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2012年10月27日(土)
山の手事情社『トロイラスとクレシダ』

山の手事情社『トロイラスとクレシダ』@東京芸術劇場 シアターウエスト

三時間超のシェイクスピアを100分で。8月に蜷川版を観て、人物相関と時代背景、話の流れが頭に入っていたのも助けになりました。

人類の滅亡後、廃墟の会議室。獣たちが戯れに『トロイラスとクレシダ』を上演する。ギリシア側がカラス、トロイ側が犬。女=メスひとりの争奪戦から始まった余興のような戦争が、種の保存をかけての戦いになっていく。オスが戦をしている間、メスたちは世間話に興じているが、やがて自分たちの家族が死に直面していくと、メスたちの間にも諍いが生じ始める。構成と台詞の編集術、独自のメソッドによりストーリーのキモを効果的に提示することに定評がある山の手ですが、殊に古典を上演するとその力が際立ちます。

男優はギリシア、トロイ両方で二役を演じるひとが多かったのですが、中でもギリシアの勇者アキリーズ(アキレス)と、トロイのクレシダの叔父・パンラダスの二役を山本芳郎さんが演じていたのが面白かった。キレる身体を駆使する武士っぷりと、狂言回しの台詞術を両方堪能出来ました。山本さん、以前あまりのサムライっぷりに家に日本刀があると言われていたけどどこ迄本当なんだろう(笑)。力で敵をバッタバッタと斬り倒すアキリーズと、梅毒により皆が滅びればいいと世界を呪うパンダラス、と言う図式も興味深かったです。

とは言うものの、登場人物たちはひたすらエネルギッシュで、生への執着は顕著であれど、死に対しては無頓着と言うかま、死んだらそれまでよくらいのものとして感じられることにも好感。

ルパム部分の選曲は毎回ツボなのですが、今回菊地成孔ネタがふたつもありニヤニヤして大変でした…てか舞台作品で菊地さんの音楽使われるの、ご自身が関わっているもの以外では初めて観たかも。「Orbits」がきてうわっ、と思って、そういや戦争もの…大虐殺…マサカーときて「Killing Time」とかかかったらたまらんなあ、なんて思ってたらホントに幕切れ「Killing Time」のイントロが!ぎゃああ!変な声出そうになった……。フルで聴きたいくらいでしたがそれでは演者が倒れてしまいますな。いやーシビれた!「Orbits」と「Killing Time」のピアノパートの双子なところにも気付けていやはや有難うございます。

その他SENOR COCONUTのYMOラウンジーアレンジ「Limbo」とか(カラッとした死生観漂うユキヒロさんの声ってホント唯一無二)客入れのマンボとか、女優たちが唄う「おうまはみんな」とか、山の手の選曲はユーモア含め昔から大好きだぜ。ジュリアナのあの曲(ハイエナジー!)もこうやって改めて聴くと結構格好よくないか…いい調子の80年代リバイバル派と90年代ノットデッド派の狭間世代としては愛憎入り乱れる呻きが漏れますわ(笑)。選曲と音響は斎見浩平さんとのことでした。綾さんの衣裳もかわいかったなー。

山の手を観るのは久し振りだったので、ルパムや四畳半の型を思い出す作業も楽しかったです。そうそう、退場するときは腕を噛むんだった。新人さんも随分増えているようです。再来年には創立三十周年を迎えるとのことで、ひぃとなった。いやでもそれくらいになるか……。安田さんはスーツ姿で「いらっしゃいませ」とあの美声を振りまいておりました。相変わらずダンディであった。早大劇研随一のダンディだとずっと思ってます(笑)。



2012年10月21日(日)
『tvk 40th anniversary LIVE 2012 〜カモンカモン!赤レンガへ tvkに映るんだ〜』

『tvk 40th anniversary LIVE 2012 〜カモンカモン!赤レンガへ tvkに映るんだ〜』@横浜赤レンガパーク 野外特設会場

フジファブリック、ユニコーン、真心ブラザーズ。遠足気分で浮かれて出掛けみなとみらいで足止めをくらい(いや単に楽しくごはん食べてて)、FAのチャラン・ポ・ランタンを見逃しました…ぎゃっ観たかった、フジでのライヴよかったんだよー!そもそも下調べを何もしておらず、同行者におんぶにだっこ状態で、赤レンガパークって赤レンガがあるとこのどこ?なんてふらふら行ったらあの海沿いのとこってあんなにスペースあったんですね。一万人収容とかでビビる。しかもBブロックだったんで見やすい。あ、有難うございます……。

そんなていたらくなのでこれ単に遠足日記です。フジファブリックかっこよかったー、ユニコーン楽しかったー、真心サイコー。近頃はiPadを楽譜代わりに使うのねとか(音出しにも使ってたのだろうか)。ユニコーンは横浜にちなんでか銀蝿をBGMに登場し、ツイスト踊りまくってもうから疲れた言うてました。で、最後の曲のときえーと声があがったときの民生の「もういいでしょうよ、もうつかれたよ」の言い回しがかわいくてツボったわー。いいでしょうよのアクセントが!

しかし今でも「Hello」を聴くと涙ぐむ。真相は判らないけど自分にはそういう意味を持ってしまった曲なのだ。レピッシュの新譜は今週出る。

50円玉を観られたのは貴重だった…てか真心久し振りに観た、やっぱかっこいいー。横浜出身今も横浜在住の桜井さんが張り切ってて張り切ってて空回りしてて、50円玉の後は声がカスッカスになってたのが微笑ましかったです。張り切り過ぎて楽しみ過ぎて前日にワールドポーターズでアディダスのジャージを新調する程と言うかわいらしさ。ソロで横浜市歌も唄いました。それに生暖かく対応するYO-KINGとのやりとりはもはや夫婦漫才。うつみようこさんのコーラスも鳥肌!「BABY BABY BABY」「ENDLESS SUMMER NUDE」「拝啓、ジョン・レノン」を聴けて感無量、オーラスは「どか〜ん」でした。わーい。

それにしてもYO-KINGの声の虚無感はすごい。大好きな声だけど聴く毎に恐怖も感じるなー。この声で「EVERYBODY SINGIN' LOVE SONG」とか唄われた日にゃあ震撼しますよ、素晴らしくて。個人的にはリアム・ギャラガーの声と通じるものがあると思っている。

で、これtvk40周年のイヴェントでして、そりゃもうtvkにはお世話になりましたから楽しくお祝いして参りました。ホント世話になった。上京してから、音楽情報をどれだけ教えてもらったか。最近では戦国鍋もここで観てたなー。地デジ化に伴って昨年からウチでは観られなくなってしまって寂しい。南流石さんも登場してカナガワンのダンスを踊ってきました。それにしても流石さんいつ見ても若々しくて溌剌としててかっこええ。ずっと言ってるが流石さんといいユカリさんといいJAGATARAに在籍していた女性陣は女っぷりがいい上に男ットコ前だな!流石組のメンバーもキレッキレで素敵でしたー。

抜けるような青空のいい天気で海風が気持ちよくてそして油断してた、多分この夏よりも日灼けした(笑)。帰りにふらっと入った駅ビルのなかのごはんもおいしくて、横浜いいとこ〜。おみやげに崎陽軒のシウマイを買い損ねたのがこころ残り。東京でも売ってるけどやっぱ地元で買ってみたいんですよ……。



2012年10月20日(土)
『日々の暮し方』

アトリエ・ダンカン×デラシネラ『日々の暮し方』@あうるすぽっと

振付作品を観る度に気になる度が増していっていた小野寺修二さん。水と油のおのでらん時代からすると随分遅れてしまいましたが、ようやっとご自身の構成演出公演を観に行けました。小野寺さんご本人が出演され踊る姿を見たのは始めて。いやー格好よかった。

別役実のテキストから構成された『日々の暮し方』。失踪すると宣言していなくなった夫を探す妻。家での夫婦の会話、捜索相談に出掛けた警察での会話、妻の独白、夫の独白。言葉と行動が裏腹に、しかし並走し、夫と妻のさがしものを示していきます。

カンパニーデラシネラの常連さんらしき身体表現の面々と、それを傍観しあるいは衝突する言葉を扱う面々、言葉と行動の境界線に立ち、それぞれの起動やブーストを担う面々。役割は入れ替わり立ち替わり、しかし個々の特性を際立たせ、舞台はすすんでいく。

数作前からデラシネラに参加している中山祐一朗さんは、ハブ的な役割を担っていました。言語と行動、頭脳と肉体。所謂お芝居のパートとダンスパートの流れを仲介するような役割。力づくで引き戻すこともなく、台詞で場をさらおうともせず、いつのまにかストーリーの流れを呼び寄せていました。このひとどんな場にもするりと馴染むよな…佇まいを変化させているふうには見えないのに。言葉を音楽とするような、動作をダンスとするような不思議な力を持っている。そうそう、祐一朗さんツーブロックになってました。お似合いでした(笑)。

細身な南果歩さんはバレリーナのようでもあり、男性陣にリフトされるダンスシーンはとても美しかったなあ。そして南さんと藤田桃子さん、女優陣の声がいい。身体の器官から発せられる、生きた声。スピードを出さず、ゆったりとした筋力を必要とする動きで魅力を発していたのは川合ロンさん。この方のダンスには惹き付けられた!他の公演でも観てみたいなと思いました。しなやか、しかし硬質。

中山ダイスケさんの舞台仕事を久々に観られたのも嬉しかったです。『障子の国のティンカーベル』以来…てことは十年振り…てことは十年前にはまだベニサンピットってあったのか……(しみじみ)。思えばこれ、前日観た井上尊晶さんの演出作品でした。楽しい偶然。本棚がロッカーになり、アパートへと変化するシークエンスが鮮烈。小さな調度品、家具がかわいい。水槽に棲む亀の子たわしのかめもかわいい。そうそう、ダイスケさんのつくるものって、ガーリー要素があると言うか、女の子がきゃ、かわいい☆となる要素がさりげなく詰め込まれている感じがする。それはマーケティングがどうこう、ではなくてご本人の女性的な感性の顕れのようにも思います。そういえば、美術助手の中山工輔さんってご兄弟かご親戚かしら。ダイスケさんは大輔さんだし、同じdaicon inc.所属だし。

それにしてもあうるすぽっと、『4.48サイコシス』といい『おもいのまま』といい今回といい、音の印象が強烈なものばかり観ている。おかげで?この劇場に行くときってなんだかいつも緊張する…とんでもない目に遭うんだろうなあって(笑)。ホントいい音…と言うかおっかない音が鳴ります。今回の音もインパクトありました。音響は水谷雄治さん。他の仕事も聴いてみたいなあ、大人計画作品にも参加していたりするようですが…と、検索するとご本人のtwitterがヒットしたりして、いやそこ迄求めてませんからプライベートじゃなくてプロフィールと言うかお仕事一覧が見られればいいんですとビビったり(笑)。パンフにスタッフプロフィールなかったんだよね……。

PAだけでなく、ラストシーンの大量の紙を降らしたり投げたりしたときの音もすごくすごく印象的でした。雨音の音響から紙が鳴らす音へとシフトしていくのですが、紙のパラパラとかガサガサと言う音が重なると、雨音に聴こえるのです。夢のような音景でした。

スタッフプロフィールはなかったけれど、パンフレットは凝ったつくりで手にするのが楽しいボール紙仕様。拡大されたものが展示されてありました。ダイスケさんのドローイングも載ってて嬉しかったです。



2012年10月19日(金)
ザ・ファクトリー1『白鳥の歌』『楽屋』、『アベンジャーズ』最終日

ザ・ファクトリー1 さいたまゴールド・シアター『白鳥の歌』『楽屋』@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール内特設劇場

さいたまゴールド・シアターとネクスト・シアターの新シリーズ“ザ・ファクトリー”。「彩の国さいたま芸術劇場の各ホールにとらわれず、自由な発想で劇場の中に新しい表現の場を見いだし、作品を発表する試み。劇場という創造の拠点ならではの、可能性に満ちた創作活動を目指す。」とのことです。

第一回はゴールドシアター。アントン・チェーホフ『白鳥の歌(カルカース) ひと幕の習作』約35分、清水邦夫『楽屋 ―流れ去るものはやがてなつかしき―』約80分の二本立て。演出は蜷川さんの演出助手を長く務めている井上尊晶さん。バックステージもの、役者とプロンプターの関係性、チェーホフ(『楽屋』の舞台は『かもめ』を上演している劇場の楽屋で、『三人姉妹』のモチーフも登場する)と言う共通点で選ばれたもののようですが、当日配布されたリーフレットに、清水さんが『楽屋』を書く動機となった要因のひとつとして『白鳥の歌』を挙げている非常に興味深いエッセイが転載されていました。井上さんは初日朝にこれを発見し「僕は、このエッセイを知らずに、この企画を演出したことに武者ぶるいした。この25年間、蜷川のそばにいて、ゆがんでしまった潜在意識がそうさせたのか―。」と記しています。

普段は開放されていない階段を降り、大ホールステージ上に作られている特設劇場へ。案内スタッフに見憶えのある顔がちらほら、ネクストシアターのメンバーです。“大ホール内特設劇場”は、ネクストシアターが拠点としている空間でもあります。入場するといきなり楽屋の風景。身支度をしているゴールドシアターの面々が目に入る。えっ、ここは演技エリア?客席はどこ?と一瞬狼狽。この辺り、蜷川さんが得意とする“現在から演劇への地続き”を踏襲していますが、今回のテーマにいい感じに重なっています。客席と『白鳥の歌』が演じられるエリアは、“楽屋”の隣にありました。かつてのベニサン・ピットを思い出す空間。暗転するとバミリのテープも見えないくらいの暗闇。こういうのって最近なかなかない。貴重な場所。

まずは男優のみの『白鳥の歌』。長年コンビを組んできた老優と老プロンプターが、公演がハネた真夜中の劇場で言葉を交わします。演じた役や、演じた劇場の思い出。幕開けは6人の老優が順番に登場し、同じ台詞を6回繰り返します。やがて老プロンプター5人が出てきて(こちらは一度にどどっと出てきた。衣裳もほぼお揃いで、そのヴィジュアルや醸し出す雰囲気がかわいらしくてウケていた)、老優に声を掛けます。本来はふたり芝居なのでしょうが、老優6人、老プロンプター5人、計11人で演じる構成です。全てが繰り返しではなく(そうしたら単純に上演時間も6倍になるし(笑)観客もツラいでんがな)長い台詞を分け合って発する場面もあります。台詞の言い回し、動き、そしてそれぞれ歳を経た身体全てが違う6人と5人。やがてふたり(11人)は抱き合って、劇場の奥…暗闇へと退場して行きます。出て行く先は劇場の外なのか、それだけではない“向こう側”なのか。

何故プロンプター役がひとり少ないのだろう、と思っていたのですが、七月、稽古半ばで劇団員の小林博さんが亡くなったとのこと。今回の公演にも出演する予定だったそうです。『聖地』を観たときに考えたことが現実となってきました。蜷川作品の常連だった大富士さんの訃報を聞いた二日後だったこともあり、いろいろ思うところがありました。

舞台と客席転換があるとのことで、一度ロビーに全員退場。客席の配置を換えるってどういうことかなーと思って再入場すると、果たして入場時に目にした楽屋を囲むように客席が移動されていました。実際に使っている(設定の)楽屋が舞台となる訳です。

『楽屋』も登場人物4人が分裂。女優A(顔に火傷がある)9人、女優B(首に刺し傷がある)9人、女優C(『かもめ』のニーナを演じる)3人。女優D(精神を病み入院していたらしい)のみ、最高齢の重本惠津子さんひとりが演じます。かしましくにぎやかな、女性だらけの楽屋の光景はかなりユーモラス。しかしそこには嫉妬、羨望、虚と実が入り交じります。さまざまな顔を見せる女性たちは女優そのもの。エネルギーに満ちあふれた光景です。

終幕、女性たちは皆衣裳を脱ぎシュミーズ姿になり、身ひとつで舞台に立ちます。思い切った演出ですし、演者にもかなりの勇気を必要としたものだと思いますが、台詞にもある人生の「蓄積」が、有無を言わせぬ説得力とともにそこに在りました。彼女たちの瞳はまっすぐで、じっと前を見詰めている。死者を送る目。亡霊となりなお舞台に立とうとする目。それが眩く感じられたのは、照明のせいだけではなかったと思います。

上演されたどちらの作品にも死の影が濃く漂っている。しかし『白鳥の歌』には寂寥感や諦観が強く感じられ、『楽屋』にはむしろ生命力を感じました。男女の違い、として最近は素直に受け取れるようになってきた。そういう場を実際目の当たりにする機会が増えたからかもなあ。これも蓄積、ですね。

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・毎度カフェペペロネ。本日は三食パスタのボロネーゼをいただきました。おいしかったー
・で、ペペロネに案内カードが置いてあって知りました。劇場の近くにビストロやまのマルシェが出来たとのこと。帰りに寄ってみました。ドレッシングを買ってきたーおべんとうも気になるー
・そのペペロネ、いつのまにかtwitterを始めているではないか。おお、3色パスタの画像が載っている。グラタンがある日に当たりたいよー
・すっかりさい芸行きはペペロネ込みの遠足みたいになっている

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『アベンジャーズ』@新宿ピカデリー スクリーン10

新宿での上映最終日。最後の二週間は大ヒット御礼とのことで1,000円で観られちゃうと言うふとっぱら、映画の最終日にそわそわするとは…あーもうスクリーンで観られないのね、千秋楽って感じで寂しいわー。そんな輩が続々と集合、レイトで終了0時過ぎにも関わらず盛況でございました。リピーターが多いせいか場もなんだか和やか、反応もよく笑い声もとびまくり、エンドロールも最後迄観てクスクス、客電ついて見回してみれば上気した笑顔で出て行くひとばかり。楽しかった……。

webでいろんな感想読んだりtwitterや2chでトリビア拾って読んだりしてて(特に楠野一郎さんのツイートには共感しまくりだったー。twilog張っておくので気になる方は是非。8月13日以降怒濤のツイートです(微笑)・楠野一郎(@kusunopropeller)2012年8月 - Twilog)、奥深きアメコミは知識が増えれば増える程面白みも増す。そしてそういうオタクへの愛がある!これは監督ジョス・ウェドンの愛でもあるわ。それでいて初見の楽しさはいつ迄も薄れず、いちげんさんもマニアもニッコリ。

そこを通ってリピートするとまた楽しいんだよー。スタークがロキに向かってコールソンの名前を出すとことかさ!あと氷漬けのキャップが発見されたとき「コールソンは気絶する程」って言われてるけど、それただビックリしただけじゃなくてうれしくて、だよな…とか、キャップ級長さんぽい…とか、ブラックウィドウはロキにもホークアイにも「借りがある」と言うのねーとか、ああっ観れば観る程楽しい!そしてロキのファーストカットに既視感があってなんだっけ〜とずっと思ってたんだけど三回目にしてやっとわかった、エイフェックスツインだわ↓



そっくりー!わるい顔ー!

あとホークアイの出番はトータルで約12分、ロキも10数分だったそうで…い、言われてみれば……?しかしその短時間ですんごい印象に残るんですよね、見せ場めっちゃあるし。これも演出の成せる業ですなあ…ウェドン監督の各キャラクターへの愛はすごいぜ。

いつの間にやらイメージアルバムだけでなくOSTも揃えてしまった。kaollyさんとも話したけどホントこれのスコアちょーいいんですよね、フルオケでコンサートとかあったら行きたいよ!

ロビーで『ボーン・レガシー』のパンフをガン読みしていたお嬢さんが『アベンジャーズ』開場でーすとアナウンスされたら即入場していってほっこりしました。出演作が二本同時期に公開されていて、同じ映画館でハシゴ出来ちゃうってすごいことだよなあ…ジェレミー祭りもひと段落でさびしーわー。ようやく休みに入ったジェレミーのインタヴューがあちこちに出てきていますが、一年半で五本の映画を撮ったそうで、その前後のプロモーションやらも含めると二年で二週間しか自宅に帰れなかったそう。想像を絶するわ…家族とも殆ど連絡がとれなかったそうです。おつかれさま、ゆっくり休んでくださいな。来春公開の『ヘンゼル&グレーテル』、楽しみに待ってまーす。

おまけの追記。
・Marvel's THE AVENGERS.pdf download
kaollyさんに教えてもらった台本pdf。監督本人がホンも書いてるからかト書き指定が細かくて面白い



2012年10月12日(金)
mouse on the keys『machinic phylum TOUR』

mouse on the keys『machinic phylum』TOUR@UNIT

メインのツアーは久々、『machinic phylum』のリリースパーティです。これ出たの七月だから随分待ちました。夏はフェスシーズンなので、そちらへの出演が多くなりますね。

しかしこの構成演出と演奏はフェスでは観られません。メインでドップリ観られたのは2009年のO-EAST、前作『an anxious object』のツアー以来。映像から何からデザインコンセプトのしっかりしたバンドなので、メインのツアーだと明確に世界観を体験出来るのがいい。ライヴそのものがひとつの作品として成立するような。

と言えば、このライヴは観たかったなあ。会場どこだろう?天井から吊るしたキューブに映像を投影、35秒くらいのとこで観られる光景が白眉。↓



今回の会場であるUNITがまたそのデザイン的な面をしっかり見せられるスペースだったってのもよかった。ステージとフロア間に降ろした紗幕に映像を投影し「Completed Nihilism」で幕開け、「Spectres De Mouse」に入ると同時に紗幕を落とす演出、格好よかった!『The Downward Spiral』ツアーのときのNINみたいだったー。これは盛り上がりました。ステージ奥の三面スクリーンがメイン、途中両サイドのフロア壁面にも投影。照明ともども格好いいのなんの。UNITは直方体のハコなので、投影スペースが確保出来るのがいい。映像そのもののクオリティも観る度にあがっている。

演奏も、作りに作り込んだ完成度の高い楽曲を寸分違わぬ演奏力で再現、と言った当初のスタイルからインプロ度が増し、各プレイヤーの自由度が高まり、それがどんどんいい形となって変化していっている。以前のスタイルも大好きではあったが、何度もライブを聴いていくうち、確かにすんごく格好いいけど今後どうするのかな…ずっとこれで行くと、いつか行き詰まりそう……等と余計なお世話なことを考えてしまってはいた。そんな懸念はもういらないねー!昨年の欧州ツアー前後からその辺りスコンと風通しがよくなったような印象があります。ここに到る迄、曲作り含め随分模索もしたようですし、すごい練習もしたのだろうなと思います。バンドが育つ、そういう場を見ていけるってのも嬉しいことです。「Forgotten Children」前のインプロ、DVD『irreversible』では「untitled」となっている曲の化けっぷりはすごかったで。ネモジュン、佐々木さんのソロ含め、インプロから曲を展開させていく腕っぷしが格段に強くなり、柔軟さも増した。

あと今回、元来の緻密さに加え、全体的に丁寧に演奏しているように感じました。音が流れたり潰れたりしなかった。BPMをノリで早くすることなくしっかり弾いている+叩いている印象がありました。その分音のひとつひとつが重い。足跡がクッキリつく、と言う感じ。そのおかげで曲の展開や和音、ストローク、音符の動きを、聴く側も捉えることが出来る。丁寧、と言うキーワードは『machinic phylum』でも感じられたのですが、今回過去の曲含め全体的にそうなっていたところに興味がわきました。

いい楽曲にいい演奏。鬼に金棒、いやはや隙も死角もありません。あるとすれば演奏していないときの川崎さんの挙動くらいか(笑)。アンコールで登場するなりゆ〜〜〜〜〜っくりフロアに倒れ込み、ゆ〜〜〜〜〜っくりクラウドサーフしてました。ゆるい…おもろい……。フェスからの新規のお客さんを意識してか、メンバー紹介やサポート紹介が丁寧でした。

ゲストのVladislav Delayも格好よかったです。あと、えーと今回、ステージに群がるカメラマンが目に入らなかったのもよかったです…いやその、格好いい写真が沢山撮られてアップされて、それを観られる嬉しさは勿論あるのですが、過去motkのライヴで、それで押しのけられたり視界に立ち塞がられたりしたことが一度や二度ではないので…この辺り、難しいとこですよね……。今回特に映像込みでの空間を大事にしたのかな。だとしてのことなら正直嬉しい。



2012年10月08日(月)
Penguin Cafe 特別公演

Penguin Cafe 特別公演@ラフォーレミュージアム六本木

一曲目の「Perpetuum Mobile」を聴いているうち、とある妄想が浮かんだ。タイタニックが沈む迄演奏を続けた楽団は、海でペンギンに生まれ変わりペンギンカフェを結成した。やがて彼らは陸に上がり、再び船に乗り込み、今日ここで演奏をしている。彼らと同じ船に乗り合わせた聴衆は、目の前の危機的現実からしばし離れ、演奏に聴き入る。

終始笑顔で、穏やかに演奏しているかに見えたアーサーが、アンコール後に見せた背中は汗でびっしょり濡れていた。

何故そんな妄想が浮かんだのだろう。「Perpetuum Mobile」のストリングスのロングトーンに、ふとギャビン・ブライアーズの『The Sinking of the Titanic(タイタニック号の沈没)』を思い出したからかも知れない。しかし『タイタニック号の沈没』とペンギンカフェオーケストラ(PCO)のデビュー盤『Music From The Penguin Cafe(ようこそペンギン・カフェへ)』が、同じブライアン・イーノのオブスキュアレーベルからリリースされたと言う情報は翌日知ったのだ。どちらも入口は別々で、そしてどちらも所属や系譜を知ることなく(知る必要がないと思える程、自然に聴けるものだった)、長いこと愛聴していたものだった。

思えばPCOは、カセットテープにダビングしてもらったものだったから、レーベルや演奏者のクレジットを目にすることもなかった。カセットデッキが家からなくなり、その曲からも遠ざかった。今回改めてベスト盤を買い、iTunesに取り込み、新しい音楽ファイル形式で聴いている。聴くメディアが変わっても、こうやって聴き続けることが出来ることを幸福に思う。アーサーがペンギンカフェ(PC)としてこの楽団を再スタートさせなかったら、縁がなくなっていたかも知れない。そしてその父、若くして亡くなったサイモンのことを、彼があの音楽を作っていたのだ、と思い返すことも。

アーサーは最初のMCを日本語で話した。「チチハ、ニホンダイスキデシタ」「ボクモ、ニホンダイスキ」。PCOをライヴで聴くことは叶わなかったけど、アーサーがサイモンを連れてPCで来てくれたように感じた。音楽を聴き続けていると、こういうことがある。嬉しかった。これからまた聴き続けることが出来る。

タイタニックの話には後日譚がついた。twitterで同じくタイタニックを連想した、と書かれている方がいて、しかもそれが友人の友人だった(当人同士は知り合いではなく、面識も全くない)。友人のRTを見てお互いビックリ。こういうことってあるのだなあ。オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』に出てくるような出来事で、ほっこりしました。

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・セットリスト
01. Perpetuum Mobile
02. From The Colonies
03. Swing The Cat
04. Aurora
05. That, Not That
06. Landau
07. Air A Danser
08. White Mischief
09. Dirt
10. In The Back Of A Taxi
11. Paul' s Dance
12. From A Blue Temple
13. Music For A Found Harmonium
14. Dude Looks Like A Lady
15. Telephone & Rubber Band
16. Giles Farnaby's Dream
17. Salty Bean Fumble
18. Beanfields
encore
19. Perpetuum Mobile(with 相対性理論)
20. Harry Piers(Arther's Solo)

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・【インタヴュー】「ペンギン・カフェ」の夢は21世紀も続く:音楽家アーサー・ジェフスに訊く

・SuicaのペンギンTシャツのひとがいて微笑ましかったです。なんとなく、ペンギンものを身に着けて来たいっての、あるよねー



2012年10月07日(日)
『ヒッキー・ソトニデテミターノ』『紫陽花とバタークリーム』

『ヒッキー・ソトニデテミターノ』@PARCO劇場

ドーンときて、プレゼントの缶バッジもらい損ねて帰ってきた。ひとの顔見たくないひとと話したくない…PARCO劇場でこの気持ちになったのは長塚くんの『sisters』以来。内容は全然違うんですが。つらい、おもしろい、くるしい、観てよかった。岩井さんおっかない、すごい。PARCO劇場がアゴラ劇場に。これをPARCOで観られたってことも大きい、ホームを持ってきた岩井さんとそれを通してくれたPARCOの制作さん有難う。宣美もなんもかんもハイバーイて感じでよかった。

『ヒッキー・カンクーントルネード』シリーズは未見です。このシリーズで、ひきこもりだった主人公登美男が部屋を出る。今作品はその後の話。登美男はひきこもり支援団体のスタッフ“出張お兄さん”になり、先輩出張お姉さん黒木とともに、二十代のひきこもり太郎、四十代のひきこもり和夫のカウンセリングを担当する。ひきこもりだった経験を活かし、しかし他者とのコミュニケーションに違和感を消すことが出来ず、それでもやっていこうと決心している。熱心な活動の甲斐あって、太郎と和夫は部屋を出て、団体の施設で生活を始めるが……。

シーンの間にひきこもり時代の登美男がフラッシュバックする。家族とコミュニケート出来ている。特に妹とは仲がよく、プロレスの技をかけあったりして、端から見ると何ら問題はない。それでも出られない。そして登美男は一度外に出るきっかけがあったとき、これでもかと痛めつけられる。周囲のひとはもうダメだと思う。それでも登美男は外に出ることを選んだ。

太郎と和夫は別々な形で外に出た(和夫も外に出ることが出来た、と言うことになるのだろう)。しかし全く問題の解決にはなっておらず、全てが経過だ。それはひきこもりに限らず、全ての人生がそうなのだ。ゴールは死ぬことの他にない。それ迄に何をするか、何をしないか。他者と向き合うか、他者を拒絶するか。何故?黒木が問う。登美男くんはどうして出てきたの?何もいいことなんかないかも知れないのに。それに対する登美男の返事に涙した。“生きづらさ”に対する解答はどこにもない。それでも決死の覚悟で外に出て行く。可能性は外にある。内にもあるが、それでも外にあるのだ。

みちのくプロレスが町にやってきたときの妹の台詞が忘れられない。ここで事態が好転したのは事実だが、当然このままでは終わらない。心がどんなに大きく動かされても、人生はそこで終わりにはならないのだ。ハイハイからバイバイへ。ゆりかごから墓場へ。ひとは暗闇からやってきて、暗闇へと帰っていく。登美男が消えていった暗闇は、『ある女』で主人公の女性が辿っていく道に繋がっているのかなと思った。“暗闇”を見詰めると言う感覚、それを体験として自覚出来たこともよかった。

セット(美術:秋山光洋さん)は舞台の真ん中にギュッと。ハイバイドアもバッチリ。出番前/後の役者たちは、舞台の隅のテーブルに集う。お茶を飲んだりしつつ、静かに座ったり、次の出番の準備をしている。これも全部見せる。

母親が泣き出したときの、和夫の表情を忘れることが出来ない。古舘寛治さんの凄みがジワリ。あの表情、後ろの席からでも見えただろうか?黒木を演じるチャン・リーメイさんの平熱の苛立ちは観ているこちらをハラハラさせる。綱渡りを見ているよう。相手を大きく傷付けるスレスレを走る。それは自分をも深く傷付ける可能性があり、実際彼女は傷付いている。それなのに?それでも?模索し乍ら歩き、そして立ち止まる。そのバランスが絶妙。吹越さんは妙な話だが、ときどき岩井さんに見えることがあった。もともと身体能力の高い方ですが、今回そのポテンシャルは他人になると言う形で発揮されていた。他人になる、それは役者そのものと言うことだ。その身体には笑いも悲しみも同時に存在する。

音楽がとてもよかったです。マリンバのあの曲はオリジナルなのだろうか。音響は中島正人さんとクレジットがありましたが、音楽は誰が作った(もしくは選曲した)んだろう?

ずるずると、今もひきずっている。余韻と言うには居心地が悪い。しかし、なかったことには出来ない。と言いつつ随分笑った。笑いと震撼は紙一重で、それは日常も同じ。

うーん、つらおもしろ過ぎて思い出すとつらくなるので、筋道たてて感想を書く気力がない。殆ど自動書記で書いた。読みなおすのが怖いのでそのままあげる。

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『紫陽花とバタークリーム』@マメヒコ飯店

これとハシゴだったのでなんとかバランスとれた次第。

三茶と渋谷にお店を構えるCAFE MAME-HICOが、この度映画を作ったとのこと。三茶で観劇した後よく寄るお店で、渋谷でもよく行く。おいしいコーヒーとケーキ、カレーがある。お店の女の子たちも皆感じがよく、とても居心地のいいカフェ。

先日『浮標』を観た帰りに三茶店に寄りチラシを見付けた。六月、向かいのシアタートラムで『南部高速道路』を観た後立ち寄ったら、何かの撮影をしていて入れなかった。その後サイトで映画を作っていると書かれているのを読み、ああこれの撮影だったんだな、と思ってそのまま忘れていた。出来上がったんだ。チラシを手にとるとなんとトモロヲさんがいるではないか。キャストも豪華!

カフェで繰り広げられる人間模様。オーナーはトモロヲさん。内田慈さんとキムラ緑子さんが母子。断絶された母子と兄妹、その修復。淡々と、しかし登場人物の心は波立ち、ささやかな、しかし大きな決断をする。ほんわりいい映画でした。大々的に宣伝する気はないようで、その奥ゆかしさにまた好感が持てたが、それにしても知らないひと、多いのではないだろうか。随分贅沢な空間で観せてもらいました…も、もったいないかも……。映画鑑賞用の特別メニュー、コーヒーとマフィンもおいしかったです。

タイトルにもなっている、紫陽花色のバタークリームロールケーキはマメヒコで食べられます。おいしいよー。台詞にもあったけど、昔のバタークリームってそんなにおいしく思わなかったけど、今はすごくおいしい。生クリームがないから代用で…ってんじゃなくて、いいバター使って丁寧に作られたバタークリームってほんとはおいしいんですよね。



2012年10月05日(金)
『遭難、』

劇団、本谷有希子『遭難、』@東京芸術劇場 シアターイースト

二度目の劇団、本谷有希子。『甘え』のときは水橋くんが出演したからと言う理由でしたが、今回は青年団周辺以外で初の外部出演!最初で最後かも!なんて一部で言われている松井周さん目当てで行きました。と言うように、なんだかんだ理由をつけないと行けない感じです。と言うのもこの手の作風がとても苦手だからです。しかし前回、苦手乍らも観るとやっぱ面白いわーと思ったのも事実でして。でも何かがひっかかる。自意識の膨れ上がった女性を身も蓋もなく描く、と言う作風自体が苦手、だけじゃないのだ。

そのひっかかりが今回自分のなかでは明快になった部分がありました。しかしこれが『甘え』でもそうだったかと言うとちょっと判断つきかねる。毎回そういう訳じゃないとなると…他の作品も気になってくる。スタッフワークもすごく良いし、やはりキャスト如何では今後も観に行くことになりそうです。ううううーん(何故そう迄して)。

今回明快になったところ、と言うのは、個人的にいちばん苦手な「作家の神の手が透けて見える」タイプの作品だったと言うところです。主人公と対等の立場に他の登場人物を置くために、彼にはこの罪を負わせよう、彼女には負い目を作ろう、と、均等に配置していく経緯が見えるような感じがしました。その手の作品に自分は嫌悪丸出しにする程拒否反応があるのですが、今作品はそうならなかった。と言うのも、登場人物を同じ土俵にあげないと、主人公を責め立てあざ笑うだけに終わってしまう。そうじゃない!そうじゃないでしょ!?と言う葛藤やもがき迄もが感じられたからです。んーしかしこれは私がそう思いたいだけなのかなー。絶対理解出来ないと理解したくないは違うからなあ。

役者陣はみな好演。五人と言う人数もよかった、ダイアログのガチンコが観られる。そして菅原さん効果は大きかった。ハイバイテイストと言うか、もーおんなのヤなとこ煮詰めたような女性を男性が演じることで一歩退いて観ることが出来た。どうなんだろ、この辺りコアな本谷さんファンからすると「ぬるい」と思ったりするのかしら。私はこのくらいがいい塩梅でした。それにしても別嬪だったよ菅原さん…新しい宣美アップされたときおののきましたわ、フォトショ…なんて一瞬思ったが舞台上でもお美しかったですよ。「BAILAとかSTORYとかにでてるひとみたいになってもらいます。」って言われた。無理。なんてtweetしてたけどいや全然無理じゃないです。松井さんは押されると弱い男を素敵に演じてらっしゃいました。書くものと違う!(笑)てか岩井秀人さんといい青年団ホームの作家さんはなんでこー役者としても巧いのだろうか。そして佐津川愛美さん確か初めて観ましたがよかったわー。罪悪感を感じてないことをそんなに悪いと思ってないですってな啖呵、ひでー!って台詞なのに爽快感あったもんな、よう言った!くらいの。そう持っていくようにハナシが出来てる訳ですが(ほらここが苦手なのだ)それを引き受ける役者の強さを見た。美波さんのウザさとどMのバランスもよかったし、片桐はいりさんが毎回抜群の安定感。ううむ、皆巧かった。

松井るみさんの美術によるガラス窓で隔てられる簡易職員室、渡邊琢磨さんの音楽もガッツリきました。よかった。これの初演て青山円形劇場なんですよね、どういうふうにセット組んだのかなあ、気になる。

黒沢あすかさんの降板は残念でした。また舞台やってくれるといいな…突発性なら治るかな、慢性にならなければいいけど。そして菅原さん、突然の代役しかも女性役と言う高いハードルをさらっとクリア(したように見えるとこがまたすごい。白鳥タイプやね…)お見事でした。発表になったときいろんな意味で二度見しました。え、女性役?いやでもまあこれはある意味慣れてるだろう…いや待て、その前に菅原さんて今舞台やってるよね?終わるのいつだ?いつ稽古すんの?そして間に『MYTH』のリーディングもあるじゃない…と……。無事千秋楽を迎えられますように。終わったらゆっくり休めるといいけど。