みのるの「野球日記」
==すいません、ちょっと宣伝です==

●『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)

新刊が発売になりました。
しらかし台中(宮城)の猿橋善宏先生の
指導法などが掲載されています。
詳しくは、大空出版HPをご覧ください。
http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

●『グラブノート』(日刊スポーツ出版社)
BBA梅原伸宏さんのグラブ本。構成を担当しました。
親指かけ・小指かけの結び方、グリスの入れ方など、
グラブをよりよくするための方法が書かれています。

*ツイッター始めました
@mino8989 です。

2009年02月27日(金) 木津中のネット裏

 京都・木津川市立木津中に行ってきました。

 監督の北澤喜幹先生と初めてお会いしたのは、たしか、3〜4年ほど前のこと。京都・高野中にうかがった際、練習試合の相手として遠征に来ていたのが木津中でした。
 以来、交歓会でお会いするたびに話しをしていましたが、学校に行くのはこの日が初めて。前々から、「うちはグラウンドだけが自慢なんです」とおっしゃっていて、当日は練習を見るのはもちろんのこと、「グラウンド」を見るのが楽しみでした。

 いやぁ、素晴らしいグラウンドでした。特にネット裏が素晴らしいです。
 まずは北澤先生が自分で作ったという、イスつきのスタンド。さらに、監督室のような小屋があり、スコアを書くための机があり、トンボをかけるための物入れがあり…、じつはこれはすべて北澤先生の手作り。11年間かけて、コツコツと作ってきたそうです。

 ネット裏には、さまざまな言葉やメニューが貼られていました。
 一番感動したのは、部員全員の笑顔の写真が貼られていたこと。写真からはみ出そうなほどの満開の笑顔のうえには、自分の好きな言葉も書かれていました。
 もうそれを見るだけで、北澤先生の選手に対する気持ちが伝わってきました。

 言葉で、印象に残ったのは次の言葉。

『打訓』
 打は気迫の結果なり。
 バントは野球の生命なり。
 サインはチームの信頼なり。

『守訓』
 守りは鍛錬の結果なり。
 ピンチに大声の出せる人が底力と信頼のある人なり。

『走訓』
 走塁は意欲の現れなり。
 スキをつくは頭の勝利なり。
 本塁をとるは友の犠牲なり。


 熱い言葉の数々! これを読めば、北澤先生がどういう野球をやりたいのか伝わってきますね。

 話し変わり…、選手の中で「京都市立塔南高校」を目指している子がいました。塔南は、98年夏の甲子園で京都成章を準優勝に導いた奥本監督が就任し、昨秋は京都大会3位に入っています。
 びっくりしたのは、塔南高校には先生を養成するための学科があるということ。その子は、先生志望のため、塔南に行きたいそうです。
帰ってから、調べて見ると、「教育みらい科」という学科がありました。
http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/tounan/
 いまはこういう学科があるんですね。大学みたいですね。
 
 



2009年02月26日(木) 全中・全日本の日程決まる(大変なことに…!)

 今年の全中、全日本の日程が正式に決まりました。
 全中はずいぶん前に決まっていましたが(日記にも書いた記憶が)、8月17日〜20日まで、沖縄県で開催されます。
17日=開会式・1回戦
18日=2回戦
19日=準々決勝・準決勝
20日=決勝

 そしてそして、数日前に全日本の日程も決定。横浜スタジアムで行われるため、ベイスターズの試合がある日は球場が使えません。毎年、そこを外して組まれるのですが…、なんと…びっくりなことに、8月17日〜20日です。ハイ? 最初、全軟連のHPを見たとき、目を疑いました。ハイ、全中とまったく同じ日程です。

 何ってこったぁ!!!
 間違いなく、今年一番の衝撃、ショックを受けました…。

 毎夏、全中と全日本、両方見るのを楽しみにしていたのですが。日程的にどう考えても不可能。どうすればいいんだ…。1日でもいいから、日程がズレていればよかったのに。はぁ。




2009年02月20日(金) 春の全国大会開催決定です!

 来年春から、全軟連主催で春の全国大会が開催されることが決まりました。
(もちろん、中学軟式野球の話です)

 開催場所は静岡県。草薙球場がメイン会場になります。静岡に固定ではなく、何年か開催したあと、場所を移す計画もあるようです。

 開催時期は3月の最終週、金土日月の4日間。第1回大会の参加チームは30チーム。翌年から、「前年度優勝チーム」を加えて、31チームで行われます。

 地区ごとの代表枠までは情報が入ってきていませんが、単純に全国9地区から3代表を選ぶと、27チームになりますね。
 全軟連主催のため、中学校の野球部も軟式クラブチームも、両方に出場チャンスがあります。おそらく地区によっては、野球部がすべて参加しないところもあると思いますが…。
 
 予選スケジュールをどう組むのでしょうか。高校野球のように、前年秋に予選を行うことが決まっています。が、たとえば神奈川の場合は、市大会レベルまでしか大会が行われません。学校数が多い関係もあり…。これを県大会までやるとなると、8月ぐらいから秋の大会を始めなければ間に合わないと思います。このあたりがこれからの課題になりそうです。

 何はともあれ…、日本一を決める大きな大会が増えるのはいいことですね。中学生は、大舞台を経験できるチャンスが少ないですから。
これにより、「春夏連覇」という夢もできました!



2009年02月19日(木) 「冬の祭典」開催!

 石川県かほく市に行ってきました。
「2008年度 冬の祭典 in KAHOKU」の取材です。

 どういうものかというと…、野球部のスポーツテストといえば分かりやすいでしょうか。石川県29チーム、新潟県1チーム(糸魚川中)の計30チームが、アクロス高松に集いました。

 行われた競技は「ベーラン・キング」「ダッシュ王」「速球王」など11種目。

 ベーラン・キングのトップは、宇ノ気中の中村クンで15秒15。2位は河北台中の虎谷クンで15秒39でした。室内で行われたため、もちろんアップシューズ。スパイクであれば、14秒台が出たかもしれません。

 高校の監督からも注目を集める「速球王」。つまりはスピードガンコンテストです。
 トップは森本中の福田クンの126キロでした。

 今大会で一番目を引いたのは、宇ノ気中の中村クン。ベーラン・キングで優勝し、ダッシュ王でも2位、さらに投げては124キロ、打球スピードをはかる「打速王」でも2位でした。背は小さいですが、運動能力のかたまり。これからが楽しみな選手です。

 学校単位で争う総合優勝は河北台中。何と、5連覇達成です! 圧倒的な強さでした。
 
 ほかに、こういった大会をやっている地区はあるのでしょうか? 石川に刺激を受けて、新潟でも始めたようですが、全国的にはどうでしょうか? 「うちもやっています!」という地区がありましたら、ぜひ教えてください。



2009年02月14日(土) 上一色中 いい表情で野球しています!

 東京・江戸川区立上一色中に行ってきました。

 いつも思いますが、上一色中の選手たちはものすごくいい表情で練習しています(全国の指導者のみなさん、練習見学お勧めします!)。好きな野球に自主的に、前向きに取り組んでいる。今日もそんな光景を何度も見ました。
 キャプテンが、西尾弘幸先生に、「次は何の練習ですか?」と聞きにくるのではなく、「次は○○をやりたいです」「○○をやってもいいですか」と聞きに来ていました。
 
 西尾先生は、「もう若いころのように、上から怒ることはなくなりました」と、子どもたちの姿を温かく見守っていました。
 印象的だったのは、選手同士で練習を止めてミーティングを始めていたこと。さらにさらに、水を飲むタイミングも選手たちが自由に決めていました。
 カットプレーの練習が15分ほど続いた頃、選手に疲れが見え始めていました。遠くから見ていた西尾先生は「ここで練習を止めて、水を飲めたら立派!」。すると、選手はミーティングを行ったあと、自主的に給水タイム。こんなチームはめったに見ないですね。びっくりです。

 いまのテーマは、「会話と伝達」だそうです。
 一人に指示を伝えると、その選手が周りに伝言ゲームのように言葉を伝え、最終的には選手全員に指示が伝わる。当たり前のことですが、中学生はなかなかできません。上一色中も完璧とはいえないですが、それをやろうとしていました。

 西尾先生は打ち勝つチームを目指しています。昨年は練習の9割近くをバッティング練習に割いていました。が、そういうスタイルのチームが日本一になったのは今まで見たことありません。けど、上一色中ならやってくれるんじゃないか…そんな期待を持てるチームです。






2009年02月11日(水) 滋賀の軟式クラブが熱い!

 週末、大阪に行ってきました。
 第2回クラブチーム大阪交流大会の取材です。

 この大会は、門真クレイジーボーイズの神田恵次監督、東淀川ブラックジャガーズの前川満監督が中心となり立ち上げた大会で、東は愛知、西は福岡から31チームの軟式クラブチームが集まりました。
 
 地域によっては、軟式クラブが一つもないところがあると思います。そのため、「軟式クラブ?」と思うかもしれませんが、大阪、東京、広島などは、全国的に軟式クラブ熱が高いところです。広島の松永ヤンキースからは、いまをときめく(?)大田泰示(巨人)、上本博紀(広島)が巣立っています。

 いくつかの試合を見ましたが、びっくりしたのが滋賀のレベルの高さ。野洲ブレーブスと竜王ジャガーズです。複数の中学校から生徒が来ているため、中体連の野球部より個々の能力が高いのは事実ですが、それよりも、バックアップや全力疾走など、やるべきことがきっちりとできていたことが印象的でした。

 滋賀は近年、軟式クラブが盛んになってきており、NBJという独自の組織まで作っています。現在の加盟は13チーム。この春からは、NBJだけのリーグ戦を開くそうです。
 野洲ブレーブスは一昨年の全軟連滋賀大会を制覇。昨年制したのが竜王ジャガーズでした。そして、昨年、ナゴヤドームで開催された中部日本地区選抜野球大会で準優勝を遂げたのが、先日紹介した彦根Jボーイズ。この3チームが、NBJを引っ張っています。

*野洲ブレーブスはHPを持っています。
 http://yasubraves.web.fc2.com/index.html#
*そして、NBJも
 http://nbj-shiga.com/

 それぞれの監督さんは現役時代素晴らしい実績を持っており、大阪桐蔭、天理、東洋大姫路の出身。3人ともに社会人までプレーしていました。

 ただ、これだけ軟式クラブ熱が高いというのは、裏を返せば…「中学の部活動が…」ということもいえます。「中体連も頑張らな、やばいわ」という、学校現場からの声も聞かれました。
 
 福岡からはるばる参加したのは久留米少年ベースボールクラブ。懇親会のとき、監督の中野満義さんが壇上で挨拶をされていました。「どこかで見たことあるなぁ…」と、何となく思っていたのですが、ご挨拶をしてビックリ! 娘さんは神村学園女子硬式野球部で活躍し、全日本代表でもある中野菜摘選手でした。たしか、中学3年生のとき、進路を決めるまでのドキュメントが、NHKで放映されていたと思います。

 まぁ、しかし、久留米から大阪に遠征に来るとは…!すごい情熱です。こういう指導者、チームがあると、嬉しくなりますね。




2009年02月05日(木) 三重・度会中→マニアック野球談義

 三重の度会中に行ってきました。
 チームを率いるのは、山本卓先生。前任の二見中で全日本少年を制した監督さんです。当時のエースは江川智晃。のちに宇治山田商で甲子園に出場し、現在はソフトバンクでプレーしています。江川とともに投手陣を支えていたのが、江川の一つ下の長岡翼。こちらも日本航空で甲子園の土を踏んでいます。当時の二見中は、最強投手陣でした。

 全日本の決勝の相手は明徳義塾中。エースは鶴川将吾。こちらものちに明徳義塾高で甲子園出場を果たしています。
 山本先生に当時の映像を見せてもらいましたが、いやぁ、いいピッチャーですね。投げる球もいいですが、フィールディングも抜群です。
 鶴川vs江川というしびれる対決もありました。江川が鶴川のストレートを右中間にはじきかえし、同点三塁打!

 明徳義塾中はこのあとすぐに大分に移動。大分全中です。そして、ここで優勝!
 全日本・全中という二大全国大会で、ともに決勝進出を果たしたとてつもないチームでした(もし、全日本でも優勝していれば、史上初のダブル制覇!)。

 二見中は、三重では有名な強豪チームで、全日本に3度出場、全中にも2度出場しています。公立中学校で5度も全国に出ている学校はそうはないはずです。
 山本先生は言っていました。
「県大会に出るのは当たり前。県大会で勝たなければいけないプレッシャーがありました」
 こういう空気の学校は間違いなく強いです。伝統ですね。

 
 話しかわって…、
 度会中は女子ソフトボールの強豪です。昨夏の全中では見事に準優勝。一昨年は3回戦進出。
 ということを、学校に行って初めて知りました…。
 驚いたのが、皿屋先生が監督をしていたこと。皿屋先生は日体大野球部の出身で、佐相眞澄先生(川崎北)の先輩にあたります。度会中に来るまでは、二見中や南勢中で数々の実績を残し、三重の中学野球をリードしていました。
 度会中では、山本先生が野球部を持っていたこともあり、女子ソフトボール部の監督に就任。そして、全中準優勝。素晴らしいです。

 なお、現在、中学女子ソフトボールを引っ張っているのは鹿児島の神村学園中。何と、全中3連覇中だそうです。度会中は2年連続で神村学園中に負けています。女子ソフトも私立優勢の時代になっているんですねぇ。

 度会中の地元は、小学生の代からソフトボールが盛んで、全国大会常連のソフトボールチームがあるそうです。平日も練習をしているとか。
 そのソフトボールチームの名は「度会エンペラーズ」。


 
 山本先生にお話を聞いたあとは、南勢中・山口永介先生ら、地元の先生方4人とお食事。山口先生の娘さんは、最近、エンペラーズに入ったそうで、いつも、グラブを持って、お父さんの帰りを待っているそうです(笑)。素晴らしい、親子関係。憧れます!

 お食事中は、いつもどおり、マニアックな野球談義となりました。
 印象的だったのは、

●3点の握り=ピッチャー、4点の握り=野手
ピッチャーと野手では、ボールの握りが違う。ピッチャーは、薬指と親指をくっつけて握るべき。そのほうが、回転数が増す。

●とにかく歩く
 南勢中の練習。時間があるときは、30分のウォーキングから始まるそう。歩くことで股関節周りの動きがなめらかになり、全身が動くようになるとか。

●効率を追求すると、ノックが疎かになる
 これは「確かに!」と思ったのですが、中学現場は練習時間が短いため、どうしても効率を求めがち。それを求めていくと、ノックをする時間が減る指導者が多い。強豪高校を見ていても、最後はやっぱりノック。ノックで選手とコミュニケーションを取らないといけない。

 美味しいお刺身を食べながら、そのほかにもいろいろな話を教えてもらいました。先生方、どうもありがとうございました!



2009年02月01日(日) 初・亀有中!

 漫画「こち亀」で有名な(?)亀有駅に行ってきました。駅前には両さんの銅像もあります。葛飾区立亀有中学校の取材です。

 昨秋、葛飾区大会でちょっとした事件がありました。強豪・修徳学園中がコールドで敗退…。その相手が、今回取材した亀有中でした。
 で、修徳中と亀有中は徒歩5分ぐらいの距離にあります。めちゃくちゃ近い! さらに、都大会の常連・青戸中も徒歩圏内にあります。このあたりは、野球が盛ん。かなりの激戦区です。

 なかなか、面白い練習をしていました。
 校歌&葛飾区歌を歌いながらのランニング、ボールの上・下をわざと空振りするティーバッティングなどなど。就任2年目の中山裕之先生が、さまざまな工夫を凝らしていました。
(*詳細は、2月27日発売の『ヒットエンドラン』で!)

 ウワサに聞いていた左右の二本柱も、ウワサどおりにいい球を投げていました。右のエースくんは自分で作詞作曲、さらに歌まで歌うスゴイ子です。ハーモニカもうまい。テープで聴かせてもらいましたが、「ゆず」のようでした。

 女子マネージャーもいます。養護の蓮見先生です。高校時代は都立高校の女子マネージャーというだけあって、野球大好き。
 最近は、『中学野球小僧』にはまっているそうで(ありがとうございます!)、いろいろな記事をコピーして、選手にくばっていました。自分が書いた記事もたくさんあり…。嬉しいと同時に、影響力の大きさを改めて感じました。

 取材後、「練習を見られれば」と思い、修徳学園中へ。ほんとに近い。が、残念ながら、この日は入試当日で練習はお休みでした。
 以前、修徳学園中の小野寺信介先生とお話したとき、「今年は…」と口が重たかったですが、冬を越えると、毎年チームが変わるのが修徳の強さ。亀有中の中山監督も、「冬を越えると、化けますから」と警戒していました。
 春、夏と、再び、亀有中vs修徳学園中は見られるか。楽しみにしたいと思います。



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