私は、テレビをほとんど見ません。 時間がないのと、なかなか見たい番組がないというのが理由。
でも、たまたまテレビをつけると そのときの自分に、本当に必要なものが いつも入ってくることに驚かされます。
先日も朝、テレビのスイッチを入れると NHKの手話ニュースで活躍していらっしゃる丸山さんが 手話をはじめるきっかけが目に入りました。
丸山さんが小学校3年生のとき 毎日通学する電車の中で会う 一人の紳士に目を奪われました。
べっ甲の眼鏡に、ピンとのりのきいたワイシャツ。 いつも静かに本を読んでいました。
その人は、聴覚障害者ではじめて村長になった横尾さん。
何かのきっかけで話すようになった丸山少年に 横尾さんは手話を教えてくれました。
ある日、横尾さんは9歳の少年に 電車の窓から見える海を指さし、こう言いました。
「あの押し寄せる波を見なさい。 波にはひとつとして同じ形はない。 人間もみんな同じ。みんな違っていてよい。 障害というのは、人間の欠点ではない。 すべての人が良いのだ」
差別の多かった時代に、それは新鮮な言葉でした。 この言葉は、丸山さんの人生に大きな影響を与えていきます。
横尾さんから教わった手話が 丸山さんの仕事になっていきます
丸山さんはこうおっしゃっていました。
「日本人は、目立つと軽蔑する。 でも、ひとつでも目立つことを持とうよ。 なんでもいいから。
打ち寄せる波のように 人はさまざま みんな違って みんな良い」
9歳の、少年のときの小さな出会いが 人生を決めていくのですね。
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