2008年04月30日(水) |
幻影師アイゼンハイム |
幻影師アイゼンハイム The Illusionist 2006
監督:ニール・バーガー Neil Burger E・ノートン P・ジアマッティ
がーんがーんがーんがーーーん! という漫画的擬音が頭の中でこだまする終盤。 映画の内容とは全く違う部分で、えええええっ!!そ・・そんなぁぁぁ・・と狼狽。オノレを失う。
とりあえず、これから見るならチラシを見てはなりませぬ。 ネタばれキャプション踊るチラシを。
今日に限ってふだん開映前に読まないチラシをちらと見てしまった私。 なぜ今日この映画で! 配給会社のココロは分かる気もする。 「ノートン君のカリスマ度もちょいと下がったし、ちょい地味だし、 どっしよっかな。今は泣けるーとか馬鹿―とか見所や落とし所を事前に分かっていたほうが人入るし、ここはあの人気映画の名前を出してみましょ。ま、ここまで言っても大丈夫っしょ。」とか。(妄想) いや、チラシを見ていなくても、設定段階で、ちょっと勘のいい人や映画を見慣れている人には、おおよそのオチが見えてくるはず。 見ながら、「あ。はいはい、今仕込に入ったね。」とか。
しかし、考えてみれば、映画の見方は人それぞれ。こんなに恨みがましく言ってしまう私は楽しみたい気持ちがかなり強いらしい・・欲張り・・ど・・貪欲。 とにかく、何も知らずに見たかっただけだい!という自己中者。
などと難癖つけていながら、読後感・・じゃなくて、鑑後感(?)は悪くない。 ノートン君とジアマッティ(呼び捨て)の真摯な演技のせいか。 連れとネタばれ凄し!豪腕な仕込みと!と、事細かに笑いながら発散したせいでもある。
2008年04月29日(火) |
タクシデルミア ある剥製師の遺言 |
世はゴールデンウィークだ。 GWとともに、かんそうメモを再開してみる。
「タクシデルミア ある剥製師の遺言」 監督・脚本:パールフィ・ジョルジ
「ハックル」がかなり面白かったハンガリーの監督の二作目。 感覚に訴える嫌悪感は、いや増し絶好調。 ダークトーンのおかしみが腹の底から湧いてくる。
三世代にわたる欲の歴史とでも言うべきか。
初代は、性欲・支配欲! 次世代の主人公の父親はぼかされるが、それが東欧的マジックリアリズムとでもいう表現により、奥行き深く感じられる。。 軍を皮肉る。
二代目は、食欲・・というより権力欲。 社会主義を徹底的に笑う。
三代目は、名誉欲。 現代の閉塞感あたりもちょい表現か。
原初の本能的欲望から、時代を経るにつれ欲望の質が変容していく様は ヒトの真髄か。
三代目のオノレの命を賭して達成する壮絶な名誉欲は、うすら寒い。 そんな狂気の政治家やマッドサイエンティストはそこここに存在しているはず。
その壮絶な名誉欲の果てに名を残したはずのラストシーンは、どこかまぬけで滑稽だ。
あくまで底意地悪い表現に拍手を送る。
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