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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
北京の空気は汚い。ガイドさんは「北京には空気以外なら何でもある」と言う。五輪のときの排ガス規制をどうするのかをガイドに聞いたら、「6月から、北京市内に偶数ナンバーのクルマしか入れない日、奇数ナンバーの車しか入れない日を交互に設けるから半分に減る」。と教えてくれた、なんとも単純明快な対策を打つものだが、ここまで単純でないと何億もの国民を動かすことができないのだろう。
近年、中国製の品質がどんどん良くなっているが、これはメーカーの品質基準管理者の努力の賜物であろう。中国人観光客が着ている服も靴も決して水準が高いものではない。そんな彼らが自分たちのために作るというのなら「この程度で十分ではないか」と思う品質のものになっても仕方がない。しかし、高度な製品ができてくるということは、彼らに「見たこともない客のために作るが、その客はこのような製品でない満足しない」との考えが定着しているということ。これは、品質基準管理者の努力だろう。提供できる製品やサービスの品質は、顧客への尊敬心から生まれるのだ。
紫禁城の裏にある景山公園。ここからの眺めは抜群だが、山を下ったところに明の最後の皇帝が首をくくったとされる木があった。また、西太后が翡翠などの宝飾と共に墓に入ったが、それゆえに盗賊に掘り返されて惨めな墓になっているという話もガイドさんから聞いた。人民は英雄にまつわる話は皆好きだが、英雄が没落する話もまた好きなのだ。日本には英雄没落の現場が殆どないため新鮮だった。
天安門広場の前で、観光客相手に写真を撮って売る人がいる。手にしているのは、デジカメ。首から画板のようなものをぶら下げていて、その上に写真プリント専用のカラープリンタを載せている。その場で取ったデジカメをその場でプリントして売る商売だ。そのポータブルさに感心したが、カメラ普及の高い日本ならセルフで行なわれている商売。輪タクと同様早晩このビジネスもなくなるだろう。
天安門に掲げられた有名な毛沢東像。その像をじっと見ていたら、その瞳に吸い込まれそうになった。そして「君も、世の中のベースを上げてみないか?」。そうささやかれたような気がした。「ベースを上げる」とは、生活水準を上げること。自分の欲を満たことばかりではなく、皆で幸せになる欲を満たせというのだ。あの瞳にそんな説得力があった。同時に、歴史的偉人の瞳のチカラに驚いた。
中国各地からの団体客は、トイレで手を洗わない。鼻水は飛ばす。前に出ようとするとき、「失礼します」とか何も言わず、体当たりする。ぶつかっても「ごめんなさい」を言わない…。衛生管理や礼儀が全然できていないなあ…と唖然とする光景をいくつも見た。それができないのは、そのような教育を受けていないからだろう。国家プロジェクトとしての教育は絶対に必要。そのことに改めて気付いた。
翌日、早速天安門広場に行く。ここには中国全土から団体観光客が来ていた。彼らは緑や赤などのキャップを被っている。そのキャップだけが自分がどこの団体に属しているのかがわかる唯一の目印だ。そのキャップはデザイン的に観ればとてもダサい。しかし、彼らにはデザイン的にどうだとか、室内では帽子を取るという常識も知らない。雑技段の演舞を鑑賞するときも彼らは帽子を被ったままだった。
義父と息子・甥の4人で北京旅行に行く。目的は万里の長城だが、子供たちに開発途上の巨大都市を一度見させておきたい思いからだ。てっきり大型バスで移動するのだと思ったら、迎えに来たのは1台の1BOXカー。その運転手と現地通訳の2人だった。この2人が、私たち4人のために4日間付きっ切りで回ってくれるという。こういうマンツーマン観光は初めて。通訳も愉しい人でとてもラッキーだ。
小学生の野球では、強いチームほどよく声が出ている。先日も私が塁審を務めた試合で、勝ったチームは「気が狂ったの?」と言いたくなるほど声を出していた。掛け声は「バッチコイ」。子供たちはひたすらバッターに向かって「バッチコイ、バッチコイ」とリズムよく叫び(?)続ける。指導者は具体的な声の掛け方まで教えているのだろう。独自の応援歌を持っているチームもある。声の出し方も多彩だ。
『夢をかなえるゾウ』を書いた水野敬也先生の話を聞いた。実に面白い本だったのでその創作経緯に興味があったが、3年間苦しんだ挙句の作品だと聞いて得心した。苦しんでいるうちに頭の中にあった別の2作品が融合してあの設定が浮かんだという。まさに考え抜いた人にだけ訪れるセレンディピティだが、良い「もの作り」が投資した時間と細部への執着に比例するのは、ものづくりでも本書きでも同じなのだ。
大企業で従業員意識調査を行なう。2年前に一度実施しているが、その結果を受けて行なった様々な改革が、職場をどう変えたかを検証する調査だ。どんな結果が出るかドキドキだが、同社専務は「ショッキングな結果が出ても良い」と笑う。「ショッキングな結果が出て、それを見つめて自分を変える。それしか成長の途はないのだから」。この人も19日の社長同様、揺るぎない自分への自信を持った人だ。
某社社長との会話。「私は粗食で育ったので、粗食から栄養を吸収する体になってしまっている。だから今でも粗食を食べないと栄養を吸収できない」。そうなのかと感心しつつふと思い出した。私の祖父母はマクドナルドを絶対に食べようとはしない。美味しいとか栄養のあるなしが問題ではない。食べたことがないからだ。子供の頃の食習慣は一生引きづる。子供にどんな食習慣を躾かは親の重要な責任だ。
好業績が続く某社で中期経営計画策定コンサルティングを提案。企画書を見た社長の第一声は「当たり前のことしか書いていない。それ以上でもそれ以下でもない」。そして「その当たり前のことができていないのが問題なのだ」。当たり前のことができていないと言われれば、誰だって腹が立つもの。それを冷静に受けとめられるのは、揺るぎない自分への信頼があるから。その器の大きさに感心した。
2020年少子化対策の議論で出たキーワードは昨日の�|羂�の人がやってくる面白い国づくりの他に、以下の4つが出た。�‖膽蠑�売業が減退するので、そのスキマを付いた高付加価値型専門店。�⊃靴靴と稜篳�法の模索。その過程では異業種とのコラボレーションも。�O�帯感の創造や時間消費に貢献する新しい生活提案 �ねソ┐平雄爐魍容世任�る採用力。可能性はここに凝縮されているように思う。
中部マーケティング協会の仕事で2020年の少子化対策を名古屋の経営者たちと語り合う。どう切っても閉塞感から脱けられない問題だが、「中国やインドから観光客を呼ぼう」という前向きな意見には明るい希望を持った。アニメ・コミックの海賊版流出が日本文化の浸透を促し、日本に対する憧れや価値観変化を起こしている。もっと面白みのある街になり留学生・研修生が増えれば、人口減を補えるかも。
北海道日本ハムファイターズの社員が、シートの年間券をマンションへのポスティングで売りたいと言い出した。年間シートは単価も高く法人重要が中心…と思えるが、個人にチラシの投げ込みで売るという。無謀に思えたが、藤井純一社長は「やってみたらいいじゃないか」。そして結果は成約0。しかし、最初からダメだと決め付ける「0」とやってからの「0」は違う。そこがファイターズの魅力だ。
吉祥寺でイタリア料理店リゴレットを経営する新川義弘社長には、どうしても来て欲しい客がいた。それは店の前の駐輪場の整理係のお爺さん75歳。その人が店に来てくれるよう、店前は毎日3回掃除。そして、顔を見ると挨拶をした。それでもなかなか来なかったが、半年経って、ついにビールを飲みに来てくれた。以来毎日飲みに来るという。吉祥寺は民度の高い街。新川社長の考えが受け入れられた瞬間だった。
亀の井別荘の中谷社長は、顧客満足度アンケートを取っている。アンケート用紙は、会計が終わったとき、絵葉書入りの洒落たファイルに入れて『お土産』として渡す。その場で書かせないのは、じっくり家に帰ってから旅館のこを思い出して欲しいから。得られた意見は毎月発行する機関紙『羅針盤』に集約して社員に伝え、現場改善に生かす。生かしたらその変化を客に伝える。このようなPDCAを回すことで、進化し続けている。
12日に、中部マーケティング協会が1500人を集めて行なった
中部マーケティング会議で豊田章男副社長の話を聞いた。彼がテストドライバーから本物のドライバーになり、24時間耐久レースに出ていたなんて、露ほども知らなかった。話を聞いていると、もう何年もワンボックス方向に振れたトレンドは、再び走り中心のスポーツスタイルに戻って来る気がした。彼は自分のレース体験を「モリゾー」の名でブログに書いていたが経営者の「遊び心」も大事な要素だ。
12日のパネルディスカッション時の質問の足しになればと、数人の経営者を捕まえて「最近読んだ本で面白かったものってあります?」と聞いてみた。問題を解決したり意識したいとき、人は本に学ぼうとする。だからどんな本が面白かったかを聞けば、今の経営者たちの知りたいことが見えるはず。すると出てきたのが「安岡正篤」「島田伸介」「中国での日本アニメ」。興味の対象は「儲け方」ではないことがわかった。
調査会社の社長と話す。私の部では最近、マーケティング調査の仕事が増加傾向なのだがなぜでしょう…と尋ねると「それは、どの会社も現状を正しく認識することが難しくなってきているからです」。そして社長は続ける。「課題が見えたとしても、ではどんな調査をしたら良いのかがわからない」「そして調査結果をどのように戦略に反映してよいかが分からない」。この助言でクライアントの心理がよく分かった。
12日のパネルディスカッションの司会に向けて、『インタビュー術』なる本をおさらいする。インタビューのコツは「相手を好きになる」「『なに』『なぜ』をきちんと聞く」「その人の価値観を引き出す」などいろいろあるが、特に意識するのはこれ。「エピソードに敏感に反応する」「インタビュアーは忠告や助言をしてはならない」そして極めつけ「念入りに質問を考えて後は白紙」。間近になるとこの心境しかない。
部下が作った企画書をチェックする。見ると抽象的な表現が多く並んでいる。『iモード事件』の松永真里さんは「抽象的なことを言う人はあまり語ることがない人」と語っているが、そう思われても仕方がないだろう。問題はこの企画書を読んだ人に「どんな感情を持って欲しいか」だ。「よくわからないなあ…」ではなく「面白い!やってみよう!」のはず。企画書はそこから逆算して考えて作るものだ。
単行本化された『今日の猫村さん』を読んだ。毎日ひとコマだけ配信されるメルマガ。イラストは鉛筆で書いている?超ゆる系で実に憎めないキャラだ。猫村さんの特徴は「お節介」なこと。NHKみんなの歌からヒットした『おしりかじり虫』もお節介な内容だが、効率追求の中で、今の世の中からお節介が忘れられてきたのかもしれない。誰かのために何かをしてあげる。その重要性に皆気づいている。
田村裕の『ホームレス中学生』を読んだ。彼の恩師の手紙など、随所に泣かせる話があったが、最も印象に残ったのは、1日300円生活の中で3兄弟がお米をかみ続けるシーンだった。彼は『味の向こう側』と読んでいたが、噛んでいるうちに一瞬味がする瞬間があるという。以来私は、よく噛んで食べるよう心がけている。『味の向こう側』はまだわからないが、噛んで味わうことの素晴らしさを知った。
仮面ライダー電王のDVDを借りてきて観た。心優しい主人公に鬼が忍び込み悪を退治するのだが、あるときは鬼の面が出て、あるときは優しい面が出る。そんな二面性を一人のキャラクターが持っていることがとても面白かった。脳科学者の黒川伊保子先生は、今の時代を「斉藤祐樹」と「亀田興毅」が同居する時代と評しているが、一人の中に斉藤と亀田がいるような設定。人気爆発に納得がいった。
『もやしもん』のDVDを借りてきて観た。深夜放送ながら視聴率5%超のアニメーション。菌が見える少年が農大を舞台に活躍する?話だが、この設定だけでも相当笑える。また、見える「菌」がゆるゆる系で何とも可愛い。こんな身近なところにキャラ化できる素材があったのかと気づかされて愕然する。酒造りのときに菌の働きと、鮭を殺してしまう菌の存在。学びが多いのも人気の秘密だろう。
『人生銀行』を買って試した。人生銀行とは、バンダイが開発した500円玉専用の貯金箱である。箱の正面にはたまごっちのような液晶画面が組み込まれていて、ここに苦学生が住んでいる。貯金する都度に、液晶の中の生活が華やいでいき、苦学生が幸せになっていくという設定。使っていると中の人間が心配で、ついお金を入れたくなる。自分のための貯金は続かないが誰かのための貯金は続くのだ。
三菱重工社長の講演会。「ブランドを守り抜くには、さまざまな出来事を評価できる幅広い技術力や巨大システム全体を洞察し続けることができる能力が必要。そして最も大切なことは、異常を見つける人の力と立ち止まる勇気。心ひとつにして作業ができる人の輪。あらゆる環境に耐えて責任を果たそうとする矜持を持つこと」。活き活きとした職場作りの必然性を端的に語った言葉に、その通りだと感動した。
大手企業の新規事業担当者が嘆く。「アイデアが見つからないんですよ…だから社員に出させようとすると、上から『昔、社員から集めた300のアイデアがあるじゃないか。あれを検証したらどうだ』と言われるのです…はぁ」。どうやらこの300アイデアは、彼には魅力的ではないらしい。そこで私から彼にアドバイス。「その300のアイデア捨ててください。捨てないと新しい知恵は入ってきません」。まず、捨てる。新しいのを入れるのはそれからだ。
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