せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2004年11月30日(火) |
富士見ヶ丘小学校演劇授業 |
富士見ヶ丘小学校で演劇授業。今日は、学習発表会の感想をみんなに行ってもらう。 青井さんがリードして、まず子供達、そして、篠原さん、田中さん、ぼく、それから、ずっと取材しているカメラクルーのみなさん、先生方と、みんなの感想を共有する。 子供達が実にいい笑顔でこの場にいることに感動する。 前はこんなじゃなかった。 いいチームができているんだなとあらためて思う。 帰り、高円寺に寄って、アメリカから輸入してもらったカラオケCDを受け取る。 マミーとしばらくおしゃべり。 これで作詞を始めることができる。帰りの電車の中で聞こうと思うが、やっぱり電車は気持が悪い。いらいらしながら眠ってしまう。 部屋に戻って、たまっていたメールに返事を書く。 熱はようやく36度代に。 カラオケのCDはなかなかに手強いかんじ。去年のシカゴのような完成度とはちょっと違う音質。どうしようかあれこれ考える。
2004年11月28日(日) |
「春謡会」@浅草公会堂 「羽衣リサイタル」@白萩ホール |
制作の高市氏が参加する新舞踊の会「春謡会」のため浅草へ。 15時に来ればだいじょぶという高市氏のアドバイスのとおり15時着。彼の出番の前後だけを拝見して、大塚隆史さんの個展に行き、その後、UZUくんとフライヤーのうち合わせをしてにしやんの芝居を見るという、今日はもりだくさんなスケジュール。というか、体調が悪くてずっと先送りにしていた用事をまとまってかたづけなくてはいけない日。 高市氏の出番は押しに押して、終わったのが17時過ぎ。いろいろたっぷり見ることができたよかったのだけれど、この時点でタックさんの個展には伺えそうもなくなる。 家元の踊る「お祭り」がさすがの見事さ。その他の出し物も衣装と鬘のセンスがとってもいいい。ただギンギラするんじゃない、しっとりしたかんじですばらしい。 高市氏の「女人忠臣蔵、七段目お軽」は、忠臣蔵の七段目のお軽の芝居を古典と新舞踊とを交互に折り込んだ構成。高市氏、もとい、妙左さんの新舞踊は初めて。お軽の着付けもいつもシャープな色味が多いのでとても新鮮。去年のgaku-GAY-kaiの「セ・フィニ」以来の踊りを堪能する。 新宿でUZUくんとうち合わせ。gaku-GAY-kai 2004のフライヤーデザインについてあれこれ相談する。 その後、にしやんの「羽衣リサイタル」へ向かうが、フライヤーを忘れたことに気がつきパニック。白萩ホール、たしか職安通りの向うだと思ったけど…… NTTに聞いてもわからず、いっこうちゃんに電話するがつながらず、あちこち歩く。 早瀬くんに電話して、教えてもらい、15分遅刻してたどりついた。結局30分以上この界隈を歩き回ってしまう。 暗い教室の廊下を懐中電灯で案内された先にそのホールはあって、まるで学園祭の教室でのライブみたいな雰囲気。 布団がしきつめられた修学旅行?の夜に女の子達ががんがん唄いまくる。 にしやんが唄う「窓辺のワルツ」に涙する。思いの届き方のようなものが特別だよねと改めて思う。 終演後、にしやんに挨拶して失礼する。 高市氏に電話して今日の感想を。途中でバッテリーがあがったので、あわててハイジアの一階の公衆電話から続きを話し、地下鉄に乗る。 帰ってきて、熱を計ったら、7度3分。もう直るのかとちょっとほっとする。
2004年11月27日(土) |
富士見ヶ丘小学校 学習発表会 二日目 VOICE 04 |
がたがた震えて起きられない。熱は7度7分。朝からラッキーと思いながら、朝からこれでは昼間どうなるんだろうかとちょっと心配になる。 9時過ぎに四谷区民センターへ。 毎年お手伝いをしているぷれいす東京主催のHIV啓発イベント「VOICE」。 まなぶくん、あにたもくんとうちあわせして、10時に富士見ヶ丘へ向かう。 5年生の発表から見ることに。終わって、6年生を舞台裏に訪ねる。 よかった、みんないい顔をしてる。 今日は、保護者のみなさんが見に来る日。客席のビデオカメラ率が高いのにびっくり。 それでも、昨日よりもずっと反応がいいのは、大人の方がわかるってことなんだろうか。 拍手がちゃんと届いたり、笑い声が起こったりするので、みんなも乗っているのがわかる。 みんなで作っているという空気が見事に生まれている。 え、もう終わりなの?というくらいいい時間が流れて終了。 これまでちゃんとしゃべったことのない子どもたちが、きちんとしゃべっていることに感動する。先週まではこんなじゃなかったよね。 大きな声を出そうとか、はっきりしゃべろうっていうことももちろんだいじだけど、自分の思いを自分の言葉をちゃんと伝えることができるっていうのは、なんてすごいことなんだろう。 ぼくは、小学校六年生のとき、区の合同音楽祭で開会の挨拶をすることになり、あがって泣けてきてしまって涙ながらに帰ってきた思い出がある。今、自分が思ってることを言ってごらんと言われたら、当時のぼくは、きっと何も言えなかったに違いないと思う。子供達を見ながら、できて当たり前の演劇人のぼくじゃなく、何も言えない小学校六年生のぼくとして、向き合っていたいなと改めて思った。 「思い通りにならないけれど」は昨日より、ちょっと元気がなかった。いつも実は楽しみにしてる、さいごの「ウォウウォウウォウ!」もいまひとつ。いつも元気にはじけてるあきとを見たら、これでいいんだという顔でるんるん唄っていた。 お疲れさま、いい舞台になったね。 お昼をいただきながら、今日の発表について話す。 一時に大急ぎで富士見ヶ丘を出て、四谷へ。 四谷のリハーサルは順調に進む。 反射板をおろしたままの舞台で、緞帳を降ろさないということもあり、これまでにないシンプルな進行が可能になっている。 手伝いに来てくれた荒くんを発見、お願いそばにいてと頼んで、ずっとぼくについていてもらうようお願いする。 リハーサルは予定通り終了。 本番も定時開演。 今年もまた舞台袖で、進行のお手伝い。 「バビ江ノビッチ・バビエ」「おわっとう」「YUKIMASA」とにぎやかにもりあがる。 続く、ぷれいす東京制作のビデオは、HIVに感染した当事者の声をそのまま伝えるというもの。体の一部を映しながら、生の声がまっすぐに届く。 後半は、「ディベルッティメント」「スキンエコー」、べーすけさんのピアノ、ブルボンヌとエスムラルダのショー、最後は、「世界に一つだけの花」を全員で唄って終了。 ブルちゃんのショーは、風の谷の村長ナウシカへのインタビューを、サンプリングで構成したもの。あんなに笑ったのはほんとにひさしぶり。おもしろかった。 予定を五分だけおして、終了。片づけをばたばたとして、9時半に撤収。ぼくは、打ち上げには顔を出さずに地下鉄に乗って帰ってくる。乗ったとたんにダウン。へろへろになりながら帰宅。いっこうちゃんにメール。熱は7度6分。明日は昼間で眠れる。明日一日頑張れば、一休みできる。
2004年11月26日(金) |
富士見ヶ丘小学校 学習発表会 一日目 |
富士見ヶ丘小学校の学習発表会本番。 9時から始まる会の初めから見ようということで、7時前に家を出る。 一年生から順に劇や歌や合奏や研究発表がもりだくさん。 一年生の劇「のはらのうた」は、もんしろちょうのさなぎを前に、虫たちがつぎつぎとやってくるお話。踊るアリたちの中に、一人とっても光ってる子を発見。篠原さんと、こんなに小さい頃から演劇に対する向き不向きが見えちゃうのってすごいよねえと話す。 二年生は、「はだかのおうさま」。ミュージカルになっているのがおもしろい。「わたしには見えな〜い♪」のように。はだかになってしまう王様が寒そうだった。ぼくは上手のはしにいつもいた、やる気のない、みょうに味のあるラッパ吹きがツボ。 3年生は、このあたりに伝わる「高井戸ばやし」の発表。歴史を調べて、保存会の方に教えてもらって、みんなでお囃子を演奏した。 4年生は、「学習発表会物語」。みんなで何をやろうか考えるようすをそのまま劇にした。幕の前であれがいいこれがいいと話をして、幕が開くとその場面が演じられるという趣向。「タイタニック」「水戸黄門」「マトリックス」となかなかにおもしろかった。水戸黄門のかつらは、紙でできていて、とっても帽子のようなんだけど、「これはちょんまげ!」という意志がかんじられるできあがり。袴にみせかけたスカートや、着物の柄が、近くでみるとかわいいくまの顔でできてたり。 5年生は、手話を使った合唱と合奏。始まったとたんに、心打たれてしまう。かなりわかりやすい自分におどろきながら、感動。 いよいよ6年生。それまで、みんな最上級生として照明をあてたりいろんな仕事をしていた。そんなみんなの姿は、授業で会うときよりもずっと大人に見えてドキドキする。 みんなは舞台にあがって、ぼくらは下手側で応援する。 今日は、地元の幼稚園保育園の子供たちが大勢見に来ている。小さな子たちがはたしてちゃんと見て聞いていてくれるだろうかというのが一番の心配だったのだけれど、全然だいじょうぶでびっくりする。むしろ、高学年になるほど、だんだん集中が切れてきたかんじ。 子供達は、りっぱに舞台を努め、最後の「思い通りにならないけれど」も楽しく歌えた。 初日が無事に開いたねえという気分で、校長室でお昼をごちそうになる。 午後から、子供達がこれでいいのかどうか心配しているという声を聞き、急遽、5時間目を使って、篠原さん、田中さんと一緒に、子供達に話をすることになった。 マイクの使い方や、みんなでやってることはとってもすごいことなんだよということ、自信をもっていいんだよということなどなど。順番に話をした。 田中さんは、俳優としての立場から、いきいきとみんなと励ましてくれた。 篠原さんは、劇作家としての立場というよりも、これまでずっと彼らを見てきたおねえさんとしての言葉を。 ぼくは、ちょっとやってみようと言って、実際に舞台でやるよりはずっとシンプルな質問、生年月日や星座や好きなテレビの話をみんなでして、それをみんなで聞こうということを。 話しながら、どんどんみんながもりあがっていくのがうれしい。 45分の予定をずっとオーバーして、みんな元気に出て行ったところでおしまい。 三人の結束も強くなったような、そんな5時間目だった。 子供たちに「明日も来てくれますか?」と尋ねられて、三人そろって「もちろん」と答える。 ああ言われては来ないわけにはいかないよねと篠原さんと話す。明日はVOICEなのでごめんなさいするつもりだったのだけれど、なんとか来ようと思う。
仕事に遅刻して行こうと思ったのだけれど、電話して、やっぱり休ませてもらうことにした。 夜はにしやんの舞台の予定。電車にのってうつらうつらしているうちにまた熱が上がっていくのを感じて、やっぱり今日は休もうと決心する。にしやんにメールと電話。明日のVOICEのうち合わせを生島さんとする。中抜けが可能になりそう。よかった。 夜、帰ってきたネコを抱えて眠る。熱は下がらない。
2004年11月25日(木) |
「喪服の似合うエレクトラ」@新国立劇場 |
富士見ヶ丘小学校の演劇授業、明日の学習発表会の本番に向けての最後の練習。 熱は全く下がらず、それでも出掛ける。 体育館で、本番と同じようにやってみる。 青井さんの質問に子供達が即興で答えていく。 マイクの使い方、ちゃんと並べるかなどなど、やらなきゃいけないこともりだくさん。 もちろん、自分の言葉でちゃんとしゃべるというのはもっともっと大変なことだ。 みんなの言葉を詞にして、小椋圭さんが作曲してくれた「思い通りにならないけれど」を初めて聞く。なんていい歌なんだろう。 終了後、校長室で明日、明後日のお題を先生方と一緒に考える。 帰り道、新国立劇場に電話して、「喪服の似合うエレクトラ」の当日Z席があるかどうかを確認。もし、まだ残ってたら、今日出掛けようと決めていた。 まだまだあるという状況だったので、出掛けることにする。熱があってもしょうがない。教師か行けそうにないので。 青井さんも新国立で「椿姫」を見られるということだったので、開演までをご一緒する。 初台の奥の方の甘い物やさんでうどんをごちそうになる。
「喪服の似合うエレクトラ」18:15開演。 ギリシア悲劇のアトレウス家の物語を、南北戦争直後のアメリカを舞台に翻案したユー人・オニールの代表作。演出は栗山民也。 以前、同じ新国立で「夜への長い旅路」を見て、大感動したぼくとしては見ないわけにいかない。 ギリシア悲劇のエレクトラにあたるラヴィニアに大竹しのぶ、クリュタイムネストラにあたるクリスティンに三田和代、オレステスにあたるオリンに堺雅人、アガメムノンにあたるエズラに津嘉山正種、アイギストスにあたるアダムに吉田剛太郎。 大竹しのぶと三田和代の二人の女の戦いが圧倒的。 演技の質が全く違う二人が火花を散らす様子はとんでもなかった。 一幕の半ば、ようやく帰還したエズラを迎える女たち。「おやすみにならなくては」と何気なく言って、ドアに手を掛けたクリスティンが何かに気がついたように振り返る。それまでに、エズラとの生活がいやでいやでたまらないと話した後だけに、この先に待っている「寝室」がどれほど彼女にとっての地獄かということがよくわかった。三田さんは、その恐怖を彼女自身の驚きとともに一瞬で見せてくれる。しかもあざやかに。これ以降の一幕は、圧倒的にクリスティンの視点で見せられてしまう。 1幕の最終場。夜中、ベッドを共にしたエズラとクリスティン。ベッドから抜け出したクリスティンにエズラが声を掛ける。ここから始まる二人のやりとりもものすごかった。 自分を愛していないのだろうと聞くエズラに、そのとおりと答えるクリスティン。 「そんな目で見ないで」「どうして? お前は目をつぶってるじゃないか」というやりとり。 目を閉じたままでいいから話そうというエズラと、それに応えて、本当のことを話していくクリスティン。アダムとの関係を。そして、エズラが心臓病の発作を起こす。 これ以降は、ものすごいものを見たという記憶しかない。心臓病の薬のかわりに睡眠薬を渡そうとするクリスティン、「違う」といって受け取らないエズラ。エズラが息絶えてしまった直後に、飛び込んでくるラヴィニア。クリスティンは睡眠薬を手に、あられもない姿で失神してしまう。すごい幕切れだった。 2幕では、アダムが帰ってきたオリンによって殺され、事実を知ったクリスティンが自殺する。クリスティンを演じる三田さんは、オリンに「ウソ」を吹き込むのだけれど、それをちっともウソではなく、彼女自身が信じていることとして語っているのがすごかった。上手にウソをつくんじゃなくて、自分でも信じてしまっているっていう彼女自身のその状態のあやうさの表現。なかなかできないことだと思う。 終幕、ラヴィニアに一瞬だけ手をさしのべて、そのまま部屋へ行ってしまうクリスティンの姿がいつまでも印象に残る。 3幕は、母親の死んだ後、南の島に行き戻ってきた兄弟のその後。ラヴィニアは、母親にそっくりになっている。その変貌にとまどうオリンは、混乱して自殺してしまう。ラヴィニアはこれからずっと一人で生きていくことを語って幕。 ぼくは間違いなく、二人の女優の対立を基本にこの芝居を見てしまっていたので、三田さんがいなくなった後の、3幕はややつらいものがあった。 オリンとクリスティンの対立がいまひとつあざやかにたちあがってこないということと、瞬時にくるくると優劣が入れ替わるとんでもなくスリリングな戯曲の構造が見えてこなくなってしまったからだ。 それでも、すごいものを見たという気持はかわらない。 もちろん、文句もいろいろある。 アダムはどうしてあんなに内向した台詞のしゃべり方をするんだろう。港のシーンでは、クリスティンとの二人芝居が、とっても成り立ってないように見えた。あんなに自己中心的な男が二人の女に愛されてる理由が全く見えない。 オリンに撃たれて死ぬところで笑いが起きたのは何でだろう? 笑う観客もどうかと思うけどね。 この家に仕えている召使い役の男性の芝居がどうにかしてほしいくらいつらかった。シェナンドー河などの歌を歌うんだけど、その歌を歌う言い声のままで、とんでもない大芝居をしてる。港町の酔っぱらいも同様。 大竹しのぶは、かたくなな娘をまっすぐに表現していたと思うけれど、受けて立つ三田さんがいなくなってから、相手を失ってしまって、よくわからなくなってしまった。 堺雅人か、西尾まりがもっと彼女に見合うだけの大きさだったら、よかったんだろうか? 上演時間4時間という心配は、思い切りの杞憂だった。 もっとも、第三幕が始まるととたんに時計はゆっくり進み始めるけれども。 「夜への長い旅路」は三田さんにとっての「オンディーヌ」かもしれないと書いたけど、今回思ったのは、三田さんがかつて演じたラシーヌの「フェードル」の延長にこのクリスティンがあるんだろうなということだった。 四季でたたきこまれた朗誦法と台詞の解釈は完璧といっていいと思う。20年前のフェードルは正直ちょっと退屈だったけれども、今回のクリスティンは、彼女自身の肉体との葛藤という大きな視点をくわえて、登場人物の中で唯一、神話的人物の大きさをそなえていると思う。 「おやすみにならなくては」と言って、驚いて振り返る。何度かマネしてみたけれど、どうやっても、説明的な芝居になってしまう。説明でなく、新鮮な驚きがまっすぐ伝わるような演技。どうするとそんなことができるんだろう。いろんな場面の台詞を思いかえしながら、芝居について演技について、考えた。
芝居について考えてばかりの帰りの電車の中で、人の話し声が耳についてどんどんいらいらしてしまう。さっきまではなんともなかったのに、また頭がぼーっとしてきた。 少し考えるのをやめて、眠ることにする。 家にたどりついて熱を計る。38度ちょうど。すぐに寝る。
昨夜から、だるくてしかたない。寝苦しい。 ようやく起きて、出掛ける。 松浦くんにフライヤーの相談をする。新しいデザイナーさんを探さなくては。 助成金の準備もいろいろしてみる。 これまでの決算をもとに来年の公演を試算してみる。 それにしても、肩こりがひどい。気持ちが悪くなるくらいだ。 また違う風邪をひいてしまった気がする。 あんまり気持ち悪いのでお風呂に入って、疲れをとろうと思ったら、湯船の中でがたがた震えてしまう。熱めのお湯なのに。それでも慄えがとまるのをまってじっくりつかってからあがる。 部屋で熱を計ったら38度4分。びっくりして、すぐに寝る。 ネコが枕元にやってきて眠っているのがほかほかしてうれしい。ありがとう。 でも、すぐに僕も熱があるのでネコも暖かいのかもしれないのかもしれないと思い直す。
2004年11月23日(火) |
郡司くんのリーディング |
郡司くんが企画したリーディングの公演に出掛ける。 西荻の北口は初めて歩く。 「占いの舘 アタール」に巨大な人形のオブジェが飾られた進学塾、その先には小林カツ代の店、とどめは「関根橋」。なんだかつっこみどころいっぱいな街。 森川くんとあいさつ。 下手の前の方でこそっと見るかんじ。 シンプルなリーディングというよりは、演じる方向で作られていたかんじ。 郡司くんは、まさに「やりたい放題」がいいあじになっている。 もう少し、落ち着いて読んでもらった方が伝わるものが大きかったかもしれない。 2幕になって、役者が疲れてきたあたりから、何かやってやろうというたくらみが薄くなり、かえってまっすぐにテキストがひびいてきた気がする。 それでもラストはテキストの持っているちからで素直に感動。お疲れさまでした。 帰り、郡司くんにごあいさつ。gaku-GAY-kaiへの出演をお願いする。 いっこうちゃんと合流し、駅前のビアホール?でギネス&フィッシュアンドチップス。 芝居の話をいろいろと。 1パイントのギネスはなかなかに飲み応えがあって、びっくり。 最後まできめ細かい泡が消えないのにも感動。
2004年11月18日(木) |
2005春夏ミラノコレクション3.4 |
昨日に引き続き、ファッションチャンネルニュースのMA。 トム・フォードなきあとのグッチがなかなかに新鮮。 やはり女性のデザイナーがつくる服は、どう着るかということがちゃんと考えられている。 スタイリッシュさではやはりトム・フォードなのだけれど、スタイルを踏襲しながら、そんな女性の視点が服にあらわれているのがいいかんじ。 とっても元気なハワイアンのD&G、エルビス・プレスリーはやっぱりいい男だったのねと今回、新たに発表された写真がTシャツにプリントされているのを見て思う。
アムネスティ日本で、来年2月のリーディングのうち合わせ。 アムネスティの「ストップ! 女性への暴力」キャンペーンの一環としてのイベント。 タイトルを「聞こえますか? 彼女たちの声 〜ストップ! 女性への暴力〜」と決定する。 僕は、アムネスティに届いた暴力の被害を受けた女性たちが書いた詩をもとに、1時間半の朗読劇を構成して、全体の演出をすることになっている。 全体の構成とこれからのスケジュールを確認して、いただいていた詩の翻訳の他に、作者についての説明も訳してほしいとお願いする。 まだまだ先のことだと思っていたのに、いつのまにかもうすぐ先のことになっている。 「今年ももう終わりねえ」と昼間、中出さんと話したことを思い出す。 「聞こえますか? 彼女たちの声 〜ストップ! 女性への暴力〜」 2005年2月19日(土)新宿文化センター 小ホール(入場無料)
2004年11月17日(水) |
2005春夏ミラノコレクション1.2 |
ファッションチャンネルニュース、2005春夏ミラノコレクションのMA。 ディレクターの八木さんが僕とよく似た風邪をひいている。やっぱり流行ってるんだよねえ。 ミラノコレクションは、みんな同じような軽やかなエスニックになってしまっていて、ややつまらないかもしれない。 インドをテーマにしたエンポリオ・アルマーニが作り出した、白とサンドベージュを基調にしたスタイルが意外なかんじで新鮮。同じく中国をモチーフにしたジョルジョ・アルマーニもいいかんじ。無難なマリンでまとめていた先シーズンに比べるとびっくりするくらいいい出来だと思う。今日のマイベストはこの二つ。
2004年11月16日(火) |
「二人の女兵士の物語」@新国立劇場 |
「屋根裏」「だるまさんがころんだ」「私たちの戦争」といった坂手さんがこのところ取り組んでいるオムニバスのスタイルでの舞台。 変形の三角形の傾斜舞台の中央に大きな穴が空いて、その中から巨大な杭のようなオブジェがそびえたっている。 連合赤軍の二人、キングアスロン?の選手二人、青酸カレー事件の二人、上司を陥れようとしているOL二人、「カプリコンワン」さながらの火星着陸をでっち上げる二人などなど、さまざま場面での二人の戦う女が描かれる。 場面場面は、なかなかにおかしく、生き生きと演じられているのだけれど、全体を通してみると今ひとつ、どかんと伝わってくる物がないような気がした。 これまでの坂手さんのオムニバスには、やはり最後に何かを受け取ったという手応えがあったのだけれど。 彼女たちが何と戦っているのか、どうして戦っているのかが、もっと透けて見えてくるような構造だとよかったのかななどと考える。 二人の女優は大健闘。遠くのだいだらぼっちに祈る姿、月がこれから生まれてくる子供の瞳だという台詞など、印象的なシーンがいっぱい。 終演後、篠原さん、野中さんと、中華屋さんで食事。芝居の話をいっぱいする。 野中さん、ごちそうさまでした。
2004年11月15日(月) |
富士見ヶ丘小学校演劇授業 |
朝から富士見ヶ丘小学校の演劇授業のお手伝い。 青井陽治さんによる、来週末の発表会のための練習。 体育館の舞台を使って、子供達に質問をして、その答えを客席にむかって話していくというスタイル。 「子供たちのコーラスライン」といったかんじ。 2ヶ月ぶりにあう子供達は、やっぱりまた大きくなっていてびっくり。 自分の言葉をしゃべるのは大人でもなかなか大変なことだ。 きっと難しいんじゃないかと思ってたのだけれど、子供達はどんどんしゃべっていく。 見ている子供達の距離が近いことにもおどろく。 前はもっと一人一人のテリトリーが大きくて、「集まってごらん」といってもこんなにまとまれなかったと思う。 体育館はとっても寒くて、大人は震えていた。 子供たちの中には半袖の子もいて、おどろいてしまう。 授業の最後に「何かまだいいたいことのある人いる?」という青井さんの言葉に、「これをやるんですか?」と質問した子がいた。 たしかに発表会の演目としては、みんなで台詞を覚えて、練習してということの積み上げの先にできあがった「お芝居」がふさわしいのかもしれない。この「自分のことを自分の言葉で話す」というのは、そういった意味では、なかなか努力したりがんばったりするのがむずかしいことだ。 みんなの心配ととまどいを代表して質問した彼が、とっても頼もしく見えた。 「そうだよ」という青井さんの答えかたも頼もしくて、子供達もほっとしただろうと思う。 来週末の本番まであと二回の練習、子供達がどれだけのびのびと自分でいられるようになるか、その様子を僕も見ていたいと思う。 授業のあと、給食を先生方と一緒にいただいて、帰ってくる。
新宿で、一倉梨紗さん、原口優子さんと会って、来年の舞台のうち合わせ。 原口さんは、初めてお会いする青年座の女優さん。今月末OFF・OFFシアターで「櫻姫東文章」主演する。「櫻姫」の話から始まって、芝居の話を思い切りたくさんしてしまい、盛り上がる。 一倉さんともこんなにお話するのは実は初めて。 とっても元気な二人の女優さんと一緒に何ができるか、今から楽しみだ。
2004年11月14日(日) |
「非戦を選ぶ演劇人の会」ミーティング |
梅ヶ丘ボックスにて、「非戦を選ぶ演劇人の会」の集まり。 8月のリーディングの反省会とこれからの相談。 全員顔を合わせるのは三ヶ月ぶり。 当日運営上の問題点を話し合い、これからのアイデアがいろいろ出る。 えり子さんから、先月来日していたアル・ムルワッス劇団が帰国後連絡がとれなくなってしまったと聞く。出国をやめるようにという圧力も実はあったのだそうだ。 どうぞ無事でいてくれるといいと思う。ほんとうに祈るしかないのだけれど。 リーディングの収益等のお金をJVCを通して寄付することを決める。 ファルージャは、今とんでもないことになっている。 ニュースを見るたび、どうしてこんなことが許されているのだろうかと思う。 何もできない無力感も。でも、あきらめない。 テレビのニュースの報道の口調が、すでに「あきらめて」しまっていることに、納得がいかない。もっともっと怒っている人、あきらめていない人たちの姿が報道されていいんじゃないだろうか? あきらめてしまうことが当然になってしまう前に。
「約束」の報告会を高円寺にて。 一週間ぶりに全員が集まって、もう懐かしいかんじ。 それぞれ制作のまとめを高市氏と「面談」して済ませ、全体であいさつ。 こうやって楽しく集まることができていてほんとうにうれしいと思う。 その後、当日、いただいたお酒とマミーの手料理と高市氏の差し入れのビール、水月アキラの出張土産、広島の牡蠣などで打ち上げ。 その前に、早瀬君の2日遅れのバースデーをみんなで祝う。 ケーキに蝋燭を立てて、電気を消して、ハッピーバースデーを唄って、吹き消して、拍手。 終電で帰る組が帰ったあと、朝まで覚悟なノリでがんがん飲み、語る。 あきやんが始発で帰り、僕はにしやんと7時台の電車で帰る。 こんなに盛り上がった報告会(いつもは「反省会」)もひさしぶり。 うちに着いて、少しだけねむることにする。
戦前の映画のことが知りたくて、「思い出55話 松竹大船撮影所」(集英社新書)を読む。 やった、これが使えるわ!といった収穫はないのだけれど、手がかりをいろいろ見付ける。 「蒲田行進曲」はもともとはブロードウェイで上演された曲なんだって。ほかにも、原節子が照明さんにかけた言葉とか、大船調の基本が「ヒューマニズム」だってことだとか。 寺山修司の著作から箴言を集めた「両手いっぱいの言葉 413のアフォリズム」(新潮文庫)も読む。映画と闇と夢についての言葉たちをさっそくメモする。 このあいだから読んでいた群ようこの「一葉の口紅 曙のリボン」を読了。 事実だけを年代順に追って、一葉の心理にちっとも踏み込んでいかないのがもどかしい。気持の変化はかろうじて書かれてあるんだけども、ちっともせまってこない。エッセイが大好きな群ようこだけに、ちょっとがっかり。
「gaku-GAY-kai 2004」の台本のため、「雨に唄えば」を見てみる。 今回の「贋作・毛皮のマリー」は、寺山修司の「毛皮のマリー」に、ビリー・ワイルダーの映画「サンセット大通り」をミックスする予定だ。正確に言うと、アンドリュー・ロイド・ウェーバーのミュージカル「サンセット大通り」をミックスする。 今のところ考えているコピーはこんなかんじかな?
サイレント映画のスターだった女形俳優のマリーさんは引退して、今では鎌倉山で静かに暮らしている。でも、夜な夜な横須賀の港でGIの袖を引いているというウワサも……。 そんなマリーさん、実は、まだカムバックの夢を諦めてないらしい。 きらびやかな贋物ばかりの寺山修司の名作を、もう一度ひっくり返してみようという贋作シリーズ最新作!
時代考証も何もかも全部でっち上げて、今年もまたべらぼうなお話を書いてみようと思う。 「雨に唄えば」は、まさにサイレントからトーキーに移行する映画界を描いた名作。 僕はずっとこの中で、悪声ゆえにスターの座から転落するリナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)をかわいそうだなあと思って見てたんだよね。ま、自業自得ではあるんだけれども。 で、このサイレント映画のスター、リナ・ラモント像をもとに「サンセット大通り」のノーマ・デズモンドは考えられたんじゃないかと思ってたら、製作年度は「サンセット大通り」が1950年で、「雨に唄えば」が1952年なことが判明。もしかしたら、「雨に唄えば」の方が「サンセット大通り」のパロディ的な要素を持ってるのかもしれない。 今回見直しての発見は、ラストに登場するリナが舞台で「雨に唄えば」を唄って、デビー・レイノルズ演ずるキャシーが吹き替えをしているシーンが一番おもしろくなりそうだということ。 「毛皮のマリー」のマリーさんの長台詞に登場する「かつこ」は、デビー・レイノルズなんだと勝手に決めてしまう。 使えそうなナンバーは、改めて見てみても「グッドモーニング」と「雨に唄えば」くらいかなあというかんじ。これに「蒲田行進曲」をプラスしてみたら、どうなるだろう。 まだまだひねりがいのありそうな題材、もう少し、あれこれ考えてから書き始めてみようと思う。 これから年末までは、「毛皮のマリー」のマリーさん、「サンセット大通り」のノーマ・デズモンド、もとい、僕が作り上げる、サイレント映画の女形スター、川野万里江とのおつきあいだ。
夕方、池袋にて、非蓮函の蓮子くんと会う。早瀬くんも一緒に。 お茶しながら、ひとしきりおしゃべり。 蓮子くんは24歳。早瀬くんより若いんだということに、ややショック。 いつもよりも「お兄さん」に見える早瀬くんのとなりで、大きくなった子供を見守る母親の気分。
仕事が早めに終わっての帰り道、思いついて、曳舟で降りてみる。 このあたりは高校時代の学区域なので、全然知らない街ではないのだけれど、わざわざ歩いてみるのは初めてだ。 「キラキラたちばな商店街」を歩く。野良じゃないネコがいっぱい道ばたに寝ている。 ほんとに昔ながらの商店街。コッペパンで有名な「ハト屋」が目当てだったのだけど、今日はお休み。惣菜やさんをのぞきながら、ぷらぷら歩く。 ネパール・インド料理の店「ポタラ」で食事。原色いっぱい、「ここは日本かい?」な店内にちょっとひくが、お店の人がとても親切であったかくて、すぐに和んでしまう。頼んだカレーも、焼きたてのナンも美味。満足。 十間橋通りからバスで浅草まで。 座る前に発車したせいで、よろけたおばあちゃんを支えて、となりに座ってもらう。「すみませんねえ」から「座るの待っててくれてもいいのにね」などとしゃべることになり、しばらく他愛もない世間話でやや盛り上がる。あんまりおしゃべりする相手いないのかもしれないなあと思うが、すぐに、僕もそう思われてるかもしれないことに気がつく。 浅草で降りるつもりが上野まで行ってしまい、終わりの方は、黙って一緒に窓の外の景色を見ている。一緒に降りて、お礼を言い合って別れた。 以上、お散歩な一日。
久し振りに髪を切った。 「約束」ではウィッグを使おうかどうしようかなかなか決心がつかず、「おばさんのヅラは高い」ということが判明し、地毛でいくことにした。 少しは毛先をそろえようかとも思ったのだが、時間がなく、また、毛先の遊びがなくなってぺたっとしてしまいそうだったので、そのままに。 あきやんからもらったヘアカラーで赤みを強くして、適当になでつけて、舞台に出た。 お客さんからは、「かつらだと思った」と言われる。去年の「プレゼント」のときは、かつらだったのに、「地毛だと思った」と言われる。らしく見えないということか。 こんなに短くしたのは久し振り。 脱おばさんキャラのはずが、素顔の水谷八重子(先代)に見えないこともない。 ともあれ、「gaku-GAY-kai 2004」の「贋作・毛皮のマリー」では、ウィッグを使うことがこれで決まった。早めに探しておこう。
高円寺にノグと一緒にとまり、10時に早瀬くんが来てくれて、マミーと四人で返しの始まり。 まずは、さやかちゃんの家と亀戸の倉庫へ。 道中、恒例のアンケートの朗読をする。ラジオのディスクジョッキーのように。 亀戸に荷物を降ろして、昼食。 その後、のぐの家経由、さっこちゃんの高津の家まで。 最後に荷物を降ろし、コーヒーをごちそうになる。 池尻大橋で降ろしてもらって、僕と早瀬くんは電車で帰ってきた。 一人になった半蔵門線の車内で、死ぬかと想うくらい眠くなる。 大荷物を抱えて、夕方のラッシュの時間帯、怪しい眼をしてうとうとしながら帰り着く。 母親と食事をして、即ダウン。 夜中まで爆睡してしまい、起きてびっくりする。
いよいよ千秋楽。 朝、まんまと寝坊してしまい大慌てで出掛ける。 開演までの時間をそれぞれのペースで過ごす。 最初はどうなるかと思ったこの劇場とも今日でさよならだ。 どこでもそうだけど、日が経つに連れて、「いいやつじゃん」と思えてくるのがうれしい。 モリエールという小屋は、ちょっとそっけなくて、クセがあるけど、実は温かい小屋だなあと思う。 マチネ開演。大楽よりもお客様が多くて、にぎやかに終わる。 お客さんの反応によって芝居が変わるということはないけれど、それでもお客さんの反応がいいと芝居もはずんでいくようだ。 昼夜の間の時間にコンビニと100円ショップに買い物に行く。 メークを落とすのがやや面倒だったので、そのまま。使うかもと思って持ってきていた衣装候補の服を着て、女装のまま新宿の街を歩く。 予想していたとおり、誰もがノーリアクション。 メークを落とさなかったので、ソワレの準備は、メークを直して、衣装を着るだけで完了。 千秋楽の舞台では、みんなきちんとしたいい芝居をしていた。 ずっと「もう一息!」と思っていた台詞や場面があちこちで「OK」になって、スタンバイしている舞台裏で一人でうなずいていた。 終演後、バラシはあっという間に終了。 10時から打ち上げ。 みんなに大入り袋を渡す恒例の時間。 今回の公演は、文字通りの大入りで劇団始まって以来一番多くのお客様にご来場いただいた。 スタッフ、キャスト、一緒になって閉店まで盛り上がる。 二次会はカラオケ。のぐ、にしやん、りょうちゃん、まみー、さっこちゃんと唄いまくる。 始発まで休憩なしノンストップ、文字通りオンステージなかんじ。 にしやんの歌いっぷりに感動する。ゴスペル風な森山直太郎に、あややに、ビートルズ。なんだかもうすごいとしか言いようがない。 僕はさっこちゃんのリクエストで「ジーザスクライストスーパースター」のナンバーを鹿賀丈史のように「熱唱」してしまう。それからイエモンの「球根」とか。こんなに濃い歌ばっかりを唄ったのは初めて。後半さすがに喉も体も疲れて、へろへろになる。
昼夜二回公演。 11時に集合して、みんなでアップ。 舞台の上で装置を使いながら、いろいろなことをしてみる。 今日のマチネが一番お客様の予約が多い回。 表方のスタッフがきっちり客入れをしてくれて、問題なく開演。 無事終了。 昼夜の間の時間に食事に出掛ける。初めて行った、エスニックなレストラン。昼間はカレーバイキングをやってるそう。ナシゴレンがとっても辛くて、びっくり。 夜の公演で「さくっと行って、すぐ帰ってくれば……」という台詞を「するっと行ってぱっと帰ってくれば……」と言ってしまい、みんなに迷惑をかける。「するっと」って……。 気をつけなきゃと思ってたら、一番いけないパターンが出てきてしまった。 終演後、わらわらと飲みに行く。 gaku-GAY-kai の話で盛り上がりながら、終電を逃さないよう、一足先に失礼する。
16時劇場入り。 定時で開演。 今日もまたお客さんに助けられながら、お客さんと一緒に芝居をつくっていけた。 あちこち気になっていたシーンがきれいにとおるようになった。 舞台裏でスタンバイしながら、一人で喜んでいる。 終演後、連日飲み過ぎなので、さっこちゃん、三枝嬢、宇田くんと食事。 讃岐うどんの「かのや」にて。
予定の16時開始より、一時間早く、あきやん、りょうちゃん、早瀬くんに来てもらって、場面の稽古をあらためて。 思いの外、ていねいな稽古になってしまう。 5時過ぎから音響、照明のきっかけを確認。 これで安心だ。 昨日、急にたくさんの予約がはいって、高市氏はチケットの用意におおわらわ。 開場後、にぎやかな客席の声を舞台裏で聞きながら、元気づけられる思い。 昨日よりもまた少しだけ、上演時間を縮めて、終了。
見に来てくれたぐんじくん、もりかわくんたちと一緒に飲みに行く。 芝居の話をたくさんする。 今日は、ちゃんと帰ってくる。
マチネが初日というのはふしぎなかんかくだ。 しかも、今回、一番大勢のお客様がきてくれている回。 またしても、お客様に助けてもらいながら、芝居がたちあがっていくのを実感する。 稽古場では見えなかったいろいろがどんどん見えてくる。 最後の暗転と一緒に拍手をいただく。 こんなこともめずらしい。 ソワレも大きな問題もなく終了。 終演後、見にきてくれた若さんみっちゃんマイたちと飲みに行く。 亜弓ちゃんさっこちゃん、さやかちゃんたちも一緒に。
帰り、携帯のメールを打っていて、北千住で電車を降り損なう。 綾瀬まで連れていかれ、どうにもならなくなり、上野まで1時発の深夜バスを頼りに戻るが、休日のためなし。 マック、松屋など、食べ物やを経由して、結局不忍池のまわりを歩き回って朝を迎える。 こんな初日の夜は初めて。何やってんだろう。あたたかい日でよかった。 始発で戻り、少し眠る。
2004年11月02日(火) |
「約束」劇場入り2日目 |
昨日の続きの稽古。 午後遅くに音響と照明のきっかけの確認。 ほんとうは昨日のうちにやっておかなきゃいけないんだけど、今日まで待ってもらっていた。 そして、夜、ゲネプロをする。 僕も出演しているので、役者に専念しなくちゃいけないんだけど、出番じゃないときには、できるだけ客席から見てみることにした。 昨日のすかすかした空間がきっちり埋まっていることを確認。 幕前の芝居が成立していることも確認。 幕切れの照明の演出もきまっている。 このあいだの通し稽古よりもまた少し短くなって終了。 さあ、明日はいよいよ初日。 >>>初日まで1日!
10時入りでモリエールに。 照明、音響の仕込みも早々と終わり。 午後から舞台の使い方を決めていく。 道具の置き方、幕前の芝居用の幕の処理。 初めての小屋で、どうしようかと思い悩むこといっぱい。 声の通りはなかなかいいのだけれど、反響が少ないので、台詞をしゃべっていてもどこか心許ないかんじ。 早く劇場に慣れないとと思う。 いつもは、小屋入り2日目に、「だいじょうぶ」という気になるのだけれど、今回は少しでも早く安心したい気持ち。 夕方から、小返しの稽古をする。 頭から気になる場面をどんどん返していく。 もともとは夜から通し稽古の予定だったのだけれど、緻密に稽古をしていくことに。 終わりまでたどりつかないまま時間切れ。 それでも、さっきまですかすかしていた劇場の空気が、手応えのあるものに変質したのを感じる。 みんなにもそのことを話す。 客席に向かって、どう届けようかと考えるより、舞台の上での関係がちゃんと成り立てば、それはそのまま客席にとどいていくんだ。 一日で、劇場を味方にした気分。 あとはどうやって一緒に生きていくかだ。
>>>初日まで2日!
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