せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年02月28日(月) 台本

 今日の稽古はなしにしてもらって、僕一人で稽古場で台本に向かう。
 帰りは、今回の舞台の元ネタというか、大好きな作品「セイムタイムネクストイヤー」を読みながら、思い切って、贋作化をしてしまおうかまだ迷っているところがある。
 もとい縛られているといってもいいかもしれない。
 さっこちゃんから連絡をもらう。やさしいメールに涙。
 帰ってすぐにちょっと眠ってしまう。深い眠り。夜中にがばっと起きて、窓を開ける。

 初日まで16日!


2005年02月27日(日) 机いろいろ

 とにかく台本。どんどん書かないと。おもしろいものもそうでないものも、とにかく文字にしていく。
 舞台で使う、机を森川くんがヤフオクで調べてくれた。
 古くて、なつかしい、いい顔をした机と椅子だ。
 サイトを見てみるうちに、取り壊された警察署から出た「取調室の机と椅子」という、あきらかに何かが立ち上っているものにもぶつかる。
 家具にはほんとうに表情があるんだなあとあらためて思う。
 スタンドも見つかった。1980年にありそうなやつ。

 玉三郎の「京鹿子娘道成寺」を教育テレビでやっていた。
 乱拍子のところを、自分で謡っていて、びっくり。
 踊りとしてはどうなんだろう? 前よりもいっそう腰が高くなったというか、日舞らしさがどんどん失われている。きれいなことは間違いないのだけれどね。


2005年02月26日(土) 心日庵公演「すっ、天天-朝日通り-」

 岩瀬あき子さん出演の心日庵公演『すっ、天天-朝日通り-』@西荻wenzスタジオ。
 ノグと一緒になった。
 羽田近くの工場が密集する商店街朝日通りを舞台にした人情話。
 あきやんは、小春という芸者の役。病身の画家を思って、いじらしい。お百度を踏んだりする。
 工場につとめる男の汗のかきかた、作業着の汚れ方がていねいだった。
 ヤクザ上がりの男が刺青を背負っているという設定。
 決して、出てこないのだけれど、背中がいい芝居をしていた。
 おもしろく見ていたのだけれど、台本を書いている最中なので、あちこちが気になってしまう。なんだか損をした気分になる。さっさと書き上げていればよかったと思うのはこういうときだ。
 大急ぎで帰ってきて、パソコンに向かう。


2005年02月25日(金) 富士見丘小学校 本番

 朝から富士見丘小学校。
 今日は「6年生を送る会」当日。
 まずはじめは、一年生から順にそれぞれのだしもの。
 歌、合奏、詩の群読にすでに感動する。
 続く、クイズ。なんだかもう、他愛もないというか、何というか。それでも思い切り笑わされれてしまう。これにはやられた。
 いよいよ、6年生の番。まずは、本番一回目。
 舞台のセッティングをしないといけない。紗幕をつるのだけれど、あわてて、間違えてしまう。ごめんなさい。田中さんに、大急ぎで直してもらう。
 本番は、なかなか盛り上がったと思う。下級生の反応もまずまずでほっとする。
 昼休み。子どもたちは歌の練習を少し。
 午後からは、保護者と大人対象の公演をもう一度。
 今度は、少し緊張したかもしれない。微妙な雰囲気で終了。
 終了後にシンポジウム、そして、バラし。終わったんだと感慨深い。
 打ち上げに少しだけ参加する。
 永井さんに、四十代はおもしろいよと言われる。
 永井さんのエッセイ「中年まっさかり」(光文社文庫)が僕は大好きだ。
 永井さんは、稽古中だと話すと、本はあがったの?と尋ねてくれる。僕は、台本があがった状態でいることはめったにないので、まだですと答えると「初日はいつ?」と聞いてくれる。正直に答えると、必ず、「まだダイジョブね」と言ってくれる。重みのある言葉がうれしい。まだまだだいじょぶだと思って、元気になる。

 大急ぎで稽古場へ。今日も走る。森川くんと二人、迷いながら走る。
 走った後は、芝居の打ち合わせ、というか、たくさん、話す。
 話すことが何かになっていく、そんなかんじ。
 稽古のあと、札幌から帰省しているジュソくんと会う。ツグくんも合流して、札幌の話をたくさん聞く。これは使えると思ったエピソードがたくさん。早速、取り入れさせてもらうことにする。


2005年02月24日(木) 「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古

 富士見丘小学校 リハーサル
 朝から仕込み。
 篠原さんは、先週の朗読劇でもお世話になった伊藤さんと照明、僕は、田中さんと扉座の二人と一緒に舞台に飾る紗幕に子ども達がつくった鳥をとりつける。
 全員が作った羽を広げた白い鳥を、白い紗幕にくっつけて、舞台前面に吊す。
 みんなが書いたスニーカーの絵をプロジェクターで投影するためのスクリーンを特活室から持ってきて吊る。
 昨日の続きの稽古をしたあとの休憩で、位置を直す。
 で、リハーサル。
 照明もマイクもみんなある状態。
 子ども達は、はじめ、声が出てこなくて、すぐにもう一度やりなおすことなる。
 昨日の午後練習した、授業を再現するところがなかなかおもしろくなっている。
 最後の「卒業の歌」でほろっとしてしまう。
 終わった後、明日のために紗幕をいったん外す。
 校長室でミーティングのあと、はずれそうなものを田中さんと二人で直す。
 篠原さんと伊藤さんは照明の直しを。
 5時半過ぎにようやく終了。

 稽古場に向かう途中で雨がぽつぽつ。
 それでも、やっぱり今日も走る。
 一昨日と同じ道を走ったせいか、ずいぶんらくにかんじた。
 身体もこないだはふくらはぎがいたかったのに、今日は向こうずねだ。
 走り出してすぐ痛くなった脇腹も、戻ってくる頃には痛くなくなった。
 戻ってきたら、なべちゃんが来てくれていた。
 ご招待状の発送作業。
 のぐはここで一足先に今日はおしまい。
 僕と森川くんは、なべちゃんをまじえて、キャラクターについて話し合い。
 十代のことなんかを話しているうちに、いろんなものが見えてくる。
 ついそのまんま使いたくなるのを、そのまんまはよそうと思い直す。
 帰りは雨が本降り。
 渋谷までタクシー。
 別れておりた地下鉄のホームでパチパチに会う。ひさしぶりだ。
 芝居の話、フライヤーのことなどおしゃべり。


2005年02月23日(水) 羽衣リサイタル「ジェントル・マミー」

 朝からあたたかないい天気。風が吹いてるのは春一番だろうか?
 昨日に続いて、体育館での練習。歌の確認をを中心に。
 昨日よりもずっと声が出るようになっている。だんだん本気になってきたってことか。
 それと、いい顔でいる時間が長くなった気もする。
 給食の後、昼休みから、演劇の授業について話すチームの練習をやってみる。
 ただ報告するだけでなく、それぞれを実際にその場でやってみようということになった。
 扉座の「さよなら先生」をやるチーム。「ケンカ」について書いた作文を実際にケンカして読んでみるチーム、これは吉田日出子さんの授業。渡辺えり子さんの授業の報告は、早口言葉と春になるというもの。それから、永井愛さんの「即興劇」。斎藤憐さんの「世界の子ども達の詩を読む」チームも。
 田中さんは、扉座チーム担当。篠原さんは、ケンカのやりとりをつくりあげ、その後、世界の子供たちの詩を選んで構成することに。
 僕は、まず、ショウゴとホクトくんのえり子さんの授業担当。えり子さんが教えてくれた早口言葉をしゃべるショウゴに、どうするともっとちゃんとしゃべれるかを指導してみる。どんどん練習して、どんどん上手になる。
 ホクトくんは、はじめ、台本に書かれた言葉をそのまましゃべろうとしてたんだけど、自分の言葉で毎回違うように話してごらんと言ってみたら、とっても表情が豊かになった。思いだしてる目と考えてる目は全然違うんだ。忘れられないほんとにいい顔だった。
 コウタくんの助っ人をどうしようかと考えてもらって、花、蝶、風の中の蝶になってもらうことになった。ホクトくんとショウゴくんも、花と風になって、そのままゆったりと吹かれながれ、席にもどっていく。
 すごいよ、できた、できた!! 三人に、これは今君たちが考えたことなんだよと話す。明日のリハでは何人か助っ人が増えることになった。やった、楽しみだ!
 即興劇は、アキトシくんがはじめにコメントする。それから、何人かで動かなくなったエレベーターから力を合わせて脱出するというシーンをやる。これは、永井さんの授業でやったものだ。
 アキトくんとダイテツくんも参加。ショウゴくんとコウタくんも。やたらにぎやかだ。
 初めは、受けをねらっておかしなことをしようとしていたみんなに、「この状況で笑うと、緊張が緩んじゃうから、笑わないように」と話す。ダイテツくんは、「でも、みんながおかしいから笑っちゃった」と。そういうのはいいんだよ。
 二度目にやってみたら、なんておもしろくなったんだろう。みんながそれぞれの持ち場をわかって、同じ場面にいるかんじ。言い忘れたけど、これがアンサンブルってことなんだ。
 最後に、天井の穴から引っ張り出されるというのをどう処理しようかというのをみんなで話す。真剣な意見のやりとりがよかったね。こちらも明日どうなってるかわくわくする。

 大急ぎで仕事に行き、夜は、羽衣リサイタル「ジェントル・マミー」@白萩ホール。
 前回は迷いに迷った会場。今日はすんなりと。
 冬で雪なお話のオムニバス。ところどころ、それはもうわかったと言いたくなるような場面はあるものの、やっぱりところどころは、きちんと感動させてくれる。
 にしやんが歌った「もうしばらく歩いたら」は、もう「名曲」だと思う。前回の「窓辺のワルツ」と同じように、一度聞いただけなのに、何度でも口ずさみたくなる。
 終演後、にしやんにあいさつ。稽古ができなくてと言っていたけど、にしやんはいつもにしやんだ。そんなことちっともかんじさせない。母親と娘が抱き合うところもとってもよかった。それまでのお約束の芝居の流れとは違う、ほんとうに「探ってる」かんじがしたもの。
 大江戸線で帰ってくる。
 朗読劇で使ってずっと返せなかったCDをようやく返す。
 
 今日、僕は40歳になった。昨日出した富士見丘小学校の書類に「提出日の年齢」というところがあって、それが39歳って書く最後だった。
 十年前、30歳になったときはフライングステージのミニシアターをティアラ江東でやっていた。初日に主演の役者が倒れて救急病院へ。僕はマミーと一緒に病院へ行き、居場所がないので、階段でおしゃべりし、ファミレスでしゃべり、徹夜したんだった。
 二十年前、20歳になったときは、客演していた舞台の稽古の最中で、帰りにみんなで飲みにいったあと、当時ひそかにあこがれていた俳優さんがうちに泊まりに来てた。
 今日のことをいつか思い出すときは、富士見丘小学校のみんないい顔が浮かぶんだろうと思う。
 えーと、四十にして惑わずと昔の人は言いましたが、どんどんいろんなことやっていこうと思ってます。
 カードやメールを下さったみなさん、ありがとうございました。
 これからもよろしくお願いいたします。


2005年02月22日(火) 「二人でお茶を TEA FOR TWO」稽古

 富士見丘小学校演劇授業。
 朝から仕込んでもらった舞台がきちんとできあがっている。舞台再度のひな段と張り出し舞台。
 青井さんが復活。よかった。
 子ども達もも昨日とは違った、集中のしかたをしている。
 客席のまわりを歩きながら歌う「さよなら昨日、まってて明日」。昨日よりも、とっても上手に歩けている。進歩したね。
 通し稽古がなんとかできた。
 歌の歌詞が心配なところ、声が小さくなってしまうところが、まだまだある。
 本番までにどう変われるか。がんばれ、みんな! 

 夜は稽古。
 衣装で使う「学ラン」をノグが持ってきてくれる。
 僕が着れるものが果たしてあるんだろうか心配だったのだけれど、ナオミさんの協力で手元に。
 おそるおそる着てみたら、ジャストフィットだった。もうみんなでびっくり。
 一応……というかんじで一緒に拝借した、とってもサイズの小さい2着を、ノグと森川くんが着て、学ラン三人衆になった。写真をとってマミーに送る。
 僕が着ていた学ランのサイズを見たら、「180A」、とっても大きい人用のだった。彼はきっとふつうに着てたんだろうけど、僕が着ると、ちょっと懐かしいかんじの、やや長めな着丈になる。よかった。これでいける。
 続いて、ストレッチとアップ。そして、今日も走ってみる。蛇崩川緑道を往復で15分ほど。ノグの指導により。
 ちゃんとした靴をはいたせいか、前回よりも走りやすい。足裏じゃなくて、ふくらはぎに痛みが集中。
 走っているとどこからか花の香りがしてくる。ふんわりとしたいいにおい。梅だろうか?
 帰ってきて、ウォームダウン。
 後半は台本の話や、時代背景の話を中心にディスカッション。
 帰り、外に出たら、身体がとても軽い。ちょっと動いただけなんだけど。体重はまだそんなに変わらないけど、成分が変わってきてる気がする。って、二回走っただけだけども。見えてきたかんじ。


2005年02月21日(月) 富士見丘小学校演劇授業

 久し振りの富士見丘小学校。
 体育館で、本番の流れを確認する。
 青井さんは、風邪でお休み。西野さんの伴奏で、篠原さん、田中さんと進行する。
 歌の声がなかなか出なかったりするものの、全体の流れはわかってもらったんじゃないかと思う。
 客席のまわりを歩きながら歌うのが一番大変かもしれない。全員でちゃんと間隔を保ちながら歩くのはとてもむずかしい。
 歌の終わったところでマイクの前にいる人が、質問に答えなくてはいけない。
 最後の歌を歌う顔はみんなとってもいいのに、そこにいくまでがなかなか集中できない。
 誰かががんばればいいっていうんじゃなくて、みんな一人一人ががんばるんだよと話す。
 本番の舞台を想像してごらんとも。
 授業のあと、田中さんは、舞台をどう使うか考えてくれてる。
 僕は、篠原さんと打ち合わせ。
 今日も給食をいただいた帰ってくる。
 廊下で会う六年生と挨拶する。返事がとっても元気がいい。このかんじでやれたらいいのになと思う。
 いろんなチームが昼休みに練習しているらしい。角田さんたちは、その様子を撮影に行った。
 明日はどうなってるか、楽しみだ。


2005年02月20日(日) 体脂肪計

 一日、家にいて、パソコンに向かう。気分はまっしぐら。
 改装のためオール2割引のホームセンターで、猫缶をまとめて買ってくる。
 やっぱりというかんじで、他の買い物もしてしまう。
 母親が、パチンコのくじ引きの景品で、体脂肪計付きの体重計をもらってきた。
 ガラスでできたおしゃれなつくり。
 二階の踊り場に置いて、通るたび計ろうということに。データを入力できるようになっているだけれど、微妙にめんどくさくて、とりあえず置くだけは置いてみる。置いとくだけにならないように、わざわざ邪魔になるところに置いたのだけれど、早くも部屋を出た拍子に乗ってしまったりと、邪魔になっている。これからどうなるか……?


2005年02月19日(土) アムネスティ朗読劇「聞こえますか? 彼女たちの声」

 早めに家を出て、ヘイリーの「アメイジング・グレイス」を探すが、みつからない。最後は新宿中を探し回って、ついに断念。劇場入り。
 カワくんにもうしわけないと謝る。当初の予定どおりアカペラでとお願いする。
 楽屋で台本の確認。その後、舞台でリハーサル。
 朗読には、第三者として客観的に語るやり方と、入り込んで自分の言葉としてやるやる方の二つがあるとおもうのだけれど、今回は後者でお願いしますと話す。
 どのくらいかかるだろうか心配だったのだけれど、第一部45分、後半、1時間5分ほどで終了。
 開演までひと休みして、さあ、本番。アムネスティのみなさんと一緒にお客様の誘導のお手伝い。
 ワークショップで一緒だったKUMIさんとYUMIさんが来てくれた。
 出演者のみなさんは、それぞれ、自分らしく、きっちり読んでくれた。第二部の「生きながら火に焼かれて」は、ほとんど芝居のように立ち上がっていた。
 今回、僕は出番はなしなので、下手の袖で、ずっと見ていた。にしやんによると、照明のよく当たるところで、大きくうなずいたり、「よし!」とこぶしをにぎったりしてるのがよく見えたらしい。
 今回のキャスティングは、えり子さんを含め、「生きながら火に焼かれて」に登場する人物をイメージしたところがある。原口さんは、主人公のスアド、えり子さんは、彼女を救う「人間の土地」のジャックリーヌ、ワカさんとにしやんは、スアドの両親。カワくんは彼女に火を付ける義兄。友野さんは叔母。はるひちゃんは、兄嫁と看護婦。ノグは病院の医師。一倉さんは、ジャックリーヌの友人。
 椅子の位置を決めて、台詞をしゃべるときは、センターのエリアでお願いしますというお願いをしただけで、みなさん、実に生き生きと舞台上に存在してくれた。ありがとうございました。
 終演後、アムネスティのみなさんと一緒に打ち上げ。楽しく飲む。
 今回、キャスト全員を知っているのは僕だけという状況から、お互いを紹介することができてしあわせだった。みんな、なんて魅力的な人たちばかりなんだろう。感謝。
 嘘のように早い土曜の終電で帰ってくる。ずっと降っていた雨が、越谷ではみぞれにかわっている。自分にお疲れのつもりで眠ろうと決めて、ちゃんと眠ることにする。


2005年02月18日(金) 豊島区人権講座

 夜、豊島区の勤労福祉会館主催の人権講座で講師として話をする。
 去年の第一回では上川あやさんが話されたそう。
 「ゲイとして生きる」というタイトルで1時間話し、その後、休憩時間に書いてもらった質問に40分ほど答える。
 会場の勤労福祉会館は、池袋演劇祭の授賞式で行ったことがある。そのあたりから始めて、僕のライフヒストリー、演劇との関わり、フライングステージのこと。それから、家族制度の枠を超えて、一人一人が個として生きるということについての考えを話させてもらった。
 予約の段階で80名ほどの方が参加されているなか、フライングステージのお客さまの姿もちらほら。
 先月ワークショップで一緒だったYUJINくんが来てくれていてびっくり。挨拶する。
 どのくらい聞いてくれているのか心配だったのだけれど、なんとか終わることができた。
 最前列でずっと聞いていてくれた年配の女性が、ずっと大きくうなずきながら聞いていてくれたのが特にうれしかった。
 帰りは、聞きに来てくれた森川くんと一緒に帰ってくる。
 なんだか、思い切り、僕の素の姿を告白してしまったような気分で、ややてれくさい。
 明日の朗読劇のための音源をツタヤで借りようと思うが、ヘイリーの「アメイジング・グレイス」が見つからない。このあいだはあったのに……。
 明日の連絡を出演者のみなさんに。原口さんに台本が届いていないことが判明。とりあえずは一倉さんからコピーをもらってくれたそう。いよいよ、明日、どうなるか。


2005年02月17日(木) 「二人でお茶を」稽古

 「2005 春夏ニューヨークコレクション」「2005 春夏ロンドンコレクション」
 今日は、コレクションのMA。なかなかおもしろいニューヨークと今いち元気がないロンドン。去年の9月のコレクションだけど、今見ると、なかなかオンシーズンなかんじで、リアルかもしれない。
 中出さんが、かわいいパーカーを着ている。その胸からウエスト、腰にかけてのラインがとってもすっきりしていてびっくり。フィットネス効果がものすごい。見事にシェイプアップされてる。すごいじゃないですか!としばしその話で盛り上がる。中出さんのまわりではジムに通う人が急増しているそうだ。「私でもできるってことね」と言っていたけど、がんばりの成果だと思う。かっこいいなあと素直に思う。

 練馬の駅前で法政大の中島さんに呼び止められる。ドトールの二階から僕を見かけて降りてきてくれたんだそう。おひさしぶりの挨拶をして仕事場へ向かう。

 夜、阿佐ヶ谷の駅で大阪の人権博物館の松永さんと待ち合わせ。去年の「約束」の収録に続いて、今日は僕のインタビュー。
 カメラクルーの方々と阿佐ヶ谷の稽古場へ。
 さくっと撮るのかと思いきや、照明をセッティングして、何やら本格的。
 ついついカメラ目線になってしまうのを、カメラの横にいる松永さんを見ながら、インタビューに答える。
 フライングステージの成り立ち、作家として、演出家としての今の気持ちなどなど。こういうインタビューは、いつもそうだけど、その時々の自分の気持ちを見直させてくれるいい機会だ。
 先月のワークショップを経て、新たに思ったことなども含めて、話をさせてもらった。
 ところどころ噛んでしまっている自分にショック。どうしたんだろう? 前はそんなことなかったのになあと反省。
 明日は、豊島区の講演会。その予習のようなかたちで考えをまとめることができたんじゃないかと思う。

 その後、「二人でお茶を TEA FOR TWO」の稽古。この間、話したとおり、今日は走ってみる。
 ノグの指導のもと、入念にウォームアップ。ストレッチ、筋トレまでして、かなり腹筋、それも中の方が痛くなってくる。痛くなるのはいいしらせと思いながら、情けなくもある。
 で、外に走りに出かける。十分くらいをゆっくり走る。「おじさんが3人走るってことだよね」と言ったら、ノグに「僕も?」と聞き返される。
 阿佐ヶ谷から高円寺の道をジョギング。歩いていると気づかないアップダウンに敏感になる。
 一番心配なのは、ストレッチのときから、調子が悪かった右の膝。
 ノグにフォームをチェックされながら、遊歩道で体操しているおばさんを見て「がんばれ!」と声援を心の中で送ったり、ちょっと道に迷ったりしながら、13分ほどで戻ってくる。
 ちょうどいっぱいいっぱいなかんじ。
 足が自分の足じゃないみたいだ。


2005年02月16日(水) 地震ではじまり

 夜中、NHKの「ようこそ先輩」を見る。渡辺えり子さんが母校の小学校で演劇の授業をする。富士見丘小学校の子供たちと比べながら見てしまう。「桃太郎」のその後の話が、生き生きとおもしろい。

 朝方、大きな地震。大きくユサユサ揺れるんじゃなく、真下からドドドドッと来るいやなかんじの揺れ。
 この頃、母親と地震があったら、どうするかという話をしたり(東京にいたら、歩いて帰ってくることとか、緊急の連絡先のこととか)、「この家だいじょぶかね?」「二階にいたら平気なんじゃない、つぶれても」とかいう話をしていたので、かなり「よし!」という気持ちになって、母親の部屋に行き、ベランダに面した窓を開けた。
 震源地は茨城県の西の方。かなり近い。
 猫は直前に僕の部屋から階下に降りていったところだった。
 そのまんま結局、眠れず、今日も起きてしまう。
 地震が眠気覚ましになった。

 仕事の帰り、池袋から西新井までのバスに乗る。乗りっぱなしで約50分。始発から終点なので、一本までば間違いなく座れる。よし原稿を書くぞと意気込んでいたのに、前に座った女子二人が大声で会話してる。ほんとにうるさい。耳栓をしてみたけど、だめ。少し離れた席に移動して、それでもうるさいので、あきらめて眠ってしまうことにする。終点で、起こされる。どんよりした気分のまま降りる。
 それでも、バス停の真ん前にあった平禄寿司に貼ってあった「だるま食堂」のポスターを携帯で撮影。ミクシィの日記にアップする。ちょっと気分転換。


2005年02月15日(火) 「二人でお茶を」稽古初日

 台本の構成をようやく終える。「生きながら火に焼かれて」を細かくカットしていく。
 詩と地の文とは違う、「モノローグ」の文体。ラジオドラマのように、いかにもな朗読調ではなく、芝居としてやってもらえれば、テンポ良く運ぶだろう。

 「二人でお茶を」の稽古初日。
 森川くんとまずはいろいろ話す。
 これからの稽古の進め方について。
 今回のテーマはまずは身体を使うことだ。
 みっちり考え込んでしまうことも大事だけど、毎回の稽古のはじめに走ってみたいと思う。
 文字通り、ランニング(ジョギング)に出かける。
 稽古前に走ったりするのは、十年単位でひさしぶりだ。
 きっちり稽古開始時間には準備をすませて、走りに出かけたい。
 途中から来てくれたノグと、小道具の確認をする。
 帰り道は、森川くんと二人。芝居の話ばっかりをする。

 昨日発送したダイレクトメールの公演案内の返事、チケットの予約の連絡をもらう。
 1月のワークショップで知り合ったみなさん。とってもうれしい。
 いいものをつくらないとと、あらためて思う。そして、何より楽しまないととも。ワークショップの最中の、芝居してる楽しさを忘れないように。

 初日まで、あと29日!!


2005年02月14日(月) 台本構成

 仕事が終わらず、富士見丘小学校の授業と午後からの小児救急の講座を断念する。
 アムネスティの台本の仕上げ。とにかくカットしないと。
 「生きながら火に焼かれて」の部分を重点的に。
 従軍慰安婦の証言も大幅にカット。
 今回は、トータルで十人の読み手。一人あたりの分量がかなりの量になる。
 どうしたら、緊張感がとぎれずに、おもしろく、展開することができるか、考える。


2005年02月13日(日) DM発送

 マミーと二人で、下北沢のらぷらすでフライヤーの折り作業。その後、タクシーで高円寺まで。タクシーの運転手さんがいつもと違う道に入っていくので、裏道にくわしいのかと思ったら、甲州街道が向うに見える路地で行き止まり。細い進入禁止の道に入り込んだせいで、バックミラーが壁にぶつかりそうで、バックもなかなかできない状態に。向こう側から徒歩のおばあちゃんが「通れないよ」と言いながら、横をすりぬけていく。「そんなことわかってるよと」と低くつぶやく運転手さん。重い荷物を抱えた僕たちが左側に寄ってタクシーを傾けて、なんとかバック成功。その後も、心細そうに裏道を通って、ようやく甲州街道へ。30分以上かけてようやく高円寺に到着。カーナビがついてるのにねえとマミーと話す。
 フライングステージの面々、プラス森川くん、いわいわ、なべちゃんという顔ぶれで、DMの発送作業。今回は、フライングステージの案内をいつもお送りしているお客さん全員に案内を送るということで、大がかりな仕事になった。
 それでも、わいわいおしゃべりしながら作業終了。こんなにおしゃべりしたのはひさしぶりなかんじでうれしかったりもする。
 終了後、高市氏に夕ご飯をごちそうになる。高円寺の町はどこも満員御礼で、初めていく高架下の焼肉屋さんに落ち着く。ごちそうさまでした。
 


2005年02月12日(土) 宇宙堂「花粉の夜に眠る戀」

 旧作の再演。尾崎翠の「第七官界彷徨」をモチーフにした恋と眠りの物語。
 宇宙堂「花粉の夜に眠る戀 オールドリフレイン」@本多劇場
 アムネスティの川上さんとご一緒する。受付で篠原さん、野中さんとバッタリ。
 オープニングのえり子さんと大勢の骸骨たちの場面が、みごとなアンサンブルで「劇団の芝居」感いっぱいでうれしい。一緒になって宇梶剛士さんが骸骨を操ってるのも。
 山崎清介さんが要となる役で大活躍。
 非戦を選ぶ演劇人の会で知っている宇宙堂の若手たちが、ちゃんと役者していることが、もうそれだけでうれしかったりする。親心か。
 長い歳月を生きた老女役のえり子さんの言葉が、作家の言葉としてひびいてくる。 仕掛けたくさん、早変わりいっぱいで、舞台裏はどんなことになってるんだろうとドキドキさせながら、恋ゆえの冒険の物語が時空を越えて繰り広げられる。
 終演後、えり子さんにご挨拶。
 初演の時はもっと笑いがあった客席が、勉強するように見ていると話すえり子さん。たしかにそうだなあと思う。昔の3○○の舞台はもっとゲラゲラ笑える舞台だった。今日も笑いが起きてはいたけど、昔とは全然違う。役者のちからとは別に、芝居と観客の距離が変わってきたのだなあと思った。

 帰り、川上さんとお茶をしながら、うちあわせ。当日の進行の確認をもろもろ。


2005年02月11日(金) ヒレンカン「ウルトライト発見」

 ヒレンカン「ウルトライト発見」@櫂スタジオ
 gaku-GAY-kai 2004の舞台監督をお願いした蓮子くんの劇団&早瀬くんが客演しているヒレンカンの公演を見に行く。
 彼の役は蓮子くんに愛される昼中将。ダースベーダーのような和のテイストな衣装がかっこいい。きれいな背中が印象的。
 いろんなキャラクターが登場して関係性が広げられる前半のおもしろさに比べ、後半のお話のまとめの部分でやや失速したかもしれない。
 それでも、次に何がおこるかわからない芝居は、予定調和でイライラさせられる舞台よりもずっとおもしろく見てられるんだなと思った。
 夜顔役、母親役の二人の女優さんがなかなか素敵だ。独特の文体と世界にぴったりはまっていて、いい味を出している。
 終演後、三枝嬢、としくんと合流、荒くんとも挨拶。早瀬くんと少し話して歩き出したら、蓮子くんがおいかけてきてくれた(裸足で!)。風邪をひいてしまっているそう。お大事にだ。
 夜、森川くんのうちのデリ子嬢が登場しているペットグッズのカタログ「クリニック・クラブ」が届いていた。
 どこにいるんだろう?と母親と一緒に探す。カメラ目線も決まっている、さすがの美猫だ。表紙の寝姿もいいかんじ。うちの猫は、その横でぐーぐー寝ている。


2005年02月10日(木) スープとお汁粉

 風邪気味なので、夕飯に野菜スープをつくる。にんにくを多めに入れて、キャベツやセロリ、冷蔵庫の余り物を片付けてしまう。圧力鍋大活躍。
 夜中、甘い物が食べたくなり、ムング豆でお汁粉をつくる。とっても緑色なのに、味は普通のお汁粉とほぼ同じ。多めに入れた砂糖はストレス解消のクスリのようだ。
 遅れていたpinky pinkyの原稿を、えいっと仕上げて送る。
 ダイレクトメールの名簿の整理。去年の「思い出の夏」のアンケートを見ながら、住所の入力。日曜日は発送作業だ。


2005年02月09日(水) 70年代、80年代の風景

 アムネスティの川上さんから従軍慰安婦の証言集が届く。大急ぎで読みはじめる。
 今のままでもかなり膨大な台本にどう入れるか考える。
 「生きながら火に焼かれて」の部分のカット案を検討。
 出演のみなさんの役をそれぞれ決めて、割り振りをする。
 DOUBLE FACEのDM発送準備にも取りかかる。
 夜中、NHKで70年代からの風景をバックにその時代のヒット曲を流すという番組?が流れている。時代の空気が参考になるかもしれないとあわてて録画を始めた。
 こういう番組を見ていると、この時代に間違いなく生きてたはずなのに、思い出は劣化したビデオの画面のようにざらついてくるような気がする。
 数十年前の見慣れた街の風景を見ていると、あちこちに今と変わらないものがあるのに気がつく。
 モノクロームの記録映画を見ていると、昭和の初めはシンプルな白と黒の世界だと勝手に思いこんでしまうように、70年代、80年代が記憶の中で勝手に色あせてしまわないようにもう一度、風景にフィルターをかけなおす。
 もとい、かかってしまっているフィルターを外して、鮮やかな色味で見直してみる。
 そんな世界の見直し方をした台本を書きたいと思う。


2005年02月08日(火) 富士見丘小学校演劇授業

 今日は青井さんがお休みで、西野さんの指導のもと、どんどん新曲の練習。
 子ども達は、熱心に歌うときと、おしゃべりして集中しないときとの差が激しい。
 台本がきた緊張感が一度ゆるんでしまったそんなタイミングかもしれない。
 厳しく注意しても、またざわざわとしてしまって、なかなかはかどらない。
 本番まで時間がないのに、時間がもったいないなあ。
 僕は、後の方の男子たちと一緒に練習。
 スニーカーの歌が、とってもむずかしい。子どもたちの方がすんなり覚えてしまっているくらいだ。
 ショウゴくんが、僕のとなりでつま先立ちして、僕よりも背が高いとアピール。たしかに、負けてる。ついでに「歌うときに踵を1センチ上げて、重心を前にかけると、お腹に力が入って、いい声が出るんだよ」と話す。
 今日は、スニーカーの歌の最後までいきたかったところをあと少しというところで時間がきてしまった。
 お昼、校長室で給食をいただきながら、子ども達のことについていろいろ話す。

 夜、新宿でなべちゃんからフライヤーの受け渡し。その足で、吉祥寺の櫂スタジオへ。早瀬くんが客演しているヒレンカンへの折り込みに伺う。
 楽屋に向かう廊下で早瀬くんに会う。なかなかすてきな着物風の衣装を着ている。どんな芝居になっているのか、楽しみだ。
 帰りの電車は、井の頭線で渋谷に出て、半蔵門線座りっぱなしコース。iBookのバッテリーが上がるまで、あれこれ書きためてようやくたどりつく。


2005年02月07日(月) NHK人間講座

 昼間、なんとなく立ち寄った本屋で、NHKの人間講座のテキストを発見。講師は美輪明宏さん。あの金髪で艶やかに表紙を飾ってる。「人生・愛と美の法則」。第一回は今夜だ。わあ、いい時に見付けたとうれしくなり、早速購入。
 内容は2ヶ月間全8回のレジュメというか、放送時には時間の都合で編集されてしまうので、より濃い形になってるんじゃないかと思う(去年の樋口一葉のときもそうだった)。
 「紫の履歴書」やその他の本で読んでいる話が大半なんだけど、それはそれなりに「集大成」なかんじがして、とってもおもしろい。
 最後の第8回では同性愛のことにもちゃんとふれててくれて、ほっとする。
 それにしても、美輪さんがこの手の番組、NHKの教育TVのレギュラーってすごいよねえと思う。以前もETVで特集されたことはあったけど。あれもいい番組だったね。
 僕が最初に見た美輪さん@NHKは、大河ドラマの「草燃える」だった。滝田栄と一緒に逃げる(?)火見王っていう役で、最後は彼をかばって死んだんだった。すっごい美輪さんらしい、いい役。今の大河にも出てるんだよね。あまりちゃんと見てないんだけども。今回は、美輪さんらしいっていうより、「もののけ姫」のモロの君系な気がするなあ。
 テキストには、写真がいっぱい載ってるのもうれしい。なつかしい写真もいっぱい。
 オンエアーを見てみる。美輪さんは、ブルーのプリーツプリーズで登場。ソファにゆったりこしかけてきっちりしゃべる。
 エンディングのカメラから視線をそらして遠くを見るかたちがとってもかっこよかった。
 放送が見られない人も、このテキストはおすすめです。560円だし。


2005年02月06日(日) 「二人でお茶を」顔合わせ

 昼間、にしやんが出ているヒンドゥー五千回「僕たちの海、僕たちの家」@OFF・OFFシアターを見に行く。
 三枝嬢と合流。客席でアルピーナさん、ジャスミンさん、やぎえちゃんたちとも。
 共同生活をする高校の同級生たちとその周辺の人々のスケッチ。
 にしやんは、家政婦のように住み込んでいる女性を公演。二人のやりとりが多いこの芝居のなか、聞き役として実にいい芝居をしている。終盤の父親とのやりとりが、せつなかった。

 終演後、にしやんに挨拶して、大急ぎで高円寺へ。DOUBLE FACE「二人でお茶を」の顔合わせ。
 高市氏、なべちゃん、もりかわくん、のぐ、そして、いわいわという顔ぶれ。
 制作もろもろの説明と確認。台本をほんのちょっとだけみんなに渡して、装置、衣装、小道具、メイクの確認。
 久し振りに装置の声明のト書きをたくさん書いた。すぐに美術&舞監のさっこちゃんにメールして、具体的な相談を始めることにする。

 初日まで、あと38日!


2005年02月05日(土) 猫たち

 夜中、気分転換に猫を連れて、風呂に入る。もっとも猫を丸洗いしてしまうわけではなく、外遊びで汚れた足の裏をお湯にひたすぐらい。あとは、一緒に湯気の中でぼーっとしている。頭の中のこんがらがった糸がほぐれていくのをかんじる。
 風呂上がり、メールを確認したら、メールを送れないままでいた、猫をうしなった友人からメールが届く。僕の日記を見た桜澤さんが彼女のHPに書き込みをしてくれたそうだ。
 すぐに返事を送る。ほんとに久し振りのやりとり。当時住んでいた代々木の部屋の風景を思い出す。
 かたわらで早くもぐーぐー寝ているうちの猫。抱き上げて一緒に横になっているうちに眠ってしまった。ソファベッドをベッドメイキングしないまま、妙なかっこうで。僕は背中が痛くなったが、猫はどうだったろう。


2005年02月04日(金) 今の気持ち

 朝まで起きてしまって原稿を書く。昨日、来週以降のスケジュールが出る。
 芝居関係、富士見ヶ丘関係、観劇の予定、MAの予定などなど、どうしてこんなに集中するの?というくらいあわただしくなりそうだ。

 日曜は、DOUBLE FACEの顔合わせ。台本をわたわたと書いて、どうしよう……といっぱいいっぱいになる時期なのだけれど、なんだかいつもと違う。
 いつもよりもずっとわくわくしている気がする。今度の舞台がこれまでと全然違うというわけでもないのに、なんだか久し振りに楽しいことを楽しみにしている、そんな気持ちがちゃんとあることに驚く。もとい、このところ、こういったワクワク感が少なかったんだなあということにも気がつく。いつからそうなってたんだろうとしばらく考えてしまった。

 アムネスティの台本のつめの作業。詩のほかに取り込むものを、やっぱり「言葉」にすることにして、これまで調べて集めかけた事実盛りだくさんのお勉強のりを少し離れることにする。
 「非戦を選ぶ演劇人の会」の台本を構成したときのように、自分ではない、誰かが語った言葉を構成することに徹する。一つの声がずっと語るより、いくつものバラバラな声がそれぞれ聞こえてきた方が重層的でずっとおもしろい。「生きながら火に焼かれて」を読み直す。トータルの時間を考えながら引用箇所の確認。


2005年02月03日(木) 節分

 でも、豆まきはなし。母親は「今日節分だったっけ?」などと言っている。前に実家で豆まきをしたのはいつだろうと考える。
 越谷に越してくる前の葛飾の家でも、何度かしかやっていない気がする。中学生の時に建て直す前の古い木造の平屋、住まいの奥に工場がある薄暗い家の台所の風景が、僕にとっての節分の豆まきの風景だ。
 ひいらぎもめざしもちゃんと飾った覚えがある。ひいらぎのとげといわしの生臭さもおぼえてる。それは、もしかすると初めての節分の記憶かもしれない。
 今は遠いあれこれを思い出すとき浮かんでくるのは、今の僕よりもずっと若い父と母、そして、富士見ヶ丘小学校の子どもたちと同じくらいの年頃の自分だ。
 テレビの天気予報を見ながら、昔はもっと寒かったよねえと母親と話す。
 明日は立春。


2005年02月02日(水) 富士見丘小学校ワークショップ

 教師のためのワークショップを見学。講師はポかリン記憶舎の明神慈さん。自己紹介をしあって、97年の池袋演劇祭ですれちがっていることが判明。お手伝いは演劇百貨店の柏木さん。
 富士見ヶ丘小学校の先生方が特活室に全員集合。全員といっても20人。今の小学校ってこんなにコンパクトなんだと再認識。
 みんなトレーニングウェアに着替えて、読んで欲しい名前を胸に書いて、いつもとはちょっと違った気分。
 明神さんは、まず座骨や足の裏の感覚を確かめていく。裸足になって、自分の身体のなかを丁寧に、そしておもしろく見ていくプロセスがとても楽しい。
 肩胛骨の下に手を入れてみるというエクササイズ?あたりから、僕もちょっとお手伝い。一緒に見ていた篠原さんや平田さんにやってみてあげているうち、先生方の輪の中に入って、宮校長先生や今日はじめて会う先生(「女王様」っていう名前が書いてあった)とも楽しくやりとり。
 後半、座骨と同時に丹田を意識するというところから、フラフープを使う。二人がお腹(丹田)でフラフープをささえあっての「フラフープ騎馬戦」で盛り上がる。遊び道具としては久し振りに見るフラフープ(衣装ではしょっちゅう使ってる)が新鮮。そして、明神さんが、とっても小さな静かな身体の動きで見事にフープを回していることに感動。先生がたの中にも何人かとっても上手な人がいる。「世代よね」と語る人もちらほら。
 どっちが長く回していられるか、そして相手のフープを落とした方が勝ちという闘いを最後に。2チーム対抗で盛り上がった。得意じゃない人からだんだん強い人という順番にした結果、最後は、教頭先生(ガベさん)と校長先生(あいあい)のガチンコ! ガベさんの勝利で楽しくゲームはおしまい。
 終了後、みんなで輪になって座ってフィードバック。ただ、やっておしまいじゃなくて、こうした時間がちゃんとあるのは、とても大事なことだと思う。
 僕は、先生方がどんどんいい笑顔になっていくのがすばらしいと思った。最初は、緊張気味で何やらされるんだろうというかんじだったのが、最後には子どものように楽しんでた。子どものようにっていうのはちょっと微妙な言い方かもしれないけど、ほんとうにそう。僕も今日は寝不足でみょうにイライラしてしまって、いかつい顔して電車に乗ってる自分に気がついた。座ってる僕のとなりはずっと空いたままで、ああ、いやなオーラを出してるんだなあと思ってたけどしょうがない。それが、ワークショップが終わる頃には、なんだかすっきりと頭と肩が軽くなったような気がした。これは少しだけど、身体を動かしたせいなのか、演劇というものにふれたせいなのか、みんなの笑顔のせいなのか、わからないけど、とにかく、この数時間は僕を癒し、慰めてくれたことは間違いない。
 明神さんの気張らない、それでいて目の行き届いた進行もほっかりとうれしいものだった。ありがとうございました。

 終了後、みなさんとうち合わせ。来年度のことをいろいろ。僕は、フライヤーの入稿がわたわたしてあちこちに連絡をとりまくる。
 帰りに篠原さんと今日と先週までのワークショップについてのフィードバックを二人で。やっぱりそうだよねと思うこと、あ、そうだったんだと思うことなどなど、おしゃべりすることで頭の中が涼しくなっていくのを感じる。
 電車の中、今日は人からいっぱい力をもらった日だったなあと思う。
 UZUくんとフライヤーの入稿のためのやりとりを、夜中、無事校了。メール入稿も済ませる。HPに画像もアップする。一息ついて、台本にとりかかる。


2005年02月01日(火) 演技者。

 母親の誕生日
 妹夫婦のところでケーキを食べるだろうからと思い、ケーキではなく、好物の茶碗蒸しをデパ地下で買ってくる。
 家に着いたら母親はいない。妹のところだろうと思っていたら、パチンコに行っていたのだという。
 景品の大きなイチゴをとってきた。生鮮もあるんだと驚く。それにしても、でっかい。手でざっくり割ると、ほくほくと甘い。

 演技者。「ビューティフルサンデイ」の最終回。クライマックス。
 三人ともいい芝居をしてるのだけれど、時間の都合で細かいやりとりや時間の経過を省略しているせいで、妙に台詞が大げさに聞こえる。いい台詞を最終的に残したのだから、しょうがないのだろうけれど、正論ばっかりというか。舞台のときの何でもないやりとりの積み重ねの先に、ホンネが生まれるというふうになっていないのが残念。ともすれば、メロドラマのパロディのようにも見えてしまう瞬間があったような気がする。音楽のあてかたがちょっとべたすぎたかもしれない。
 きれいな台詞を自分の思いとして、気持と言葉が同時に動くようにしゃべっている三人に感動する。先週のワークショップで、それがどれだけ難しいことかを学んだ後だけになおさら。


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