表身頃のココロ
ぼちぼちと。今さらながら。

2004年12月27日(月) 「ネバーランド」

◆ネバーランド Finding Neverland
[イギリス・アメリカ/2004年/100分]

監督:マーク・フォースター 
原作戯曲:アラン・ニー  脚色:デヴィッド・マギー
出演:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、
ジュリー・クリスティ、ラダ・ミッチェル、ダスティン・ホフマン、イアン・ハート、ケリー・マクドナルド

     ↑
「サー。あなたのかかとが私のカフスを踏んでいます・・(大意)」
このシーンに惚れた!

いつまでも子どものままでいたいピーター・パンそのままの人であったと思われるバリーを演じたジョニー・デップは、まさに適役。
作家とは対称的に大人へと成長していく子ども達の姿もまた素晴らしい。
ビクトリア朝のしつけの行き届いた紳士然とした子ども達は断然好みなのだ!
また、ケイト・ウィンスレット(素晴らしい〜♪)を始め力のある役者が揃って、見応えたっぷり。
劇中劇の舞台部分も素晴らしかった。

・・とは言うものの・・・。
実は、秀作と言われるこの監督の前作「ショコラ」がいまひとつ好きではなかった私。
ジュリエット・ビノシュ嫌いがその理由のひとつと思っていたのだが、今回悟った。
どうやら私はこのマーク・フォースター監督があまり好きではないらしい。

 あぁ〜っ!しまったぁ〜っ!「ショコラ」ではなく「チョコレート」だったのだっ!
 ラッセ・ハルストレムのことを話していて気づいた私。
 チョコ繋がりとジョニー・デップ繋がりで、どえらい思い違いをしてましたぁ。
 「ショコラ」はラッセ・ハルストレムでした。最近多い思い違い勘違い・・(泣)。


冒頭、ベンチでのやりとり後。
ジョニー・デップ扮する作家のバリーが公園で飼い犬とダンスを始める。
そのむく犬は熊となり突然イマジネーションの世界が拡がり始める。
鮮烈なマジックの始まりに心奪われた・・のもつかの間、拡がりゆく映像とは裏腹に何故か急にしぼみゆく我がココロ・・ってな感じなのだ。
何度も挿入されるイマジネーション部分の映像には常に違和感がつきまとって離れなかった。この手法は好きなはずだがどうしたことか。
センス・オブ・ワンダー(死語)というものが私の求めるものとは違うということだ。
描かれているのは優等生的なイマジネーションの世界だったように思う。

それより、ラスト近く、病気のケイト・ウィンスレットに舞台ネバーランドを再現して見せるシーンがある。狭い居間にセットを組み、役者が舞台さながらに演じてみせる。
そちらの方が観客のイマジネーションを刺激しなかっただろうか?

あと、ラストのまとめ別名お説教は完全にいらない・・というか好みではなかった。

とはいうものの、この映画もアベレージ以上であることは確かである。



2004年12月26日(日) 演劇 「消失」 ナイロン100℃

ナイロン100℃ 「消失」
紀伊国屋ホール

作・演出:ケラリーノ・サンドロビッチ
出演:みのすけ、大倉孝二、犬山イヌコ、三宅弘城、松永玲子、
八嶋智人、池谷のぶえ(声の出演)

 



2004年12月24日(金) 「ふたりにクギづけ」 「ブエノスアイレスの夜」

◆ ふたりにクギづけ
Stauck on You
[アメリカ/2003年/119分]

監督・脚本:ボビー&ピーター・ファレリー
出演:マット・デイモン、グレッグ・キニア、シェール、
シーモア・カッセル、メリル・ストリープ、エヴァ・メンデス


上映館の渋谷シネマソサエティは時々ささやかなイベントを行っているが、私が行った日たまたま上映前に抽選会があった。
で、ファレリー兄弟のナマ写真当選!・・脱力しつつ家宝にしてみます・・。
ささやかに当選したから言う訳じゃないけれど、ここの映画館は何とも手作り感があって好感が持てるのだ。場所は良くないし、あまり見やすい劇場でもないし、上映される映画はミニシアターの中でもちと格下感が漂ってくるものが多かったりするのだけれど・・・運営スタッフのココロが何となく伝わって来る気がする劇場なのだった。

さてさてこの映画、まさかファレリー兄弟の映画で、笑いこそすれほろりとだが泣かされるとは思いもしなかった。

今回マット・ディモンとグレッグ・キニアがシャム双生児(結合性双生児と言わねば・・)のこの映画。
家業のハンバーガー屋では何せ手が四本あるのだから仕事が早い速い!
ボクシングだって腕が四本だもんね。
アイス・ホッケーのゴールキーパーでは当然天下無敵!
などという体が繋がっていることで考え得る有利な描写でつかみからOKなのだ。

性格は正反対ながら互いに心からの信頼を置き、田舎で穏やかに暮らしていた二人だが転機が訪れ・・・というメインの話自体は、どたばたに色づけされつつ素直に語られていく。
またしても身障者ネタ一直線なのだが、シニカルな視線は一切感じられない。
また、演じるマット・ディモンとグレッグ・キニアが素晴らしい。

しかし、この二人が双子とは年齢的にもどうなのよ!という疑問が湧く。二人の場合、ひとつの肝臓を共有しているため、肝臓を持つマット・ディモン側が若く、老廃物がたまってしまうグレッグ・キニア側が老けてしまうという説明あり。ちなみにお酒を飲んでも肝臓を持たない方が酔っぱらってしまう。・・それって共有していることになるのか〜♪



◆ ブエノスアイレスの夜
Viadas Privadas
[アルゼンチン・スペイン/2001年/105分]
監督・脚本:フィト・パエス
出演:セシリア・ロス、ガエル・ガルシア・ベルナル



2004年12月22日(水) 「エイリアン VS. プレデター」

◆ エイリアンVS. プレデター
Elien vs. Predator
[アメリカ/2004年/100分]
監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
出演:サナ・レイサ、ラウル・ボヴァ、ランス・ヘンリクセン、ユエン・ブレムナー

見たい映画数ある中、他を差し置いても見たかった「エイリアンVS. プレデター」。
これはふつふつと湧いてくるツッコミはあえて無視して楽しんだもの勝ちの映画だ。
てなわけで、私は、楽しかった〜♪

スローモーションで空飛ぶフェイスハガー!
エイリアン対プレデターのいろんな技くり出しガチンコ勝負!
ミスタープレデターがヒロインを戦士と認定、即席の盾と槍(笑)で武装させ共に戦う一連のシーン!
拘束されているママ・エイリアンをわらわら助けにゆくちびエイリアン達。
・・などなど数え上げればきりがないが、いちいち可笑しくて可笑しくて、かなりハイ状態で楽しませてもらった!

どこかで見たようなシーンのアレンジが山盛りで、冒頭「MI2」もどきから始まり「ジュラシックパーク」「遊星からの物体X」「インディ・ジョーンズ」・・もう思い出せないけれど他にもいろいろと「!」てなショットあり、もちろん「エイリアン」シリーズにオマージュを捧げたようなシーンも多数見受けられ、監督はとにかく観客を楽しませることを主眼に置いているのだなという気がする。

その監督は「だめな方のポール・アンダーソン」とはもう呼ばせない、ポール・W・S・アンダーソン。
いい方のポール・T・アンダーソンとは行く道が全く違うのだ。
お互い独自の世界を築き上げて、楽しませてくれれば観客としては幸せ。

最初のシーン、ウェイランド社長の部屋のテレビには、フランケンシュタインの映画がかかっていた。
何故唐突なフランケン映画?と気になっていたのだが、あの映画のラストは南極の氷の上をひとり彷徨うフランケン。「エイリアンVS. プレデター」ではラストひとり残された薄着(爆)のヒロイン。異種間友情も含めてフランケン映画はこれを暗示していたのね。

イギリスのちょっとだけとんがった映画や「ジュリアン」などに出演、一度見たら忘れられない顔のユエン・ブレムナーは化学者役で登場。ううむ・・多国籍頭脳集合体の中でイギリス訛りの英語をしゃべっていると何だか利口そうに見えるのがとても不思議。

我ながらあまり真面目に考える事でもないと思うのだが、以下記憶が曖昧で気になる・・。
すっぴんでいるところをフェイスハガーに産み付けられてしまったプレデターは、妊娠中のリプリーと同じで、エイリアンとの決戦で見逃されるもんだと思っていたのだが、殺されてしまった。
刺客はママではなくエイリアンの若いもんだったのか?そういえば小柄だったかも。
ママ・エイリアンでないと産み付けられた子どもがお腹にいる事が分からないのだったけか?

ウェイランド社長を演じるランス・ヘンリクセンはエイリアン2に出てくるアンドロイドのビショップ役。
手の甲を拡げて指の間をナイフでトントントン・・ってシーンがあり、いぇい〜♪これはあのアンドロイドビショップ〜!と思っていたのに、喘息?肺ガン?・・人間だったのか?時代的にこちらが早いのか?となると彼の子孫がアンドロイド化したのか?また、プレデターにやられる時、骨格→血管(?)をスキャンされていたが、あれはアンドロイドだと判断されたのではなく、既に末期がん(?)と判断され、死にゆく人間を殺すにあたわずと思われたからなのか?



2004年12月21日(火) 明和電機ナンセンス=マシーンズ展+「カンフー・ハッスル」

◆明和電機 ナンセンス=マシーンズ展
NTTインターコミュニケーション・センターICC

いやなことだらけの今の世をはかなんだり絶望感にさいなまれる事があったとしても、
明和電機がいる限り、この世はまだまだ捨てたもんじゃないと思うぞ〜。

テレビなどのマスコミ媒体で彼らのパフォーマンスを見たり読んだり、商品化されたモノなどを目にすることはあっても、ナマの作品を目にするのは初めての私。
かなり大規模な今回の展覧会、彼らの活動の大部分と思われるモノを見て、脳髄までシビレてしまった。


中でもノッカールームの自動演奏には心の底から真面目に感動してしまった。
アップライトピアノの鍵盤部分を全て取り外し、本体の構造部分と弦部分のみを露出。ボディの表裏横・弦部分に多数のハンマーを取り付け、自動でハンマーをうち下ろし、強弱・高低・速遅など複数のリズムを刻む。それは原始音楽でありコンテンポラリーであり聴く者をうならせる完成された音楽であったのだ。音に合わせてライトが人の動きをするメカニズムを理解・感動できる理系人間でないのが哀れな私。

アニエスb.が様々な若い芸術家を支援しているのは周知の事であるが、明和電機のファンであるということを聞いたのは6〜7年前位か?いつの間にかアニエス製のおされな制服が出来ていた。

【展示】エーデルワイスシリーズ、ツクバシリーズ、魚器シリーズ、
メカトロニカ上映、ノッカールーム(ELT)、アクアライト、他 
【自動演奏】30分ごと3パターン
エーデルワイスシリーズ、ツクバシリーズ、ノッカールーム(ELT)



◆ カンフー・ハッスル
Kun Fu Hustle

[香港/2004年/99分]
監督・脚本・出演:チャウ・シンチー

馬鹿馬鹿しい事を大真面目に描く「ありえねぇ〜(チラシより)」ものに感激した一日。
明和電機展に引き続き、この映画の根っこもある意味同じもののような気がする。

とにかく「少林サッカー」で、ひっくり返って大笑いしてしまった私。
映像がよりセンスアップされ、今回も楽しませてもらった。
前半の“豚小屋砦”の描写がかなり好きだ。
市井の人としてつつましく暮らすカンフーマスター達。
抜き差しならない場面で仮面を剥いで登場するシーンに大受け!泣かせる!
やることは無茶苦茶ながら、無法者 vs 市井の人々の図式に則ったきちんとした映画だい。



2004年12月20日(月) 「ビフォア・サンセット」

◆ ビフォア・サンセット
Before Sunset
[アメリカ/2004年/85分]

監督・脚本:リチャード・リンクレイター
出演・脚本:ジュリー・デルピー、イーサン・ホーク

「恋人までの距離(ディスタンス)」という変ちくりんな邦題になってしまった前作「Before Sunrise」の正統派続編である。
あれから10年近い年月が流れ、作家となったジェシー(イーサン・ホーク)が前作の経緯を書いた本のプロモーションのヨーロッパツアー最終地パリを訪れた所から始まる。
本屋でファンとの質疑応答の合間に差し込まれる前作のシーンの数々。観客である私もあのリアルで生き生きとしたお話に思いを巡らせつつ何故か涙ぐみそうになったりする。
と、急に過去のフィルムではないセリーヌ(ジュリー・デルピー)のアップが映し出される。何と粋な登場!
もちろんジェシー(イーサン)も驚いただろう。その微妙な体温が伝わる繊細な演出である。
このシーンに限らず、繊細でスマートな演出とリアルな会話は健在である。
脚本にイーサンとジュリー・デルピーもクレジットされていたので、役柄に成りきった二人もこのリアルなお話の創造者であったのだろう。

本屋でのプロモーション後、アメリカに帰る飛行機の時間までという期限付きで、また二人でパリを彷徨いリアルな会話劇を堪能させてくれる。
もちろん、前作のラストでした再会の約束はどうなったのかという観客にとっても重大な関心事にもちゃんと答えがあり、ため息。

本屋でのジェシー(イーサン)の登場時に既に指に結婚指輪が示されている。
もちろん彼女の方もすぐに気づいただろう。
出会ってから最初のさぐり合いが一段落した後、その話題に触れられる。
その時、一緒に公園を歩いていた二人の間に奇しくも階段の手すりが現れ、手すりを挟み左右分かれて降りることになる。
またすぐに合流するのだが、ん〜っと唸ってしまうこんな演出が山盛り。
また、言葉と気持ちが違うことを語っている・・・というのは我々現実の生活ではごく当たり前の事だけれど・・・それをこんなに繊細にかつ普通に描いた映画がかつてあっただろうか?などと思ってしまう。

再会の喜び→質問やちょっと表向きの現状報告→さりげない探り合い→少しづつ見えてくる本音→ほわほわほわ〜ん。

ラストは曖昧ながらも確固たる方向を示して終わっている。
この余韻の素晴らしさ。
もうこの続編は見たくないと思う。
「そして二人は末永く幸せに暮らしました」で終わるお話に続きはいらないのだ。
(いや、もし映画が出来たら見るけどさ・・)

もう一回しみじみ見たい、その価値のある映画である。

ただ、ひとつだけ。
ジェシー(イーサン・ホーク)着用のカウボーイシャツ的切替入り小花柄シャツ。
パリのアメリカ人を強調したかったのか、これだけはいただけない・・・。



2004年12月14日(火) 「ハコイリネコ」展 「きみに読む物語」

「ハコイリネコ」展 ミヤケマイ
CAT IN THE BOX Exhibition
銀座ボザールミュー

ミヤケマイの描くイラストの動物たちは皆どこか小ずるそうだったり、逆に間抜けっぽかったりして実に好みだ。
今回は「ハコイリネコ」という主題で全て猫が主人公。
可愛らしい猫なんてどこにもいないが、愛すべき猫の表情を捉えていて胸きゅんなのだ。

←この子は、邪悪な目つきといい表情といい姿形といい、うちの猫にそっくり!
最終日の店じまい近い時間に行ってしまったのが悔やまれる。
体感的に8〜10畳位の広さのギャラリーは立錐の余地ないほどの混雑ぶりだった。






◆ きみに読む物語
The Notebook
[アメリカ/2004年/123分]

監督:ニック・カサヴェテス
原作:ニコラス・スパークス
脚本:ジャン・サーディ
出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、
ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー、
ジョアン・アレン、サム・シェパード

「シーズ・ソー・ラブリー」が私のツボだったのと、監督の両親に対するリスペクトでつい贔屓しているのかもしれなが・・・。
最近の純愛ばやりに乗っかった感も強いとはいえども、しっかりした演出力と役者の力で、安い純愛路線とは区別されてもいいと思える。
パパ・カサヴェテス監督「こわれゆく女」のジーナ・ローランズがオーバーラップして、せつなくなったのだった。



2004年12月13日(月) 「ボーン・スプレマシー」

◆ボーン・スプレマシー
The Bourne Supremacy
[アメリカ/2004年/108分]

監督:ポール・グリーングラス
原作:ロバート・ラドラム
脚色:トニー・ギルロイ
出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、ジョアン・アレン、
ブライアン・コックス、ジュリア・スタイルズ、
カール・アーバン(エオメェェル〜♪♪)

これをクール!と言わずして何をクールといえばいいのかっ。
タイトな秀作「ボーン・アイデンティティ」の続編だが、前作を上回る出来に満足。
前作では、無くした記憶と鍛錬された肉体・精神反応との間でおろおろしつつ、オノレのアイデンティティを求めゆくスパイという、私のツボにすっぽりはまる話で楽しませてもらった。

今回我々観客は、四の五の言わさず、ぐいぐいぐいぐいぐい〜っと引っぱっていってくれる快感に身を委ねることができる。大味な大作の力任せのぐいぐいとはひと味違うぐいぐいである(・・って?・・ぐいぐい)。
このスピーディなカット、知的でクールなカメラは、かなり好みである。
中でもベルリンのアパート、ブラインドを効果的に使ったブルーのトーンの格闘シーンはココロ震えるほど美しかった。

特筆すべきは、ロシアでのカーアクションシーン。
ちなみに私はカーアクションにはほとんど興味が無い、にもかかわらず「そんなぁぁぁ〜」と思わず笑ってしまうくらい熱中させられた凄さ。トンネル内のカーアクションで、「アイ、ロボット」が一瞬思い出されたが、ふっ、CGはしょせんCGさ・・などと不遜にも心の中でつぶやいていた。

そしてスピーディに展開した話の終わりに見せてもらったのは、殺人マシーンの思いがけない人間性である。
このあたりは前作の自分探しにも通じるマット・デイモンのキャラが生きるところ。
くどくどとした説明抜きですっきり描いたこの部分は、暖かい余韻を残し成功している。

写真のみ参加のクリス・クーパーも含めて、役者は皆粒ぞろい。

マット・デイモンは、私に悪口を言わせれば小一時間は話せます!ってくらい嫌いな俳優だけれど、何故か吹き替えたアニメ映画以外は皆見ているという事に気づいた。
もしや実は愛していたりして・・?そんな馬鹿なぁ〜。
あ・・マットがグレッグ・キニアとシャム双生児になる映画、見に行かなくちゃ〜♪

そして、ロシア人凄腕スナイパー役の、カール・ザ・おちょぼ口・アーバン。
彼の立ち姿の美しさと迫力にくらっくらしてしまった。
奇跡的に復活して次作にも出演希望>無理。

とにかく、この映画かなり楽しませてもらった。
完結編「Bourne Ultimatum」の完成が待たれる。


映画の前に、12月とは思えない暖かい陽気の中、シンフォニー号で東京湾クルーズを楽しんだ。
暖かい日差しと吹く風も気持ちの良いアフタヌーン・クルーズだった。



2004年12月09日(木) 演劇「走れメルス/少女の唇からはダイナマイト!」NODA・MAP

NODA・MAP「走れメルス/少女の唇からはダイナマイト!」
Bunkamuraシアターコクーン

作・演出:野田秀樹
出演:深津絵里/中村勘太郎/小西真奈美/河原雅彦
古田新太/野田秀樹/峯村リエ/濱田マリ/池谷のぶえ
小松和重/浅野和之/松村 武/腹筋善之介/六角慎司/櫻井章喜



今年に入ってから6本目の野田作品・・・勝海舟も含めて野田さん今年働き過ぎ〜・・・の中では、一番楽しめた。

饒舌すぎる言葉の洪水に飲み込まれそうになりながらも浮かび上がるお話。
あぁぁぁ遊眠社だぁぁぁ〜♪
久しぶりの満足感を感じる。
今さら言うのも何だけど、この戯曲を21歳で書き上げた野田さんは天才だ。

ただ、見る前から唯一気がかりだったのは、「赤鬼/日本バージョン」で美しい寓話を滅茶苦茶にしてくれた女優(当然ながら超私見)の参加。
今回は比較的出番が少ないものの重要な役どころ、あぁ、やはり彼女の出るパートは他とは段違いのレベル。世間では彼女の相手役俳優の力が足りないと非難されているように思うが、彼の責任だけではないと思うぞ。
・・無理矢理脳内変換をしてしまう。



2004年12月07日(火) 「戦争のはじめかた」

◆ 戦争のはじめかた
Buffalo Soldiers
[イギリス・ドイツ/2001年/98分]

監督・脚本:グレゴール・ジョーダン
原作: ロバート・オコナー(「バッファロー・ソルジャーズ」)
出演:ホアキン・フェニックス、エド・ハリス、スコット・グレン、
アンナ・パキン、エリザベス・マクガヴァン


この映画、アメリカでは配給が決まってから起きた911事件のために「前代未聞!全米公開5度延期!!(チラシより)」という事態を引き起こしていたらしい。
その売り文句のもと、日本公開。本来ならビデオスルーのところ、豪華キャストの力と、アメリカに対する疑念深まる世論の中、短期公開しちゃいます的な感じか。
ちょっと調べてみたら、アメリカでは、昨年のサンダンスで初お目見え。
7月にLA映画祭で披露後、同じく7月に全米公開・・それが6スクリーン!
→最多時でも24スクリーン・・というおそらくニュー・ヨークなどのスノッブな地域での超限定公開だったのか?
映画は、田舎のブッシュ支持層が見たら卒倒するかも的、強烈に皮肉のきいたものだった。
現代の「MASH」はアメリカでは作れないらしい。


 以下ネタバレあり

舞台はドイツに駐屯するアメリカ軍。
ベルリンの壁崩壊の年。パパブッシュ大統領の年。
平和でぼけぼけ。登場人物は皆どうしようもない輩ばかり。
物資の横流し、ヘロイン精製密売に情熱を注ぐホアキン。
物資補給の長だが直属の部下のサイドビジネスや妻の浮気にもに全く気づかず、出世を目論むが無能で間抜け故に無理なエド・ハリス。
新任の曹長として赴任。出るなり内部調査の切れ者か?と思わせるも実はベトナムあがりのサイコ野郎にスコット・グレン。
間抜けな無能者エド・ハリス、やな奴スコット・グレンというおよそ彼らのイメージからかけ離れた役どころも楽しい。

前半の布石部分で、装甲車演習中にラリった末、ガスステーションで大爆発を起こし瞬時に消滅する人の映像を見たとき「あらこの映画、本気でやる気ね」と思わせてくれた心意気。小ネタだがテレビでパパブッシュが「The world is waiting・・・」と演説した瞬間、そのテレビは蹴りを入れられ崩壊・・など、基本的心意気は、はちゃめちゃ暴走する最後まで貫かれ、引っ張ってくれる。
そして、何が起ころうと演習中の事故で片づけてしまえる巨大組織健在、脳天気な毎日再開〜♪で幕。

・・というような毎日を過ごしていた軍の構成員達は、911以降、「よっしゃ〜出番だ〜」と燃えたであろうということは想像に難くない。

ベルリンの壁が壊されるニュースを見ていても「ベルリンってどこ?」「東ドイツ?」「西ドイツ?」などという隊員達。ちなみに西ドイツに駐屯する部隊の会話。
などという小ネタも多く、笑いながらも凍り付く。



2004年12月06日(月) 「スーパーサイズ・ミー」

◆ スーパーサイズ・ミー
Super Size Me

[アメリカ/2004年/98分]
監督・脚本・出演:モーガン・スパーロック





マクドナルドの商品だけを一ヶ月食べ続けると一体人間はどうなるか?という人体実験のドキュメンタリー。
誰がどう考えても、そりゃぁ体に悪いでしょう〜〜という事を真面目に体を張って実行、医師のモニターの元きちんと数値を残し科学的に実証した偉人伝(笑)だ。

ただ一ヶ月の記録を撮るだけだと、おぉ、奇特なえらい人!で終わってしまうが、その間アメリカにおける食文化や食教育、大手企業の戦略などの現状をも盛り込んでいる点も評価できると思う。
バックグラウンドの描写や考察の部分をもっと見たかったような気もするが、この程度のバランスが映画が散漫にならない境目かもしれない。

印象的だったのは、とある州の教育困難な生徒を集めた学校での試みだった。
ここの学校では、食事を全ていわゆるスローフードに切り替えたとたん生徒達が落ち着き注意力も戻ってきたそうだ。
精製されていない穀物・低脂肪・野菜中心・・あぁ、でも甘い物だけはやめられない私。
マクドナルドは年に一度食べるか食べないか位の生活をしているが、身につまされる部分もあったりする。



2004年12月01日(水) 「ドット・ジ・アイ」「ドリーマーズ」

当日券で見に行こうと決意していた舞台のチケットゲットに失敗。
残りの上演日は都合がつかない。
・・・しばし放心。
なんだかショックで映画の日兼女性ディだったのを忘れてしまった。

数日前にギンレイホールで見た二本立て。
このホール、見逃し映画救済の神。
以下、覚え書き


◆ dot the i ドット・ジ・アイ
Dot the I
[イギリス・スペイン/2003年/92分]

監督・脚本:マシュー・パークヒル
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ナタリア・ベルベケ、ジェームズ・ダーシー

本編のフィルム映像とは別にいくつも差し込まれるデジタル映像。
ガエルちんやその仲間が撮影している映像・結婚式を撮影している映像・・などなどとは別に全く出どころが分からない映像が幾度となく差し込まれる。
物語の鍵になると思われる、ほとんど覗き見的な映像の角度や場所から共通の鍵を探そうと試みるが・・・・そういうことだったとは・・・。
私の大嫌いな「ゲーム」@デビッド・フィンチャー的収拾のつけかた。
このオチで万人をうならせるのは難しいぞ。


◆ ドリーマーズ
The Dreamers
[イギリス・フランス・イタリア/2003年/117分]

監督:ベルナルド・ベルトルッチ
脚本:ギルバート・アデア
出演:マイケル・ピット、エヴァ・グリーン、ルイ・ガレル

巨匠、ノルタルジーに浸る。
または、ぼけたか?
・・という言葉が、頭に浮かんだ偽らざるところ。


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