せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年09月30日(火) |
小松川高校演劇部稽古 |
夕方、演劇部の稽古に顔を出す。 1時間だけの短い稽古時間。それでも、最後の場面の小返しをして、「これでいこう」という線を確定する。本来の戯曲の指定に沿った変更だ。 帰りにビルディでミーティング。弘樹くん、まさくん、夏織ちゃん、円香ちゃんの四人で。 効果音のことを中心に演出について、いろいろ話すのに、混ぜてもらう。 とりあえず終わったのは九時過ぎ。 帰り道、「こんな夜がいつかあったな」と思う。 いつもの稽古なら、10時過ぎまでが当たり前だから、もっと遅いんだけど、夜までうち合わせをして、亀戸あたりを歩いているかんじが、懐かしかったのかもしれない。 文化祭の頃はまだ暑かったのが、十月の地区大会の時分には、すっかり肌寒くなっている。 昔はそんな季節の変化を感じていたんだった。 そんな空気感が近かったのかもしれないな。 昔、よく行った居酒屋に寄ろうかと思ったのだけれど、さくっと帰ってくる。 夜中は、台本。いろいろな資料を読んでみる。「とにかく書く!」がモットーだ。書いているうちにエンジンがかかってくるのがわかるので、しばらく書いては、少し戻って手直しということをくり返す。
すっかり涼しくなったのだけれど、衣替えがまだできていなくて、どんな格好をしていいかとっても微妙。半袖だとちょっと寒いくらいだし。
午後、音響の樋口亜弓ちゃんに電話して、音響のプランを伝える。 前回の「Four Seasons 四季」同様、今回も一曲をテーマにしていろんなバリエーションを探してもらうことにした。
夕方から三軒茶屋で三枝嬢とうち合わせ。 三茶の駅でオリタくんとばったり会う。 パブリックシアターの「萩家の三姉妹」の稽古に向かうところだそう。 永井さんによろしくと挨拶する。 三枝嬢には、僕の衣装のことなどの相談にのってもらう。 通販を利用した方がいいという結論に。 来週にでもカタログを持ってきてもらって、実際に注文しようと思う。
最寄り駅の自転車置き場に着いたら、後輪が見事にパンクしている。 朝は平気だったので、誰かが空気を抜いたのか?と思ったのだけれど、ぺこぺこの度合いがひどすぎる。 押して歩くのもよくない気がしたので、そのままにして、徒歩で帰る。 自転車は明日、すぐ近くの自転車屋でなおしてもらおう。
歩きながら、小松川高校演劇部のマドカちゃんから電話をもらっていろいろ話をする。 明日の稽古に顔を出させてもらうことにした。
2003年09月28日(日) |
小松川高校演劇部稽古とタックスノット |
今日は朝九時から稽古を見せてもらいに小松川高校へ。 こんな時間にこの道を歩くのは何年ぶりだろうかと平井の駅前で思う。 しかも日曜日だし。
体育館がバスケ部の公式戦で使えないということで教室での稽古。 静かなところでじっくりできてかえってよかったかもしれない。 稽古が始まってすぐ気がついたのは、冷房がないということ。 使っていないだけなのだけれども(たぶん)、窓を開けてブラインドを降ろして、荒川からの風が部屋に入ってくるだけの教室。 初めはちょっと暑いかもしれないと思ったものの、だんだんいい気持になってくる。 僕が現役の頃には、クーラーなんてこれっぽちもなくて、これが当たり前だったんだよなと思い出した。 みんなのやっている基礎トレの後で、僕が普段やっているトレーニングを紹介する。 部屋を歩いたり、拍手を回したりというゲーム。 稽古は、昨日やったラストの段取りを確認して、頭から小返し。 いない役者が何人もいる中、代役がきっちり出来てしまうことに驚く。 台詞が出なくても場面にいる人が、客席からの台詞に合わせてきっちり動いていることにも。また、それが実にいい味だったりするのもおもしろい。 人数が足りないところは、同じ場面に出ている役者が、人の台詞までしゃべってしまって、流れがとまらない。 さすがに一夏まるまる稽古していただけのことはあるなあと思う。 お侍姿の佐藤弘樹くんに「どうですか?」と心配そうに尋ねられる。 「いいチームワークができれば、だいじょうぶ、きっといい物になるから」と太鼓判を押す。 夕方の五時までおじゃまして、てくてく帰る。 こんなに長い時間稽古場にいるのは、久し振りだ。 フライングステージの稽古でも、午後から夜までで、稽古が終わった時間に夕日を眺めて歩いているというのはとても新鮮。
夜は、アイランドとタックスノットへ、「PRESENT」のフライヤーを持っていく。 アイランドではひさしぶりなシマさんに会えてうれしかった。 タックスノットでは、左腕が痛いというパチパチや御苑のデート帰りでるんるんしているカッツさん、西野浩司さん、ヘンリックさん、そして、この間の北海道の地震のとき釧路にいて、文字通り「突き上げられてしまった」タクトくんと会う。 帰りしなに、ミヤシタさん、シンジくん、そして、盲腸で入院していた郡司君とも。 お見舞いにも行けなくてごめんなさい。 まだ調子が悪くて、仕事は休んでいるのだそう。 とりあえずは元気な顔が見られてほっとした。
2003年09月27日(土) |
小松川高校演劇部稽古と顔合わせ |
朝からの約束を昼過ぎからにしてもらって、小松川高校の演劇部の稽古を見せてもらいに行く。 井上ひさし作「イヌの仇討」。ラスト近くの稽古をしているところだったので、そのまんま見せてもらう。 体育館でバスケ部がにぎやかに練習している前の舞台での稽古。 ここでせりふの受け渡しをするのは大変だ。 それでも、ラストに向けて、どんどん芝居ができあがってくることに、感動する。 文化祭の舞台をより練り上げて行くにはどうしたらいいかを考える仲間にまぜてもらっているかんじだ。 3時過ぎに同じOBの小林君が登場。 しばらく一緒に見ていってくれる。 帰り道、小林くんが「滅びの美学みたいなのが感じられてほろっとしました」と言っていた。 僕もほんとにそう思う。 もっともっといいものになっていくようでワクワクする。
朝までかかってようやく生まれてくれた人物たちとお話をもうひとがんばり手直ししていく。 小松川の現役の子たちのがんばりが、あきらかに僕の背中を押してくれている。 台本というよりもしゃべっている言葉を記しただけのような、不思議な本になっている。 この間まで書いていた台本の理屈っぽさはみじんもない。 絶好調でどこまでも書き進められてしまいそうなのを、時間がきたので、途中で切り上げて、高円寺に向かう。
電車の中でもワクワク手直しをしていたら、うかうかと荻窪まで運ばれてしまい、あわてて戻る。土曜日だということをすっかり忘れていた。
八時から顔合わせ。 持っていった台本のコピーをお願いして、30分ほど遅れてスタート。 制作からの説明、僕からの挨拶、そして、持っていった部分の読み合わせ。 さくっと終わる。
心配していたフライヤーの裏面がきれいにできていてほっとする。 文字とイラストが重なる部分の濃淡の微妙さが、ちょうどいい具合になっていた。 お開きのあと、キッちゃんの恋人の話やらで、楽しく盛り上がり、流れ解散。 僕は、新宿経由で途中までノグと一緒に帰る。 ほんとにひさしぶりに彼と芝居の話をする。
部屋に戻って、今日はいい一日だったと思い返した。 3日分をまとめてドカンと眠ってしまう。
明日は顔合わせ。 台本を持っていく約束なので、ばりばり書く。 が、これまで書いてきたものをやっぱり捨てることにする。 今週のあたまに制作のタカイチ氏に、ルンルン進捗を伝えた、26ページまで書いたものを破棄。 実は、一度はあきらめたプロットをあきらめきれずに行けるところまでいこうと書き進めていたんだった。 HIVに感染した主人公と十年前の彼が同時に登場して、この二人(一人)が、この十年間という時間を自在に行き来しながら、日本のエイズについて検証(?)するというお話。 この二人は僕と早瀬くんで演じようと思っていたのだが、十年でいくらなんでもそこまで変わっていいものかとか、芝居の結末が前に書いた話のラストとほぼ同じになってしまうこと、などを考えて、今の時点での上演には向かないと判断した。
で、新しい台本を書き始めている。 でも、書けない。 この頃の悪いクセで、台本に煮詰まると、もとい、最初に書き出す前には、文字通り吐いてしまう。 高円寺にいたときと違って、散歩で気を紛らすということもしづらいので、部屋にこもっているとどんどん追い詰まってくるのだと思う。 産みの苦しみなのだろうと思うが、それにしても面倒な身体になってしまった。 そのうちに、吐くことで何かから逃れているような気にさえなってきて、ますます気が滅入る。 それでも、向き合う。 パソコンの画面の向こう、キーボードを打つ僕の指の向こうに、きっと生き生きとした人物が待っていることを信じて。
2003年09月25日(木) |
2003/2004秋冬 カルバン オートクチュール |
中出順子さんと待ち合わせをして、カルバンのコレクションを見に行く。 会場は、アークヒルズのカラヤン広場。 2003/2004秋冬オートクチュールのコレクション。 マダム・カルバンは、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラの衣装をデザインした人だ。今のデザイナーは、パスカル・ミエ。 ジバンシイで経験を積んだ人だけあって、テーラードがとてもきれいだ。 ただ、これがオートクチュールなの?という気がしないでもないかな。 終演後、中出さん、伊藤さん、それにプルミエールビジョンの西村さんと、中出さんの誕生日祝いでさくっと飲みに行く。西村さん、ごちそうさまでした。
2003年09月24日(水) |
フライヤー入稿とメガネ |
朝から、プリントネットワークさんへフライヤーの入稿。 今日の午前中に入稿すれば土曜の顔合わせに間に合うということで、今回も大助かりだ。
このところずっと不便をしていたので、ついに眼鏡をつくることにする。 9月の頭の台風のとき、雨の中、傘を差して自転車に乗って出掛けようとしたら、強い風で傘がおちょこに。 急いでいたので、傘を直して、そのまま駅に向かったのだが、そのとき、どうやら、眼鏡をとばされていたらしい。 気がついたのは駅に着いてから。帰りに道ばたを確認したのだけれど、みつからず。 コンタクトばかりでくらしていたら、ほんとに目の調子が悪くなってしまったのだった。 パソコンにむかってばかりいるせいもあるのだろうけど。 新宿の眼鏡屋さん。 5000円でできるというのを、さくっと作る。 とっても親切な、もとい、「話上手」な検眼師(っていうのかな)のお兄さんと楽しくやりとり。薄手で割高なレンズをすすめられるが、「早くて安いというのが今回のテーマなので」とお断りする。 それでも、できあがった眼鏡はそれなりに快適。何より、もう目が痛くない。 猫のシューは今日も大人しい。 びっこはそれほど気にならなくなったんだけどね。 「やっぱり気が弱くなるんだね」と母と話していたが、部屋で丸くなって寝ているのは、ただ寒いからだけかもしれないと気がつく。 ずっと部屋においていた「冷風扇」を物置にしまった。
お墓参り。母と妹夫婦、それに甥っ子姪っ子、計7人で葛飾までお墓参りに行く。 というか、義弟の車で連れて行ってもらう。 一昨日の日曜が雨だったせいか、お寺はすごい人だ。 往復の車内の時間に比べれば、ほんとにさくっとお参りをすませる。 帰ってきたら、猫のシューがびっこをひいている。 どうやら、階段のすべりどめに爪をひっかけて落ちたらしい(母の推測)。 そのせいか、すっかり気弱になって、大人しく寝ている。 原稿を書いているぼくの部屋にだまって入ってきて、ソファで丸まっていたりして……。 明日も痛そうだったら医者に連れていこうと母親と話す。 夜は、フライヤーの裏面の仕上げ。 今回、用意してもらった二つのデザインを、裏表の両方で使うことにした。 文字のレイアウトに苦心して、結局、朝まで。
昼間、マツウラくんとフライヤーのやりとりをする。 ようやく決まってほっとする。あとは裏面をつくるだけ。
夕方、ちょっと一休みのつもりで横になったら、起きたのは9時40分。 まんまと寝過ごして、タックスノットに行く約束をふいにする。 大慌てでウスイさんに電話。笑って許してもらう。 その分、がんばらなくてはと、今日も徹夜。
2003年09月21日(日) |
小松川高校文化祭「イヌの仇討ち」 |
昨日に続いて、今日も見に行く。 昨日よりも、ずっといい仕上がりになっていてびっくり。 ほんとに、一日でこれだけ変えてしまう、若さにはいつもながら感動する。 今日は終演後、わりと時間をかけて感想を言う会が……。 僕らが現役の頃にはないシステムなので、気をつかいながら、それでも思ったことをいろいろ言わせてもらう。 その後、駅前のビルディで現役、OB入り交じりでお茶。 二年生の佐藤弘樹くんとほとんど初めてちゃんと話す。 去年の新人公演から見ているのだけれど、十代の男の子の一年間の成長ぶりがまぶしい。 彼は地区の活動もしっかりやっていて、ほんとにたくさんの舞台を踏んでいる。 初々しさが落ち着きになっているのが頼もしい。 現役三年生のみんなにもひさしぶりに会えてうれしかった。
2003年09月20日(土) |
小松川高校文化祭 トレーニング |
母校、都立小松川高校の演劇部文化祭公演、井上ひさし作「イヌの仇討」を見に行く。 演劇部OBの面々とひさしぶりにあいさつ。 「イヌの仇討」は、忠臣蔵の討ち入りのお話を、吉良上野介の側から書いたお話。 一杯道具の2時間の芝居を、1時間にまとめて上演してる。 よくぞこんな大変なものを……というかんじだ。 侍姿の男子がきりりとがんばっているのが気持ちいい。 終演後、簡単に挨拶をして失礼する。
フライングステージの公開トレーニングも今日が最後。 ワタルくん、スワさん、サクラダさん、三枝嬢、ホソちゃん、それに久し振りなトシくんと彼の大学の後輩の小林くんがゲスト。フライングステージのメンバーは、マッスーとキッちゃんと小林くんに僕。ゲストにやや押され気味なかんじ。 基礎トレのあと、発声、それから、課題の「エレクトラ」を。 大人数&電車が遅れたりしたので、思ってたよりもはかどらず、最後になったあたふたする。 小林くんの基礎力養成を目標にしていた今回のトレーニングなのだけれど、微妙に時間が足りなくなってしまったかもしれない。 公演に向けての稽古でもう少しフォローをしておこうと思う。
2003年09月19日(金) |
bird's-eye view「UBU ROI dub」 少年王者舘「それいゆ」 |
bird's-eye viewさんの「UBU ROI dub」を法政大学の学生会館に見に行く。 ジャリの「ユビュ王」をもとに6つのカンパニーがそれぞれ再構成してみようというこころみの一つ。 床に白砂をしきつめて、そこで少女達が「ユビュ王」ごっこをして遊んでいるようなかんじ。 男女を問わず、出演者はみんな白いパンティに白いブラジャーという衣装。 ピエールくんも小野くんも山中郁ちゃんも! 後半、ユビュおっかあをやっていた小野くんは、これが本役なかんじだった。「少女たち」という世界からはちょっと遠くなるんだけどね。このあたりのピエールくんと郁ちゃんとのからみは、それまでのみんなで遊んでる風から、少し芝居っぽくなってて見応えがあった。 初めて見る日栄洋祐くんが、なんとも魅力的で「発見!」なかんじ。 終演後、内藤くんにだけ挨拶して、失礼する。ちょっと急いでいたのと、下着姿だったみんなに会うのはやや照れくさかったりしたので……ごめんなさい。 フライヤーのデザインをもらいに、茗荷谷のマツウラくんのところへ。 途中、ポケットの高橋さんから、フライヤーの校正についての電話をもらう。 地図はほぼOKということでほっとする。 マツウラくんから、修正版を2案もらって、すぐ折り返す。 急いで、高円寺に届けたら、誰もいなかったので、新聞受けに入れておく。 で、今日の二本目、少年王者舘の「それいゆ」を見る。 見てみたい芝居だったのと、役者&舞台監督の蓮子くんからメールをもらったのがきっかけで初めて見にいく。 客席でいっこうちゃんに遭遇。 お話は、……なんていっていいのかわからないんだけども、とってもおもしろかった。小ネタに「賭けてる」かんじとか、スタッフワークの見事さとか。 とっても楽しい二時間だった。 スーパーの袋を着た(!)松島トモ子が、何ともイカしてた。 終演後、蓮子くんと会い、タックスノットで待ち合わせ。 ウスイさんとようやく会えてお話できる。よかった……。 蓮子くんとは芝居の話をいっぱい。終電までもりあがってしまう。
2003年09月18日(木) |
歌舞伎座「河内山」「歌舞伎美の世界展」 |
電車に乗って、向かいの窓に映る自分の顔を見ていたら、何だか、いろんなものが「下がって」るようで、これはいかんと思う。たしかに悲しいことがあったり、疲れてもいるんだけど、まっさきに顔からやつれてくるのはどういうわけだろう。 ずいぶんのびてきたヒゲも下に向かうベクトルを強調している気がする。そろそろ剃ろうかな? 歌舞伎座昼の部の「河内山」を思いつきで見に行くことにする。 あまり好きな芝居じゃないんだけど、歌舞伎座にある活気がなんだかとても懐かしくなった。 幕見席の一番前で見始めたのだけれど、案の定、前半、うとうとしてしまう。 となりに座ったおじさんが、かなりプロっぽい大向こうさんで、「二代目!」とか「たっぷり!」とか見事な声をかけてて、時々びっくりして起きる。 それでも、河内山の正体がばれてからのせりふはやっぱり気持がいい。吉右衛門も、かろがろとした芝居がいいかんじだ。最後の「馬鹿め!」もすっきりする。 その足で、松屋銀座でやってる「歌舞伎美の世界展」を見に行くことに。ロビーにあった半額割引券にひかれて。 実際に使われた衣装や小道具がたくさん展示されてる。 衣桁にかけて裏からも見ることができたりする、見やすい展示のしかたで、細かいところまでじっくり見ることができた。 この間「無間の鐘」を花道キワで見たときにも思ったんだけど、絹物の着物を芝居の衣装でずっと着るというのは大変なことだと思う。 間近で見たら、けっこうくたびれてたもんね。 それでも、ていねいに手入れをして、汚れがつかないように、役者も気をつかって、その果ての衣装が展示されてるんだ。 会場で、玉三郎の道成寺のビデオがずっと流れてる。十年以上前の踊りが、とても懐かしい。 衣装と一緒に会場には、おばさんもいっぱい。こちらもいろいろ観察して、参考になることが多かった。
駅前の駐輪場に先週の土曜日(札幌に行く前)から止めっぱなしの自転車に、ようやく乗る。 100円ショップで買った、圧縮空気(たぶん)を入れたら、軽々と走るようになった。やっぱり体力がなくなったんじゃなかったよね。 最初は札幌の100円ショップで同じものを見つけて買ったんだけど、千歳空港であっけなく没収されたんだった。100円だからまあいいんだけど。ガスボンベの機内持ち込みができないことをすっかり忘れてる自分にあきれた。
夜、薄井さんから電話をもらう。元気な声にほっとする。 「gaku-GAY-kai2003」のこと、来年の二人の芝居のことなどなど、話すことができてうれしかった。来週の月曜のタックスノットには、かならず行こうと思う。
「PRESENT」のフライヤーの裏面をとりあえずデザインしてみる。 何もないところから「世界」をつくる台本書きと違って、あらかじめあるもののレイアウトをする地道な作業は、いい気晴らしになった。
あちこち移動しながら台本を書いている。 移動の途中、電車の吊り広告で「anan」の表紙のV6の岡田准一のヌードを見かける。 なんだかとってもパーフェクトだ、僕的に。 勢い込んでコンビニで実際に手にとってみたら、彼の写真はあわせて4枚だけ。しかも、いいかんじと思えるのは、吊り広告で見た表紙のみ。 買おうかどうしようか迷いつつ、「セックス特集」というのがどうにも暑苦しくて、パスしてしまう。 でも、それにしてもきれい。陳腐なたとえかもしれないけど、ギリシア彫刻みたいなボディがすばらしい。だけれども、中身の写真と微妙に違うような気がしないでもない……。まさか、アイコラじゃないよね?
夜、携帯にもらった電話を折り返すのに、相手の部屋の(携帯じゃない)電話にかけようとしたら、番号の記録がどこにもない。おかしいなと思い、あ、前の携帯には登録してあったはずと思いつき、今や電話帳代わりになってるそれを取り出した。 いつものとおりバッテリーがあがっていたので、大急ぎで充電を開始。そうしたら、なんと、画面に「初期化しています」というメッセージが!!! どういうことよ!!? そういうわけで、昔(去年の暮れまで)の電話番号のアドレス帳が全部消えてしまった。やっぱりちょっとショック。まあ、きちんと移しておかなかったのがいけないんだけどね…… この頃、僕はすっかり電話で話すことが少なくなった。 話したいそのときに、すぐ電話して、生の声をきく。携帯の便利さはそこにあったはずなのに、いつのまにか「こんな時間に電話してだいじょぶかしら?」と心配するようになってしまった。どんな時間でも同じように。 携帯じゃない地上(?)の電話やFAXを送るのにも気を使っているのに気がつく。やっぱりちょっとおかしいよね。どうなっちゃったんだろう。
2003年09月16日(火) |
風邪っぴきと「スイカ」 |
昨日から鼻水と咳が出てつらかったのだけれど、案の定、朝から熱が出てる。 クスリを飲んで、ずっと眠ることにする。 喉がいたくてたまらない。クラブでたくさんしゃべったのがこたえたのかもしれない。煙草もずいぶん吸ったしね。あまり辛いので、のどぬーるスプレーのお世話にもなる。 腕の発疹は、まだかゆみがひかない。こちらもクスリをべたべたと。 今日は夜からトレーニングあるのだけれど、連絡してお休みさせてもらう。みんなで話して稽古自体をトリにしてもらってもいいと伝えたら、今日はなしということになった。 参加の連絡をもらってたみんなにはちゃんと連絡をして寝ていたら、ワタルくんから「遅れます」のメール。あわてて「ごめんなさい、今日はナシになったの」と電話。その後、ムラポンからも連絡をもらい、ごめんねと謝る。あちゃー……。
録画しておいた「スイカ」第9話を見る。 今回は、ガンで入院した小林聡美の母親役の白石さんの病室仲間(?)で田根楽子さんが出てた。田根さんは第一回で、初めて小林聡美がハピネス三茶にたどりつく前に、道ばたで会った近所のおばさんとして登場してる。そんな役者の使い方もなんだかとてもいいかんじだ。 浅丘ルリ子は、今回、喪服で登場。さすがに着物着こなしが見事だ。で、友達がおいていった甘栗を段ボール一箱一度に食べて、「ふんづまりになって大変だったわよ」なんてせりふを言ってる。もう、すばらしい!! あと一回で終わってしまうのかと思うとほんとに残念だ。 札幌でイナガキジュンくんに教えてもらったのだけれど、たしかに予告編が間に合ってなくて、これまでのつぎはぎの映像で、ただ「最終回」というお知らせだった。 彼からは、来週「やっぱり猫が好き」の新作の放送があるとも教えてもらった。月曜の深夜、1時間枠。これも忘れずにチェックしておこうと思う。
朝早く旅館を出て、一日、あちこち移動しながら台本に向かう。 でも、この頃の調子の悪いマックのバッテリーがみるみるあがってしまう。 電源のあるところを探したのだけれど、うまく見つからず、途中からノートにメモするやり方に変更。 体中を虫にさされている。たぶんダニだと思うのだけれど。 特に左腕がものすごいことなっている。昨日買った薬を塗っても、痒さはおさまらない。 きっかけは、行きの飛行機の毛布だったかもしれない。でも、そんなことあるんだろうか。タイミングとしてはそうとしか考えられないんだけど。 円山公園にあるマルヤマベーカリーでパンを買う。 「ゴッホからの最後の手紙」の稽古で札幌に一ヶ月滞在したとき以来、札幌に来るたびに寄るパンやさんだ。駅の地下にある「BOYS BE」というコーヒーやさんもお気に入りだ。 千歳に早めに行って、おみやげを選んだりして、時間をつぶす。 飛行機は21時25分発。こんなに遅い便は初めて。 4FのラウンジでアイスコーヒーのLサイズを頼んだんだけど、席に運ぶ途中で、うっかり倒してしまって大惨事に。シャツもおみやげもコーヒーにまみれてもう大変。 ようやく片づけてから、今度はビールを頼んで「落ち着かないと……」と座ってたら、昨日のアフターパーティで会い損なったミオちゃんとナヤさんに発見される。 今日は何してたのとかそんな話をひとしきり。彼らは9時の飛行機なので、一足先に出ていった。 9時過ぎにみんなと合流して、機内へ。窓際の席で、夜景がとってもきれいに見える。月がずっと見えているのが不思議なかんじだった。 羽田に定刻の22時55分について、あとはダッシュしてモノレールに。乗り継ぎに気をつけないと帰れなくなってしまうので。 モノレールの中でさっきまで一緒だった伏見憲明さんにまた会う。隣に座ってしばしおしゃべり。 伏見さんは、先日、初めて書いた小説で「文藝賞」を受賞したばかり。カミングアウトしたゲイの作家が誕生したことがとってもうれしい。作品は10月の頭に発売される「文藝」に掲載されるそうで、今からとても楽しみだ。 浜松町で伏見さんと別れて、JRへダッシュ。その後の乗り継ぎもうまくいって、となりの北越谷までは来ることが出来て、あとはタクシーで帰宅。 きっと蒸し暑いはず……と思ってたんだけど、そうでもない。窓をきっちりしめて、どんと眠った。
2003年09月14日(日) |
レインボーマーチ札幌(2日目) |
朝から快晴。 ただ、すごい風が吹いていてとても寒い。 集合場所のテレビ塔下に出掛けていく。 参加者が続々集合。去年よりも大勢の人が来ている気がする。 ここでもまた懐かしい人たちに会う。 日射しはどんどん強くなって台風一過のすごい天気に。露出の高い人が見る見る日焼けしていくのを心配しながら見てた。 1時に出発。初めての集合場所、ルートということもあって、所々トラブルもあったみたいだけど、歩き出してしまえばもうだいじょうぶ。札幌の街をパレードする。 札幌のパレードは、毎年本当にいい気持ちだ。 道路が広く碁盤の目のようになっている札幌の街では、道路をきっちり通行止めにしてパレードをさせてくれる。警察の規制も東京のくらべればずっとゆるやかだ。 フロートもとっても背が高いし、風船もみんなで持って歩ける。 すすきのをぐるっとまわって、駅前通りでみんなで風船を空に飛ばす。 真っ青な空にカラフルな風船が消えていく。毎年ここでじーんと感動する。 二丁目レインボー祭りの花火もそうだけど、この「上を見上げる」っていうのが、いいのかな? ともかく、みんなとってもいい顔で空を見上げた。 その後、大通公園をぐるっと回って、テレビ塔の下で集会。 今回の目玉はなんといっても、上田札幌市長が挨拶に来たことだ。 これはもう日本で初めて! レズビアン&ゲイパレード(プライドマーチ)を開催する街の首長が集会に参加するなんて。 上田市長の挨拶は、「私たち札幌市民は、あなたたちセクシュアルマイノリティを歓迎します」というものだった(すっごい要約するとね)。 とっても感動的なスピーチだった。何人も何人もの参加者が涙ぐんでいた。もちろん僕もだけど。今これを書きながらもうるうるしている。 札幌の市長選挙の頃から、公開質問状を出すなどして、積極的にアプローチをしていた実行委員会が、セクシュアルマイノリティの人権について前向きに考える考える、もとい、レインボーマーチには参加もしくはコメントを寄せると解答した上田市長が当選した結果、「それなら来て下さい」と交渉して実現したのだそう。これはほんとうに歴史的な事件だと思う。 初めはメッセージを寄せるだけの予定だったのが、本人が挨拶に来ることになり、そのことを発表する記者会見に、今年の実行委員長のケンタこと桑木昭嗣さんは、ドラァグクィーンを二人連れていったそうだ。やるね!! 市役所の職員はみんな目を丸くしていたって。 夜から、旅館で大宴会。楽しく盛り上がる。テラ出版のみなさん、そして平井社長、ほんとうにありがとうございました。 そんなこんなで、メインのパレードも終わったので、僕は、じょじょに劇作家モードに頭を切り替えていく。 夜の札幌の街をいいかげんにふらふら歩きながら、あれこれ考えをめぐらす。 遅くなってアフターパーティに参加。 今日はドラァグクィーンというよりは、ゴーゴーボーイのみなさんを堪能する。ツヨシくんのショーをほとんど初めてちゃんと見て、感動する。自我をなくして溺れるように陶酔しきって踊るゴーゴーボーイが多い中、彼はずっとどう観客をコミュニケートしていくかということを考え続けている。彼のダンスを、一つのパフォーマンスとして、ほんとにおもしろく見させてもらった。 イナガキくんと再会して、思い切り話しこむ。「スイカ」のことやら、パレードのことやら。 さくさくと帰るつもりが、ムラポン、去年の実行委員長竹村くんなども加わって、クローズの時間まで。 いやあ、いい夜だった。 毎年思うことだけれど、札幌のパレードはかならず感動をくれる。 元気のもとといってもいいかもしれない。 これがパレードのいいところなんだ。運営する側の苦労はよくわかっているけれど、一参加者としてのこの気持を忘れないでいたいと思う。 この元気をもとにして、きっと僕はまた芝居を続けていける。 初めて札幌にフライングステージを呼んでもらったのは、96年の2月だ。札幌ミーティングのみんなが吹雪の中、フライヤーを配ってくれて、ほんとにたくさんのお客さんに見てもらえて、ほんとうにうれしかった。後で「ゴッホからの最後の手紙」の稽古のとき、斎藤歩さんが「あんなふうにチラシ配ってるの久し振りに見て感動したんだわ」と言ってくれたのが、彼等のことだった。 公演を終えた翌日、みんなで札幌駅のホームまで見送ってくれて、僕らはなんて幸せなんだろうと思った。 その初めての札幌公演の帰りの飛行機の中で、僕は、4月に予定していた芝居の企画を全とっかえすることにした。そうしてできた芝居が「陽気な幽霊」だ。あの芝居は、札幌のみんなからもらったパワーでできている。 「陽気な幽霊」という芝居はフライングステージの一つの節目になった芝居だ。 再演して、池袋演劇祭のグランプリをとって、フライングステージの代表作になってる。 今回のパレードからも、僕は何かをちゃんともらって帰ってきた気がしてる。 いい芝居をまたつくろう。
2003年09月13日(土) |
レインボーマーチ札幌(1日目) |
朝9時の飛行機で札幌へ。バディ編集部のご招待で今年も札幌レインボーマーチに参加する。 新千歳空港に降りると外は雨。とても寒い。東京はあんなに蒸し暑いのに。 札幌へ移動して、交流会。 全国のこういう機会にしか会えない友達といっせいに会う。これがパレードで一番うれしかったりする。 討論会のパネラーとして、日本のパレードについて話す。札幌と東京のパレードの違いについてもいろいろ見えてくる。 交流会の途中で移動して「親が語る会」に参加。 参加者全員が自己紹介をしただけで二時間以上かかってしまう。親との話、子供との話をそれぞれ語った。 ワタルくんのパートナーのノブくんのお母さんとご挨拶。ワタルくんのお母さんも参加している。二人が語った話もとてもいい話だった。 もともとはゲイの子供を持つ親御さんが孤立しないようにというネットワークづくりの会なのだけれど、今日は親のいないゲイ(この場ではね)が自分自身のカミングアウトの経験を話しているようすが、どこか甘くてせつないかんじがした。親よりも子供の方がいやされてるというか。 お世話になる旅館に移動して夕食。 そして、前夜祭のクラブイベントに出掛ける。 その前に、ハーティ@カフェに行って、ユーコさんと会う。美輪さんの「老女優は去りゆく」を演じてくれる。みんな感動!!その後のちあきなおみもすばらしかった。 その後、みんなで移動して、前夜祭へ。 今回初めてのクラブがなかなかいいかんじ。 交流会から一緒のミオちゃんナヤさん、ヤマガタくん、ズッキーたちと合流。 ショータイムに感動。札幌の若いドラァグクィーンたちがほんとに頼もしくなってきてる。東京勢では肉襦袢ゲブ美さんの夏木マリが最高だった。エスムラルダさんのショーにはズッキーも出演、いい味だった。 外はすっかり雨模様だったのだけれど、ショータイムが終わった2時過ぎに外に出たら、小雨の降る中きれいな月が見えた。 明日の中止の確率は5%とのこと。よかったねとみんなで話す。
2003年09月11日(木) |
新国立劇場「アイーダ」ゲネプロ |
市川裕之さんのご招待で、新国立劇場の「アイーダ」のゲネプロを見に行く。 市川さんは、2幕の凱旋の場面で踊っているのだそう。 フランコ・ゼフィレッリ演出の豪華スペクタクル版の再演。 いやあ、すごかった。 舞台装置のこれでもかといわんばかりの豪華さ。全部の場面がほんとエジプトの遺跡のよう。 中でも、2幕2場の凱旋の場面。「アイーダの大行進曲」が流れて、ものすごい人数が登場する。メインのメロディが流れる寸前に二頭の本物の馬が登場。本物感もすごかったが、それよりも、その微妙なタイミングを選んだ登場のさせかたが心憎い。 それからあとは、もう出るわ出るわ。迎える群衆だけでも100人以上。みんなが芝居をしている。子供達大活躍。バレエのシーンは、メインを踊る男性がとってもよかったなあ。 「アイーダ」というオペラはお話としては、かなり粗い筋立てだと思うんだけど、僕は、2幕の凱旋の場面の高揚感と、4幕のアムネリスが大好きだったりする。 ので、3幕までを二階席の正面で見て、4幕を舞台よりの上手バルコニーで見ることに。アムネリス役のルチアーノ・ディンティーノさんが、大熱演。ラダメスに死刑が宣告された後、「死にたいわ」と大きな柱の下にうずくまって歌う姿がとってもよかった。 本番の華やかさがないぶん、休憩時間がやや寂しかったけど、中身としては大満足のグランドオペラだった。市川さん、どうもありがとう。 終演後、キューブでやってる「Mナイト」の案内をアルピーナさんからもらっていたのだけれど大急ぎで帰ってくる。ごめんね!!! 空には中秋の名月がくっきり。少し離れて、大接近の火星。新宿のビル群を背景にものすごい絵になっていた。
2003年09月10日(水) |
健康診断 トレーニング |
家の近くの(といっても自転車で10分ほど)の公民館で越谷市の健康診断を受ける。 大人になってからこの手のことをするのは初めてだ。 一度も正社員になったことのない経歴は、そのまんま不養生のあかしかもしれない。 問診票に記入をすませ、レントゲン、身長体重、尿検査、血圧、問診、採血という流れ。 近所のおじさんおばさんが中心の客層。というか、自営業の人向けだから自然そうなるんだろうけど、ガテン系が多い。ただし、若い男子は絶無。 身長体重測定では、「え、そうなの?」と、やや驚く数値が出た。 体重はともかく、身長が「縮んでいる!!」。 姿勢のせいか、体重が増えたせいで沈んだのか? 尿検査はすぐ結果が出て、問題なしということに。 血圧も正常。問診も異常なし。血液検査の結果は後で通知が来る。 採血のあと、すぐに帰ろうとしたら、女性のお医者様に「五分待ってください。ちゃんと押さえて」と注意される。 しばらく我慢していたが、傷口が気になったので、脱脂綿をずらしてのぞいていたら、また注意される。今度は「ちゃんと押さえてないと、顔がむくみますよ!」って。そんなことあるのか? きっちり五分後、外に出る。 公民館は川沿いに立っている。地区の治水センターと併設されているきれいな建物。 今日の日射しは強烈だが、川風が心地よい。 自転車でいったん家に戻る。
夜はトレーニング。 その前にバディの編集部に寄って、札幌行きのチケットをいただく。 ジュンちゃんと伏見憲明さんの文藝賞受賞について話す。ほんとすごいよねと言い合う。 カミングアウトしたゲイの小説家が誕生したわけだもの。
トレーニングは、マミーが風邪でお休み、三枝嬢とワタルくんが仕事でお休みで、予想外の少人数に。 マッスー、小林くん、早瀬くん、僕に、ゲストはスワさんとナスさん。 基礎トレをさくさくやって、最後は「エレクトラ」。 一週間ぶりだというだけで、微妙に身体がとまどっているのがわかる。 声も本調子じゃないし。演じる身体と作家の身体は違うんだなあと考える。もうしばらく作家の身体でいたいので、今日は実籾体操はパスさせてもらう。股関節も心配だったので。 スワさんから、またしてもいろんなジオマン用ネタを提供してもらう。ナスさんと二人でジオマンの企画についてあれこれ話す。 スワさんは、僕がジオラママンボガールズのサンドラだということを知らずにいたそう。 ナスさんと「だませるね!」と喜び合う。 今年のジオマンは候補曲がいっぱいで楽しみだ。 とりあえずのラインナップは、「いやあ、かなわんわ」(トリオ・コイサンズ)、「こっち来てトゥナイト」(サッフォー)、「三味線クンパルシータ」(岩本きよみ)、「太陽ハント」(マリアンヌ)、「売れ残ってます」梓みちよ。この中から三曲を選ぶことになりそう。 「うち合わせはいつ頃から?!」とはやるナスさんに、「お願い、ちょっと待ってね」と言わなきゃいけないのが申し訳ない。
2003年09月09日(火) |
「非戦を選ぶ演劇人の会」ミーティング |
10時から梅ヶ丘BOXで演劇人の会のミーティング。 梅ヶ丘は久し振り。駅に降りたら高架になっていてびっくり。 この間のリーディングの制作のまとめと、これからのことを話し合う。 ボックスには「ビクター・ロミオ」の装置であるコックピットがある。 思ってたよりもずっと小さな空間。この空間で芝居をしているというだけで、応援したい気になってくる。 昼まであれこれ話し、解散。 みんなで美登利寿司でご飯。 一番安いランチメニューをそろって頼んだのだけど、思ってたよりもずっと量があって苦労する。 1.5人前という分量プラス、先に出てきたサラダにやられたかんじだ。 帰りは、小田急線で永井さんと篠原さんと一緒。 最近見た芝居の話をいろいろする。 一人になった帰りの電車で、「PRESENT」のアイデアがふと浮かぶ。 これなら行ける!! 涙ぐみそうになる。やった。見えてきた!
何も出来ずに徹夜明け。 いいアイデアが何も浮かばない。 困った……と思いながら、もう夜。 薄井さんのタックスノットに顔を出さなくては……と思いつつ、行ってしまうのも、ハナから試合放棄のようでできない。じりじりした時間を過ごす。電話をするのも微妙な気分で結局やめてしまい、自己嫌悪に。 明日の朝のうち合わせのために結局また朝まで起きてしまう。 でも、アイデアは浮かばない。
2003年09月07日(日) |
wild bell「swing by」 |
池袋小劇場でノグの作・演出による「swing by」を見る。 会場で約束をしていた稲村さん、それにマミーと会う。 芝居は、月に向かう予定だった宇宙船の中を舞台にした物語。三人の登場人物がとにかくしゃべる。 前半のおもしろいやりとりが、後半、どんどん「作者の言いたいこと」を順にしゃべるようになってしまったのがやや残念。閉塞状況で、限られた人物が「居続ける」ことはとてもむずかしいのだと改めて思う。 演技的にも、それぞれの人物が「どうしゃべるか」ということに終始してしまって、キャッチボールの末に「さあ、どうなる」という芝居のおもしろさにはなかなかなっていかないのがもどかしい。 中では、平原桃恵さんが、そんな「むずかしさ」と「大変さ」をどうにかしようとがんばっていた。 終演後、バラシを途中までお手伝いして、失礼する。 スタッフのさっこさん、おにさん、あゆみちゃん、それに宇田くんとはさくっと挨拶のみで。
2003年09月06日(土) |
「アムネスティまつり」 パレード飲み会 |
お茶の水のYMCAで開催されるアムネスティジャパンの「アムネスティまつり」で講演をする。 タイトルは「ゲイとして生きること」。 アムネスティジャパンは、今、「イマジン・キャンペーン」というのをやっている。 オノ・ヨーコさんの協力で、ジョン・レノンの「イマジン」をテーマにした活動。 僕は、自分のライフヒストリーと、「非戦を選ぶ演劇人の会」の話をしながら、「イマジン」=想像することについて話す。 会場に来てくれたパチパチと食事をしながらいろんな話を。 「贋作・大奥」の話で盛り上がる。アイデアをたくさん、使えるのや使えないのまで含めて。 夜は、パレードのボランティアスタッフの飲み会。パレードから一年たったんだ。 ここでもあれこれおしゃべりしながら、「贋作・大奥」の出演者が決まったり、衣装をお願いしたり、来年からの二人芝居の制作をお願いしたりと、何やら顔つなぎ人材発掘イベントになっていた。 終電でさくさくと帰る。それにしても、土日の東武伊勢崎線の集電の早さはどうにかならないのか。平日と30分以上違うっていうのは、ほんとに困ってしまう。今日もぎりぎりダッシュ。
2003年09月05日(金) |
MA「ミラノメンズ・パリメンズ」「ワンダーズ」 |
朝から、録音。今日は、パリとミラノの2004春夏メンズコレクション。露出度高し、水着がいっぱいのうれしいコレクション。 モデルの好みとしては断然ミラノ。 今日のお相手は、中出順子さん。エクササイズの成果は今日もばっちり。来週からのミラノとパリのコレクション取材で太らないかと心配してた。 今回のコレクションは、僕的には微妙なかんじ。 グッチのトム・フォードの提案するカウボーイスタイルは、ダサさとかなりすれすれのところで成り立ってる。デニムのパンツに折り目がついてるとかね。 エディ・スリマンのディオール・オムは、スリムなラインがかっこよくて好きなんだけど、今回は妙にちゃらちゃらしてるし。 ヴィトンのマーク・ジェイコブスのラインは、80年代風、ダブル六つボタンのジャケット。 ギャスパール・ユルキエビッチのショーは、まるでゲイの4P。4人のモデルがソファーだけがある空間に一人ずつ登場。一人が大きく股をひらいてソファに座ると、もう一人がその股間に顔を近づけて座る。次の一人は、座った一人のお尻に顔を近づける。最後に登場した人は、ソファの後に立って、最初に座った人の顔を自分の股間に……。こんなんばっか。 音楽もない無音の空間で繰り広げられるパフォーマンス。服自体はカジュアルなニット中心のスタイル。点数も16点のみ。じっくりと服を見たっていうかなんていうか……。モデルさんも、イケメンていうよりは、30代のたぶん俳優さんなかんじ。でも、まあ、おもしろかったかなと。
夜、新宿の安田生命ホールに「ワンダーズ」の発表会を見に行く。 会場で三枝嬢と合流。 二十代の前半からおつきあいがある菊間まさおさんのジャズダンススタジオ発表会。 彼には、ずっと昔、うちの芝居にも出てもらったことがある。 僕も、彼の発表会に出たことがある。踊ったこともあるし、裏を手伝ったこともある。 五年ぶりの発表会、とってもなつかしかった。 みんなほんとに変わってないなあと思いながら、僕はなんて変わってしまったんだろうと、自分の不摂生がうしろめたい。 終演後、ほんとにさくっとご挨拶。 裏を手伝ってる山崎君と丁田くんと会い、一緒に帰ってくる。
2003年09月04日(木) |
歌舞伎座「俊寛」「身替座禅」「無間の鐘」 |
この間の稽古の帰り、キッちゃんに誘われた歌舞伎座の夜の部ご招待。 一階花道キワのすごいいい席。 「俊寛」。ボロだという設定の衣装が、実に豪華な「ボロ切れ」で出来ている。間近で見るととそれがよくわかる。 芝居は、瀬尾の冨十郎さんがとってもよかった。 俊寛の吉右衛門さんは、思ってたよりも、ずっと人間くさい俊寛をつくりあげてた。 魁春さんの千鳥は、よく動いて、とってもかわいかった。 花道を押し寄せてくる波布にびっくりしたキッちゃんもかわいかったね。 「身替座禅」冨十郎さんの右京に吉右衛門さんの奥方。 まあ、こんなところかというかんじ。 「無間の鐘」 初めて見る演目。「ひらかな盛衰記」の中のお話。 信二郎さんの源太は、なんだかただの遊び人風で、こんな男に惚れてるわけ?なんて考えてしまう。紫の着物に羽織りという豪華なコーディネートもすごかった。 彼に入れあげてる遊女梅ヶ枝が福助さん。 明朝に迫る源太の出陣、そのために必要な鎧甲を質に入れてしまって、うけだすにもお金はないし、どうしよう……。その鐘をつくと、来世では地獄に堕ちるけれど、現世ではお金が手に入るという「無間の鐘」の故事。その鐘に、この「手水鉢」を見立ててうってみよう! と手水鉢を叩くと空から小判が……。というお話。小判をまいてたのは、上の座敷に身分を隠し客として来ていた源太の母親だったのだという落ちがあるそう。 黒衣さんが大活躍する舞台。しかけもいっぱいあるし。小判降ったりとか、手水鉢をたたいたときに「水気」が上がるとか。 上手袖で舞台監督風に人がずっと心配そうに立ってるのがよく見えた。 見ているときは、何これ?と思って、笑ってたんだけど、これが一番おもしろかったかもしれない。 見所は「どうしよう、どうしよう」って延々と悩む梅ヶ枝の福助さん。「無間の鐘」でいこう!と決めてからの憑かれた芝居がよかったね。 この幕は、途中で帰ったキッちゃんの職場の先輩の席に移動。 花道をわたった正面の客席。 まわりのおばさんたちのうるさいこと。 キッちゃんいわく「1階席は金持ちのおばさんたちだから……」。そうなんだと思うな。 始まる前、「女形は足の毛をどうしてるのか」とキッちゃんに聞かれる。 「みんな剃ってるんじゃない? 男役だって、足出す役あるし。子供の頃からだから抵抗ないんじゃない、きっと」と答える。 この幕の頭で花魁道中があって、福助さんが登場。 ついてくる中間がみんなすね毛ぼーぼーなのを発見。 終演後、「剃ってない人もいたね」と話す。 福助さんの足の大きさにキッちゃんはびっくりしたそう。うーん、たしかに。
2003年09月03日(水) |
wild bell 仕込み |
昨日から右の股関節が痛くてしかたない。 痛み止めを飲んで出掛けたんだけど、もうギブアップ。 電車から降りて、歩けなくなってしまった。 ぎっくり腰の痛みのごまかし方では全然きかなくて途方にくれる。 ホームのずっと遠くのはずれにあるエレベーターがうらめしい。 それでも、よろよろと池袋小劇場へ。 芝居の現場は、僕もがんばらないと……という気持にさせてくれる。 初めから戦力外なかんじで申し訳ない。ベニヤを切ったり、こそこそとお手伝いをして、途中で失礼させてもらう。
夕方から大雨だ。雷がものすごい。 僕も駅からの自転車でびしょぬれになる。 部屋の中から見る雷が僕は大好きだ。 猫のシューは、ちっとも怖がる様子がない。 去年死んだイヌのモグはしっぽをまるめておろおろしてたのにね、などと母としゃべる。
ゲストは櫻田さん、三枝、ワタルくん、ムラポン。 すっごい大人数。 基礎トレから初めて、最後は、今日からとりかかる「エレクトラ」。 響く声と身体づくりをずっとやってきて、このところは強い声づくりをしてる。 今度は、強さ+声の方向性のようなものをやっていこうと思う。
帰りにずっと懸案だった花火をやる。 場所は、少し歩いたけやき公園。ジャグリングの練習をしている人がいて、もしやと思ったら、やっぱりムラポンの知り合いだったそう。ヘブンアーチストつながり。 大人数でやる花火はとっても楽しかった。蒸し暑さもちょうどいい。 夏が終わった、そんなかんじかな。
中野ポケットに下見に行く。 高市氏、さっこさん、おにさん、あゆみちゃんという顔ぶれ。 空っぽの舞台を長い間見せてもらう。 広いんだか狭いんだかわからない、不思議な空間。もとい、客席。 一列違うだけで、見える舞台の印象が全然違う。 最後列から見ると、こんなに遠いんだ……とやや心配に。 でも、芸術劇場の小2はもっと遠かったんだよねと、思い直す。 薄井さんのお見舞いに慈恵医大へ。 十年ぶりくらいに虎ノ門からこのあたりを歩く。 懐かしい街だ。僕にとって、スーツを着て、仕事をしていた唯一の街。 薄井さんが元気でよかった。 タックさん、きょうたくんと会い、いっしょに帰ってくる。
夜、タックスノットに行く。 いっこうちゃん、宮下さん、郡司くんと会う。演劇バー状態。 郡司君、「gaku-GAY-kai2003」出演可能だそう。よかった! ペリー葉山が実現する! おおあわてで終電帰り。
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