の語尾もきっちり相手にかけてなかったかもしれない。 途中から意識して、出していくことを心がける。自分なりにだんだんおもしろくなってきたところで、今日はおしまい。 雨模様の道を駅までおしゃべりしながら歩いて帰る。 白木蓮がきれいに咲いている。自然がいっぱいの道。 一人だと遠く思える電車もみんなでおしゃべりしているとあっというまに代々木上原。
2005年03月27日(日) |
「浅草シルバースター」稽古 |
一度、家に帰ろうかと思ったのだけれど、眠気には勝てず、稽古場に直行することにする。 朝、森川くんの入れてくれたエスプレッソを飲みながら、芝居の話をする。いい天気。のどかな日曜日。先週の、先々週の日曜日が夢のようだ。 上履きを持っていなかったので、中野で買って、今日の稽古場、読売ランド前まで行く。待ち合わせの時間になっても誰もこないので、まさかと思い、一倉さんに電話する。完全な勘違い。今日は代々木八幡の稽古場だった。あわてて小田急線で戻る。30分遅刻して到着。ほんとうに申し訳ない。みなさんを待たせてしまった。 今日の稽古は、幼稚園を営んでいる西村家の場面。前回の半分ほどの人数。頭から、読み合わせをしていく。高木さんから、質問されたり、いろいろやってみたり、みっちりと。 今井さん、外波山さん、益富さんたち、年配なみなさんの芝居がとってもおもしろい。もう自由自在というかんじだ。 僕の役のいかたがだんだんわかってくる。とっても人間くさい人なんだあと気がつく。この間の話し合いで、自分中心に考えていた、自分を正当化するプランでなく、「だめだめ」な突き放した人物がつくっていけたらいいなと思う。 明日は、読売ランドの稽古場。今度は大丈夫。
2005年03月26日(土) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」報告会 |
久し振りに昼間家にいる日。廃品回収に新聞紙の山をもっていき、掃除と洗濯。いい天気。 森川くんの家に集まって、「二人でお茶を TEA FOR TWO」の制作のしめ。なべちゃんと三人。決算の報告を確認して、精算をして、感想を言い合って、おしまい。お疲れさまでした。 岩井さんを加えて四人で、飲みに出かける。途中からノグも加わって、にぎやかに。 そのまま帰る気がしなくて、今晩も森川くんの家にやっかいになる。森川くんが寝てしまったあと、岩井さんとおしゃべり。布団をしいて寝ていたら、デリ子さんが足元に入ったまんま眠っていた。朝方、毛布の中を覗いたら、出ていこうとしてくるくる回っているデリ子さんのまわりに静電気の火花がバチバチ散っていた。きれいな緑色。デリ子さんは平気なんだろうか? わりと何でもないふうだったけど。
富士見丘小学校の卒業式。 体育館に行く前に、控え室にいるみんなに会って「関根さんだ」と言われてうれしい。 みんなブレザーをきちんと着て、なんだかいつもより小さくなったような気がする。 5年生の合奏にあわせて、一人一人入場する姿を見て、もうほろっとしてしまう。 来賓ということで恐縮していたのだけれど、子供たちのそばに座らせていただくための配慮だったのだなあと気がつく。ありがとうございました。 卒業証書の授与で、ひとりひとり名前を呼ばれるたびにいろんな場面が思い出された。 紹介されて、「これからも元気でね!」と言ったら、みんなで元気に「はい!」と返事してくれてびっくりする。 子どもたちは、初めのうち、いつものようにケロケロしていたかと思うと、式が終わりに近づくにつれ、みんな涙々になっていく。 元気いっぱいのアキトくんが、しゃくりあげながらそれでも大声で歌っていた。つっぱっていたショウゴくんが目を赤くして、涙をぬぐっていた。はきはきしゃべっていたチナツちゃんも退場しながら、泣き顔になっていた。 こないだ会ってからまだ一月も経たないのに、声変わりが進んでる男子にも驚く。 式が終わってから、控え室でみんなにつかまる。近くに座っていたユリちゃんが篠原さんに「関根さんすごく泣いてた」と言いつけてるのを聞いて、「はい、泣いてましたとも」と言い返す。 校庭を突っ切って歩いて、みんな帰っていく。5年生がつくるアーチをくぐってみんなやってきた。森山直太郎の「さくら」が流れてる。お母さん方とご挨拶。子ども達と記念撮影。いつもどおりの元気なみんなの姿。いい卒業式だった。みんなのこと忘れないよと、改めて思った。 富士見ヶ丘中学校に進む子供たちは、中学でも演劇授業を受ける。僕らは直接、関わらないけど、どうぞ元気でやっていってほしいと思う。
のぐが舞台監督をしている、五線紙公演「桜*三重奏」@荻窪アールコリンの仕込みのお手伝いに行く。 取り壊されたアパートのドアをそのまま使うということで、一番心配だったのは、果たしてちゃんとドアが立つのかどうか。 夕方にはなんとかめどもたって、ほっとする。 舞台芸術学院のミュージカル科卒業の五線紙のみなさんと桜の花びらを切りながら、ミュージカルの話をいっぱいする。歌ったりもする。 外は夕方から急に雨模様。思い切り洗濯して干したのに、がっかりだ。 場当たりの直前で一足先に失礼する。 高円寺に寄って、「二人でお茶を TEA FOR TWO」の荷物をピックアップ。 高市氏、まみーと見てきたばかりの勘三郎襲名の話や7月の公演の話をする。 重い荷物を抱えて、駅からはタクシーかと思っていたのだけれど、雨上がりに月が輝く不思議な夜。自転車でそろそろと帰ることにする。
2005年03月23日(水) |
「浅草シルバースター」稽古 |
「浅草シルバースター」の稽古のため、代々木八幡の青年座の稽古場へ。 初めてお会いするみなさん、この間の写真撮影のときに一度お会いしたみなさんに、ご挨拶。 今回、夫婦役の竹内晶子さんとならんで座る。 出演者、スタッフ、あわせてほんとに大勢。こんなの初めてと竹内さんと言い合う。 台本の追加分をいただいて、読み合わせ。 昨日ようやく読めるようになって、こんな話だというのはわかっていたのだけれど、僕の役は幼稚園の園長さん、大きな子供が三人もいる。そのうち二人は原口さんと一倉さん。 「二人でお茶を」でやってたこととはまるっきり違う、おじさんの芝居。 外波山さんをはじめとするベテランの役者さん達の芝居がほんとにおもしろい。 竹内さんと、どこでも最年長だったのに、今回は全然そんなことなくて、まるっきり中間の世代だねと話す。 読み合わせのあと、演出の高木さんから、グループに別れて、話し合ってくださいと言われる。どんな夫婦、親子なのかを徹底的に話し合う。 まずは、竹内さんと、台本に書かれてあること、書かれていないことを一緒になって探っていく。 続いて、家族そろっての話し合い。父親役の益富さん、娘役の原口さん、一倉さん、原口さんの夫役の青木さん、息子の恋人役の湯本さんと。 途中から演出の高木さんと作者の松本さんもくわわって、いろいろ発見しながら、コミュニケーション。 最後は、稽古場で稽古初日乾杯。缶ビールを飲みながら、おしゃべりする。 帰りに益富さんに声をかけてもらって、地元のお店に飲みに行く。一倉さん、原口さん、松本くん、演出助手の江原さんも一緒に。 益富さんに「二人でお茶を」をおもしろかったと言っていただく。よかった。 芝居の話をいっぱいして、帰ってくる。
2005年03月22日(火) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」返しの一日 |
中野に止めてあった、車に乗って、今日は返しの一日。 亀戸の倉庫、高円寺の事務所、さっこさんの家、のぐの家などなど一日かけて走り回る。 ドライバーはノグ、同乗は僕と森川くんとマミー。 恒例のアンケートの朗読を今回も。 打ち上げでばらばら読むよりもということで、この返しの車中で一気に読ませてもらうことが多い。 うれしい感想をいっぱい、いただく。ほろっとしたり、大笑いしながら、読み終える。
今日は、青年座のスタジオ公演「浅草シルバースター」の顔合わせ。もともとNGを出していたのだけれど、やはり間に合いそうにないので、夜の飲み会だけ参加させて下さいとメールする。代々木公園の駅について、電話しようとしたら、ちょうど飲み会もばれたところだというメールが届いていた。そのまま、また電車に乗って、帰ることにする。 電車の中では爆睡。こんなふうには眠りたくないと思うような人に、そのまんまなってしまい、へろへろになって帰宅。
2005年03月21日(月) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」千穐楽 |
開演前のアップをして、バラシの打ち合わせ、それから1場を早いテンポでさらっていたら、あっという間に開場時間。 いつも千穐楽というのは、どこかさびしくなるものだけれど、今回はそんな気持ちにもならない。それどころじゃないのか、またいつか会えるという気持ちでいるからだろうか。 入りがやや心配だった予約状況が、お客様の口コミでどんどん増えて、当日券の方も含めて満席になる。椅子が足りなくなったので、何人かの方には、二階のギャラリーから見ていただくことに。ほんとうにありがたい。 最後の最期に本番中かつらがはずれてしまう。何度かひやっとすることはあったのだけれど、今日は完全に。覚悟を決めて、きちんとかぶりなおして、そのまま芝居を続ける。 1時間40分、いつもと同じタイムで今日も終演。最後だからという特別のことはなにもないまま25年の歳月を森川くんと一緒に生きた。 舞台袖で、いつもよりちょっとだけ長く抱き合って、ご挨拶のため外に出る。 ワークショップで一緒だったasakaくんやyu-jinくんと話す。ありがとうございました。 yu-jinくんは4月から新国立劇場の俳優養成所に入所が決まっている。がんばってね!とエールを送る。 バラシは、今日もみんなでわいわいと。 7時過ぎまでかかってようやく終わり、その後打ち上げ。 中野駅前の鳥鉄で飲み、大いにしゃべる。 一週間前のことを考えると、こんな打ち上げができていることが嘘のようだ。 それでも、諦めないでよかったと改めて思う。 終電の時間まで飲んで、僕と高市氏、マミー、ノグは、森川くんの家に。 高市氏、マミーが帰ったあと、岩井さん、ノグとまたしゃべる。 なべちゃんから、今回の最終動員数のメールをもらう。600人にあと少しというところまでいったそう。よかったねとみんなで喜び合う。 二次会のようにわいわい飲んでいるうちに、森川くんが眠ってしまう。 森川くんの寝顔を今日も見ながら、この寝顔に書かせてもらった台本のような気がすると話す。 きっちり敷いてもらった布団で、ちゃんと眠ると決心して眠る。 まっすぐに身体を伸ばして眠るのは久し振りだ。
2005年03月20日(日) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」5日目 |
日曜のマチネ。一番多くのお客様の予約がある回。 アップをして、台詞を一場面さらって、開演に備える。 この頃、楽屋用にいつも苺を買ってくる。 モモの手前の果物やさんでおばちゃんやおじちゃんと話をしながらの買い物。 昨日の天ぷらやさんといい、今回、コンビニではない、昔ながらのお店での買い物っていいなと思うようになった。 終演後、見に来てくれた桜澤さん、森川くん、岩井さんと一緒に出かける。 桜澤さんと芝居の話をいろいろ、「ソプラノズ」の放送がまた始まるそうだ。彼女が吹き替えている女優さんが、エミー賞を受賞したクール。楽しみだ。 森川くん、岩井さんと、福新で食事をして帰る。 昔は、ちゃんと食べると芝居に集中できないような気がしていたのだけれど、今回は、あきらかに空腹だとへばってしまう。グーとお腹が鳴ったら、客席に完全に聞こえてしまうし。 ソワレの前にも、もう一度アップをして開演に備える。 一日二回公演をずっとやっているせいで、規則正しく、どんどん楽日が近づいている気がする。階段を一段抜かしで上がっているような感覚。 夜も、多くのお客様においでいただき、無事終演。あと一回でおしまいなんだと夢のよう。 森川くんの所属するサニーサイドウォーカーの成瀬くんと佐原くんが来てくれて、ご挨拶する。代表の辻野さんにはこのあいだきちんとご挨拶できなくて申し訳なかった。 森川くんは成瀬くんたちと樽屋へ、僕たちは高市氏らと一緒に和民へ。高市氏と今回の芝居についての話をじっくりする。 信じられないくらい早い終電に間に合うよう、しゃべるだけしゃべって、勢いよくお先に失礼する。
2005年03月19日(土) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」4日目 |
朝、シャワーを浴びて、花粉症でむずむずする目と鼻をなだめながら、眉の手入れをしていたら、うっかり右の眉頭をそり落としてしまった。どうしよう。しかも、家を出て、電車の窓に映る姿を見て気がつく。4場から5場の転換では、僕はメークを落としてすっぴんになるのだけれど、眉を描かないといけないことになった。 12時入りで準備。マチネ開演。いっぱいのお客様にささえられて、いい芝居になったと思う。無理して駆け抜けるんでない、いいかんじで走りきったそんなかんじ。 見に来てくれた、一倉さん、原口さん、松本くんと話す。この間の撮影で初めてお会いした益富さんも見てくれていたそう。ご挨拶できずすみませんでした。 住宅地に劇場があるため、そそくさと客席でご挨拶をしなくてはいけないのが申し訳ないかんじだ。 夜までの準備の時間、今日は駅からMOMOまでの間にある「天ぷらやさん」で天ぷらを買って、コンビニで買ったカップ麺(赤いきつね)にトッピングすることに。 外で食べると食べ過ぎるし、カップ麺だけだと物足りない。ちょうどいい量になった。天ぷらもなかなかおいしかった。 夜も大勢のお客様が来てくださっている。相手役の森川くんと、スタッフのみんなと、そしてお客様と一緒に?時間40分の芝居を今日も作り上げることができたと思う。 ワークショップでご一緒したKUMIさん、YUMIさんたち、それにKAORIさんとごあいさつ。どうもありがとうございました。 高市氏は風邪でダウンとのこと。僕も、のどがちょっと心配なので、今日はまっすぐに帰ることにする。
2005年03月18日(金) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」3日目 |
朝、地下鉄に乗っていて、一旦ホームに降りたら、一緒に降りた男の子が持っていた缶コーヒーがちゃぷんとはねて、僕の顔とコートにかかった。びっくりしてとっさには怒ることもできずにいたら、「すみません」とシンプルに謝って、彼はどこかに行ってしまった。しょうがないので、トイレで顔を洗い、コートのシミをふきとる。 マチネの開演前に演出助手のノグから昨日の舞台についての細かい話。 アップをして、台詞をさらって、マチネの開演。 夜の公演までの時間、昨日から近くのコンビニでカップ麺を買ってきて、みんなで食べている。朝は暖かかったのに、午後になって急に冷えた、雨も少し降ったし。暖かいモノが恋しい気分。 夜の公演のラスト近く、むせてしまって、舞台上で咳き込む。こんなのはじめてだ。今日は朝から花粉症もきつくて、目がしぱしぱしていたのだけれど、そのせいだろうか。もう、だめかもしれないと思いながら、何とかなってほっとする。 終演後お客様に挨拶して、感想をうかがう。 こんなに裸になった気持ちになる芝居もない。実際舞台上で僕は二度、裸になるのだけれど、そのことよりも、これまで書いてきた芝居の集大成のようなものになっているせいかもしれないなとも思う。 カミングアウトの問題、エイズの話、パートナーシップのことなどなど。20歳から45歳までを演じるというのも、ある意味、引き出しを全部開けてしまっている気がする。ドラァグクィーンも登場するから、古典に向き合うとき以外の僕は全部あると言ってもいいかもしれない。 二人芝居は、「次、僕の番だっけ?」と思うことがない。相手の次は常に自分だ。 それをただの順番にしてしまうのか、そうしないではいられない言葉の積み重ねにするのかは、大きな違いだ。 25年の時間を舞台上で過ごす森川くんは、いつもの共演者以上に特別の人だ。 「もたれあう」のではなくて「支え合う」、かけがえのない、信じられる相手役。 今日もまた幸せな時間を過ごさせてもらう。 今日までの5ステージで、明日からは折り返し。 どこまで行けるのか、わくわくしている。
2005年03月17日(木) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」2日目 |
15時開演のマチネ。昨日の相手だけを頼りにした誠実な芝居とはちょっと違う空気にちょっととまどう。お互いを信じていながら、昨日よりも「演じてやろう」という気持ちが、時々、僕たち二人の間に産まれてしまったかもしれない。 ソワレ19時半開演。マチネの反省を踏まえて、演じようとしないと決めて、舞台に出る。 お客様にも助けられながら、いいかんじで終演。 途中、劇中のある場面で、客席から「結婚?」というつぶやきが聞こえる。たしかにそういう場面ではあるけど、つぶやかなくってもいいよねと楽屋で話す。 帰りに、樺澤良くんからメールをもらい、見に来てくれていた大門伍朗さんと飲んでいるところにおじゃまする。森川君と彼のお客様とも一緒に。 4月の大門さんの一人芝居の話。僕が高校生の頃に見た「下谷万年町物語」や「住込みの女」の話をさせてもらう。うれしかった。昔、舞台を見ていた役者さんが僕の芝居を見てくれているんだということがもううれしくてしかたない。良ちゃんごちそうさまでした。 家に戻ると、4月に客演する青年座スタジオ公演「浅草シルバースター」の台本が届いていた。少し読んでみようかと思うが、頭に全然入ってこない。「二人でお茶を TEA FOR TWO」がまだ入っているうちは、無理なんだろうと思う。それにしても、今演じている、宮内健人という役と、「浅草シルバースター」での僕の役との違いの大きさにびっくり。できるんだろうか?と思いながらもわくわくしている。もう少し経ってからちゃんと読んでみようと思う。
2005年03月16日(水) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」初日 |
朝から稽古。そして、午後にゲネプロ。 どうなるの?とも思えないいっぱいいっぱいな気持ちのまま、初日の幕が上がる。 いつも出番の前には、袖でスタンバイをしている間、何をしゃべればいいのか真っ白に鳴るものだけれど、今回は、その真っ白になる戸惑いが生じる余裕もない。とにかく、一度始まったら1時間40分、舞台にいないときは、舞台裏で大急ぎで着替えている。次はなんだっけ?と考えたり、台本をめくったりする余裕もない。 開演前、森川君と二人、パンツ一つで衣裳を抱えて立ちながら、それでも、出るのが怖いとはこれっぽっちも思わなかった。不思議な勇気がわいてきた。 今回の稽古の間中、僕は、一度も、後ろ向きな気持ちになることはなかった。 ねばりにねばればいいものができる。相手役の森川くんと、スタッフのみんなを信じていけば、そして、何より、自分自身を信じていくこと、そのことへのおもいがゆらぐことはなかった。 次はなんだっけと思いながら、森川くんの言葉を聞いて、それに応えていく。森川くんも僕の話すことを聞いて、自分の言葉を発していく。台詞を思いだしながらということでは全然ない、正味のやりとりがどんどん続いていく。それは、とても不思議な気持ちのいい、しあわせな時間だった。 1時間40分後に終演。舞台袖で森川くんと抱き合う。そして、スタッフのみんなとも一人一人。 この時間のことを僕は忘れないと思う。森川くんだけを頼りに生き続けた舞台上での時間に、それを支えてくれるお客さまの力が加わって、僕は間違いなく、一人ではできないことをなしとげる力をもらうことができた。 お客様から感想をうかがう。見た後に話をしたいと思う芝居がいい芝居なのだろうと僕は思う。感想を言ってくれるんだということと、いい顔で劇場を出てきてくれたお客様にほんとうにありがとうございましたと言いたい気持ちだ。 「ゴッホからの最後の手紙」の作者、宇都宮裕三さんも来てくれた。北大の卒業生である彼は札幌にとっても縁が深い。そんな彼の感想がどんなものか正直心配だったのけれど、いろいろ話してくれたってことは、だいじょぶだったのかなと思ったりする。 帰り、みんなで初日乾杯。高市氏もいっしょに。こんなにおおぜいな初日の飲みはひさしぶり。見ていてくれた、いっこうちゃん、郡司くんから感想を聞く。最前列で見ていてくれた郡司くん。6場になってようやく彼がいることに気がついた。舞台から見えた、彼の笑顔も忘れられない。 こんな初日が迎えられたことを、すべての人に感謝。 これから千秋楽までの残り9ステージ、きっちり悔いのないように作り上げていきたいと思う。
2005年03月15日(火) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」劇場入り2日目 |
朝、森川くんが朝食にホットケーキを焼いてくれる。キッチンにいる彼に、質問をしに行く。 この状況で彼が一番思うことは何かと? 彼の答えを聞いた、その瞬間に、それまで空白にしておいた短いシーンができあがる。 書き上がったシーンを僕が読む。まず5場。11時入りを30分遅らせてもらう連絡をしてもらって、書き続ける。しばらくして、6場を読む。これでいこうということになる。完成した。 劇場に向かい、とにかく稽古。新しい5場と6場を中心に。 短い5場がもしかするとこの芝居の山場かもしれない。二人の思いのすれ違いをていねいにつくっていく。 6場は、最後の場面、45歳と50歳になった二人のさりげないやりとり。 幕切れの、一番さりげない芝居をていねいにつくる。 明日は初日、でも、まだまだできることがあるはず。 午後から場当たり、全6場のこの芝居で、僕たち二人は毎回着替えながら、かつらを変えて、年を重ねていく。 舞台に出ているときより、裏で着替えている方が間違いなく忙しい。 転換中のだんどりを舞監のさっこさん、衣裳のマミーと一緒に確認していく。 場当たりのあとは、舞台を使っての稽古。 みっちりというかんじで今日はここまで。
明日は初日!
2005年03月14日(月) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」劇場入り |
劇場入り。 朝から仕込み。 フライングステージのメンバー総出で、パネルを立てていく。 みるみるできあがる、ホテルの一室。 夕方までにおおよその仕込みは終了。 夜、元の台本の5場と6場をあわせて5場として構成したものを読んでみるが、どうにもうまくいかない。当初の予定どおり、二つの場面でいこうと決める。あらたなアイデアをみんなからもらう。
夜中に、僕は録音の仕事。10時から赤羽橋のスタジオに入るが、準備ができていず、1時半まで待つことに。その間、新しい場面を書いていく。 スカパーのソネットチャンネル749の春の新番組紹介の60分もののナレーション。(番組情報はこちらへ。ノースクランブルで視聴可能だそうです) 作者演出家モードから、声優さんにギアチェンジ。いい気分転換になった。タイトなスケジュールで元気がなかったディレクターが終了後、笑顔になってくれていて、うれしかった。自分の仕事が人に元気を与えることができたんだなあと。僕も元気になる。 終了したのは2時半。タクシーで森川君の家に向かう。起きてくれた森川くんと芝居の話。 その後、今晩もまたデリ子嬢と一緒に夜明けを見ながら、台本に向かう。
初日まであと2日!
2005年03月13日(日) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
道具を使っての稽古をどんどん。 夜、通してみる。 問題がいっぱい見えてくるが、こんな芝居なんだという発見もたくさん。 初日まであと3日、やれることはまだまだたくさんあるはず。
2005年03月12日(土) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
今日からmomoの稽古場。 朝九時に、亀戸の駅前で待ち合わせ。倉庫に向かって、パネルや道具を積む。 去年の「思い出の夏」で使ったパネルやドア、窓、クローゼットの扉などなど、けっこうな大荷物。 僕、まみー、あらくん、小林くんは、電車組。マミーは高円寺へ。僕らは、中野へ直行。 ノグと森川くんは車組。高円寺経由、モモへ。 荷物を降ろして、稽古場に道具をならべてみる。 宅急便も、午後になってようやく到着。 今回、購入した、机と椅子と電話がそろう。 ベッドを使っての稽古。 夜、亜弓ちゃんとさやかちゃんが来てくれる。 音と照明の話いろいろ。
初日まであと4日!
2005年03月11日(金) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
スカパーのソネットチャンネルの春の新番組紹介番組のナレーターをすることになり、プレビュー用のテイクを撮りに六本木へ。 韓国ドラマ、韓国グルメ、バラエティなどの紹介を、いろいろな声を使い分けて演じる。 ゲイキャラも必要ということで、試しにやってみる。「おもしろい」と言われ「ネイティブなので」と答える。たしかに一番いきいきとしていたかもしれない。
稽古場最後。 とにかく稽古してみる。 初めての発見がいろいろ。 森川くんとのぐは、さっこちゃんの家に荷物のピックアップ。 僕は、とにかく早く帰ることに。
初日まであと5日!
2005年03月10日(木) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
先月終了した富士見丘小学校の演劇授業、今日は4月からの新六年生、今の五年生の最初の授業、扉座のワークショップだ。 保健室の前で六年生のアキトくんたちに会う。この間の「卒業を祝う会」にどうしてこなかったのかと聞かれて、ごめんねと謝る。それよりも、授業中なのに、なんでこんなところにいるのか聞いたら、「爪切ってた」と。「早く教室戻りな」と言って別れる。 初めて会う五年生。田中さんがいつもとは全然違う表情でどんどん仕切っていく。 扉座の俳優さんたち十数名と音響さんで、とってもよく出来た演劇入門になっている。 今度の子ども達は、今の六年生よりも、集中のしかたがきちんとしているかもしれない。 テレビカメラがなくて、見学者が少ないせいもあるだろうし、6年生の授業の様子を聞いて知っているせりもあるかもしれない。 前半はゴジラに踏まれるエチュードや、銃で撃たれるエチュードなど、「想像力」を使う。 後半は、茅野イサムさんの演出で、横内謙介さんが書いた短い場面「さよなら先生」。 駅のホームで別れる先生と子ども達。 佐藤累央さんが先生として仕切る1組の様子を見ながら、泣けてきてしまう。 子ども達がとっても真剣に演じている。演技とは言えないのかもしれないけど、自分の番の台詞を覚えて、きちんと言っている。佐藤さんも、先生を演じようというのではなく、子ども達の一人一人に話しかけてた。 最後に全グループの発表。どのチームもとってもよかった。この子たちと四月から一年間、演劇授業のおつきあいが始まる。いい授業になるよう、しっかり準備して、一人でも多くの子に演劇が好きになってもらいたいと思う。 終了後、渡り廊下で篠原さんを取り囲んでいる6年生の女の子達に会う。ここでも、「祝う会にどうして来なかったの?」と聞かれ、「手紙書いてたのに」と言われる。 校長室で給食をいただいているときに、さっき会ったゆりちゃんたちが手紙を持ってきてくれた。ありがとうと受け取る。 子ども達は、メインでは授業をしていない僕のことをちゃんと見ていてくれたんだなとうれしくなる。宝ものをもらった気持ちだ。
午後、新宿のサザンシアターで絶対王様公演「やわらかい脚立」へのフライヤーの折り込み作業。なべちゃんと二人で。 とっても親切な絶対王様の表方スタッフの対応に心があたたまる。どうもありがとうございました。
夜は稽古。あゆみちゃん、まみー、いっこうさんが来てくれる。 ラストの二人のありようについて話す。 25年を経てきた二人の気持ち、それをどう表現していくか。いろいろ話す。
3場のやりとりが思っていたよりも、ずっとはずんで楽しくなった。 当たり前なのかもしれないけど、用心深く探りながらのやりとりが続く、出会ったばかりの場面よりも、何年も経って、すっかり気心が知れてからの場面の方が、軽快なテンポになる。 いつの間にか、近くにならんで座ってもだいじょぶな関係になっているのがおもしろい。 劇中の二人だけでなく、僕と森川くんも。そんなことも感じながら、芝居をつくっていけるのは、なんてしあわせなことなんだろうと思う。
初日まであと6日!
2005年03月09日(水) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
劇場打ち合わせにさっこさんと二人で。 その後へ稽古。@下馬。 今日のジョギングは、いつもより遠くまで、いつもより早いピッチだった。 五本木の商店街を抜けて世田谷公園のはじを通って戻ってくる。 森川君と、ていねいに確認しながらの稽古。 きちんとうまくいったなあと思ったので、「流れたね」と言ったら、森川君に「ごめん」と言われる。僕は、いいかんじに「流れた」というつもりだったんだけど。微妙なすれ違い。 稽古の後、森川君の家に泊めてもらう。 芝居の話をいろいろ。朝方まで話しをし、彼の寝顔を見ながら、パソコンに向かう。 芝居の中の状況を体験しているような気持ち。 美猫のデリ子が時々相手をしにきてくれるなか、夜が明けていくのを窓から見ていた。
初日まであと7日!
2005年03月08日(火) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
三枝嬢と待ち合わせ。初めてであった80年代半ばの思い出話をしばし。
松之木天辺さんが出演している、かもねぎショット「ラプンツェルたち〜うろ覚えの童話集〜」 」@シアターTOPSを見に行く。 おそろいの衣裳で、ダンス中心の構成。知っているお話が次々と語られるというよりは、目の前に広げられていく。 童話って、やっぱり語られるもので、結末がどうなったっていうようなことが眼目じゃないのかとおもう。今日のお話たちは、結末よりもディテールを丁寧に演じられてるかんじ。 そうでもないか? 結末は演じられているのだけれど、そんなに「終わり」というふうにはなっていなくって、さらっと次の話に移っていく。結末が登場しないままのお話もある。 子供向けの芝居というわけではないのだけれど、子供のためのシェイクスピアの「物語り方」との違いを、見ながらいろいろ考えた。 天辺さんは、王子様役を一手に引き受けてる。それも歌う王子。ラプンツェルの塔に登っていく王子や人魚姫が愛してしまった王子。声が伸びやかで、とってもいい王子っぷりだった。 人魚姫の三人の姉人魚に笑い、最後には泣かされてしまう。無言の人魚姫がせつなかった。 稽古場にマミーが来てくれる。 衣裳の打ち合わせ。学生服のズボンなど、サイズの確認と修正をその場でやってもらう。 今日は久し振りに走ってみる。 外はすっかり春の匂いでいっぱいだ。初めて、パーカーのフードを外して走る。 それでも、何日かさぼったせいで、ふくらはぎがパンパンになる。 公園の材木が並ぶ斜面を登ることになり、今日もへろへろになってしまった。 稽古は、森川君とのやりとりをていねいに。 最初の場面の1980年を探っていた二人が、次の場面、五年後には、すっかりうち解けている。その変化のしかたがなじんできた。 森川くんが電話をしている長い場面、僕はずっと彼のことを見ている。見ながら、いっそう彼に対するおもいが深くなるようなそんなかんじ。 マミーが持ってきてくれた91年発売のクレアの「ゲイ・ルネッサンス」特集を読みながら、帰る。当時、これはほんとに画期的な本だった。これから、90年代のゲイ・ブームは始まったといってもいいかもしれない。何度も読んだはずの記事を改めて読み直す。 あれから15年、僕たちはどこに来たんだろう? 今回の芝居は1980年からの25年間の物語。二人の登場人物は、どこからどこに行ったのか、行くのか? 僕たちも一緒に旅をしている。
初日まで8日!
2005年03月07日(月) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
稽古場に早く着いて、一人で台本に向かう。 今日も走るのをパスさせてもらう。ていうか、僕だけ休みということにはならず、みんなでお休み。 明日は必ずと思いながら、ごめんなさいな気持ち。 稽古は、僕のかわりにノグが森川くんとやりとりしてくれる。 それを見て思うことをいろいろ伝える。 とっても特殊な状況の二人が、どんなふうな気持ちでやりとりするのかを考えるのはとてもおもしろい。 どれだけの罪悪感を抱えているのか。 その場で一生懸命なことと、突然呼び覚まされる思いが錯綜する。 一人の人間の気持ちとしては当たり前の心の動きが、演じようとすると、急にぎこちなくなってしまう。 様々な矛盾を抱えて、一瞬後には、それまでの気持ちなんてすっかり忘れて、あたふたするのがコメディの登場人物だと思う。 その場その場を正直に一生懸命やるしかないんだなあと思う。 僕は、今回、札幌弁、標準語、それにオネエ言葉と、3つの言葉を使う。初めての経験に挑戦だ。稽古場での普通の会話にも、僕は「エセ札幌弁」が顔を出してしまって、なんだかおかしなことになっている。
稽古のあと、サッコさんと待ち合わせして、美術の相談。去年の「思い出の夏」とほぼ同じ装置をどうやって、ホテルの一室に変えていくか、いろんなアイデアを聞く。 打ち合わせに使った、その喫茶店の壁が、大いに参考になった。
初日まであと9日!
2005年03月06日(日) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
阿佐ヶ谷で稽古。 開始前に、小道具で使う机の確認。ヤフオクで探した候補を、どんなもんだろうかとみんなで検討する。さっこさんにも電話して相談する。 なべちゃんといっこうちゃんが来てくれる。 森川くんが買ってきてくれたウィッグが、彼にとっても似合っている。 今売ってるってことは、十分、今風でかっこいいはずなのに、なんとなくもっさりしたちょっと伸びた髪になる。とっても80年代。 たしかに、今は80年代ブーム、なるほどねえと思う。 新しい続きの場面のやりとり。 しばらく僕の代役をノグにやってもらって、今日もちょっと離れたところから、見てみる。 二人芝居はどっちが「いいもの」になっても「わるもの」になってもうまくいかない。 そのかねあいを考える。 とにかくやることいっぱいの今回の場面。それぞれが抱えてる状況もてんこもり。 初めてやる場面の方が、やりとりがきちんとしているのは、「やってやろう」というたくらみが少ないせいかもしれない。 よくわからない台詞は相手がたよりだ。相手に声としぐさに全神経を集中して、自分の芝居を成立させる。 あきらかに、その「相手に対する集中力」が失われてしまいがちなんだと思う。 新しい場面でベッドシーンがもう一つ追加。 はずかしがらずに、思い切ってやってしまおう。 幕切れの芝居について、森川くんに相談する。 これでいいかなという線が見えてきた。ちょっとかっこいいかもしれない。
帰りの電車で、机がヤフオクで落札成功とのメールが、森川くんから届く。 音響の亜弓ちゃんと電話で打ち合わせ。
初日まであと10日!
2005年03月05日(土) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
阿佐ヶ谷にて。 今日もまずは走る。 いつもと違う角をまがって、坂道にややへたりながら、なんとか帰ってくる。 今日はつらかった。 青梅街道沿いの道はとっても寒い。寒いと体力がどんどん奪われるような気がする。 稽古場に、いわいさんと早瀬くんが来てくれる。 基本のキャラクターづくりをていねいに。 最初の場面の僕は、札幌在住の20歳。 聞きかじりの札幌弁がところどころ出てくる。文字としては。 言葉自体は、全体にイントネーションが独特かもしれない。 僕の役をノグにやってもらうと、「あ、あんなふうにしゃべってるんだ」とちょっとショック。いずれにしろ、方言らしく「曖昧に」しゃべってしまうのはよくないということに。 森川くんとのベッドシーンはやはりまだぎこちない。 もともとぎこちない二人なのだけれど、そのぎこちなさを演じるのに、てれくさくなってしまう。照れくさい二人をそのまんまていねいに演じればいいんだよと思いながら。 稽古の後、向かいの牛角で食事。 メールによるくじにみんな続々あたって、飲み物一杯無料になるひとが続出。最後まで当たらなかった森川くんは、リベンジして、デザートが一つ無料に。 いわいさんと早瀬さんの最近の話が、とっても興味深かった。 パートナーについての思いやら何やら、生な声として、大いに取材させてもらう。
初日まであと11日!
2005年03月04日(金) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
朝から降っていた雪が午後にはやんで、夕方にはすっかり溶けてしまった。 今日もまた三人で走りに出る。 寝不足でへろへろだったのだけれど、今日走らないとずるずるとやめてしまいそうだったので、そのまんま出かけることにした。 いつもと違うコース、しかも急な坂を上ることになり、急に無口になってしまう。 へろへろになりながら、それでもいっぱいいっぱいのちょっと手前くらいで帰ってくる。 ほんとにノグは、ぎりぎりのところでうまく、僕らをのせてくれていると思う。
稽古は、昨日の続き。 細かいやりとりをていねいに。 昨日かんじた「恋心」の続きで、僕はどんどん森川くんに恋してる気持ちがつのっている。芝居としてですが。 走りながら感じる自分の変化と、この妙な気持ちはどこかつながっているような気がしてならない。 甘えたり、がっかりしたり、起こったりしながら、それでも森川くんのことをずっと見ている。 演出家としてももちろんなのだけれど、僕が演じる役の気持ちとしても。 なんだかとってもおもしろい。
帰りは、渋谷までタクシー。並んで座って、森川くんとおしゃべりをたくさん。 新宿でタックスノット、アイランドに寄る。 ひさしぶりのご挨拶。 とっても楽しいひととき、それでも、わたわたと帰ってくる。
最寄り駅からは今朝の雪のせいで、徒歩。 走るよりも疲れてしまう気がするのはなんでだろう。 わざとゆっくり歩きながら、芝居のことを考える。
2005年03月03日(木) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
阿佐ヶ谷で稽古。 いつもより余計に走る。 走りながら、足がぽかぽかと暖かい。 楽しく走っている自分にびっくり。
稽古は、書き直した部分の稽古。 すでに4回目の書き直しだ。 やりとりがおもしろくもりあがってきた。 僕の役が感じる恋心のもてあつかいかたが、なんとなくわかってきた。 考えてみれば、恋してる役を演じるのは、ずいぶん久し振りだ。 冒頭の20歳の場面での恋心は、40歳の僕を、見てくれとは違うところで若返らせてくれているかもしれない。
稽古場に来てくれたなべちゃんとのぐとおしゃべりしながら帰る。 走っていることで自分がどう変わったかを、かなり一生懸命しゃべってしまった。
2005年03月02日(水) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
マミーが来てくれる。 衣装の打ち合わせ。
善福寺川ぞいを走る。 細かいアップダウンでへろへろ。公園でのサーキットトレーニングで口も利けないくらいへばってしまう。 でも、再び走り始めた帰り道は、なんだか身体が軽い。
稽古は、冒頭の台詞のない場面を。 エチュードもしてみる。 森川くんの動きがほんとうになってくるのをわくわくと見る。
二人で妙にてれてた「若い役を演じる」ということにだんだん慣れてくる。 そんなこと言ってる場合じゃないんだけど。大事なのは、森川くんをきちんと見ることなんだと気がつく。 初日まで14日
2005年03月01日(火) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古 |
何日かぶりに走ってみる。 阿佐ヶ谷から高円寺への道。 このあいだよりも直線距離が伸びて、七つ森まで来て折り返す。 ピッチも早い。 戻ってきて、すぐに汗をかく。 汗をかく身体になっていることがうれしい。
台本の冒頭をやってみる。 森川くんの無言の場面。 いろいろ説明しながら。 僕の役をかわりにのぐにやってもらうと、なんてすんなりいくんだろうかと思ったりする。 間違いない、僕は照れている。 そんなんでどうする。 言葉がない状態で、ただいるということが僕は苦手だ。 でも、それがもしかすると一番大事でおもしろいことかもしれない。 あしたは恥ずかしがらないように。
いっこうちゃんが、稽古場に来てくれる。 帰りは、みんなで「酒部」活動。 おなじみの「ぱちもん養老の瀧」がなくなってることに気がつく。 みんなで絵に描いたような驚き、狼狽を演じてしまう。 ほんの何ヶ月かこないうちに、きれいなパチンコ屋とインターネットカフェになってしまった。跡形もない。 あのおばちゃんはどうしてるんだろうかと、思う。 しかたないので、最近すっかりきれいな個室仕立てになった庄屋に。 「ぱちもん養老」を偲んでおしゃべりたくさん。 後半は芝居の話を。
初日まで15日!
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