せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年01月26日(日) 冬季発表会

 高校演劇の城東地区の冬季発表会を、都立東高校まで見に行く。
 最寄り駅は東西線の南砂町。わりと地元なはずなんだけど、降りるのは実ははじめて。
 こんなところだったんだね。
 僕らが現役だったころは、発表会は高演連の秋の大会だけだったんだけど、何年か前から、この冬季発表会っていうのがあるらしい。
 一校あたりの上演時間は30分。これがすがすがしいよね。
 朝から夜まで11校全部を見て思ったのは、みんなやりたい放題で楽しそうってことだった。
 都大会に進出するぞ!っていうような、ややぎらぎらした行きおいor審査員受けしそうな芝居をつくろうみたいなノリじゃぜんぜんない、「やりたいものを好きなようにやってる」かんじがすばらしい。
 母校小松川は、朝一番で新作「テンテコマイ」を上演。どたばたした学園コメディ風なお話。
 主人公が実は男子のことを好きなんだけど、彼のことを好きな女子が、それを誤解して……といったお話。
 みんな楽しそうでよかったね。
 その他のプログラムはこんな。
 都立白鴎高校「ヘンゼルとグレーテル」。いやあ、おもしろかった。黒い布をつかって、みんな森やらお菓子の家やらをつくりあげる、その見事さ。高校生ってすごいのね!!
 都立江北高校「がちゃぽん」。次から次へといろんなものが登場するオムニバス。ラストの「SING」のダンスは圧巻だった。
 都立紅葉川高校「H・Rヒューマンリニューアル」。高校生らしい、近未来モノ。
 都立上野高校「甦人〜リサイクレスト〜」。ちょっとヒューマンなんだけど、ちょっと消化不良かな。
 都立小岩高校「三匹のコブタ」。どう「ヒネる」のかな?と思ってたら、「そのまんま」でした。確信犯なの?
 都立淵江高校「THE 地球」。環境問題のお話なんだけど、主人公は「二酸化炭素」。日本で余ってしまった二酸化炭素が、南の海へ追い出されていく。そこで出会った「南の海の二酸化炭素」との葛藤。「日本に帰れよ!」みたいな。日本の首相はやる気のない双子の美人(叶姉妹ぽい)で、南の島に首相官邸を造ろうとしてる。この「二酸化炭素」と人間との闘いのお話。すごいよね。最後は、二酸化炭素が、酸素を一個切り離して、一酸化炭素になっちゃって、逆に人間を襲うっていうオチ。すごかったわ。
 都立東高校「極楽ブルース」。ホームドラマ。ブラジルに移住していた弟が死んで莫大な遺産が転がり込んできた平凡な一家のぱっとしないお父さん。
 死の知らせの電話を受けて、「やった、遺産が転がり込む!」とお父さんが大喜びしたところで、大音量の「モー娘。」。みんなで踊り狂ううちに、お通夜の場面ができあがる。もう、最高!! お話はその後、娘との葛藤とかいろいろあるんだけども、この「お父さん」を演じてた高松くんていう男子がすばらしい。もう何ともいえない、うすら情けなさ。ラスト「ごめんよ。兄さん!」絶叫する姿に涙。いやあ、いい子だわ。注目。
 都立葛飾野高校「モンババ」。台詞は全部「モンババ」だけ。で、完全な「ライオンキング」のパクリでした。いっそすがすがしい。でも、途中で話がややわからなくなった。台詞が「モンババ」だけなので、状況説明が難しいのね。
 都立足立高校「白虎隊」。時代劇。正統派の白虎隊ってかんじ。よくまあ、これだけ刀があるものね……ってくらい、次から次へと闘いがあって、どんどん人が死んでいく。最後はみんなで自決しておしまい。何役も何役も兼ねて、何度も何度も殺されてたり、とってもいいテンポ。仲良しの舞ちゃんがエラいお侍役で出てて、びしっと締めてた。いいかんじ。涙。
 日本大学第一高校「バトルロワイヤルホストクラブ」。登場しただけで、「キャー!」っていう声があがる男子がいるのに、まずびっくり。たしかにかっこいいわ。ので、一緒になってキャーキャー言ってました。お話は、しのぎを削るホスト業界。向かいにキャバクラができて、どうやらその店はあやしい……。探りに行った従業員が行方不明に。いよいよやり手の店長が乗り込んでいく!!てなお話。
 いやあ、コテコテ感がすばらしい。最高に楽しかった。
 終演後に超イケメンだった彼らが、すんなり普通の高校生になって制服を着てるのにびっくり。これが芝居ってもんなのねと目から鱗。
 一応、審査はあって、最優秀は東の「極楽ブルース」。納得の結果。
 帰りにタックスノットによって、興奮さめやらぬまま、居合わせたシンジくんに、感想をしゃべりまくる。
 高校演劇。あなどれないわ。


2003年01月25日(土) 「Skip」顔合わせ

 高円寺で、「Skip」の顔合わせ。
 出演者は桜澤さんと小林くんがNG。それでも8人のキャストはかなり大勢なかんじ。
 森川くんは、一昨年の「ラブソング」以来。
 高市氏から制作の話がいろいろあった後、僕からご挨拶。
 例によって台本はまだなくて、「こんな話……」というのは、フライヤーの裏に書いてしまったので、「何だか大人のキャストが揃った気がする」という話をし、「台本、早く書きます」と約束する。
 さくっと終わった後、近くの居酒屋で軽く飲み。
 となりのヤンママたちのすごい盛り上がり方に負けずに、年末の「贋作 大奥」の話で大いに盛り上がるが、もちろん「その前にやることやらないとね」とみんなに釘をさされる。
 そのとおりです、はい。


2003年01月09日(木) バスに乗って

 仕事の帰り、池袋から西新井までバスに乗ってみる。
 疲れて、どうしても座って帰りたかったので。
 池袋で読む本がなくなり、NHKの人間講座「こんにちは、一葉さん」のテキストを買う。
 作者の森まゆみさんの「一葉の四季」は前に読んでたんだけど、あまりぴんとこなかった。
 なんだけど、このテキストはおもしろい。
 写真がいっぱいでね。明治初年の崩壊した江戸城の様子とか。ああ、ここを天璋院は明け渡したのね……と勝手に感慨深い。
 作品の解説というだけでなく、一葉の交友関係に立ち入っているのも興味深い。
 井上ひさしの「樋口一葉に聞く」もよかったけど、こちらの方が、手に取るようにわかっていいかもしれない。
 知らない暗い道をバスで行きながら、読み終えてしまう。
 ほんとに久し振りな西新井の駅前の花屋で、水仙を買い、ホームのラーメン屋でワンタンを食べる。ほっとする味。


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