せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2004年12月31日(金)

 降り出した雨がみるみる雪になって、どんどん積もっていく。
 はじめのうち、外から聞こえていた子供達の遊ぶ声も聞こえなくなって、雪がさらさら降る音だけが聞こえてくる。
 大雪の中、母親は妹たちとお正月の買い物に。道路は大渋滞。ホームセンターもがらがらだったそうだ。さすがにこの雪で車はちょっとおっかない。
 夕方になって雪は止んだ。雪の大晦日って何年ぶりだろう?
 熱はまだ下がらない。雪のなかでかけていくのも大変そうだったので、恒例のタックスノットのみんなとの初詣、アイランドへのご挨拶もごめんなさいすることにする。
 母親と二人で過ごす年越しは何年ぶりだろうと考える? 父親が死んでから、僕が実家にいるのは初めてなので、初めてなんだということに気がつく。
 紅白をところどころ見て、マツケンサンバの微妙さについてあれこれ言い合い、行く年来る年の鐘の音を聞いて、新年の挨拶をした。
 夜中、お年玉のポチ袋を買いに近くのコンビニに出掛けてみる。
 凍った雪で道路はすごいことに。自転車で出掛けたことをすぐ後悔する。
 空はきれいに晴れて、星が光っている。
 また新しい一年が始まった。

 2005年もよろしくお願いします。

 握手。


2004年12月30日(木) TOGETHER忘年会

 昨日、眠りまくってしまったので、今日ようやく大掃除。
 母親には手が届かない高いところを中心にさくさくと終了。
 夜はTOGETHERの忘年会@Qube。マルゴリータ奈須と待ち合わせて出掛ける。
 なつかしい、そして、いつものみんなと楽しく歓談。
 今日はショーはなしの予定が、DJのえっちぃがかけたマツケンサンバをアルピーナさんと三人で「しっかり」踊りこんでしまう。アルピーナさんは、その後、えっちぃと二人でピンクレディのメドレーをがんがんおどってくれて、みんな大いに盛り上がる。
 今年はほとんど顔を出せなかったTOGETHERだけど、こうして集まってみると、僕にはやっぱりかけがえのない場なんだなあとあらためて思う。楽しい時間を過ごすことができた。
 昨日からの熱がまだ下がらない風邪っぴきなので、奈須さんと少し早めに失礼して帰ってくる。


2004年12月29日(水) 打ち上げその2

 大掃除の予定がまるまる眠ってしまう。
 昼頃一度目が覚めたら、外は雪でびっくりする。
 また眠ってしまい、起きたら、りょうちゃんから留守電が。昨日打ち上げに出られなかったマミーのために、フライングステージの打ち上げをしようじゃないかという提案。
 どうしようかと迷いながら、結局、出掛ける。つもった雪をさくさく踏んで行った。
 高円寺駅前の白木屋でりょうちゃん、まみー、いっこうちゃん、早瀬くんという顔ぶれで飲む。しみじみとあったかなかんじ。
 終電まで飲んで帰ってくる。忘年会シーズンで混みまくってた電車もそろそろすいてきた。


2004年12月28日(火) 「gaku-GAY-kai 2004」

 朝から、仕込み、すべてを蓮子くん、亜弓ちゃん、さやかちゃんにおまかせして、僕はひたすら、自分の練習をさせてもらう。
 1時からゲネプロ。なんとか終わる。これが本番でどうなっていくのか、楽しみ。
 その後、ジオマンのリハーサル。急遽、出演をお願いした小林くんに「また一人」のバックでの芝居の相手役をお願いする。僕がつきあっては別れる三人の男を次々演じてもらうことに。
 5時からメークをアルピーナさんにやってもらい、開演時間に。
 何が何やらというかんじで立った舞台なのに、稽古場よりも落ち着いていられたかもしれない。相手の台詞がちゃんと聞こえて、台本を手に持っていない身軽さ、そして何より、お客さんの前にいるんだといううれしさが今回も僕を支えてくれる。
 フライングステージの後も、ピンクベアさんのリーディング、ヒラリンの講談、ヒメノカリスさんの反戦ソング、teppenさんのオペラ、歌ちゃんのパワフルな歌とイカした演目が続く。
 いっこうちゃんのダンスを袖から見ながら、ジオマンのスタンバイ。今年は何のしかけもない三曲の構成。1曲目「三味線フラフープ」(神楽坂浮子)、僕たちの定番の演目。2曲目「また一人」(九重佑三子)。ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」のカバー。訳詞、なかにし礼のとんでもなくいい仕事のおかげで、あの名曲がすっかりジオマンテイストになっている。センターで唄うマルゴリータのバックで、僕が次々男と出会っては捨てていく。相手役は小林くん。さっきつけたばっかりの段取り(郡司君に「えげつないことするねえ」と言われた)にしっかり応えてくれて、しかも、「青い目」を自分でつくってくれたり、3コーラス目の長い髪の男のヅラをトバしてくれたりと、大活躍。
 3曲目は「マツケンサンバ」。郡司くんに「マツケン」として出てもらっての一大レビューショー。郡司くんは、ヅカのスターさんが背負うような白のオストリッチの背負子を自前で持ってきて、すごいゴージャス感。流し目いっぱいの歌いっぷりもすばらしい。いっこうちゃん、永山くん、まさひろくんにも出演しもらって、がっつり躍り込む。終盤は出演者全員に出てもらってフィナーレ。終了。
 30分押しか?という進行が、最終的に5分押しで終わったので、バラシがあっという間に終了。蓮子くんに大感謝。
 うちあげは、お客さんもふくめて楽しく盛り上がる。
 あきやんにしやんとも、おしゃべりたくさん。
 二次会は毎年恒例のようなシモンさんへ。
 むらぽん、じゅんくんと来年の演目についていろいろ話す。ジュンくんとは「贋作・Wの悲劇」で盛り上がる。
 朝まで飲んで解散。靴ずれがひどいことになっていたので、新宿駅に向かうみんなと別れて、一人、新宿線の新宿三丁目駅へ。
 これまた毎年恒例で、本八幡まで行ってしまい、折り返して菊川まで乗り過ごし、また乗り換えて住吉まで戻る。これも恒例なかんじ。
 歩けないので、駅からタクシー。たどりついたものの鍵を忘れていて、居間の窓を開けて、ようやく家に入る。じゅうたんの上で、しばらくのびてしまった。


2004年12月27日(月) 初日前

 急遽予定を変更して、当日パンフを三枝嬢に印刷してもらうことにする。データを変換して、なんとかメールで送る。
 その他、新宿文化センターともろもろの連絡で一日わたわたしてしまう。
 夜、予定していた、白石加代子さんの「リア王」にやっぱり行けそうもないということが判明し、teppenさんにかわりに行ってもらえることになった。感謝。
 ジオマンのマルゴリータ奈須に編集した「また一人」の曲を渡す待ち合わせを若松河田の駅で。
 その後、高円寺高市邸で台詞あわせ。終電で帰る。
 帰ってから、衣装の確認。予想外の大荷物にびっくり。
 徹夜はよくないということがわかっているgaku-GAY-kaiなので、今年もちょっとだけ眠った。
 さあ、本番。


2004年12月26日(日) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 もう一息の台本をメールでマミーに送った後、ラストまでの台本を持って、大遅刻して中野モモの稽古場へ。
 みんなは衣装の確認をして、台詞の合わせをすませてくれている。
 大スター菊池小百合の場面の台詞を完全に入れてしまった郡司くんに感動。素敵なキャラクターにも。
 夜、とにかく通してみる。後回しにしてきた僕のソロも初めて唄ってみる。
 何がなにやらでいっぱいになる。たぶん、誰よりも僕があっぷあっぷしているんじゃないだろうか。
 帰り、サイゼリヤで亜弓ちゃん、さやかちゃん、蓮子くんとうち合わせ。
 終電のちょい前で帰ってくる。
 ようやく、台本の中から僕の台詞がうかびあがってくるようになった。
 MDで曲をさらいながら、ひたすら台本を読む。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと2日!


2004年12月25日(土) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 2時から稽古。
 ダンスの練習をずっとしてもらいながら、2Fの図書室で台本をどんどこ書く。回想シーン「雨に唄えば」のパートを中心に。
 夕方、ジオマンのマルゴリータ奈須が登場。マツケンサンバのステップを確認。
 夜は、ひたすら「贋作・毛皮のマリー」の稽古。やることいっぱい。わたわたと時間まで。
 帰りに渋谷でエスムラルダさんと待ち合わせ。亜弓ちゃんと一緒にお茶しながら、曲の受け渡しと相談もろもろ。
 終電で帰ってくる。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと3日!


2004年12月24日(金) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 「雨に唄えば」のパートの構成がようやく決まる。
 早めに出掛けて、ぎりぎりまでマックで台本。
 亜弓ちゃんを稽古場へ案内して、その後、フレッシュネスバーガーで続き。
 勝田邸で印刷。勝田氏とお話。
 稽古場は、振付と歌のふた部屋構成。
 まずはむらぽんとタップの確認。
 その後、雨に唄えばの歌とフリの確認。
 今日持っていった場面の読み合わせ。
 わたわたと稽古終了。
 帰り、アイランドヘご挨拶によって、帰ってくる。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと4日!


2004年12月22日(水) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 「アメリカ」あらため「ネリマ」の振付のみの日に。
 良ちゃんには早々にあがってもらうことにする。
 小林くんがブラジルから帰ってきて、稽古場にきてくれたんだけど、ごめん、ぼくも早めにあがらせてもらうことにする。
 渋谷で亜弓ちゃんと待ち合わせ。こんなところに!なかんじの駅前のマイアミで編集の相談。
 11時半過ぎに別れる。 
 忘年会帰りでごったがえす電車でへろへろ帰宅。
  高市氏からのメールで元気づけられる。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと6日!


2004年12月21日(火) 富士見丘小学校演劇授業

 富士見丘小学校の演劇授業。年内最後の授業。「6年生を送る会」で上演する舞台のために子供達の「生の言葉」を聞く取材の最終回。
 今日は、午後からということもあって、子供達はわりと落ち着いていたと思う。
 卒業にあたって思うことを一人一人全員にしゃべってもらったのだけれど、みんなよく話せていたと思う。
 この半年の演劇授業を振り返ってる人には、第一回の「扉座」の授業がおもしろかったとう人が大勢いた。一番始めの授業として、かなりインパクトがあったんじゃないかと思う。扉座のみなさんの指導も見事だったんだと思う。
 そんな感想が続くなか、「扉座の授業が一番おもしろかったなんて言うのは、子供っぽい」と一生懸命、しゃべる女の子もいて、なかなかおもしろかった。
 あらかじめ用意していた作文をメモに起こしたものをみんな持っていたんだけど、途中で読むのをやめて、自分の言葉(メモも自分の言葉だけど)でしゃべり始める瞬間が、おもしろい。
 青井さんの「しゃべりたい人からどうぞ」というのに慣れてきた子供達は、どんどん手を挙げてしゃべっている。何週間か前には考えられなかったなあと思い出す。自分では手が挙げられないでいて、そのくせ、まだ話せないとじれているようすの子供もあちこちにいる。
 みんながいちように話していたのは、「送る会の舞台をがんばっていいものにしたい」ということ。いい舞台をつくる手伝いを僕らもがんばらないといけない。
 ほんの一週間ぶりなのに、何人かの男の子は背が高くなったようだ。声変わりをしてる子もふてるんじゃないかな。
 それから、眼鏡をかけてる子が多い。どうしたんだろう?と聞いてみたら、メモを読むためにかけてるんじゃないかとのこと。そうか、普段はなるたけかけていたくないんだね。納得する。
 一人一人でいるととっても大人に見える彼らが、休憩時間になるとみんなでとっくみあいながら遊びはじめて、急に子供の表情になる。6年生ってそういう年頃なんだなあ。
 子供達はずいぶんちゃんと話せるようになったけれど、まだ聞くこと、話し手に集中すること、目で聞くということは、なかなかできない子が多い。
 そんななか、ふっと集中が集まる瞬間に、みんながどんなにいい顔をしているか、彼ら一人一人に教えてあげたいと思う。
 授業終了後、校長室で、先生方と、今後のスケジュールと「送る会」の舞台についての説明と確認。この年末にやらなきゃいけないこと、決めなきゃいけないことがやまもり。
 ぼくは一足お先に失礼する。

 亀戸の倉庫でgaku-GAY-kai用の荷物のピックアップ。
 マミーに先にいっていてもらったんだけど、むちゃくちゃ遅刻してしまう。
 使えそうな衣装、かつらなどなどを二人で手分けして持ち帰る。
 衣装ケースや段ボールを開けるたびに、懐かしい物がいっぱい出てくる。
 公演が終わるたびにそのまんままとめているので、芝居の思い出が丸ごと出てくるかんじだ。
 それぞれ大荷物をかかえて、亀戸駅まで。
 送れたお詫びに、駅前の珈琲屋さん「侍」に寄り、二人でコーヒーを飲む。
 ここは、ぼくが学生の頃からの行きつけのお店。
 ひさしぶりにマミーと二人で、一息ついて、おしゃべりする。

 マミーと別れて、北千住へ向かう。
 さっき別れた、青井さん、篠原さん、田中さんと、駅近くのファミレスでうち合わせ。
 11時半まで話して解散。

 来年2月のアムネスティのリーディングの出演者がどんどん決まる。
 渡辺えり子さんをはじめ、いつもお世話になってる人、久し振りな人が協力してくれることになった。ありがとうございます。


2004年12月20日(月) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 聖子ちゃんショーと、ジオマンのマツケンサンバのダンス稽古。
 まさひろくんの指導による聖子ちゃんショー組と、郡司くんの指導によるマツケンサンバ組で交互に部屋を使う。息が上がったところで交替なかんじ。
 マツケンサンバ、今日が初挑戦のいっこうちゃんがどんどこフリを入れて踊ってる。
 マルゴリータ奈須と永山くんとぼくは覚えてたフリを確認。
 でもって、マツケンの郡司くんに従って、どんどん踊る。かなりへろへろになる。
 良ちゃんが大笑いしていた。
 帰りはもういっぱいいっぱい。
 それでも、妙に明るい気持で帰ってくる。
 アユミちゃんが編集してくれた音を聞いてみる。
 「雨に唄えば」のビデオを見てみる。
 すぐに朝になってしまった。
 
 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと8日!


2004年12月19日(日) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 稽古場に少し早くいって台本を書こうと思うが、まみーと良ちゃんがいて、つい話しこんでしまい、手に着かず。ようやく書いた台詞も、とってもよくないので、渡さないことにする。
 音響の亜弓ちゃんと編集の確認。難しい曲のアレンジをいっぱいお願いしてしまう。
 今日は歌稽古。発声の基礎練のあと、それぞれの歌を。直接はつながらなくてもいいから、響きのもてる体でいてほしいと思う。
 歌ようの余計に共鳴させた声でのしりとり、トシちゃんがのっけから「むしけら」と「いい声」で言って、むしょうにおかしかった。この頃、トシちゃんのとばす率が高い。
 舞監をお願いしている蓮子くんもきてくれた。劇場下見の話を聞く。
 急に寒くなって、小雨もぱらつく中、駅まで歩く。
 途中のフランス菓子のお店でマミーがお買い物。「約束」の稽古帰りにここに寄ったのは二ヶ月前なんだなあと思い出す。
 帰り、新宿で降りて、タックスノットヘ。ほんとにひさしぶり。フライヤーを置かせてもらって、みんなとしばらくおしゃべり。
 「約束」を見てくれた人、「gaku-GAY-kai 楽しみにしてます!」と言ってくれる人、とってもうれしい。
 ツタヤに寄って、CDを返し、最終の電車で帰ってくる。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと9日!


2004年12月18日(土) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 ばたばたとさっこちゃんのロイヤルブルー@千本桜ホールに出掛ける。
 遅刻覚悟でごめんなさいだ。
 「片翼飛行」花本ロミオ作。
 さっこちゃんはアンドロイドのジルという役。ゴスロリテイストの衣装がよく似合う。
 1000年後の未来を描くSFなのだけれど、アンドロイドどうしの恋もあったりして、なかなかにセクシー。
 三枝嬢、マミーと渋谷まで出る。
 ビックカメラでプリンターのインクを買い、三茶へ。喫茶店で歌詞づくり。
 今日の稽古はダンスが中心。
 久し振りの岩井さんとホソちゃんが来てくれる。
 アルピーナさんのgaku-GAY-kai恒例「聖子ちゃんショー」の振付だ。
 今年は、アルピーナさんのお友達のマサヒロくんが振付&出演してくれる。
 ノリノリの曲「MOVE ON」に、とってもヒップホップな振付が進む。「汗部」部長の岩井さんが汗だくで踊っていて、ああ、gaku-GAY-kaiの季節なんだわと感慨深い。
 その合間というか、裏側で、郡司くんに、「ウェストサイドストーリー」の「アメリカ」をもじった「ネリマ」を、良ちゃんにミュージカル「サンセット大通り」タイトルナンバーの詞を、ノグと永山くんに「雨に唄えば」から「All I Do is Dream of You」の歌詞を伝えて、それぞれ練習。
 中盤は、芝居の稽古。二場を小返し。ギャラリーが多い稽古場は、いつもよりもちょっとだけ余計に楽しい。
 最後に、さっき振り付けた「聖子ちゃんショー」のおさらいをして今日はおしまい。
 帰り道も大人数。「アルピーナさんが踊ってるのを見ると、年末だなって気がするんだよね」という話をアルピーナさん、マミーとする。年末のこの忙しい時期に大勢集まってがちゃがちゃやってるこの雰囲気が僕は大好きだ。
 駅までの道、りゅうとぴあで白石加代子さんの「リア王」を見てきた良ちゃんから、舞台の話をたくさん聞く。
 見て、その話をいっぱいしたくなる舞台っていいよね。
 舞台で存分に遊んでる白石さんのように、僕らも自由自在に遊べたらいいなと思う。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと10日!


2004年12月17日(金) ジオラマ・マンボ・ガールズ稽古

 ジオマンの練習@マルゴリータ・奈須邸。
 マツケンサンバ振付練習用DVDを見ながら。
 久し振りにがっつり踊って、汗だくになる。
 代謝が低くて困っている僕には、ややうれしかったりもする。
 思ってたよりもシンプルなフリでほっとする。
 帰り道、パソコンを広げつつ、肩や首がこってしかたない。
 すぐに痛みがくるのはいい傾向。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと11日!


2004年12月16日(木) FCN「2005 S/S PARIS COLLECTION」「贋作・毛皮のマリー」稽古

 昨日に続いてファッションチャンネルニュースの録音。
 「2005春/夏パリコレクション」後半の2本。
 マーク・ジェイコブスの「ルイ・ヴィトン」は、70年代ディスコがテーマでキラキラとゴージャスになってた。変貌ぶりがちょっと残念なかんじ。
 ヴィクター・アンド・ロルフの、前半が黒一色、回り舞台が回転すると、後半はピンク一色という演出が見事。「フラワー・ボム」っていう香水を出すのにあわせたショーなんだそう。リボン使いをはじめとする造形の美しさに圧倒される。
 オリヴィエ・テイスケンスがつくる「ロシャス」が素晴らしい。どうということはない服なんだけど、肩や腰のラインが気持ちいい緊張感をもっていて、どこを見ても美しい、そんなかんじ。
 来年のスケジュールの確認をして、一足お先に失礼する。
 夜は、稽古。アルピーナさんが来てくれた。舞台監督をお願いする蓮子くんも来てくれた。
 お約束の聖子ちゃんショーを中心に練習の予定が、今日は、曲を決定しておしまい。
 早瀬くんがお休みだったので、進んでない台本よりはということで、アップのあと、昨日に続いてのシアター・ゲーム。ランクづけをやってみる。今日は僕も参加。
 初めは「海鮮鍋の中」、続いて、「演歌歌手が勢揃いしているNHKホールの楽屋(大部屋)」。海鮮鍋では、「近寄らない方がいいよ。そのうち、破裂するから」と言っていたトシちゃん(たぶんハマグリ)が、しばらく経ってから「もう開いちゃった」とぽつっと語って、何なのよ?ってくらいおかしかった。そんなひっそり開いちゃうんなら、宣言しなくていいじゃないねえ?
 作者としては新しい曲をどんどん決めて、やらなきゃならない場面が具体的に見えてきた今日の稽古。
 帰りの電車でトシちゃんと、彼も見てくれた「喪服の似合いエレクトラ」の話をする。「すごかった」と言われて「そうでしょ!」とうれしくてしかない。
 忘年会シーズンで混みまくりの電車になんとか座って帰れるよう、亀戸まで出て、区間準急にうまくまにあう。思ってたよりも空いてる車両のなか、先回りのこの日記を書いている。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと12日!


2004年12月15日(水) FCN「2005 S/S PARIS COLLECTION」「贋作・毛皮のマリー」稽古

 ファッションチャンネルニュースの録音。今日と明日は、「2005春/夏パリコレクション」
 前半の2本をさくさく録っていく。
 「アレクサンダー・マックィーン」の「ゲーム」をテーマにしたショーに圧倒される。全く違う6つの国をイメージした少女たちが、次々に登場して整列。最後に照明で舞台がチェスのボードのように変化すると「ゲーム」が始まる。エスニックなテイストのものから、かっちりした仕立てのもの、そして、SFチックなコスチュームまで、一つ一つ違うそのどれもに強烈なインパクトがある。ひさしぶりに感動してしまったコレクション。
 ジョン・ガリアーノは、「ディオール」と自分のブランド「ジョン・ガリアーノ」の2つ。両方ともが、リアル・クローズになっていてびっくり。盛りだくさんなエスニックテイストは健在なまま、着られる服になっている。特に「ディオール」のオープニングに登場したのは、かつてディオールが発表した「ニュー・ルック」そのまま。ショーの後半では、イマジンを流し、反戦のメッセージをプリントしたカットソーが多く登場した。これも意外な展開だった。
 毎回、ショーの最後に登場するガリアーノ、今回はどんな演出かと思ったら、なんと「チャップリン」。帽子にステッキに黒の上下。本来なら身幅のあわないだぶだぶのスーツのところを、胴回りと腕をフィットさせて、肩幅だけが大きいという、不思議なジャケットになっている。これがガリアーノのチャップリンなんだなあと納得。
 ジャン・ポール・ゴルチエによる2シーズン目の「エルメス」もとってもよかった。前回よりは力の抜けた、本当に上質なものだけを使ったていねいな仕上がり。巨大なつばの帽子を全員がかぶっていたりして、ゴルチエならではの遊びもふんだん。オールレザーのスーツや、とっても大きなバーキンなど、見所もいっぱい。

 夜は稽古。音響のアユミちゃんが来てくれる。
 台本を印刷している間に、良ちゃんを中心にシアターゲーム。
 番号の書かかれたカードをひいて、数の小さい方が偉いというのを、お互いに誰が何番かわからないまま場面を設定して演じてみる。
 開店前のゲイバー、松平健のステージの楽屋、動物園の飼育係の休憩所、大奥と、いろいろな場面をどんどん。
 どの場面でも、「上に低く、下に高い」郡司君のキャラづくりが傑出していて、見ていた亜弓ちゃんと僕は大いに笑った。
 新しい場面を少しだけ。良ちゃんにようやく出番が。「毛皮のマリー」にとっても忠実なシーンに無理矢理「サンセット大通り」が割り込んでくる、そんな場面。
 帰り道、早瀬くんと、今回の美少年のキャラについて話す。以前、客演したABCファクトリーの役みたいだけど、これからそうじゃなくなるからねと。来年客演する「非連函」のキャラも似ているんだそう。「どれがどれだかわからなくなって……」と早瀬くん。その話よりも、来年の3月の公演なのに、顔合わせが済んで、台本も18頁あるということにショックを受ける。僕もがんばる。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと13日!


2004年12月14日(火) ジオラマ・マンボ・ガールズ稽古

 先週に続いて、ジオマン稽古@マルゴリータ・奈須邸。
 今年のレパートリーは、もはや何度目かの「三味線フラフープ」(神楽坂浮子)、「ALONE AGAIN」の日本語版「また一人」(九重佑三子)、そして、郡司明剛さんを迎えての「マツケン・サンバ2」(松平 健)の三曲。
 「マツケン・サンバ2」は「がっつり踊り込む」と郡司さんにあらかじめいわれているので、振付DVDを見て予習したいところ、まだ発売していないので、CDについていた特典映像を見てみる。これを踊るのね。サンバスティックはどうしよう?ともろもろの相談。
 その後、持っていった「gaku-GAY-kai 2003」のビデオから「贋作・大奥」をじっくり見てしまう。「贋作・大奥」とジオマンのショーを見て、ようやく立ち上がって練習。
 演出プランと衣装の確認をし、最後に基本のサンバステップを練習しておしまいにする。
 今度の練習日には、振付DVDを見ての振り写し?の予定。マルゴリータ・奈須が購入してくれた、ポータブルのDVDプレーヤーが活躍しそうだ。

 「gaku-GAY-kai 2004」本番まで、あと13日!


2004年12月13日(月) 富士見ヶ丘小学校演劇授業

 起きたまんま富士見ヶ丘小学校へ。
 8時30分に到着するためには、6時30分には家を出ないといけない。
 かえってイベント感がまして、わくわく朝の通勤時間を楽しむ。
 今日は、前半は、田中さんによる、シアターゲーム。
 後半は、青井さんによる、「話したいことを話す」という前回の続き。
 先週に続いての「ジップザップ」のあと、田中さんがしきる、輪になって、一人ずつが順番に数を数えていくというゲーム。誰が次をカウントするかわからないので、同時に言ってしまったら、またやりなおし。
 最初の組はまだまだ手探り。二つ目の組は、20までいった。すごい。
 3組目は、待っている間にうち合わせをして、順番に回していくように示し合わせていた。
 どうなるかと思ったのだけれど、そのまま見守る。
 初めのうちは、うち合わせどおり右回りにぐるぐる回っていたのだけれど、そのうちに、仲間内から「ずるいよ」という声があがる。
 「ずる」を企画した男子たちは、しばらくチャレンジしていたものの、そのうちに、そのまんま「正々堂々」とやった方がうまくいくし、おもしろいということに気づいたようだ。
 ずっと見ていた僕には、彼らが気づく、その瞬間が、とってもよかった。
 ズルを企むくらいの子たちだから、ちゃんとやれば、実に生き生きと回り始める。お互いにつっこみあいながら、わきあいあいと楽しく弾んだやりとりになった。
 20まではいけなかったけど、それでもなかなかがんばったと思う。
 「ズル首謀者」のコウタくんの肩を叩いて、「がんばったじゃん」と声をかけた。
 後半の、話したいことのパートでは、みんながどんどんしゃべっていくことにびっくり。
 予習として、話したいことをメモにして持ってきていたというのもあるけれど、「話したい欲」があちこちに吹き出していた。
 青井さんは、決して無理強いはしないので、「話さなくていいや」と思っているといつまで経っても話せない。そのことに気がついた子供たちは、「話せなくて、あとで後悔するよりは、どんどんしゃべっちゃえ」と思ったようだ。
 いつも元気なクラスの人気者らしい男子が話すと、ざわついて聞いてたみんなの意識がふっと集まる。
 でも、やや大人しめの子や女子の話になると、またざわざわしてきてしまうというのをくり返す。
 そんな中、「他に話したい人いる?」という青井さんの声に答えて立ち上がった、ヤヨイちゃんはかっこよかった。
 元気いっぱいじゃないんだけど、とにかく、みんなの前に立って、ドキドキしながら、それでも一生懸命話そうとしていた。そんなふうな話すための葛藤があるってことは、自分がいて、みんながいるってことをわかってるってことだよね。その葛藤にうちかって、しゃべってるってことだもんね。話し終えて戻ってきたヤヨイちゃんに、「よかったよ」とまた声をかける。

 授業のあと、青井さん、篠原さん、田中さんと、富士見ヶ丘駅近くのおそばやさんでお昼。
 その後、踏切をわたったケーキやさんでうちあわせ。
 具体的なことがようやく相談できた。
 かっちり話し合って、これからの予定を確認して出ようとしたら、そばにいたおじさんに青井さんが挨拶されてる。
 チナツちゃんのおじいちゃんだった。学習発表会も見てくれたそうだ。
 なんだか素敵なおまけがついたねと、田中さんと話す。


2004年12月12日(日) 「贋作・毛皮のマリー」稽古 「新撰組!」最終回

 台本をもっていく。第1場の終わりまで。「毛皮のマリー」と「サンセット大通り」と「星の王子さま」がミックスされた不思議な場面ができてきた。
 自分がしゃべる台詞をこんなにたくさん書いているのはひさしぶり。
 マリーさんとして、がんがんしゃべって、「大見得切った」芝居ばかりをわざわざしてみる。 まみーが演じる、永遠の付き人・とみさんとのやりとり、それから、美少年・欣也を演じる早瀬くんとのやりとり。
 盛りだくさんで芝居ばっかりをしてみる。
 まだ出番がない良ちゃんとノグとトシくん、ごめんなさい。
 この調子でがんがん書くから。
 最後は今日も唄の練習。僕と良ちゃんは昨日よりもずいぶんいいかんじになってる。
 プリンターの調子が悪い。
 いくらヘッドをクリーニングしてもブラックのカートリッジからインクが出てこない。
 いつも台本を書くのに使っているソフト、ページメーカーは、用紙の種類の調整ができないので、これを機会にワードで書いていくことに決める。
 書式の設定をして、なんとかできあがるが、いちいち親切で重たくてしかたない。
 それでも、こちらなら、なんとか印刷は可能。
 だましだまし続きを書いていく。
 プリンターをいじっているうちに朝になってしまいそうだったので、ついでに録画しておいた大河ドラマ「新撰組!」の最終回を見る。
 終わりまで見て、「完」の文字が出た途端、拍手してしまう。音のしない拍手。
 その後続いた、ジョン・建・ヌッツォの唄に乗ってこれまでのダイジェストがカーテンコールのように流れる間もずっと。すぐに「何してんだろう?」と思ったが、確信犯で続けてしまう。
 これまでまいておいた伏線の回収のしかたの見事さ。野田秀樹、古田新太の芝居の大きさ。すべての人物にきっちり決着をつけて、見事な最終回だった。
 史実にもとづいたフィクションとしての飛躍のしかたが、なんてあたたかいんだろうと思う。
 板橋の宿で留置されていた家の少女に、近藤勇がげんこつを口にいれて見せる場面。
 野田秀樹と羽場裕一が、同じ画面で芝居をしている。
 往年の土方歳三役者、沖田総司役者が、今の土方と沖田である山本耕史、藤原竜也とからんでいる、そのからみかた。盲目の旧土方の前で、山本土方は、はらはらと涙を流し、刺客に命をねらわれて、目の前でお幸を殺された藤原沖田の前に、植木屋の親方役の旧沖田が、預かっていた刀を投げる。
 三谷さんが書いた「新撰組!」の物語は、農民が武士になったとたんに武士の世の中は終わってしまうという幕末の史実を、これって「シチュエーションコメディだよね」という視点でつづっていく。
 命がけのコメディ。笑ってしまうけど、泣けてしまう、そんなほろにがい、切なく悲しい人々の姿を愛情をこめて描ききったといえるんじゃないかと思う。
 「なんでもない」若者が、武士になって、歴史の中心で活躍するというお話を、TVではなかなか見られない小劇場系の「無名に近い」俳優達を使ってつくりあげているというしかけもも、二重構造で実におもしろかった。
 始まった当初は、どうよ?と思った「新撰組!」だけど、僕はとっても楽しんだ。
 そして、三谷幸喜という作家のいい仕事を、たっぷり見させてもらった気がしている。


2004年12月11日(土) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 ようやく歌詞をもっていく。
 のぐと永山くんのデュエットと、良ちゃんと僕のデュエット。
 カラオケがむずかしいしあがり。
 のぐたちの方は、とってもジャジーにアレンジされていて、なかなかはずまない。
 僕たちのデュエットは、むちゃくちゃ歌いづらい、つまりは難しい伴奏になってる。
 曲を気にせず、自分で唄うことが一番と気づく。
 稽古終了後、お腹がすいたので、「しいたけ部」として「ふらんす屋」で晩ご飯。
 僕は、ガーリックハンバーグと半カレーライスのセット。満足。
 帰りの電車の中、僕のソロの歌詞もどんどん浮かび、パソコンで書き留める。


2004年12月10日(金) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 今日は、唄の練習。
 とってもあいまいで申し訳ない稽古。
 エスムラルダさんが稽古場に顔を出してくれる。
 「唄う気満々」ということなので、一曲歌ってもらうことにする。
 エスムラルダさんの役は、「撮影所の怪人」。
 もちろん、そんな役「毛皮のマリー」にはないんだけど、作ってしまう。
 「オペラ座の怪人」のテーマにのって登場して、たっぷり唄ってもらおう。
 曲目も決まって、あとは詞をでっちあげるだけ。


2004年12月08日(水) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 稽古前、三茶で三枝嬢とうち合わせ。衣装の相談をまたしても。
 稽古は、まだ台本がないので、今日は寺山修司の「星の王子さま」の場面をやってみる。
 郡司君がきてくれた。
 寺山修司の台詞をちりばめる今回の「贋作・毛皮のマリー」では、「星の王子さま」の台詞もいろいろ登場する。
 ゲイばっかりの「毛皮のマリー」と対をなすレズビアンばっかりの「星の王子さま」。僕は、戯曲としては、こっちの方が好きだったりする。
 うわばみと点子ちゃんのやりとりを二人組でやってみる。
 何組かをやってみたあとで、ひとこと。最後の点子ちゃんの台詞、点子ちゃんは、紙くずの星を数えていくのだけれど、途中から紙くずの星が本当の星に見えてくるんだよと話す。
 その後に点子ちゃんをやった良ちゃんの芝居は、彼の目を通して、紙くずが見る見る星に変わっていくようすが手に取るように見えてしまった。
 俳優の目を通せば、紙くずの星も、本物の星に変身させることができるんだ。
 これが寺山修司の言いたかったことかもしれない。
 ドキドキする瞬間。だから芝居はおもしろい。


2004年12月07日(火) 富士見ヶ丘小学校演劇授業 ジオラマ・マンボ・ガールズ稽古

 富士見ヶ丘小学校の演劇授業。
 横内謙介さんと坂手洋二さんがゲスト。
 今日は、青井陽治さんによる先々週の学習発表会をさらに進めた内容。
 じゃんけんで選抜された子供達が一人三分という枠のなかで、「この一週間で一番嬉しかったこと」を話すというもの。
 3分も話せる子はなかなかいなくて、一人大人として参加した田中さんが生き生きと息子さんのことを話した。
 その後、誰の話に共感したかを挙手。いつも元気なアキトくんが板書してとりまとめる。
 ベスト3が決まって、それぞれの賛同者の代表を3人ずつ選んで、みんなの前に。
 みんなにどんな話だったかを説明する、自分が話し手になったつもりでもう一度しゃべってみる、3組の代表がディスカッションしてみる、など、ちゃんと聞くこと、そして、自分なりの考えを発表するという、とっても難しい、でも、基本的なコミュニケーションのしかたをやってみる。
 どんな話だったかをきっちり説明してくれたアキトシくん、話し手になってちゃんとしゃべれたチナツちゃん。これまではクールにつっぱってばかりだったショウゴくんが、だんだん素直に自分の意見を言えるようになってきている。
 僕は、最後のディスカッションに参加。みんなが話しやすいようにリードする役目(たぶん)だったのに、なかなか話を進めることができず、それ以前に、あがってしまっていることに気づき、子供たちがやっていることの大変さを身をもってかんじた。
 90分の授業はあっという間に終了。子供たちは4月に比べればずっと集中できるようになったけれども、やっぱりざわざわしてしまう時間が多かった。60人を一度にというのはやっぱり難しいのかもしれないなあと思う。
 それでも、学習発表会を契機に、それまでしゃべれなかった子がちゃんと話せているのを聞くととってもうれしい気持になる。
 終了後、これからのスケジュールのうち合わせ。今年ももうおしまい。本番までのスケジュールの調整はなかなかむずかしい。

 新宿に出て、ツタヤに寄り、gaku-GAY-kaiの準備のためのCDをレンタル。伊勢丹の地下でプリンを買って、マルゴリータ・奈須の部屋に向かう。
 ジオマンのうち合わせ。年に一度の「自己肯定イベント」のための企画会議。
 今年はベリンダ・つるもとがいないので、どうしようかと白紙からの相談。
 それでも、話しているうちに曲と衣装のプランが決定し、「これでいこう!」というラインが見えてきた。
 来週また集まって、衣装の確認と振付けをしてしまうことに決定。
 
 森川くんが出演している「オアシスサバク」に行こうかと思っていたのだけれど、富士見ヶ丘小学校を出るのが遅くなってしまったのから、順繰りに予定がずれこみ、奈須邸で「ごめんなさい」することを決める。
 決めてからは、奈須さんお手製のスパゲッティにプリンとお酒で、一年ぶりに熱く語る集いになる。こないだの「約束」のこと、「贋作・毛皮のマリー」のこと、地元の若松河田にある旧小笠原伯爵邸の話などをいろいろ話し、聞く。


2004年12月04日(土) 「贋作・毛皮のマリー」稽古

 gaku-GAY-kaiの稽古初日。
 稽古場へ向かう途中、アルピーナさんとうち合わせ。
 フライングステージとしても久し振りの稽古。
 のぐ、まみー、としくん、りょうちゃん、ながやまくん、それに、早瀬くんが遅刻して参加。
 みんなに今回はこんな話だよというのを説明。それぞれの役どころも伝える。
 今日は、オリジナルのテキストを遊んでみる。
 帰りには、酒部長りょうちゃんの引率で酒部活動。
 とっても早い土曜の終電に間に合うよう帰ってくる。


2004年12月02日(木) 青年座「桜姫東文章」@OFF・OFFシアター

 朝、ジオラマ・マンボ・ガールズのベリンダ・ツルモトから、今年は参加できないかもしれない旨のメールが届く。ダンスの先生のお仕事が忙しくなってしまったのだそう。どうしよう! 企画もろとも再検討だ。
 昼間、「毛皮のマリー」に早瀬くんに出演してもらえるようお願いする。出演者のスケジュールの調整で、当初のプロットを大幅に変更する。
 アルピーナさんからスケジュールが届く。予定よりも早く稽古入りしてもらえそうだとのこと。よかった。

 夜、下北沢に青年座「桜姫東文章」を見に行く。来年ご一緒することになった原口優子さんが桜姫を演じている。一倉梨紗ちゃんと作・演出の松本たけひろくんと一緒。
 大南北の「桜姫東文章」の全編をきっちりと見せてくれる台本。
 え、こんな役あったっけ?なところまでを一人一役で、全て女優さんたちが演じていく。
 序幕の江ノ島稚児ヶ淵の場面は人形劇。黒衣が登場して、遊び心たくさんな芝居づくり。
 それから本編が始まってからも次から次へと登場する役々が、もうやりたい放題なかんじでとっても楽しい。
 女優が演じる男役がどんどこ出てくるんだけど、ある人は宝塚風だったり、ある人は女剣劇風だったり。衣装もそれぞれでとっても楽しい。花組芝居ほどの確信犯ぶりとやりすぎ感はなく、ちょうどいいやりたい放題感。ひげの描き方、もみあげの描き方にとってもこだわりが感じられる最前列での観劇。釣鐘権助はどこかNYのハーレムのにおいがした。
 そのまん中で桜姫を演ずる原口さんは、ロリータから始まり、最後はマダム風へと、見事な変貌をとげる。台詞はどれも、南北の文体のまま。歌舞伎のやりとりとは全然違う、現代風な意識のやりとりが古風な台詞にのっているのが、とってもおもしろい。歌舞伎の役々はどこかで、生理的な部分を「なし」にしないと成り立たないものじゃないかと思うのだけれど、原口さんの桜姫は、女の子が女になっていく生理をきっちりふまえてそこにいる。女の生身の体をもった桜姫というのを初めて見たような気がした。
 局長浦を演じる今井和子さんがすばらしい。南北の台詞をしゃべりながら、こんなに捨ててしまっていいのかいというくらい、さらさらと流していく。歌舞伎座では絶対にできない台詞術だ。
 カーテンコールは、出番の終わった女優さんたちは、すっかり素に戻っての登場。ようやく、あ、あの人だったんだとわかるが、逆に、何をやっていたのかがわからなくなったりもする。
 終演後、べったこで軽く飲む。松本くんと初めてのおしゃべり。彼は2002年のパレードを歩いてくれたんだそう。そんな話しもいろいろ聞く。
 原口さん、一倉さんとも初飲み。いいお酒を飲んで、楽しく帰ってくる。

 UZUくんからフライヤーデザインが届いた。
 夜遅くに申し訳ないと思いながら、出演者等の修正等もろもろのお願いをする。


2004年12月01日(水) 「生きながら火に焼かれて」

 アムネスティのリーディング台本の構成のために、「生きながら火に焼かれて」を読み直す。
 シスヨルダンのスアド(仮名)という女性が、19歳で恋に落ちて、子供を身ごもったために、一族の恥であるとして焼き殺されそうになる。いわゆる「名誉の殺人」だ。この本は、彼女が人権団体の女性ジョセフィーヌに救われてスイスへ逃げ延び、その後二十数年経ってから当時を振り返り手記として書いたもの。
 部族社会の中での抑圧された女性の生活ぶりはすさまじい。男性=抑圧する側として、ずっと読んでいると、彼女をスイスへ送るために両親がエルサレムへビザの申請にいく場面の緊張感に息をのむ。抑圧する側だった彼らもまた、イスラエル人に対してはまた、被抑圧者となるのだ。この果てしない暴力の構造の不毛さに唖然とする。
 現在もまだ「名誉の殺人」は続いているという。アムネスティが集めた、女性たちの詩のほかに、スアドさんの声と人生をきっちりとりあげて、いい台本にしたいと思う。
 このエルサレムでの場面を取り入れることで、くり返される暴力の構造のおおもとが見えてくるような気がする。

 篠原さんと西山水木さんから、来年、熊本で開催される劇作家大会の案内をいただく。99年の札幌の大会では、篠原さんと出会い、戯曲賞の候補になっていた「ゴッホからの最後の手紙」のリーディングを行った。あれから五年。今度は、劇作家としてお手伝いをしようと思っていたら、大会の日程が判明。3月18日〜21日。DOUBLE FACEの公演とまるかぶりだ。
 篠原さんに、申し訳ないけれどと電話をかける。もっと早く知ってたら、どうにかしたんだけど。お手伝いできなくてとても残念。篠原さんたちにぼくの舞台を見てもらえないのも残念。


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