せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年12月30日(日) TOGETHER忘年会

 ゲイコミュニティ「TOGETHER」の忘年会。
 会場の四谷の貸しホールへ行く。
 近くのスーパーに買い出しに行って、飲み物、食べ物を調達。
 みんなが持ち寄ってくれたいろいろをまじえて、パーティの始まり。
 久し振りな面々と、いろいろおしゃべりする。
 今年は、イベントなしのシンプルなプログラム。
 ひたすら、おしゃべりしてまったりする。
 終わって、僕は、近くのマルゴリータ奈須さんのうちへ。
 この間預けた荷物の中に、眼鏡やらコンタクトケースやらを入れっぱなしにしてたことにきがついたので、あわててピックアップ。
 奈須邸で、しばし忘年の集い。
 ここでも飲み&おしゃべり。
 ジオマンの反省会はまた改めてということに。
 巨大な荷物(gaku-GAY-kai一式)を持ったままタックスノットへ。
 そしてラピスへ移動。結局、朝まで。


2001年12月29日(土) ぷれいす東京忘年会 東京ミレナリオ

 部屋に戻ったら、FAXが散乱していた。
 今日の午後からのMAの原稿だ。
 すっかり忘れていた。
 それでも、爆睡。
 目覚ましを12時にかけるが、まんまと寝坊。
 大慌てで、赤坂のスタジオへ出かける。
 南北線の溜池山王で降りると、地上はすっかり年末モードだ。
 人通りが少なくて、お店もほとんど閉まってる。
 僕もこれが今年最後のお仕事だ。
 今日は「ジャパンクリエーション」という素材見本市の紹介番組。
 ディレクターはノグのパートナーの安南嬢。
 昨日の舞台での発声と、マイクを前にした発声は全然違うので、少しとまどいながら、なんとか録り終える。
 来年もよろしくと挨拶して、スタジオを失礼する。
 スタジオのスタッフのみさとちゃんが、「絶対王様」、しかも「郡司明剛くん」のファンだと聞いてびっくり。3月の芝居をしっかり宣伝しておく。

 続いて、高田馬場のぷれいす東京の事務所へ。
 生島さんはじめ、ぷれいす東京のみなさんにご挨拶。
 先日の「VOICE」のことなど、楽しくおしゃべりする。
 荒くんと途中から「話し込み」モードになってしまい、そのまんま二人でお先に失礼する。

 実は、今日、東京駅丸の内口で開催中の「東京ミレナリオ」に行こうという計画があった。
 海外のデザイナーがプロデュースする、イルミネーションのイベント、丸の内のビル街の真ん中に光のアーチが並ぶ、とってもロマンチックなイベント。
 電車の吊り広告を見て、「行ってみたいよねえ」と思いながら、「一人で行くのはねえ……」と諦めてたんだけど、荒くんと「一緒に行こう!」ということになった。「エセカップル」としてね。
 「それって、余計淋しくない?」という声もないでもなかったんだけど(お互いに)、「行かないよりマシだわ!」と強引に決行。
 年末の東京駅は、かなり人気がないんだけど、丸の内口を出るあたりから、かなりな人の流れが目に付く。イベント感がもりあがる。
 まっすぐ会場までは行けないようになってて、少し遠回りの道へ誘導される。それにしても、たくさんの人が誘導要員として立ってる。無料のイベントでこれだけの人数を「雇う」のって、きっと協賛企業からたくさんお金が出てるんだわ。ていうか、こんな(ゴメン)イベントにお金を出す企業って、かなりイカすかも。
 ずっと遠くから見る、ミレナリオはとってもきれいだった。ただ、遠回りをさせてるわけじゃないのね。遠くからの方が、実はずっとずっときれいなんだと、後で、近くから見て、改めて思った。
 このイルミネーションって、結局は、道路に立てた仮設の木の枠に電飾を取りつけたものなのね。だから、近くで見ると、かなり「アラ」が目立つ。
 それが遠くから見ると、とってもきれい。
 同じ大きさのものが並んでるだけなのに、遠近法のせいで、まるで一つのオブジェのように見える。
 遠近法と言えば、道の両側のビルの稜線が、道路の一番向こうのイルミネーションの中心に向かってきれいに遠近法になってる。
 昼間、何もないところを歩いても気が付かないんだろうけど、ビルの稜線って自然界には絶対に見られない「直線」なんだよね。
 並んだイルミネーションは、ただそれ自体がきれいなだけじゃなくて、道の両側のビルに写り混んでる姿もきれいだった。
 イルミネーションをデザインしたアーティストは、これ全部をトータルでデザインしたんだね、きっと。それは、オフィスばかりの丸の内のビル街を違った眼で見直すってことなんだ。
 ただ、見るだけじゃない、そんな発見がとっても楽しかった。
 荒くんとの「エセカップル」は、途中からかなりどうでもよくなってしまった(ごめん)。
 僕は「素敵!」とかって言ってたから、廻りの人にはバレバレだったかも。
 でも、二人で来てよかったと思ったよ。黙って歩くより、おしゃべりしながら歩く方が絶対に楽しかった。
 すっごい人混みだったんだけど、大した混乱もなく、みんなが係員の誘導に従ってるのも印象的だった。
 無料のイベントで、しかも遠くからでも見える(ていうか、遠くの方がよく見える)っていうのもあるんだと思うけど、みんな実にいい顔をしてイルミネーションを見上げてる。
 これって、富士山を見てる顔を同じだと思った。
 埼京線とかに冬乗ってると、西側の窓から富士山が見えるんだよね。
 どんなに混んでて、イライラしてても、誰かの「あ、富士山だ」っていう声を聞いて、ふっと窓の外を見るとき、その人はとってもいい顔をしてるんだ。ほんとだよ。なぜだかね。
 後から思ったんだけど、その顔っていうのは、初詣の順番を待ってる顔にも通じるかもしれない。
 最近読んだ井上ひさしさんの本(「井上ひさしの作文教室」新潮文庫)は、文章の書き方についいて書かれたとってもいい本で感動して読んだんだけど、その中にこんな一節があった。
 「いい芝居ですと、お客さまは本当に神様で、生まれたての赤ん坊みたいな顔で、ずーっと、ゆっくり帰っていく」
 その通りだよね。
 そんな芝居を作らなきゃね!と思ったもんだけど、この「生まれたての赤ん坊みたいな顔」っていうのは、「いいもの」を見た時、いいものに向かう時の顔なんだろうね。
 いい芝居、富士山、初詣。並べてみたら、よくわからなくなったけど(笑)、とにかくそんなかんじ。
 年末のこのイベントは、イルミネーションを見るだけじゃなくって、いい顔がたくさん見れたってことでも、とってもうれしい、ほかほかと温かくなるものでした。


2001年12月28日(金) 「gaku-GAY-kai2001」

 9時に劇場入り。
 さくさくと仕込みの予定が、いろいろとトラブルが続いて、なかなか始まれない。
 それでも、なんとか、昼過ぎにリハがスタート。
 フライングステージの「贋作・犬神家の一族」は、とりあえず通してみるという、例年通りのリハ。
 何とか終了。
 他のグループも予定通りリハーサルを進行。
 去年に続いて同じ会場なので、みんなも勝手がわかってるせいで、さくさく進む。
 と、マットーニャ・ウメさんが、渋滞で遅れるとの連絡が……
 去年も、結局、リハができないまま本番突入だったので、今年はそんなことがないようお願いしてたんだけど……
 結局、今年も、リハ無し本番になってしまいました。
 なんだかんだと開場がとっても遅くなって、せーので開演。
 僕は、「贋作・犬神家の一族」のオープニング、客席からスライドを投影(?)する。
 市川崑の「横溝映画」ってタイトルが、すごい字で出るじゃない?
 あれをそっくり真似してね。
 打ち合わせでは、ブースからってことだったんだけど、今日来てみたら、客席からということに急遽変更。
 他にできる人がいないので、僕がやりました。ドレス着たままで。
 テーマ曲にあわせて次々スライドをチェンジしていって、全部おしまい。
 大急ぎで舞台袖に戻って、僕の芝居は、始まった。
 例によって、初めて台本を離しての芝居は、とっても身軽。人のこと見てなくていいし。
 途中、何度か「!」なところがあって、相手役をびっくりさせる。フッチー、ごめんね。
 細かく仕込んだネタもきっちり当たって、いい気持ち。
 ただ、青沼菊乃をいじめるところで、「あ、こんなところに真っ赤に焼けた焼け火箸が!」とうセリフを忘れてしまって、その段取りがそっくりカットに。またしてもフッチーごめんなさい。
 袖に引っ込んでから、気が付いて、あたふたしてしまい、今着替えた衣裳(紫の着物)を元に戻すのを忘れてしまう。
 って、それに気が付いたのも終演後だったのよね。
 でも、お客様の反応もとってもよく、楽しくできました。
 続いて、「ポエトリーリーディング」
 gaku-GAY-kaiならではってかんじの渋い演し物。
 今年もいいかんじでしたわ。
 「ひらりんのガラコンサート ガタメタに鐘は鳴る」。今年は、なんと、ハンドベル!
 ひらりんは、カネゴンの着ぐるみ(ていうかマスク)をかぶっての熱演。
 鐘を鳴らすからカネゴンなのね!と気が付く。
 それにしてもすごいわ。
 どうして持ってるの、ハンドベル?
 曲は、「千と千尋」から「もののけ姫」、そして、「ヴィレッジピープル」のメドレーまで。
 去年のピアノもすごかったけど、今年も感動させていただきました。
 「ジャスミンズ」。
 ジャスミン、エンジェル、メイリーの3人が、トリサワさんのプロデュースで2曲。
 よくって、びっくり。
 すっごいかっこよかった。
 「キラ・ド・モントルイユ」
 メーク前のキラ・ド・モントルイユさまを見て、僕とマミーは「マギー・スミスみたい!」とか言ってたんだけど、メークしたお姿はまさにコーちゃん!
 「人生は過ぎゆく」はほんとに涙涙でした。
 僕はリハを見て泣いて、また本番でも泣かされてしまいました。
 客席の一番後ろで見てたんだけど、みんな「熱狂」しててね。
 となりにいたヨシオもすごいことになってた。
 僕も、「キラ!」とか「ブラボー」とか言っちゃったし……
 いやあ、すごかったわ。
 次のマットーニャウメさんが、トラブルで途中で終わってしまって、一休み。
 最後にもう一度やりましょうということに。
 休憩明けは「The First Class」。
 渋いアコースティックな歌。
 とってもライブハウスなかんじ。
 こたくんのMCもほのぼのとした味わいでとってもグッド。
 「ジャスミンズ2」は、ジャスミンさんといっこうちゃんの2人組。
 女装して踊るいっこうちゃんが超イカス!
 「こういう女性ダンサーいるいる!」ってかんじ。
 ジャスミンさんは、こっちでもとってもいいかんじ。
 ナイス、アプローチだったわ。
 「ななこなでしこ」はエスムラルダさんのショー。
 ダンサーの男子4人を引き連れて、豪華な構成の「八百屋お七」をもとにしたお話が繰り広げられる。
 色とりどりの小道具もたくさん出て、とってもにぎやかな楽しいショーでした。
 「ソロダンス」はますだいっこうちゃんのパフォーマンス。
 音楽なしのこれまた渋い構成。
 今年もまた大活躍、お疲れさまでした。
 で、さっき中断してしまった、マットーニャウメショーをもう一度。
 スチュワーデス姿のエンジェルとメイリーが登場したり、影絵を使ったりのにぎやかな盛りだくさんなパフォーマンス。
 僕は、舞台裏から見てたので、違ったおもしろさがあったかな?
 で、「ジオラマ・マンボ・ガールズ」。
 今年は「笠置シヅ子特集」、「コンガラガッタコンガ」「黒田ブギー」「エッサッサマンボ」の三曲。
 ベリンダ弦本がつくってくれた豪華な衣裳&足袋ブーツがとっても楽しい。
 最後に全部の出演者が舞台に登場して「サヨーナラ!」と手を振っておしまい。
 わあ、終わったわ。
 終演後は、例によって、大忙しでお片づけ。
 舞台に貼ったリノをとめたテープのノリがリノにくっついてしまって、お客様にも手伝ってもらって総出でふき取り作業。
 ほんとに感謝だ。
 それが10時半過ぎに終わって、打ち上げの会場へ移動。
 僕は、マルゴリータ奈須の家へ、持ち帰りのゴミと荷物を持って、移動。
 11時過ぎに合流。
 にぎやかに飲む。
 飲み放題タイムが過ぎて、いったんお開き。
 僕は、ふらふらとタックスノットへ。
 先に来てた、面々と再会して、結局朝までコース。
 今年は飲んだくれて正体をなくすこともなく、無事に帰宅。
 爆睡。


2001年12月27日(木) フライングステージ&ジオマン最終稽古

 明日は本番。
 今日は最後の稽古だ。
 舞監の山崎くんと音響の亜弓ちゃんが来てくれる。
 まず6時からジオラママンボガールズの練習をする。
 みんな集まって、衣裳をつけてね。
 やっぱり、思ってたよりも運動量が多くて、へろへろになる。
 その前に、「黒田ブギー」で使うはずの「大きな扇子」(ダイソーでずっと前に100円で買った)のをどこかで落っことしてきてしまって、ショック。
 去年は帽子をなくしたし、今年は扇子。
 何やってんだか?ってかんじだ。
 早めに来た、フライングステージの面々に「見守られながら」練習を終える。
 まあ、なんとかなるでしょう。
 それから、「贋作・犬神家の一族」の通し稽古。
 段取りが通るようになってて安心する。
 もっとも、僕はまだ台本を持ったまんま、演出半分、プロンプ半分だ。
 自分の芝居に早く集中したいわ。
 で、8時からエスムラルダさんたちが来るはずだったんだけど、来ない。
 ヨシオが電話したら、北口をさまよってるらしい。
 ぎりぎりにようやく間に合って、「ななこなでしこ」を通して練習。
 僕は、この演し物のナレーションとセリフをやってる。
 僕の声でエスムラルダさんがリップシンクしてるのは、やっぱり不思議なかんじだ。
 退館時間ぎりぎりに終わって、今日はここまで。
 明日の連絡事項を確認して、さくっと解散。
 僕は、明日の準備。
 オープニングに使うスライドを作ったり、押入の奥から、忘れてた衣裳を引っ張り出したり、メーク道具を確認したり、開場時間に流れる音楽をつないだり……。
 で、もう朝です。
 今年は絶対余裕!だったはずなのに……こんなことに。
 少しだけ寝て、いよいよ本番だ!


2001年12月25日(火) ジオラマ・マンボ・ガールズ 「NHK紅白歌合戦(昭和38年)」

 新宿のアイランドの上の部屋を借りて、ジオマンの稽古。
 今日は、キラ・ド・モントルイユさまに来ていただいて、「黒田ブギー」の中の「黒田節」の振りを伝授していただく。
 かなりゆるい振りばかりのジオマンの振りの中で、「ここだけは」ちゃんとやろうという企画。
 日舞(風)の動きは、ゆるやかなのに、あきらかに「疲れる」!
 短いフレーズだったんだけど、丁寧に教えていただく。ありがとうございました。
 って、ちゃんとやれるかどうかは、かなり不明ですけど、がんばりますっ!
 その後、今回の笠置シヅ子特集の3曲の振りを三人でさらう。
 今回も「けっこうラクチン」と思ってたら、かなり運動量があることに気が付く。
 ていうか、踊っていて(動いていて)汗だくになる。
 途中で、アイランドにいらしていたエスムラルダさんが「応援に」来てくださった。
 しばし歓談する。
 で、お帰りになった後、今回一番の難曲、「エッサッサマンボ」の振りの確認を特訓。
 どうにかできるわ……と一息ついたところで今日はここまで。
 明後日のフライングステージの稽古場の、広いところで「せえーの!」とやって仕上げてしまおうということに。

 明日のフライングステージの稽古を急にトリにすることにする。
 風邪をひいてる人が多いのと、来れない&遅くなるメンバーが多いのでね。
 それぞれやることがいっぱいになってるはずなので、各自準備にあててもらうことにして、メールをみんなに送った。

 高円寺で、高市氏とマミーが録画していた昭和38年の「NHK紅白歌合戦」を早送りしながら見る。
 いやー、すごかった。
 最高だったのは、「トリオこいさんず」の「いやーかなわんわ」って曲!
 もう完全にやられたわ……。
 3人のおねえちゃんたちなんだけど、なんていうか……安さ爆発。
 安さといえば、「銀座かっぽれ」を「小坊主姿」で踊ってた楠トシエもすごかったわ。
 あとは、「ラストダンスは私に」を歌ってた、コーちゃんが見事。スターの貫禄!
 江利チエミが、「マイフェアレディ」の「踊り明かそう」を歌ってたのも、「見れてよかった」ものの一つでした。


2001年12月24日(月) SOMAひとり芝居小作品集「SOMA NIGHT」 フライングステージ稽古


 Merry Christmas!

 今日はクリスマスイブ。
 フライングステージは、特別なイベントもなしに、今日も稽古です。
 この間、エスムラルダさんと「自分のために使う12月がほしいよね」という話をした。
 って、勝手に忙しくしてるだけなんだけどね……
 ていうか、「言い訳として」忙しくしてるのかもしれない。
 
 昼間は、下北沢に舞台を見に行きました。
 SOMAひとり芝居小作品集「SOMA NIGHT」@OFF・OFFシアター。
 SOMAさんは池袋演劇祭の常連さんで、ずっと昔から知ってたんだけど、舞台を見るのは、今日が初めて。
 今回演出を担当してる亀井くんからご案内をいただいたので。ありがとうね、亀井くん。
 第1部は、短編集。
 SOMAさんは、昼休みに公園で別れた彼女に送った指輪のことを考える会社員だったり、水たまりのボウフラだったりする。
 一人芝居なんだけど、たとえばイッセイ尾形あたりと違うのは、一人で何役もやっちゃうこと。
 僕が見ていて一番近いと思ったのは、白石加代子の「百物語」。
 もちろんセリフだけで、地の文はないんだけどね。
 どんどんいろんな役になっていくそのスピーディなかんじがよかったなあ。
 カラダをきっちり使っていてね、お話自体はさもない物語ばかりなんだけど、彼女が自分のカラダを使いこなしてるようすを見てるだけでもけっこう楽しめる。
 一番面白かったのは、「ある母親の告白」っていうお話。
 近頃の母親はなってない……ていう話をしてる一見、しっかりしてそうな母親が、「いい母親だと思われたい」ばっかりに、自分の子供を虐待していく、牛乳に漂白剤を混ぜたりとかしてね、その告白。
 これは、セリフのしゃべり方、演じ方もとっても白石加代子風だった。
 カラダだけでなくって、芝居もとってもていねいに組み立てる人なんだなあと思った。
 第2部は、ある喫茶店を舞台にした物語。
 SOMAさんは、喫茶店のママと店に集まる三組のカップルの男女、計7人を演じる。
 これはけっこう上演時間も長くって、見応えがあった。
 台本もうまく作ってあって、7人の人物のセリフと演じ分けが無理なく続いてる。
 ほのぼのとしたお話は、クリスマスイブになかなかいいかんじだった。

 下北沢で、gaku-GAY-kaiの買い物を少し。
 シンクロの場面で使う、ボーダーのTシャツを探す。
 なかなか見つからなくて、結局、ユニクロのキッズでゲット。
 身長150?用っていうのをとりあえず1枚。
 着れるかどうかわからないからね。

 夜は、稽古。
 全員揃ってるので、さくさく通してみる。
 その前に、一応、クリスマスなので、みんなでケーキを食べることに。
 新宿駅のコンコースで売ってる「らぽっぽ」のポテトアップルパイを2つ買って行った。
 アルピーナさんからは、クリスマスプレゼントの紅茶のティーバッグのかわいいパックを全員に。ノグもみかんをたくさん持ってきてくれた。
 稽古の前に、衣裳をそれぞれ着てみる。
 さっき買ったキッズ用のTシャツを着てもらったら、全然だいじょうぶで、びっくり。4人とも。
 近頃の子供は大きいってこと? まあ、4人ともスリムなんだろうけどね。
 で、通し稽古。
 今日は、初めからわりといいテンポで、軽く終わりまで運んだ。
 ホソカワくんとフッチーの新人二人が、着替え着替えで大忙し。
 一度通して、ダメ出し。
 細かい段取りがけっこう多いので、次の稽古で確認しようと話す。
 で、今日はおしまい。

 今日は、高市氏のバースデー。
 高円寺で、ささやかなお祝い。
 あれこれしゃべってるうちに、またしても「安いアイデア」を思いついてしまい、マミーに即実行(ていうか作成)してもらう。
 出来上がった、手型を捺した布は、かなりばかばかしかった。
 本番まであと稽古は2回。
 あとは慣れることかな?


2001年12月23日(日) フライングステージ稽古

 午後と夜の稽古。
 台本はついに完成。
 ラストだけをどうしようかと悩んでたんだけど、昨日の稽古場で、マミーとアルピーナさんが話してたアイデアを「そっくりいただく」ことにする。
 ヨシオ以外の全員が揃ったので、今日は通してみることにする。
 まず、今日もってった、ラストシーンを組み立てる。
 それから、昨日の稽古にいなかった荒くんがらみの場面。
 ていうか、昨日持ってった部分を作り上げる。
 犯人探しの場面と回想シーンが交錯するシーン。
 思い切って、「わざわざ」交錯させることにした。
 稽古をしながら、僕の松子夫人がフッチーの青沼静馬を殺す場面の効果音を、出演している全員が出すことになった。
 映画だと、ものすごい血が飛び散るんだけど、舞台じゃそんなことできないし、どうしようかと思ってた。
 あ、高峰三枝子は、クランクインの日にこの場面を撮ったんだって。
 それまで「どうだろう?」ってみんな思ってたんだけど、あの場面で思いっきり血を浴びちゃって、素晴らしくはじけたんだそう。
 「ドフッ!」(斧が頭に刺さる音)とか「プシューッ!」(血が飛ぶ音)とかを、思い切り「口で」やってもらう。
 高市氏の感想は「安さもキワまったってカンジ」だそう。
 うん、たしかにね……。
 ラストまでの段取りができたので、一休み。
 夜からは、音響の亜弓ちゃんが来てくれた。
 で、一度通してみた。
 衣裳の確認をわらわらしてたら、そのあんまりな「学芸会感」でクラクラした。
 金田一耕助はいるし、黒いドレスを来た人たちはいるし、着ぐるみはいるし、ゲロゲロ鳴くカエルはいるし……。
 通してみた結果は、前半、特に遺言状の公開の場面が、かなり重たかった。
 全体のタイムもちょっと長め。
 でも、とりあえず、通った!
 で、細かくダメ出し。
 ほとんどが段取りなんだけどね。
 で、オープニングから遺言状の公開までを返してみる。
 みんなに「先に進もうとすること」と「重くやらない」ことをお願いする。
 で、できた場面は、とっても軽やかなもんだった。
 特に、遺言状を読む古館弁護士(小澤榮太郎)役の荒くんの変わり様はとってもイカしてた。
 映画はなかなか重厚なんだけど、セリフが主体の舞台で、そんな「雰囲気」を真似るととってもヘビーなものになってしまう。
 テイストを限りなく盗んで、笑ってしまうのが「パロディ」の本領だから、さくさくと軽やかに運んでいきたい。
 最後に、三姉妹が青沼菊乃をいたぶる場面をやる。
 フッチーに、「この人はいじめられてるんだから、余計なことをしないように」と話す。
 ただでさえ、三姉妹が「スケバン(!)」みたいなので、できるだけ「はかなく」やってねと。
 ちょっと早かったんだけど、今日はここまで。
 明日は、全員揃うので、また通してみようと思う。
 今回の、台本は、稽古場で「こんなふうにしたら、ばかばかしくていいよね」ということを、どんどん取り込んでできてった。
 「犬神家の一族」というとってもイカした、僕たちが大好きな映画の、一人一人が好きなポイントみたいなところを、おいしく料理しなおしてるかんじが楽しい。
 本番まで、もとい、本番も、楽しく、楽しんでしまいたいと思う。


2001年12月22日(土) フライングステージ稽古

 昼間、「TOGETHER」の発送作業。
 今月の30日の「忘年会」のご案内だ。
 でも、僕は、案内状の版下とDMシールの印刷だけをして、ワカちゃんに渡しに阿佐谷の駅まで行く。
 ワカちゃん、ダイちゃん、タカギくんに「よろしくね」とお願いして、大急ぎで高円寺へ。
 台本の続き。
 殺人事件はみんな終わったので、後は、金田一の推理ていう、種明かし。
 あたりまえなんだけど、「説明」のセリフが多くなる。
 まあ、しょうがないかと思いながら、ところどころ、羽目を外していく。
 本当の佐清と松子の対面。そして、告白。
 と、ここまで書いて、稽古場へ。
 といっても、かなり遅く。9時までの稽古場へ、着いたのは8時をずいぶんまわった時間。
 今日は荒くん以外そろっているので、ずっとすれ違いだった、ヨシオとアルピーナさんの場面を立ってもらう。
 それから、今日持っていった部分を、通して読んでもらう。
 約13分。
 もっとかったるくて長いかと思ってたんだけど、わりとさくさく運んでいる。
 これなら大丈夫。
 帰ってまた台本にとりかかる。


2001年12月21日(金) ホール打ち合わせ ジオラマ・マンボ・ガールズ

 「gaku-GAY-kai」会場の新宿文化センターに、当日の打ち合わせに行く。
 「The First Class」のKOTAくんと一緒に。
 「去年やってるから……」ということで、あっという間に終了。
 わざわざ来てもらって、ちょっと申し訳なかったなあ。
 その後、KOTAくんにつき合ってもらって、「シンクロ」の場面で使う衣裳を探しに行く。
 ボーダーのTシャツは、さすがになくって、長袖を何とか見つける。
 でも、「まだ安いの」がどこかにありそうなので、保留。

 その後、マルゴリータ・奈須邸で、ジオラマ・マンボ・ガールズの打ち合わせ。
 今回のテーマは「和」なので、ていう、全編「笠置シズ子」なので、衣裳は「着物ベース」、靴はやめて、「足袋ブーツ」を作りたいよねという話に。
 もっとも、ブーツにするのは大変そうなので、「白の地下足袋の12枚コハゼ」というのを使うことにする。
 打ち合わせの前に新宿西口青梅街道沿いの「作業着&お祭り用品屋さん」で、ゲットしてきた「白地下足袋12枚コハぜ」を履いてみる。
 うーん。ちょうど「ショートブーツ丈」だわ。
 靴底(?)もさすが地下足袋、しっかりゴムになってるので、滑り止め効果もバッチリ。
 ポイントの12枚コハゼは、僕のふくらはぎが、やや「シシャモ」状態なので、なかなか全部しまらない。
 でも、なかなかいいかんじ。こんなの履いたドラァグさんは、まずいないよね?
 で、二人でベリンダ・弦本を待ってたんだけど、ちっとも来ない。
 振付を二人であれこれしてるうちに、段々、ミーティングモードに。
 ていうか、久し振りに「みっちり」話す。
 マルゴリータさんは、ガッコのせんせいをしているのだけど、二人で、「教えるって何だろうね?」という話で盛り上がる。
 さて、いつまで立ってもベリンダさんは来ない。
 10時を回って、そろそろお開き?と思った頃に電話。
 寝過ごしたそうです……。
 衣裳の進捗の確認と、次回の約束をする。
 で、今日はこれまで。
 何をしたんだか?ってかんじだけど、なかなか有意義な時間だったわ。

 マルゴリータ邸を失礼して、僕はタックスノットへ。
 なんだかんだと朝までコースに。
 もうじきクリスマスだというのに、「色恋」の「い」の字もない僕だけど、この日のタックスノットはあちこちが「恋愛モード」になってて、いいかんじ。
 負けないわ&あやかりたい!と思いつつ、「でも、それどころじゃないのよね」と自分に言い聞かせる。
 ていうか、全然、その気になってない自分に、ちょっとショックを受ける。
 まあね……。わかってるんだけど……。芝居してると、全然、どうでもよくなっちゃうんだよね。
 って、こんなだから、だめなんだわ。と、取り合えず、反省だけしておく。
 今日は、天気予報は「雪が降るかも」だったのに、結局、シーンと晴れてしまった。
 朝方に見えた一個だけ光ってた星はなんだろうね。
 この季節は、なんだか、空を見上げてしまうな。


2001年12月20日(木) フライングステージ稽古

 去年の「贋作・黒蜥蜴」もそうだったけど、原作があって書いていると、「あらあらこんなに運んじゃう!」っていうくらい、さくさく書ける時がくる。
 それは大体、終わりが見えてきたところなんだけど、今年の「贋作・犬神家の一族」もそんな地点にたどり着いた。
 今日持ってったのは、昨日の続きの場面。
 佐智が死んで、三姉妹が、かつて青沼菊乃にはたらいた暴行(!)を語る場面。
 そして、その情景を「再現」していく。
 その後、松子が珠世に「誰を選ぶのか考えを聞かせてほしい」と尋ねると、珠世は「この人は佐清さんではありません」と言って去る。
 松子は仮面の佐清に「珠世の言ってることはうそっぱちだよね」と言うが、仮面の男は「俺は青沼静馬。あんたとあんたの妹たちに痛めつけられた青沼菊乃の息子だ」と真実を物語る。
 次の場面は、オリジナル、湖を舞台にした「湖祭り」(安くてゴメン……)の「お神楽」の場面。
 全てが終わると、湖に浮かび上がる佐清の仮面……。そして、逆さまに立つ二本の足。
 っていう、「犬神家の一族」としては、絶対にはずせない「お約束」の場面です。
 稽古は、アルピーナさんが今日は来てくれたので、佐武との再現シーン、佐智との空き屋敷でのからみ等々、順番にやっていく。
 そして、高市氏の老婆お園と僕の松子のやりとりも。
 場面は順調に進んで、今日持っていったところをさくさくと。
 一番のポイントは、三姉妹が青沼菊乃をいじめるところ。
 もう、やりたい放題をやることにする。
 菊乃は、静馬と二役のフッチー。原作の映画では、無音のコワイところなんだけど、わいわいにぎやかに暴れてしまう。
 そして、原作に沿った(わりとね)場面が続いて、「湖祭り」の「お神楽」の場面。
 ていうか、アルピーナさんがメインでシンクロのショーをやるんだけど。
 曲は、松田聖子の「天使のウィンク」。
 マミーが今日、日暮里で買ってきてくれた青い布(100円/m)を波布にして、イカす振付が繰り広げられる。
 もう、笑った、笑った。イカすわ、ほんと。
 すっごい、スペクタクルじゃないのッ!
 最後に残るフッチーの「二本足」は、三点倒立じゃなくて、舞台の上に寝っ転がって足を上げてもらうことにする。波布もあるし、これで全然だいじょうぶ。
 その足を見て、早瀬くんの小夜子が「私も仲間に入れてよ……」って言うんだけど(これも川口晶の名場面)、そのまんま湖にずぶずぶ入っていく。もちろん、パントマイムの階段みたいに(!)だんだん背を低くしながらね。
 と、大体通ったところで、今日はここまで。
 今度は土曜日。台本は、きっと終わりまで行ってると思う。
 日曜日に芝居をかためて、月曜からは通し稽古だ。

 その後、高円寺で、3月のプロデュース公演の打ち合わせを、デザイナーのマツウラくんと。
 ずっと悩んでたタイトルをようやく決める。
 タイトルは「トリック」。「TRICK」でもいいんだけどね。
 大好きな映画のタイトルで、「男が男を引っかける」って意味もあって、もちろん手品なんかの「ごまかし」の意味もある。
 今度の芝居は、みんながみんな嘘をついてる、自分にも、他人にも、そんなお話だ。
 というようなことを、マツウラくんに話して、これからデザインをしてもらうことに。
 よろしくお願いいたしますです。


2001年12月19日(水) フライングステージ稽古

 今日も台本のつづきを持っていく。
 松子夫人とその母お園が出会う場面。テレビのオンエアーでは一番カットになるシーンだ。
 高峰三枝子と原泉(!)が渋い芝居をしてる。
 今回の脚色(?)では、人数と時間の都合で、大滝秀治がやってた大山神主がいないので、そのへんの話を全部、お園にしゃべってもらう。
 それから、佐智が湖で珠世を誘拐(?)して空き屋敷へ連れて行き、乱暴しようとする場面。
 そこを、本当の佐清(みんな、話は知ってるからいいよね、バラしても)が助ける場面。
 そして、「琴」にまつわる佐智殺しの場面。
 なんて盛りだくさんなの!!
 今日も代役代役で一度通して読んでから、細かく立ち稽古をしていく。
 うそです。大ざっぱにでした。
 ただでさえ、「激安満載」の「贋作・犬神家の一族」ですが、この佐智殺しの場面は、書いてるときも「トホホ」なかんじだったんだけど、実際にやってもらったら、もう「安すぎ!」ってかんじでした。
 かなり満足(笑)。
 一体、どんな「琴」にまつわる殺しなのか、お楽しみにね。
 ちなみに、思いついたのは、うちのノグとアルピーナさんです。僕じゃありませんから。
 あとはもう一人、佐清を殺して、湖につっこめばいいだけ。
 ゴールは見えてきたってかんじかな。


2001年12月17日(月) グリング「3/3(サンブンノサン)」 フライングステージ稽古

 東京芸術劇場小ホール1に、グリングという集団の「3/3(サンブンノサン)」という芝居を見に行く。
 橋口亮輔監督の「ハッシュ!」の舞台版。
 もっとも、これは映画を「原作」にしたオリジナルの舞台。
 「ハッシュ!」はエキストラでちょこっとだけ出てるせいで、試写を見せてもらったんだけど、とってもいい映画だ。
 ゲイのカップルに、子供を生みたいと言ってくる女の子の話。
 いや、ちょっと違うな。
 子供を産むことで、自分がまだ人とつながれるってことを確認したい女の子の話。
 まあ、それ以前に、この映画の中で、描かれるゲイの姿は、そのカップルとしてのありようにしても、一人一人の生き方にしても、とっても「今」だ。
 映画は、その「今」なかんじを、ムリに作り上げるのではなく、さらっと見せてくれているところが、とっても心地いい仕上がりになってる。
 橋口亮輔監督の映画の中では、一番好きだなあ。
 で、グリングの「3/3(サンブンノサン)」。
 場面は、病院の待合室の一杯道具。
 時間もリアルタイムの1時間45分。
 肺ガンで今にも死にそうな父親の見舞いに来ているゲイのカップルの片一方。
 遺産相続の放棄のための書類に捺すハンコを持ってきてほしいと連絡して、パートナーを呼ぶ。
 もちろん父親にも家族に彼は、カミングアウトしてないんだよね。
 この役は映画では田辺誠一がやってる。この舞台では、円の石井英明。
 彼の高校の同級生の女の子が、入院している。子宮筋腫でね。映画の片岡礼子の役。舞台では、円の高橋理恵子。
 病院には、彼女の父親の同僚のタクシー運転手が入院してたりして、そのへんから、いろいろな情報が明らかになってくる。
 全部が、病院内のうわさ話としてね。
 このへんがうまいとおもったな。
 無理矢理、リアルタイムの一杯道具に詰め込んだっていうかんじがしなくって。
 で、原作通り、彼女は、「子供が産みたい」っていう話をする。
 カップルの片一方はもちろん反対。映画では高橋和也がやってたこの役は、蔵澤満っていう役者さんがやってる。僕は、はじめてなんだけど、とってもよかったねえ。
 そこに、なんだか追い詰まっちゃってる看護婦だとか、父親の見舞いに来てる兄夫婦とか、なで入院してるかわからない、子供が産みたい女の同室にいる太った女とか、その女の夫とかがからんでくる。それから、病院の向かいにある食堂のおばちゃんとか。
 通常の使い方とは違って、真ん中に演技エリア=待合いスペースをはさんで客席が対面式になってるのもおもしろかったねえ。
 役者さんたちは、みんな、ちっともおおげさなことをするんでなく、それでも、リアルな1時間45分のなかで、とっても大きな事件が、淡々とすすんでた。
 初めは反対してたカップルの片一方が、「少しだけ」歩み寄るっていうのが、変化といえば変化なんだけど、そのへんがとっても微妙だよね。
 リアルな1時間45分の中で、いったいどれだけ、変わっていけるのか。
 でも、この芝居の中では、そのかんじがとってもちょうどいい。
 「少しだけ」なところがね。
 一番の見どころは、高橋理恵子が(ゴメン、今、役名がわからないので)、自分がどうして子供を産みたいのかを、ゲイの兄嫁(佐藤直子)に話すところ。
 この芝居は、どこでもそうなんだけど、みんなが、自分の言葉を、紡ぎ出してしゃべってるようすがとってもよかった。
 この場面の、高橋理恵子の、言葉を、そして思いを探ってるかんじは、よかったなあ。
 結果出てきた言葉が、相手にちゃんと伝わってるのかどうか、それもわからない。でも、言わずにはいられない。そんな言葉にならない想いがね。
 芝居がおもしろいのは、言葉ではない何かが伝わってくるからだ。
 だから、今、僕が、言葉に直そうとしてるのは、とっても意味がないことなのかもしれない。
 だって、ほんの一瞬の間に、どれだけ書いても書ききれないほどのものがそこにはあったんだから。
 兄嫁役の佐藤直子も、よかったなあ。映画では秋野暢子がすっごい良かったんだけど、全然違うキャラクターが、ちゃんと成立してる。
 今日中に相続放棄のハンコをもらってよ!っていうこだわりも、せこいんだけど、納得がいくしね。
 この芝居の中では、もしかすると一番、振り幅の大きいかもしれないこの役を、とってもきちんとやってた。
 あと、おもしろかったのは、ずっと明るいフラットな照明の中でみんなが芝居してるせいか(ラストで微妙に変わってってたけど)、役者さんの顔色が変わるんだよね。興奮すると赤くなったりして。それがとっても新鮮だった。笑って真っ赤になったり、しろーくなってったりね。
 タクシー運転手のセリフの「新宿2丁目ってあるでしょ。ゲイのサファリパーク」なんていうのに大笑いしながら、多くを語らないで、今のゲイのありようをちゃんと見せてくれてる、作、演出、そして、役者たちに、僕はとっても感動して帰ってきた。
 うん、いい芝居だったよ。とってもね。
 負けてられない。またしてもそう思った。
 夜は、フライングステージの稽古。
 映画「犬神家の一族」をもとにした「贋作・犬神家の一族」。
 同じ「映画をもとにした芝居」でもスタンスが全然違う。
 何しろ、こっちは「パロディ」だからね。
 映画の「スタイル」と「ディテール」を、遊んでしまおうとしてるわけだから、一幕一場なんかには絶対にしない。
 今日は新しい場面の台本を持っていった。
 佐武殺しの犯行現場がわかって、そこの現場検証。そして、珠世の尋問。
 再現シーンで、二人が展望台で出会ってた場面が繰り返される。
 それから、佐清の手型合わせの場面。
 珠世役のアルピーナさんがいないので、軽く読んで、できるところを立っていく。
 最後は、小夜子役の早瀬くんが珠世に「佐智さんを選んだら怨むわよ!」というところまで。
 遺言状の公開の場面から、ここまでで30分弱かかった。
 全部で60分におさめないといけない。でも、なんとかなるだろう。

 ああ、でも、いつかまた、一幕一場の芝居やりたいなあ。
 そんなことを思った、今日の観劇&稽古なんでした。


2001年12月16日(日) フライングステージ稽古

 昼夜稽古の日。
 昼間はアルピーナさんによる「シンクロ」の振付だったんだけど、当初の予定をごめんなさいして、うちで台本を書く。
 「ごめんね、夕方から行くから」という電話を入れたら、「スピーカーがないので、稽古ができないんです」と早瀬くんに言われる。
 そうだった、昨日、僕が携帯用のスピーカーを持っていくって約束したんだった。
 大慌てで、阿佐谷の駅まで行って、早瀬くんにスピーカーを手渡す。
 で、大急ぎで高円寺に戻って、台本の続き。
 ほんとうは、午後から「作劇舎」の例会もあったんだけど、そっちも欠席させてもらって、パソコンに向かう。
 とにかく書かないと今日の稽古ができない!
 夕方なんとかひと段落して、ゲイマガジン「G−men」の忘年・クリスマスパーティにご挨拶に伺う。
 いつもお世話になってるみなさんにご挨拶。
 今年のパレードの実行委員長、福島光生さんや、実行委員の面々、それに去年の実行委員長の砂川さんたちとおしゃべり。
 ピンクベア長谷川さんに晩三吉さんを紹介してもらってご挨拶する。
 児玉オサムくんともお久しぶりの挨拶を。
 「これから稽古なので……」と早々に失礼する。
 で、稽古。
 まず、昼間つくってもらった、シンクロの振付を見せてもらう。
 松田聖子の「天使のウィンク」がきっちり「シンクロナイズドスイミング」になってる!
 顔ぶれは、メインで歌うアルピーナさんに、フッチー、マッスー、早瀬くん、細川くんの5人チーム。
 これで波布を用意すれば、もう完璧だわ!
 その後、芝居の稽古。
 今日持ってったところを読んでみる。
 古館弁護士役の荒くん、竹子役の高市氏、梅子役のマミー、佐武役のヨシオがいないので、代役代役の稽古になる。
 遺言状の公開の場面の続き、みんながそれぞれの思惑を話すところ、そして、「犬神家の一族」でたぶん一番有名な「菊人形」の場面。
 まあ、「贋作」なので、かなり「違く」なってるんだけど、その死体が発見されるところまで。
 プラス、荒くんが二役目の橘署長(加藤武)になって登場するところまで。
 ここまでで30分弱くらいかな?
 ざっと読んだ後、金田一と珠世の場面、珠世と佐清(贋物)の場面を稽古する。
 フッチー演ずる、仮面をかぶった佐清は、ちょっとした角度で仮面が表情豊かになってって、とってもおかしい。
 やりとりを細かくつくっていって、今日はここまで。
 明日も稽古だ。続きを書かないとね。
 夜、ますだいっこうちゃんが、年賀状の素材にするための写真をとりにくる。
 9月にやった「ひまわり」の舞台写真をスキャナーで読みとって、データで送る作業。
 ともあれ、いろいろとおしゃべりする。
 さしで話すのは久し振り。
 エスムラルダさんも来訪。
 先週録音した僕のナレーションが、1つ「壊れて」しまった&1つ「追加」ということで、さくさくと録音する。
 夜中、いっこうちゃんからメール。
 送った画像が、全然違うものだとのこと。
 確認したらたしかにそうでした。
 大急ぎでちゃんとしたのを送り直す。何やってんのよ!ってかんじ。


2001年12月15日(土) フライングステージ稽古

 台本が進まない。
 どんなに落ちこむことがあっても、そんなの関係なく、どんどん書いてかなきゃいけないとは思うんだけど、やっぱりどうにもならない。
 役者だったら、どんなに気持ちが沈んでても、セリフをしゃべってるうちに、ふっと自由になれる時間があるんだけど(僕の場合ね)、何もないところからお話を作り出すという作業には、落ち込んだ気持ちからふわっと自由になれる、そんな瞬間がなかなかやってこない。これも僕の場合だけど。
 そんなわけで、ツライ気分のまま、稽古場へ。
 ヨシオをのぞく全員が集合。
 基礎トレを、細川くんに仕切ってもらって、「贋作・犬神家の一族」の稽古。
 頭から、アルピーナさん演ずる珠世とのからみを中心にやっていく。
 湖で溺れる場面が、とっても「安く」面白くなった。
 後半は、遺言状公開の場面を。
 荒くんの古館弁護士が、オリジナルの「犬神家の一族」のビデオで「勉強」してきて、スゴイことになってる。
 映画では小澤榮太郎がやってるんだけど、そのテイストを完全にコピーしちゃってる。
 しゃべりかたとかしぐさとかね。
 「そこまでやるかい!」ってかんじ。いやあ、おもしろくなったわ。しかも「安い」し!!
 遺言状が発表された後、三姉妹がワイワイ言い合うところ。
 映画では、高峰三枝子、三条美紀、草笛光子が、小澤榮太郎に、すごい勢いでくってかかるんだけど、この場面のセリフが、ほとんど「同時に発せられる」んだよね。
 確信犯で、二人のセリフがかぶってる。そんな演出がされてる(ほんとだよ)。
 この演出は、市川崑の独特の味なので、是非活かしたいんだけど、さすがに舞台じゃ何言ってるのかわからないでしょと思い(「青年団」みたいな「静かな演劇」じゃないから)、セリフをやや食い気味に続けるような演出をしてた。
 のを、今日は、できる限り、オリジナルに近く、同時に喋るっていうのをやってみました。
 僕の松子夫人(高峰三枝子)の「嘘です、嘘です、その遺言状は偽物です」っていうセリフから、もう重なる重なる。
 合間のマミーの梅子(草笛光子)の「あなた、それでも弁護士?」っていうセリフでちょっとブレイクがあるんだけど(これも映画と同じ)、もう一気にしゃべりまくる。
 ポイントは、急がないことと、セリフの初めを印象づけるように喋ることだねと話す。
 聞いてるみんなに「どう?」と聞いたら、「こっちの方がおもしろい」ということだったので、即採用。
 劇場ではどんなになるか楽しみだ。
 続きの場面がないので(ごめん)、今日はここまで。
 かなりブルーな気分で始まった稽古だったんだけど、最後にはとっても楽しく終われた。
 この気分をうまくすり替えて、作者モードになれたらいいな。
 夜、高円寺にウスイさんことキラ・ド・モントルイユさまがいらっしゃる。
 gaku-GAY-kai用にゲットしたドレスを、もっといいのを見つけちゃったのでということで、僕に分けてくださることになった。
 なかなか手に入らない13号サイズのドレス。
 「でも、きっと肩が入らないはず」とおそるおそる着てみたら……、全然だいじょぶでした!
 大喜びでお言葉に甘えることにする。
 松子夫人の衣裳はこれでいこうと思う。
 ついでに、「これはどうかしら?」と勧められた赤のスリップドレスも。
 キラ・ド・モントルイユさま曰く「ずっと元気がなかったんだけど、衣裳のドレスが見つかったら、何だか元気がでちゃってね」。
 僕もその元気をお裾分けしてもらった気分だ。
 ありがとうございました。


2001年12月14日(金) ジオラマ・マンボ・ガールズ

 朝から「ファッションチャンネルニュース」のMA。
 「2002春夏パリコレクション」パート3&4
 ローラン・メルシエとオリビエ・テイスケンスがとってもかっこいい。
 いつもと違うスタジオで、久し振りなハンサムな岡田くんと一緒。
 中出さんもノリノリで楽しく録音終了。
 夜から、gaku-GAY-kaiのための「ジオラマ・マンボ・ガールズ」の打ち合わせ。
 「ジオラマ・マンボ・ガールズ」(以下「ジオマン」)は、3人組のリップシンクユニット。
 年に一回、このgaku-GAY-kaiでだけ、ショーをやる。今年で、結成7年目くらいかな?
 ドラァグクィーンのみなさんがよくやるリップシンクと違うのは、選曲と演出がぬるいってことかな?
 ちなみに去年は、シドニーオリンピックの新体操にちなんで(?)、スリーキャッツの「黄色いさくらんぼ」でボール、神楽坂浮子の「三味線フラフープ」でフラフープ、奥村チヨの「嘘でもいいから」でリボンを使ってみた。
 今年は、笠置シズ子特集。
 これまでずっと、やりたい!と思ってた企画(年に一度なので)がついに実現。
 メンバーの三人は、ふだん揃って会うことはほとんどないんだけど、このgaku-GAY-kaiの準備のためにだけ集合する(もちろん、普段は芝居見に来てくれたりはしてるんだよ)。
 河田町にあるマルゴリータ・奈須の家に、元・フジテレビ通りを歩いていると、「もう一年が終わるね」との感がひとしおだ。
 で、今日は、完全な打ち合わせのみ。練習はしない。
 計3曲を「コンガラガッタコンガ」「黒田ブギー」「エッサッサマンボ」に決定する。
 それから、衣裳担当ベリンダ・弦本を中心に衣裳の打ち合わせ。
 役割分担等々を決める。
 あとはおしゃべりしながら、曲を延々と聞く。
 そのうちに、演出(ていうか振付)のプランがどんどん浮かんできて、ポイントポイントを確認する。
 「できるよ、できる!」と盛り上がって、今日はおしまい。
 新宿に出て、アイランド、それからタックスノットに、デザイナーのヒロユキくんがつくってくれた「gaku-GAY-kai」のポスターを持っていく。
 タックスノットでタックさんに、「エッサッサマンボ」の歌詞を教えてちょうだいとお願いする。
 「エッサッサマンボ」は「安来節」が折り込まれた歌なんだけど、イマイチ、何て言ってるのかわからない。
 この曲を教えてくれたのがタックさんなので、聞いてみたわけ。
 そしたら、その時店にいたみんなに「はい、みんなで書くのよ!」と言って、テープで「エッサッサマンボ」を聞くことになった。
 少しずつテープを流しながらのヒアリング(?)。
 一人で聞いても全然わからなかったのに、みんなでわいわい聞いたら、全部わかってしまった! もう感動する。
 その後、ラピスによって、仕上げ(?)。ここにもポスターを届ける。
 コタくんとずっといろいろしゃべる。
 最後は、ウェンディーズで、コーヒーを。
 この頃はあっという間に夜になるのに、朝が来るのは遅いよねという話をする。
 ツタヤに借りてたCDを返すのにもつきあってもらう。
 よかった、忘れなくて。


2001年12月13日(木) フライングステージ稽古

 稽古の前に、吉祥寺に出て、中国雑貨の「大中」で「犬神家の一族」で使う「小道具」をゲットする。
 久し振りな吉祥寺の街は、すっかりクリスマスだ。
 夕方だったせいか、とっても「クリスマス度」が高い。
 駅前に大きな広場があるからかな?
 なかなかいいかんじだった。

 で、大荷物を抱えて稽古場へ。
 昨日出来なかった「遺言状の公開」の場面をやる。
 よしおも久し振りに登場。
 野々宮珠世役のアルピーナさんも来てくれた。
 まずはじめに、全部を読んでみる。
 それから、珠世が湖で溺れる場面をアルピーナさんの珠世でやってみる。
 アルピーナさんは、去年の「贋作・黒蜥蜴」では令嬢早苗さんを、その前も「シンデレラ」や「白雪姫」のヒロインをやってる。
 主役にして、完全なボケキャラというのが、とっても上手だ。
 芝居の経験は、うちでのgaku-GAY-kai以外全然ない人なんだけどね。
 続いて、今日のメイン、遺言状の公開の場面をやる。
 映画では、床の間に向かってきっちり座るんだけど、舞台でそれをやるとやや見づらい。
 結局、犬神家の一族は、横一列に並ぶことにする。
 原作通りな場面、原作を大きく離れてる場面、いろいろありながら、なんとか終わる。
 ここからが、いよいよオリジナルの物語の始まりだ。
 わくわくするね。
 って、早く書かなきゃ。


2001年12月12日(水) フライングステージ稽古

 朝からファッションチャンネルニュースのMA。
 「2002春夏パリコレクション」を中出順子さんの解説で。
 エリック・ベルジェールが往年のトップモデル(てことはかなりなおばさん)たちを使って、ほとんどユニバーサルファッションを展開しているのがおもしろかった。
 お昼はディレクターの大熊さんの提案で近所のインドネシアレストラン「ブンガワンソロ」のテイクアウト弁当を。
 「さすがインドネシア料理、けっこう甘いね」と言って食べてるうちに、どんどん辛くなってくる。でも、とってもおいしかった。
 夜は、「贋作・犬神家の一族」の稽古。
 台本はプラス5ページ。
 このお話の中で一番重要な(たぶん)遺言状の公開の場面。
 ここまでとっても原作(の映画)に忠実につくってきたのが、一気に「オリジナル」な展開になってくる。
 安い仕掛けも盛りだくさん。
 あとは殺人事件をなぞっていって、どんどん突っ走っていけばいいかんじ。
 今日は、犬神家の三姉妹の一人、竹子役の高市氏が仕事でお休みなので、全員集合の場面は明日にまわす。
 ようやく復帰の荒くんとノグの金田一の場面をつくっていく。
 二人とも風邪っぴき&病み上がりなので、なかなかうまくいかない。
 細かくダメだしをする。
 みんなに「gaku-GAY-kaiの稽古は、やったことある人はわかると思うけど、いつもと違って『テクニック』を要求するので、よろしくね」と話す。
 セリフの回し方とか、思い入れとか、ある意味「ベタな芝居」をいっぱいいっぱいしてもらう。でも、それをちゃんとやることってけっこう難しかったりする。自分でちゃんと「意識して」芝居をすることだからね。
 帰り道、足立区に引っ越したばかりのキッちゃんといろいろしゃべりながら歩く。
 仕事のこととかいろいろね。
 新宿の駅で山手線を降りたら、ますだいっこうちゃんと遭遇。またしても!ってかんじ。
 同じ電車に乗ってたらしいんだけど、渋谷では気が付かなかった。
 どうやら、先につめこまれた後、僕らがわらわら乗ったらしい。
 gaku-GAY-kaiのことをいろいろ話す。
 ジャスミンさんとのコラボレーションのことなど。
 詳細がわかって、ちょっと安心。


2001年12月09日(日) フライングステージ稽古

 夕方から稽古。
 「贋作・犬神家の一族」の新しく書いた台本を持っていく。
 計6ページ。
 あるところをどんどん立っていってもらう。
 金田一耕助がやってきて、湖で溺れている野々宮珠世を助けるところまで。
 その先の古館弁護士と金田一の場面もあったんだけど、古館役の荒くんが風邪でダウンしているので、高市氏に一度読んでもらうだけにする。
 一番最初に殺される若林弁護士をマッスーにやってもらう。
 ほんとに「死体」としてだけの出演なんだけど、何度かやってもらううちに、どんどん気合いが入ってる。死体なのに(笑)。
 稽古の後、高円寺にエスムラルダさんが来訪。
 gaku-GAY-kaiの演し物「『八百屋お七』のお話を下敷きにしたチーパー歌舞伎ミュージカル『七子なでしこ』」のナレーション録音のため。
 全編に流れるナレーションを、僕がやることになったので。
 「来宮良子風」なおどろおどろしい&かなりベタなナレーションをさくさく録音。
 お話を語る地の文と、エスムラルダさん演じる主人公のセリフもしゃべってしまう。
 かなり楽しい。
 最後に他の音も聞かせてくれて、八百屋お七の人形振り(?)もちょっと見せてくれた。
 どんなになるのかとても楽しみだ。


2001年12月08日(土) フライングステージ稽古

 夕方、明石スタジオで芝居を見たというイワイワと森川くんがやってくる。
 ひさしぶりにおしゃべりする。
 それから、稽古に出かける。
 ヨシオとキッちゃんが久し振りに来てる。
 基礎トレの後、「贋作・犬神家の一族」の稽古。
 台本を「2ページだけ」持っていく。
 幕前の声のみのシーンと、オープニングの金田一登場の場面。
 サントラを持っていって、みんなに聞いてもらう。
 大野雄二作曲の「愛のバラード」はやっぱり名曲だと思う。
 劇中でどうしても必要な「三点倒立」をフッチーにやってもらったんだけど、どうしてもうまく行かない。
 「ムリだよ」と言うノグに、「でもこうやればできるでしょ?」と言って、壁に頼りながら実演(?)に挑戦。「十年前は出来たんだから」って。
 そしたら、できちゃいました。
 みんなも驚いてたけど、僕も驚いた。
 やだ、自転車や水泳と同じってことなの、三点倒立って?
 終わってから、ちょっとまわりを星がキラキラしてたけどね(笑)。
 さて、その後は、ほとんど段取りの確認のような稽古をさくさくと終えて、早めに終了。
 帰ってから、昨日録画した「アリーmyラブ4」を見たら、「10分繰り下げて」放送してて、ラスト10分がどうなってるのかわからない。とってもイライラ! もうーっ!てカンジだわ。


2001年12月07日(金) 国会図書館 傑作劇場 ぺんぺん「明治一代女」

 「犬神家の一族」のシナリオを探しに、国会図書館に行く。
 ていうか、国会図書館のサイトで蔵書の検索をしたら、ちゃんとあったので、そのデータを手に、コピーをゲットしに行く。
 丸の内線の国会議事堂前の駅を出て、てくてく歩く。
 いちょうの並木がきれいに黄葉して、歩道にいっぱい散ってる。
 商店街とちがって、このへんは落ち葉が散ったからって掃除する人もいないのねと思う。
 でも、かえってきれいかもしれない。
 幅の広い道路は車の通りもあまりなくて、広々としてる。
 冬の晴れた空はとっても青々していて、ただ歩いてるだけでいい気持ちだ。
 行ったことないけど、パリってこんなかんじなの?とか思って、気分は勝手に岸恵子(パリのおばさま)だった。
 と、向こうで僕に向かって手を振る人がいる。
 誰だろうと思ったらば、このあたりで仕事をしてるホンダさんだった。
 お昼休みで買い物に行くところなんだって。
 「買い物って、このへんってお店あるの?」と聞いたらば「ちょっと地下鉄に乗ってね」との答え。大変ね。
 それにしても、こんなふうにばったり会うなんて、びっくり。
 しばらく一緒に歩いて、おしゃべりして、バイバイ。
 国会図書館は、久し振りだ。
 大体、いつも、台本を探しに来てる。
 矢代静一の「宮城野」とかノエル・カワードの「陽気な幽霊」とかね。
 データをプリントアウトして持ってきたので、検索の手間がいらなくてラクチンだ。
 さくっと持ってきてもらって、複写をお願いして、30分ほどで終了。
 続いて、上野の傑作劇場にタックさんが出てる映画を見に行く。
 今日まで……ということだったのでね。
 その映画「浮気な僕ら」は、今泉くんが脚本を書いてる。
 彼は、この映画の出来が気に入らなくて、自分でビデオを取り直してる最中。
 うちのヨシオが出演もしてる。
 で、元々はどんな映画なのか、タックさんはどんな芝居をしてるのかしらと興味津々でやってきた。
 同時上映の「ビースト・シャドウ」には、仲良しのヒラリンこと平倫太郎さんが出演。
 これも見逃せないでしょってかんじ。

 で、最初は「ビースト・シャドウ」から。
 奥多摩のバンガローに遊びに行ってる仲良し三人組(?)が、次々と襲われる。
 その怪人(?)は、シーツのようなものにくるまっていて、三人はがんがんファックされてしまう。
 いったい何者?ってことになるんだけど、同じようなシーツを着た「女」が登場して謎は判明。
 女は例の男の「双子の姉」で、子供の頃に父親から受けた虐待から、私たち姉弟はシーツにくるまって逃げていたのだと。
 そして、弟は、成長して、父親より腕力が優った時、父親を犯してしまい、それ以来彼は「普通でなくなった」のだと。
 そんな中、三人のうち最後まで無事だった一人が風呂場で犯されてしまう。
 で、姉は弟と会って話すんだよね。
 父親に虐待されてた私たちには物語が必要だったんだと。
 その物語を作り出してきおかげで私たちは生きてこれたのだと。
 でも、弟が父親を犯したというのは、新しく作った「物語」で、実際には、犯すことはできなかったのだと。
 その話を聞いた弟は、外へ出ていく。
 犯されてしまった三人は、「畜生!」とか言いながら、川遊びをしている。
 ふと、「俺たち、何だか楽しんでないか」と言ってみる。
 その時、川の中に不思議な白いもやもや(!)が……。
 場面が変わると、川の上流では、あの弟が川に向かってオナニーをしていた。
 で、「オナニーするとき、僕は風と結婚する」という文字が出て、おしまい。

 ファックシーンがいっぱいあって、さすがに「薔薇族映画」ってかんじなんだけど、僕は「これって『怪獣映画』みたいだな」と思って見てました。
 ほら、昔のウルトラマンとかに出てくる怪獣って、何か悲しいものを背負ってて、最後に消えていくのも、どこか物悲しかったりして。
 このお話の弟も、なんだかそんな「怪獣」みたいだなと思ったんでした。
 最初びっくりしたもの。
 森の中でシーツかぶった怪しいヤツにいきなりファックされちゃって。
 白いシーツに血が「ピューッ」とか飛んじゃって。
 いくら激しくやったって、あんなには飛ばないでしょ?ってかんじ。
 gaku−GAY−kaiやパレードで「怪獣」ぶりを見せてくれてるヒラリンさんが出演してるっていうのも、「怪獣映画感」を増してたかもしれない。
 何だか不思議な映画でした。
 こういう映画ができてしまうのって、やっぱりおもしろいと思う。「薔薇族映画」って。
 セックス描写なんて、ほんと言い訳みたいなもんだもん。
 ていうか、そうじゃないところのおもしろさがいいよね。

 で、もう一本、今泉くんの脚本により「浮気なぼくら」
 これもまたセックス描写が最初と最後にしかなくって、「ほんとにこれでだいじょぶなの?」ってかんじの映画だった。
 お話はこんな。

 主人公の男の子が、彼氏の誕生日を祝おうと彼の部屋で待ってる。
 その頃、その彼は、浮気相手の部屋でエッチの真っ最中。
 部屋に戻って、浮気の報告をする。
 「何でそうなわけ?」と切れた主人公は、「僕も浮気してやる!」と宣言して、新宿へ出ていく。
 浮気な彼は、さっきの浮気相手の部屋に戻って、相談する。
 主人公の「浮気の相手になってくれないか?」って。
 浮気相手の彼は(ややこしくてごめんね)「相談する相手間違えてるんじゃない? 出てって」と突き放す。
 主人公の彼は部屋を出て行くんだけど、浮気相手の彼も、やっぱり後を追って出ていく。
 一方、新宿に出た主人公は、バーで飲むことにする。
 その店は典型的な「くっつけバー」でマスター(この役がタックさんね)が主人公と隣に座ったさえない中年男をくっつけてしまう。
 仕方なく外に出ると、突然、空から「バケツ」が! 中年男は気を失う。
 「人殺し!」と誰かが叫んだので、主人公は慌てて逃げ出す。
 そのバケツを投げたのは、実は、主人公の恋人=浮気な彼だった。
 彼は、主人公の後をずっとつけていく。自転車に乗ってね。
 と、主人公は怪しい外人に道を尋ねられる。親切に答えていると、暗い道で怪しい外人たちに取り囲まれる。そしてゴージャスなドラァグクィーンのマーガレットさんが登場!
 彼らは、ぼったくりバーの呼び込み(?)だったのだ?
 逃げようとする主人公。でも、そうはいかない。
 すったもんだしていると、空から空き缶が飛んできて、外人の頭に激突!
 その隙に逃げ出す主人公。
 缶を投げたのは、またしても浮気な彼の仕業だった。
 逃げる主人公は、途中で親切な車に拾われる。
 その車で最寄りの駅まで送っていってもらう。
 その車を運転してたのは、浮気な彼の浮気相手。
 「何してんだか?」と呟く、彼。
 ぷらぷら歩く主人公。ふと公園にたどりつく。
 ブランコで、「そういえばここで彼とおしゃべりしたなあ」なんて楽しい思い出をなつかしんでる。
 と、「一人?」って声をかけてくる、優しい男の人が。
 親密なムードの二人。
 またしても追いついて、影から見てた浮気な彼は、スニーカーを脱いで、またもや投げる!
 でも、今度は主人公にうまくよけられてしまう。
 主人公と男の人は、歩き出す。
 男の行きつけの閉店後のバーでしゃべる。
 男は、つきあわないかとさそうんだけど、主人公は断る。
 で、二人でボーリングに行くことにする。
 そして、夜明け間近な新宿。
 西口の地下道のタクシー乗り場で主人公と男は、別れる。
 主人公は、部屋に来ないか?っていう誘いを断って、携帯の番号だけをもらってね。
 で、一人で歩いて、南口までたどりつく。
 と、そこへ、自転車を押して、浮気な彼がやってくる。
 何となく、仲直りして、二人で自転車に乗って、帰っていく。
 朝の人気のない明治通りを走っていく自転車。
 主人公は、携帯の番号が書いてあるメモを丸めて捨てる。
 部屋に戻った二人は、仲良く抱き合うのでした。

 っていうお話(かなりアバウトだけれども)。
 この映画も、不思議な映画だった。
 途中ずっと「純愛路線」が続くので、見てる人達、おそらく「ハッテン」目的な人達も、なんだかノリが違くなっててね、まじめにじっと画面を見てた。
 新宿の街での夜から朝までっていうお話は、フライングステージでは「Love Song」っていう芝居でやったんだけど、芝居と映画ってやっぱり違うんだなあと思えておもしろかった。
 街と時間が醸し出す空気感っていうのは、やっぱり映像にはかなわないよね。
 もっとも、それを承知で作り出した舞台だっていうのは、もちろんあるんだけど。
 今泉くんが撮り直したいと思うのも、よくわかるような「ノンケから見たゲイ」像がてんこもり。
 それでも、今泉くんがやりたいことっていうのは、よくわかる気がしたなあ。

 で、上野から新宿へ。
 タイニイアリスで劇団ぺんぺんの「明治一代女」を見る。
 その前に、ラピスに寄って、「gaku−GAY−kai」フライヤーを預けてくる。
 8時開演で、終演は何時?と聞いたらば10時30分との答えが!
 覚悟して見たんだけど、10時10分には終演してました。
 お話は、「橋の上団十一郎一座」が上演する新派の名作「明治一代女」のお話。
 以前見た、「瞼の母」では、旅の一座の内紛と劇中劇の「瞼の母」が交錯してたんだけど、今回は、間に劇団員紹介の口上をはさんで、シンプルに「明治一代女」を上演する形。
 座長の橋の上団十一郎を演じる弘さんは、芝居がほんとに大好きなんだなあと思った。
 主役のお梅をやってるんだけど、芸がこまかくてね。
 大好きな太夫(歌舞伎役者)の襲名披露のためのお金をつくるため、自分に惚れてる箱屋のみの吉の言うことを聞いてしまうそのつらさとか、一度は別れようと思った太夫と、もう一度一緒になれると知ったときの嬉しさとか、とってもていねいな芝居をしてた。
 本当なら幕のないタイニイアリスに定式幕を吊ってたんだけど、途中でその幕がレールにつっかかってしまってね。どんどん外れてきてしまった、大変そうだった。
 フィナーレは、恒例のミュージカル「コーラスライン」のナンバー「ワン」に合わせて総踊り。賑やかな打ち出しでした。

 終わって、タックスノットへ。タックスノットへ置いてもらうフライヤーを届けに。
 ウスイさんとコタくん、そして、金曜日のマサルくんたちと、わいわいとおしゃべり。
 終電近くやってきたコタくんと結局ラピスでオール。
 ひさしぶりに「ほんとに眠かった」。
 それでも、電車を乗り過ごすこともなく、無事に帰宅。
 即、ダウン。


2001年12月06日(木) フライングステージ稽古

 今日の稽古場は荻窪。
 駅からけっこう歩くんだけど、途中には「行きつけの」店が2つある。
 一つめは、日本茶の喫茶店「茶のイ」。
 ずっと前を通ってたんだけど、「散歩の達人」に紹介されてて、
初めて入ってみた。
 静かな落ち着いた雰囲気で、日本茶と和菓子のセットが楽しめる。
 ていうか、僕はここを「原稿書き」に使ってる。
 「田村高廣」に似た、マスターがいいかんじ。
 もう一つは、そのとなり(?)にある古本屋「銀河」。
 僕は、ここの店頭にある「100円均一コーナー」にとってもお世話になってる。
 場所柄(?)か演劇関係の本がいつもあるのもうれしい。
 今日は、加藤道夫の「なよたけ」(てすぴす双書)やら山田詠美やらをわらわらと買い込んでしまう。
 で、稽古。
 今日も台本がない&9時終わりなので、全体をノグに仕切ってもらって、僕は見学&観察。
 みんなに「贋作・犬神家の一族」の配役を発表する。
 マミーが古本屋でゲットした映画のプログラムを持っていって、みんなで見てみる。
 改めて読んでみて気が付いたんだけど、このプログラム、むちゃくちゃ「ぬるく」作ってある。
 一応、犯人探しがメインの推理小説の映画化なのに、殺してる場面やら、その後、菊人形の首をすげかえる場面とかの写真がばんばん載ってる。犯人の顔もはっきり出しちゃって!
 「ほんとにぬるいよね……」という話をした後、1ページ目のタイトルバックに、まさに「首を絞めてる最中の高峰三枝子」を発見。
 これってどうよ?ってかんじ。ぬるいにもほどがあるでしょ?
 ノグには芝居に必要な「三点倒立」の練習をしてちょうだいとお願いしたのだけれど、いろいろやってるうちに時間切れ。
 今度また改めて挑戦してもらおう。

 夜中、gaku-GAY-kaiのフライヤーをキャスト&スタッフに発送する。
 プログラムの順番を考えたりも。
 今年も盛りだくさん。
 どうぞお楽しみにね。


2001年12月05日(水) フライングステージ稽古

 今日から、12月28日の「gaku−GAY−kai」に向けての稽古が始まる。
 三軒茶屋の稽古場に向かう道を歩きながら、演出家として関わる稽古場に向かうのと、役者として関わる稽古場に向かうのは、気分が全然違うんだと気が付く。
 で、稽古場。
 今日は、なんだかんだとおやすみが多くて、地味な稽古。
 ていうか、台本が出来てないので、リハビリをかねたトレーニングの日にしてもらう。
 僕は、どうも風邪気味なので、見学。ていうか、みんなを観察。
 ノグにマミーにマッスーに早瀬くん、それにフッチーというメンバー。
 全体をノグに仕切ってもらって、あれこれゲームをしてもらう。
 こないだまでのプロデュースと「劇団」の体温の違いがおもしろい。
 遠慮のない距離感っていうかね。
 「贋作・犬神家の一族」のキャスティングをあれこれ考える。
 9時で上がる早瀬くんに合わせて、今日は早く終わることにする。
 外に出ると、しみじみ寒くなったなあと思う。
 帰りの電車は、この時間の方が混んでるんだということに気が付く。
 1時間の違いなのにね。


2001年12月04日(火) エト・セトラ劇場「人物たち」

 シアターΧで、ロシアの劇団の芝居を見る。
 演出、出演のカリャーギンという人は、昔、ニキータ・ミハルコフの「機械仕掛けのピアノのための未完成の戯曲」という映画に主演してた人だ。
 この映画をもとに「ピアノ」っていう芝居が作られて、日本ではTPTが上演してるね。
 このお話は、チェーホフの「プラトーノフ」をもとにしたもの。
 カリャーギンは、プラトーノフ役を演じてた。
 高校生の頃、三百人劇場で見たんだと思う。
 なかなかおもしろかった印象がある。
 で、今日の「人物たち」は、チェーホフの初期の短編小説をもとに5本の2人芝居をつくりあげたもの。
 カリャーギンとシーモノフという二人の役者さんが、テーブルと椅子のみの舞台で、早変わりをしながら、どんどん演じていく。
 当たり前なんだけど、全編ロシア語。字幕はなし。
 最初にカリャーギンがでてきて、挨拶をする。通訳の女の人がいてね。
 で、「ロシアの人間を一言で言えば、『今日は何ていい日なんだろう。お茶を飲もうか、それとも首を吊ろうか』と考えるような人たちです」という話をする。
 「これから上演する5本の芝居もそのような人物ばかりが登場します」って。
 で、芝居は、なかなかおもしろかったんだけど、言葉がわからないのは、かなり辛かった。
 身振りや「セリフに頼らない」やりとりがたくさんだから、おおよその話はわかるんだけどね。
 二人の演技はほんとに変幻自在で、次々といろんな人物を演じ分けていく。
 セリフがよくわからない分、身体表現からしか情報が得られないせいもあるんだけど、細かい芝居をいっぱいする。それもやや大げさなね。
 僕はふっと、昔々の三波伸介の芝居を思い出したなあ。
 今で言うなら、芦屋雁之助だろうか?
 あんな、ある種コテコテの芝居。細かく細かく作り込んである。
 って、いいかげんな感想っぽいけど、見てみてよかった芝居でした。
 森下さん、ご案内どうもありがとうね。


2001年12月02日(日) 「夜曲」千秋楽

 朝11時入り。
 新宿駅で改札の横のパン屋で昼飯をゲット。
 ここのパンはなかなかおいしい。
 プラス、マイシティ1Fのスタバで「本日のコーヒー」のグランデサイズを手に劇場入りする。僕の好きな、劇場入りのパターンだ。
 鍋茶屋で昨日のことをいろいろ聞く。
 マチネは、埼京線が遅れて大変だったそう。
 夜は、「ここは飲み屋だろう?」と言ってきかない酔っ払いがやってきて大変だったそう。
 今日は無事に終わることを祈る。
 開演まで、ていうか、開演しても、僕は何もすることがない。
 演出のみっていうのは、こういうことなのねと、実感する。
 改めてダメの確認をするでもなく、じっと時間が過ぎていくのを待つ。
 で、開場、開演。
 今日は、フライングステージの面々が来てくれてる。
 オープニングの曲、デューク・エリントン「プレリュード・トゥ・ア・キス」が徐々に大きくなって暗転。
 芝居が始まる。
 一日見てない間に、二人の役者は、ずいぶんとラクにこの人物を生きられるようになったみたいだ。
 40分で終了。
 エンディングの曲は、カウンターテナーのスラヴァが歌う「エブリータイム・ウィー・セイ。・グッドバイ」。
 曲の途中でどんどん舞台の照明が暗くなって、間接照明だけが残る。最後に、この部屋を後にする桜澤さんが背中を向けたところで、その灯りもふっと消えて、暗転。
 終わった。
 終演後は、大急ぎでバラシを開始。
 フライングステージのメンバーの他に作劇舎の藤井さんと林さんが来てくれて、手伝ってくれる。
 タカツの中村さんが、終演後「どうなってるかと思って」見に来てくれて、感動!
 まずはエレクターのバラシ。
 予定よりも早く、タカツの返しのトラックが来てしまったので、焦る。
 入れるとき苦労したソファは、さくっとドアを出て行った。
 きれいに片づけた後、劇場で、打ち上げに突入。
 なんだかんだと9時過ぎまで飲む。
 二次会にみんなが流れる中、僕は、細川くんとタックスノットへ。
 昨日の打ち上げに来なかった細川くんと飲みたかった&タックさんにご挨拶。
 やたら、濃ゆい人が集う日曜のタックスノット。
 コバくんと終電に間に合うように帰る。


2001年12月01日(土) 劇場予約 「VOICE」

 朝から、東京ウィメンズプラザの予約に行く。
 「VOICE」の仕込みは、途中からの参加。
 みんなには、11時頃までには行きますと連絡済み。
 9時から先着順に番号をもらった、10時に抽選。
 さすがにウィメンズプラザ、予約に来てるのは、みんな女の人ばかり。ていうか、おばさんがいっぱい。
 9時過ぎから、ずっと会議室にいたので、次々やってくるいろんな人達を見てることになった。
 こういう手続きに慣れてないのか、館の人は応対に追われてる。ていうか、それもまた
「おばさんよねえ」ってかんじ。
 ホール受付の番号は2番目。
 で、2番目に抽選器(ガラガラって回すヤツ!)を回したら、「1」が出ました。
 1番最初に、希望の日程を申し込める!! やった!!
 で、6月10日から15日までの6日間を予約しました。
 ほんとは日曜日も借りたかったんだけど、すでに東京都or館の行事が入っててだめ。
 もっとも、日曜日は「夜間」の枠が借りられないので、1回公演分減っただけ。
 手続きを済ませて、「VOICE」会場の四谷区民ホールへ。
 表参道から、銀座線で赤坂見附、丸の内線に乗り換えて新宿御苑前なんだけど、赤坂見附で丸の内線を乗り間違えてしまい、国会議事堂前まで行ってしまう。
 今日もなんだかいっぱいいっぱいになってるみたいなので、深呼吸をして、戻る。
 四谷区民ホールには、11時過ぎに到着。
 「VOICE」のリハーサルに参加する。
 僕は、一昨年から、舞台監督としてお手伝いをしている。
 去年は、荒くんと一緒に「ぷれいす東京」の演し物として芝居をやったんだけど、今年は裏方のみ。
 「どうなるかわからなかった」一昨年から、出演者もスタッフもどんどん場慣れしてきて、さくさくと進行。
 去年も一緒だったマミーと早瀬くん、それに今年初めてのフッチー、細川くんにも、一緒に働いてもらう。
 荒くんと音響のプロのガンちゃん、それに僕という3人チームは、指示系統が混乱しそうだったけども、途中でちょっと話して、分担をしっかりしてからは、無敵! この調子なら、超さくさくはかどるわ!
 と思いきや、リハーサルの時間に遅刻してくる出演者が続出。
 キレそうになるのを、ぐっとこらえて、お昼休みの時間を繰り上げたり、3時過ぎに10分休憩をとってみたりと、やりくりしていく。
 みんなで、少ない時間を大事に使わなきゃいけないんだから、遅刻はだめだよ。
 5分遅れてきたSくんに(タクってきたんだって。でも、もう一人はまだ連絡もつかない状態)、「休憩時間をずらしたので、あなたたちのリハーサルは12時45分から」と伝えたところ、「なあんだ」と言われたので、「あんたたちが来ないからでしょ!」と怒鳴る。
 あ、やっぱりキレてました……。
 話を聞いて、段取りを決めて、小屋のスタッフさん(照明、音響、小屋付きの舞監の山田さん)に伝えて、「じゃあ、やってみよう」というふうになったとき、出演者に「あ、でも、幕の前に登場して始まるのはどうかな?」と言われたのを、即座に「ダメ! オープニングだから、それはできません!」と答える。
 後から聞いたんだけど、僕はかなり「コワかった」らしい。
 そういうつもりはないんだけど。
 ウソです。コワさは演出してました。
 僕の役は、舞台監督。出演者みんなのやりたいことを聞いて、それを小屋付きのスタッフさんに伝えて、無事にそのとおりできるようにしなくてはいけない。しかも、時間通りに。
 僕が怒っておけば、小屋のスタッフさんを怒らせることはないからね。
 そういう役回りだから。
 リハのスケジュールがおした分は、去年もやっぱりそうだったように、最後にリハをしたべーすけさんにしわよせ。
 ほんとに申し訳ない。
 で、あたふたと本番。
 今年は、立ち見も出る盛況。よかった、よかった。
 いろいろトラブルが続出して、第一部の終了時に20分押し!!
 本番でも、べーすけさんに甘えて、最終的に10分押しまで縮めてもらう。
 出演者全員の合同演奏、「どんなときも」で、誰がはじめたんでもなくて、自然にみんなが揺れはじめたのを見たとき、もうじき終わりっていうのもあったんだけど、ほっと感動したなあ。
 今年は、打ち上げにもちゃんと参加。
 みんなでわいわい飲んで、かなり酔っぱらう。
 四谷区民ホールを出たのが10時だったので、鍋茶屋には立ち寄らず。
 荒くんと新宿まで帰る道すがら、ダンナこと前田くんと会う。
 高円寺に戻って、高市氏に、報告。
 ダウンする。


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