せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEX|past|will
2003年04月30日(水) |
「絶対鳥フライ」の集まり |
下北沢で「絶対鳥フライ」の集まり。写真を見て、アンケートを読んで、ビデオをもらう。 絶対王様、バーズアイビューのみんな、制作の三村さんらと久し振りに再会。 さくっと飲みに行くことに。飲んでいるところへ、ピエールくん、桜ちゃん、笹木くん、それにうちのノグが合流。 下北沢の駅でみんなとはぐれ、一人新宿に着いて、さあJRに乗り換えようと思ったら、王様の加治木くん、入山くん、それにバーズの山中郁ちゃんと合流。初日に見に来てくれて僕も一緒に飲んだ入山くんの職場の友達の送別会というのに、なだれこんでしまう。 ひさびさのカラオケ。大いにしゃべり、歌ってしまう。 あの舞台に出て、新しい友達がたくさんできたんだなあと、改めて思った。 帰りは、やっぱり新しい友達のミネギシ嬢と同じ電車で帰宅する。
今日は、早瀬くんとマミーの3人でスタート。小林くんは、遅くなって参加。 宮部みゆきの「謀りごと」。長屋を舞台にした殺人事件の話で、登場人物がとっても多い。 人物の読み分けが大変かな?と思ってたら、落語のような語りの口調の文体がとっても大変だった。 結局、終わりまでたどり着けず、続きは次回に。
2003年04月28日(月) |
こんにゃく座「あおくんときいろちゃん」 |
友達の松川くんが出ている「こんにゃく座」のオペラ「あおくんときいろちゃん」を代官山ヒルサイドプラザへ見に行く。 レオ・レオニの原作の絵本をオペラ化したもの。 ただし、その部分は「12分」!! それまでを三人の出演者とピアニストが歌でつないでいく。 言ってみれば、長大な前座(?)。 「対象年齢が一番低い」というだけあって、客席は子供ばかり。 一緒になって手拍子をして、それがいつのまにか歌の伴奏になって、とっても上手い、観客(子供達)の巻き込みかただった。 客席の場所々々によって手を叩くリズムを変えて、それが一緒になると、また新しいリズムが聞こえてくる。 それがきれいにまとまったところで歌が始まる。 それはとっても気持がよかった。子供達もそう感じてたと思う。 お芝居が始まってからずっと出演者が動かしていたいろいろなモノ(小道具)が、いつの間にか「オペラザウルス」という恐竜になっている。「キャッツ」みたいだ!! 本編の「あおくんときいろちゃん」が始まると、それまでに、いたずらのように仕込まれていたモノたちが、実に生き生きと舞台に再登場してくる。 なんでこんなに道具があるわけ?と思っていたモノたちがね、心憎いような使われ方をして現れる。 いやあ、おもしろかった。 そして、ちょっとほろっとしてしまった。 芝居ってものの、とっても根本的な何かがここにはあると思った。 それは、こんにゃく座の舞台を見るといつも思うことなのだけれど、客席があってこその舞台なんだってことを、今回もまた改めて。 舞台は客席と同じフラットな会場。僕は、桟敷席で子供達と一緒に手を叩き、笑い、大いに楽しんできた。
2003年04月27日(日) |
「動物のお医者さん」 |
ネットで注文していた「ヴァニティーズ」の戯曲(古本)が届く。 ついこの間見た舞台。 ほんとに台詞しか書いてないこの台本を、よくあそこまで立ち上げたものだと改めて思う。 まさに演劇の醍醐味というところか。 録画してあったTV「動物のお医者さん」を見る。 原作のマンガのイメージ通りのキャスティングがかなり成功している。 特筆すべきは、岸田今日子と江守徹。原作でも濃いキャラクターを、かなりやりたい放題に遊びたおしている。これは見逃せない。 どうかしら?と思ってた要潤もなかなかいいかんじ。 録画しても見たい久々のドラマだ。って、ドラマとしての出来がどうこうじゃなくて、「大好き」ということで……。
また風邪がぶり返したようなので、思い切って布団を敷いてちゃんと寝ることにする。 ずいぶん久し振りなかんじだ。 そのせいか、17時間(!)も眠り続けてしまう。 ようやく起きて、トレーニングへ。 まだカラダはだるいまま。 欠席の連絡メールが続々届き、結局、稽古場に現れたのは、僕とマミーだけ。 8時まで待って、解散。 今日予定していたページ「謀りごと」は次回に持ち越し。
夜、ひさしぶりにタックスノットへ。 kobaくんと待ち合わせておしゃべり。 今日はミセ子のマサルくんのラスト。 MTFの手術をしたアンジェリーナといろいろ話す。 愛香ちゃんのイケてる写真をいろいろ見せてもらう。 三枝嬢から電話で、「川部さんと飲んでる」とのこと。 彼はむかしフライングステージの制作をしてくれてた人。 ちょっと会おうということになった。 ほんとに久し振りだ。 仲通りで待ち合わせをしてしばらく歩く。 お互いに「変わらないね」と言い合う。 「タモリ倶楽部」に篠井英介さんが出てらっしゃる。 こういうのに出ちゃうんだ!?と驚く。 居酒屋が舞台で、はじめに飲んだ中生でほろ酔いなかんじがかわいかった。
2003年04月24日(木) |
トレーニング 「オナー」 |
宮部みゆきの「堪忍箱」を読んでいる。 今日は「お墓の下まで」。今日は、いつもの顔ぶれに、キッちゃんとホソちゃんが参加。 9時までに一度読んでおしまい。 帰り道、マッスーとGWの話をいろいろする。 夜、図書館で借りてきた本を、がつがつ読む。 別役実「舞台を遊ぶ」。読んでるうちにどこまで本気かわからなくなるような不思議な演劇論。「舞台目くらまし用語辞典」とは違うから真面目なんだろうとは思うんだけどね。 ジョアンナ・マレースミス「オナー」。夫婦とその娘、それに夫の新しい恋人の四人芝居。シンプルな力強い戯曲。何もないような、すべてがあるような。
2003年04月23日(水) |
3軒茶屋婦人会「ヴァニティーズ」 |
本多劇場は女性客でいっぱい。 テアトロ海がやった初演を20年くらい前にシアターグリーンで見てるんだよね。 ぎりぎりに連絡したのに、篠井さんにとってもいい席を用意していただいた。感謝だ。 すてきな三人組。なんて、いいチームワークなんだろう。 女性がやるときの、なんていうか「生臭いカンジ」が全然しない。 却って、この芝居のとてもロジカルな面が立ち上がってきてる。 その分、女性のもってる虚栄=ヴァニティの部分は見えてこないんだけど。 前に見たときは、鏡台の前で一人一人がじっと考え込みながら、次の場面のための着替えとメークをしてた。 今回はそれがなし。みんなで、音楽にあわせて、ほとんど「踊りながら」着替えてしまう。 それはたぶん、女の人が化粧して着替えて変わっていくっていうのと、女を作り上げていくっていうことの混乱を避けた結果なんだろうな。 ややそんなのも見てみたかった気がしないでもないけどね。 でも、この人たちのすごいところは、いちど「女装」ってところを通って、その先に行っちゃってるところだ。 個人芸のオンパレードなんだけど、それぞれが突出してないのは、演出がしっかりしているからだと思う。 大谷さんの酔っぱらっていく過程の細やかさが見物。 イジワルを言ってしまった後、一人になった深沢さんの切ない後悔。 「教師をやめた」つながりで、どこかブランチを彷彿とさせる篠井さんの役作り。 それにしても、今年、「ヴァニティーズ」「ハムレット」「欲望という名の電車」と続く篠井さんはすごい。 盛りだくさんな一年に、この作品がちゃんとあるというのがとてもうれしい。
2003年04月22日(火) |
戯曲「下谷万年町物語」 |
へろへろは続く。でも、仕事には出かける。 帰り道、古本屋で、ずっと探していた、唐十郎の「下谷万年町物語」を見つけて、即購入。 文庫になっている小説版じゃなくて、parcoから出てる戯曲。 一番最初に見た唐さんの舞台。当時の西武劇場での蜷川幸雄演出。 なんてすごいんだろうと思った覚えがある。 本水を使った演出も鮮やかだった。 一気に読む。 この中には、まだ若かった李礼仙(当時はこの字だった)がちゃんといる。それに高校生の僕ももしかしたら。
昼間、高校のときのミホ先輩とランチ。 ベトナム料理を食べながら、いっぱいおしゃべり。 帰り、買い物で寄った新宿でサクラくんにばったり。 誘われるままにスタバ&ココロカフェでお茶。 実はちゃんとおしゃべりするのは初めてだ。 帰りに早瀬くんとも会う。 夜、熱がさがらない。へろへろ。
2003年04月20日(日) |
「青ざめた馬」フラジャイル |
西荻のWENZスタジオにフラジャイルの「青ざめた馬」を見に行く。 大正時代、関東大震災の前後のテロリストたちのお話。 客席で「関根さん」と声をかけられ、「やだ、また」と思ったら、なんとまたしてもそこに居たのはイチカワくんなんでした。どういうこと?と二人で話す。 舞台は、レールがどーんとというか、リアルな線路があるだけの装置。 全部の場面がここで展開する。 とっても熱い男たちが登場する。 芝居は、とてもおもしろかったんだと思う。 でも、終わってみて、ふと、だから何?てな気がしてしょうがない。 以前見た「アナトミア」は今でも、いろんな場面がはっきり思い出せるんだけど、これはそうでもないかんじ。 見てるときはおもしろかったし、ほろっとしたりもしたんだけど。 「男のロマン」みたいなものがくり広がっちゃってるお話に、僕はあまり惹かれないのかもしれない。 女性記者の彼女が一番おもしろく見れた、僕的には。彼女が「私は陸軍大将の娘だ」と嘘をついて、テロリストたちを逃がす「大芝居」な場面が一番好きだったりする。 それでも、みんな熱演、演出もそれは見事。 満足してたはずなんだけどね……? 終演後、エントランスにあった鏡に映った自分が、ものすごくショックだった。 芝居の中のやせて魂だけがそこに立っているような男達のたたずまいと自分のなんと違うことか。 やせなきゃね……と改めて思う。こんなんでいいのかという、恥ずかしさとともに。 帰りは、市川くんと電車の中でおしゃべり。 そして、夜は、盛大に風邪をひいてしまっている。
2003年04月19日(土) |
小松川高校演劇部新入生歓迎公演 |
早瀬くんと一緒に、母校、都立小松川高校の演劇部の新入生歓迎公演を見に行く。 現役のみんな、そしてOB連と再会。 出し物は「アロマチックビターズ」と「クイズでバトル」という芝居の二本立て。 視聴覚室での公演で、客席には中学生の姿もちらほら。 子供っていうかなんていうか、小動物っぽい。 芝居は、とてもおもしろく、ほほえましく、ケラケラ笑いながら見させてもらう。 「アロマチックビターズ」に出演の麻衣子たんと信太くん、それに「クイズでバトル」に何役も早変わりで出演してた赤澤くんは、もう三年生なので、これが最後の舞台。引退公演だ。 高校生ってすごいと思う。ていうか、あっという間に三年間が過ぎちゃうけど、そのうち、現役でバリバリやってるのは、2年だけなんだよね。しかも、一年生なんて、新人で右も左もわからないってところからはじめるわけだし……。 でも、毎日放課後に2時間のトレーニングをずっと続けて、ほとんど毎月のように地区の大会やら発表会やらがあって、これはすっごいことだと思う。 こんなに濃く演劇と関わる、またはトレーニングができることってなかなかないと思うよ。 と、公演の前でもないとなかなか毎日はできない僕は思うんでした。 実際、僕も現役の頃の貯金で今やってけてるのかもしれないと思うときがある。 終演後、駅前の「BLDY」でごはん。 現役OBとりまぜてにぎやかに。 夕方、こないだ開通した半蔵門線で三軒茶屋へ向かうことに。 JRの平井から錦糸町で乗り換えて、半蔵門線。 感想は……、地下だからよくわからない。 まあ、初めて乗ったということで。 稽古は、「かどわかし」の残りと「敵持ち」 今日は、ホソちゃんが来た。 帰りに、稽古場に来た三枝と軽く飲み、あれこれ語る。
夕方、コタちゃんから電話があって、「ラーメン」を食べに行くことに。 車に乗っけてもらって、環七沿いの「丸金」に到着。 注文しておしゃべりしてたら、「関根さん?」と声をかけられる。 振り向いたらば、このところ、芝居関係のメールのやりとりをしてたイチカワくんでした。 もちろん会うのは初めて。 たまたま誘われて、たまたま来たところで会うなんて……ともうびっくりしてしまう。お互いに。 ラーメンは、細麺のとんこつ。とってもおいしゅうございました。
稽古@荻窪 今日のトレーニングは、「堪忍箱」の中から「かどわかし」。 いいかんじで読めてる。 きっちゃんが来てくれて、参加。 たまにきて、一番落ち着いてるのがおもしろい。
i-bookのキーボードの「A」が打てなくなってしまった。 何も書けない。 これだけを書くのだって大変なことになってる。 一字ずつ入力してるし。 それにしても、よりによって「A」じゃなくてもってかんじ。 どうしよう……。
フライングステージのトレーニング。 4月5日の「イラク攻撃と有事法制に反対する演劇人の会」のイベントでリーディングされたテキストを読んでみる。 全部はちょっと長いので、第2部の「世界のこの子たちは今」の部分を。 きっちり伝えるように読むのはとっても大変なことなのだと思う。 このテキストを読んでいた俳優のみなさんの力のすごさに改めて感じ入る。
教育TVの美輪さんのドキュメンタリー「ETVスペシャル」を見てみる。 「黒蜥蜴」の稽古が中心。三島さんとの交流についてもたっぷり。 芝居について、そして、人生について、とっても濃厚な番組になっていた。 強烈なキャッチライトに照らされて、昔の話をしている美輪さんがきれいだったな。
テレ東の「たけしの誰でもピカソ」が美輪明宏さんの特集だった。 ピンクのプリーツプリーズが艶やか。 明日は教育テレビでも特集がある。こっちは90分枠。 美輪さん自身もすばらしいけど、美輪さんがこんなにTVで取り上げられるってことがすばらしいと思う。 「文藝別冊」の森茉莉総特集号での、美輪さんと森茉莉との対談「女って、みんな馬鹿ね」(初出1970年)は、まだ「現役」な美輪さんの声がとってもステキだ。まだ、エラくなっちゃう前のかんじがね。
自転車をまた盗まれてしまった。 前回ショックだったほどではないのは、あまり愛着がなかったからだと思う。やっぱり僕にマウンテンバイクは乗りこなせない。 それでも、街を歩いていると停まってる自転車をつい見てしまうな。
夜、タックスノットへ。 いつのまにかすっかり「濃ゆい」顔ぶれになってからも、芝居の話などなどで盛り上がる。 台本書きは、フライングステージの公演の他に、ずっと前に手を着けたままでしまっておいた泉鏡花の脚色ものにも同時進行で向かっている。 7月の「四季 Four seasons」、11月の「Present」、12月の「贋作・大奥」の他にもう一本。 これは「照葉狂言」と「化鳥」をあわせたもので、絶対に上演の予定のない「大劇場モノ」だ。主演は、浅丘ルリ子みたいな。 正確には「同時進行」じゃなくて、「逃げ回りながら」と言った方がいいかもしれないね。
昼間、ぷれいす東京で2月に撮影した「CONDOMING」のビデオの編集のうち合わせ。現役高校生の若さがまぶしいこと! 夜は、フライングステージのひさしぶりのトレーニング。 稽古場の近くの蛇崩川(じゃくずれがわ)緑道の桜もそろそろおしまい。 玄関先に花びらがいっぱいたまってる。 そういえば、こないだの「TOKYO WALKER」で、この「蛇崩川」が誤植で「蛇萌川」になってたね。「じゃもえ」って……。 久々の筋トレがなかなかいいかんじにカラダに響いてる。 帰りに、屋台の「揚げパン」をみんなで食べる。懐かしい味。 新玉川線〜半蔵門線が、東武線に直通になってる。 ずっと工事してたJR渋谷駅もガラス張りですっかりきれいに。 一人暮らし慣れしてきたマッスーは、少し大きくなったみたいな気がするな。動きとかが。元気ってことか?
「Skip」と「絶対鳥フライ」、2本続けての舞台が終わって、ほっと一息。 7月の舞台の企画と台本書きを進めてます。 「文學界」に掲載された野田秀樹の「オイル」を読みました。 久し振りに戯曲を読んで涙……。 今、この時期に、なんという力強い戯曲だろう。 舞台が見たいような見たくないような……。
|