V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
2人の部長がいた。A部長は社長の指示を部下に伝え、部下に仕事を割り振り、部下をサポートし、手柄は部下に取らせた。B部長は社長の指示を部下に伝えず、自分が仕事を抱え込み、手柄は自分のものにしようとした。結果、A部長は目標を連続達成し、B部長は連続未達成で辞任した。2人の違いは「部下に何を与えたか」にある。上司は部下に何を「与える」ことができるかを意識する存在なのだ。
某社の工場内には「失敗に学ぶ台」とネーミングされた台が階段の踊り場や、事務所前に設置されている。ここには、製造法を間違えミスをしたユニットが並んでいる。それらのユニットの下には「何がどう間違ったのか」の詳しい解説書が敷かれていた。それも、数枚の写真入で解説してある。見える化は改善意欲の向上のためのものだが、こうした「ミスの見える化」は品質の向上に貢献するだろう。
某社の頭痛のタネは、プライドの高い社員。特に公的資格を持っている社員がもたざる上司の下に付いたときにこの問題は露呈する。プライドが高い人は「困った」「わからない」が言えない。そのため、人に質問することができず、自分で何でも抱え込んでしまう。その結果、仕事は進まず、業務過多でパンク。逆に考えれば「自分はバカです、教えてください」と素直に言えることは人生の大きな財産だ。
某社の掲示板に、来週から弁当のお米が「コシヒカリ」に変わることが案内されていた。そこに課長が「感想を給食係の私まで、こそっと教えてください」と赤いマジックで添え書きしていた。この添え書きを見て、「この人わかっているなあ…」と感心した。この場合は、「感想をお寄せ下さい」よりも「こそっと教えてください」と伝えた方が、現場の意見は集まる。ささやく感じが本音を引き出すのだ。
授業参観の3時間目は、国語。何をするのかと思えば漢字ドリルである。先生が漢字の書き方を教えて、児童がドリルに取り組む。ドリルができた生徒はそれを先生に提出し、先生はチェックする。この光景を見て、私はまたまた悲しくなった。これは授業ではなく、塾ではないか。公立を信じられず私立に行かせたがる一般的風潮の真因を理解した。このままじゃ学力はもとよりコミュニケーション力も心配だ。
息子の授業参観に行った。2時間目は近くのスーパーや郵便局に社会見学に行く準備の時間だった。グループに別れ、何を質問するかを討議していた。ところがこのグループ討議は、机をすべて隅に寄せて、床に四つん這いになり、頭をつき合わせて討議するのである。私たちの頃は床が油引きでとてもこんなことはできなかった。床に座らせて床で考えさせる目的は何か?躾上好ましくない光景だった。
コンサル先から営業研修の結果報告が届いた。受講生112名のうち、研修後に私が教えた企画書を客先に提出した者109名。成約件数は73名で成約確率67%。保留も合わせると85%だ。失注者からも、「××の事実を把握していれば、もう少し違ったアプローチができたのではないかと思います」「お客様の問題意識をひきだせなかったのが、反省点です」との感想文。負けた人も確実に進歩している。
交流戦の日ハムVS巨人の中継を見て驚いた。札幌ドームは、レフトスタンドまで日ハムファンに埋まっていた。札幌といえば巨人ファンの多いところだったはずなのに…すっかり地元色に染まったようである。北海道移転を英断したファイターズ幹部の努力が実った瞬間だろう。東京にいたら自軍ファンで球場を埋め尽くすなんて不可能だっただろうに。都心の2位より、地方のN0.1の方がよほど美しい。
某社の課長が、社員から改善提案を募った。募集用紙のタイトルは「これ、大問題です!」。自分が問題だと思うことを書くのだが、分野が「作業方法」「工具」「人間関係」など、問題が予想される分野を選択できるようになっている点が面白い。さらに、緊急度をS/A/B/C、ストレス度を100点満点で記入できるようになっており、その人の問題を引き出しやすくしている。単なる改善提案書とは大違いだ。
某社の方針書の生産部門の目標にはこんな記載もあった。Aさん目標−半期目標:××方法を早く判断できるようにし、時間短縮と技術を向上させて○○○円/時間を目標にする(難物は例外とする)。通期目標−部内で直らなかった△△のキズを直すことが出来る。これが、20名近くいる全部員に示されている。凄いな、これ。このように半期と通期の到達点を示された個人は、皆マスターしようと励むだろう。
某社の経営方針書をチェックする。その中にこんな記載があった。「<出荷>目的:出荷状況を事務員に明確に伝え出来る限り残業がないようにする。方法:毎日17:00に各課にて内線等で連絡を取り合い、事務員に最終出荷予定時刻を連絡する。18:00迄に事務に確認し残っている出荷をチェックする。原則として18:30以降出荷が残っている場合は進行担当者が代わりに事務処理を行う。責任者:××」。すごいね、丁寧さとこの細かさ。こんな会社は間違いなく成長する。
1月から、大型の研修案件をプランニングしてきた。大変難しい内容であり、また過去に同社で行ってきた研修を超えるハイレベルなものを要求されていたため、できるかどうか正直不安だった。4月に1回目を実施し、受講者アンケートを元に担当者全員で改善点を洗い出して、改善を行った。以後、受講生から望外に高い評価を得た。諦めず、改善し続ける。それに挑み続けたわが部下たちを誇りに思う。
大相撲で優勝決定戦に出た雅山。アナウンサーは元大関の彼を「雅山には挫折という財産がある」と紹介していた。そうなのだ…挫折は財産なのだ。確かに雅山は、デビューから幕下連続優勝、十両連続優勝、入幕から大関まで8場所というエリート力士だったが、そのことよりも、その後の苦労と今日の復活の方が彼のシンボルマークになっている。苦労や挫折を素直に財産だと思える人間になりたい。
大相撲の幕内最年長の北桜。嘉風との対戦に敗れ負け越しが決まったが支度部屋に切り上げるときに盛んに「ああ、楽しかった」を連発。この相撲はファンが見ていても力の入った激しい突き押しの応酬の相撲だった。全力を出し切った爽快感とか、思うように体が動いた充実感がそう語らせるのだろう。負け越しという現実よりも良い仕事をしたという満足。その言葉が出る生き方が羨ましい。
某部長が顧客への企画提案後、こう言われた。「遠慮は無用。礼節は命」。どうやら、同社の提案に遠慮が含まれていたと思われたらしい。確かに問題解決型営業では、相手が抱えている問題を指摘する。このときに言い過ぎにならなように注意する。しかし、そこを遠慮していては、顧客は進歩しない。「指摘が正しく、解決策が適切であれば顧客は逃げてはいかない」。そのことを信じて仕事をしよう。
中日VS楽天の試合をドームで見る。試合終了後、選手たちが子供たちとグランドでキャッチボールを始めた。主に代打とか守備要員とか、レギュラーではないものの試合に出る機会のある選手たちだ。それでも本物の一軍のプロ野球選手に子供たちは嬉々としてボールを投げる。高さを合わすために選手の中にはしゃがんだり、膝をついて応じている人も。こういう光景が野球を身近なものにする。
この2ヶ月間で、予約していた宿を2件キャンセルした。申し込みはネットを使い、キャンセルするときは電話を使った。それなのに、その2件から当日「何時に着くのか」という電話が入った。私が○月○日にキャンセルの電話を入れたはずだと説明すると、納得はしてくれたが、こんな電話は気分が悪い。ネットの予約で利便性は上がったが、キャンセルもネット経由にしたほうがお互いのために良いだろう。 |