せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年11月05日(火) |
「HAPPY END」稽古 |
今日も稽古場に遅れて行く。 ぼくが行くまで、みんなは自主稽古。台詞合わせの「百本ノック」をやってくれてる。 新しく持っていった場面の稽古。読み合わせをしてすぐに、明らかに、ぼくの台詞のノリがよくなっていることに気がつく。 この調子で最後まで行ってしまおう。 昨日の続きの場面をおさらいする。 よしおは、恋する表情がなかなかいい。好きだって気持ちは、台詞をどう言おうとかじゃなくて、自分の話を好きな相手がどう聞いてくれてるか気になってしかたないってことだよと話す。 いっこうちゃんの「イヤな役」は今日もいいかんじ。 昨日の「ずっと見ている芝居」がなじんできて、全体的ないかたのルールが全員をみていてわかるようになった。 みんなに、まだ書かれてない場面の変更点を話す。 ハヤセくんとまっすーの役が当初の予定=西野さんのプロットと全然違うキャラクターになると伝える。 明日、持っていく場面でそのへんは全部わかるようになってるはずだ。 のぐは、舞台監督として、あれこれ動いてくれている。前日の車の手配等々。 ぼくも、劇場と電話でうち合わせを。みんなで行ってうち合わせをするのは、金曜日になりそうだ。 帰りに、ツタヤに寄って、CDを借りてくる。 亜弓ちゃんに頼んだ「ディズニーのテーマ曲をジャズアレンジしたものを使う」というコンセプトを、ちょっと確認したくて。 いろんな人がアレンジしてカバーしてるんだね。 メインテーマは「眠れる森の美女」の「いつか王子様が」で行こうと思ってるんだけど、それだけじゃあまりに甘いので、いろいろと考えてもらってる。 それから、いつものように、最後の最期の「渋め」の曲も、あれこれ考える。 音と絵がだんだん重なって見えてくる。 いいかんじだ。
2002年11月04日(月) |
「HAPPY END」稽古 |
主人公の二人の出会いの場面をつくっていく。 外枠の「お約束」の芝居とは、全然別の「生っぽい芝居」をヨシオとハヤセくんにおねがいする。 場面の転換の稽古をしながら、まずは、やらないでおこうと思った「みんなが見ている 」という舞台上のしかけを、途中からアリにしてやってもらう。 バーの場面から外に移動してからも、カウンターにいたみんなは、そのまんま舞台の上で、展開される物語をずっと見ている。 それぞれの役で登場するのも、その席から。 出会いはじめの微妙な時間、デリケートな会話をしている二人に、無理矢理からんでくる「邪魔する人たち」。 まっすーとあらくんのカップルは、まっすーの「極端な芝居」が強烈だった。 さんざんからんだあげく、自分の席に戻った時の「平然としたかんじ」がむちゃくちゃおかしい。 その後登場するいっこうちゃんの、陰湿なからみ方もいいかんじ。 すっと場面に入ってくるノリも湿っぽくて、役柄にぴったりだ。 二人が部屋に着いて……という、とりあえずのハッピーエンドまでを稽古する。 僕がいない間に、きっちゃんが僕の代役として、メキメキ力をつけているらしい。 「でも、着物を着て、ふすま開けて登場してるみたいなんだよね」とのこと。
帰りに、マミーと二人、タックスノットへ寄って、美人ママ、ウスイさんとお話。 「gaku-GAY-kai」への出演を、改めてお願いする。
高円寺に戻って、高市氏とミーティング。 ずっと懸案だった、後半からラストのプロットについて、「これでいく!」というラインが決定!! 西野さんのプロットのおいしいところをいただきながら、完全に僕のオリジナルになっていると思う。 劇中の台詞で図らずも書いた、「ノンケに書けないモノを書こうと思ったら、まず自分のこと書くしかないでしょ? おまけにあんた以外の誰にも書けないモノを書こうと思ったら、自分のこと書くのが一番なんじゃない?」という台詞を「そのまんま」やってしまうことになったかもしれない。 「ハッピーエンド」という「誰もが目指す幸せ」を書くということは、結局、僕自身を見つめ直すことになった。今考えれば、当たり前のことなんだけど、「脚色だけ」だと思っていたうちは、なかなかうまくいかなかった。 結局、僕の芝居の作り方=自分が思っていることを書くということに、僕はたどり着いた気がしてる。「早く気づけよ」ってかんじなんだけどね。
これでもうラストまで、一気に行ってしまえる。 ただ、これからの「HAPPY END」はもう「他人事」じゃなくて、「僕の話」だ。主人公たち、それに他の登場人物たちの抱えてるものも、みんな僕が抱えてるもののかけらや全部になってる。 それは、これまでと違った意味でとてもツライことだけど、だからこそのやりがいがある。 走っていこう。 追い風が吹いてきたとかそんなかんじじゃなく、振ってる腕や道を踏みしめてる足に、力がこもってきた、そんなかんじ。 こないだみんなに書いてもらった「ぼくの理想のつきあい」の作文が、さらに僕を勇気づけてくれてる。 これから先のいろんな場面がはっきりと立ち上がってきて、その場面を高市氏に説明しながら、僕はちょっとほろっとした。
できる、できる。「ハッピーエンド」、きっといい芝居になる。 よーし、がんばろう!!
2002年11月03日(日) |
「HAPPY END」稽古 |
今日は昼夜の稽古なんだけど、僕は夜から…… 西野さんの原作に全然ない場面はさくさく書けるんだけど、西野さんのラインに沿いながら、僕の世界を広げる、または、その二つを融合させなきゃいけない場面が、一番大変だ。 正直、「力がいる」そんなかんじだ。 久し振りに「うなりながら」台本を書いている。初めての経験で、書きながら「吐いて」しまってびっくりする。あわててトイレに向かい、胃薬を飲んで、落ち着かせる。 何とか、一区切りをつけて、稽古場へ向かう。 みんなはそれぞれ稽古をしてくれている。ほんとに申し訳ない。ありがとうね。 8時過ぎにようやく稽古場へ。 台本をくばって、さくっと読んでみる。 入れ子の外側の芝居はかなりノリノリなんだけど、「純情」だったりするところは、かなり言葉の使い方が「日常会話」風になってる。しゃべる前に何かを思ってないとやりとりがなりたたない。 ぎりぎりにずいぶん難しいものを書いてしまった気がしないでもないんだけど、これでやっていってもらおうと思う。 そうじゃないと、芝居の構造が立ち上がっていかないのでね。 稽古の後、いっこうちゃんやよしおは飲みに向かう。今日来てくれたイワイワも一緒に。 僕は、昨日に続いて、歩いて高円寺まで。 あれこれ考えることがいっぱい。
みんなには、ほんとに感謝だ。 協力してもらってる。 ていうより、むちゃくちゃ助けてもらってる。 だから、間違いなく、誰にも文句の言えない、いい芝居を作らなくてはと思う。 劇中の台詞にもあるけど、「すっごい波瀾万丈で、ドキドキハラハラするんだけど、最後はハッピーエンドな。もちろん笑いあり、涙あり」のそんな芝居を。
とここまで書いて、たまってた日記をまとめてアップする。 僕はこの日記をサイトにじかに書き込むんじゃなくて、テキストで入力してから書き込んでる。 それは台本を書く合間にもちょこちょこできるのでね。 書き留めておいた分が少しあります。アップしないでほっといたやつ。 といいながら、一番思い悩んでた10月後半が何もなし。 ごめんなさい。 これからは、毎日書くことを約束します。 日記を書くヒマがあるなら、台本を完成に近づけて、稽古をして、台詞を入れる時間が優先……なんだろうけど、ほんの何分かだし、書くことで、自分をきっちり律することができるんじゃないかという、そんな気もしているので……。
2002年11月02日(土) |
「HAPPY END」稽古 |
照明の鬼さんと音響の亜弓ちゃんが来てくれる。 僕は、大幅に送れて、8時過ぎに稽古場に。 みんなにコピーした台本を渡して、読んでもらう間に、ふたりに、舞台の説明をする。 その後、渡した新しい場面を読んで、あらく立ち稽古。 よしおはだんだんいいかんじ。 終わって、うち合わせがてら食事。 のぐに今回の舞台監督を頼むことになったので、四人で。 あれこれ話して、閉店時間まで…… 店の前で別れて、僕は高円寺まで歩くことにする。
2002年11月01日(金) |
「HAPPY END」稽古 |
今日は新しい場面はなし。 がんばったんだけど、到達せず。 稽古場までタクシーで向かう。 みんなは自主稽古をしてくれている。 ばっちり台詞がはいっていて、びっくり。ありがとう。 椅子とカウンターをならべて、誰に台詞が向かうのかというのをずっとやってもらう。 今回の舞台は、何もない舞台に、椅子とカウンターとパネルが何枚か。 それらを移動させながら、次々と場面を変えていく。 動かすのは出演者全員。 出番がないときは、舞台を周りから見守っている。 そんな構成になってる。 いつもはふつうに使ってる稽古場なんだけど、今日はやや手狭なかんじ。 椅子の移動がかなり大変。 帰りに、アイランドとタックスノットへフライヤーを持っていく。 二丁目に出るのは、ずいぶん久し振り。 台本書きでひきこもってたからね。 ミズシマくんに会い、セツオやコタちゃんと会い、タックさんといっぱいしゃべる。 考えることがいっぱいある。 木枯らし第一号が吹いてたらしいね。 もう冬なんだな……と初めて感じた夜だった。
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