1月18日に『高校野球小僧』が発売されました。 http://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/ 盛りだくさんの内容! 佐相眞澄先生率いる川崎北に関する記事、沖縄尚学が日本一を飾った99年センバツ「沖縄尚学vsPL学園」の記事などを担当しています。
今回、もっとも「へぇ〜」と思った記事は、常葉菊川高校の佐野心部長(浜松商〜専修大〜いすゞ自動車〜中日)が語るピッチング理論。わずか1ページの記事だったが、唸らされた。 タイトルは<「ど真ん中投法」理論>
要約すると、 ・9回裏同点、2アウト満塁2−3、キャッチャーが要求するのは「ど真ん中」 ・アウトローや際どいところの練習をさせておいて、最後になって「ど真ん中に放れ」と言ってもピッチャーは投げられない ・インコースに投げたい場合、常に「ど真ん中」を練習しているピッチャーに比べ、アウトローばかり練習しているピッチャーは、リリースで調整する幅が大きくなる ・「ど真ん中」に投げる練習を続けると、ヒジの位置、体の捻りなど、いい投球フォームができてくる
ベイスターズに入った田中健二朗には、「ど真ん中」の練習しかさせなかったという。練習の最後には、「10球連続、ど真ん中」を行う。初めてクリアできたのが、夏の甲子園の大垣日大戦前。それほど難しいことだそうだ。
佐野部長は「高校生の段階で、目をつぶっても『ど真ん中』に放ることができてほしい」と語っていた。 なかなか、考えさせられる記事でした。
佐野部長には「フォーム作り」についても聞いてみたい。田中も、いまのエースの戸狩も、1年生ピッチャーの萩原も、目指しているフォームはみんな同じ気がするだけに、非常に興味がある。
あの豪快なバッティングも気になる。どんな指導をしているのだろうか…。横変化には滅法強い。けど、神宮大会で明徳義塾の二番手投手のシンカー(?)にまったく合っていなかったのが気になるところ。タテ系変化には対応しづらい打ち方?
本日は青学へ。1年春からレギュラーを獲った小池翔太(修徳学園中〜常総学院)の取材でした。取材のテーマは中学時代の話。2003年に北海道で行われた全中の決勝、明徳義塾中vs修徳学園中について、たっぷりと語ってもらいました。 高校時代は4番キャッチャー、さらに大学で1年春に満塁ホームランを放つなど、打撃も優れた小池ですが、じつは中学時代は8番キャッチャー。「まったく打てなかった」というほどの選手でした。
全中の決勝。最後のバッターになったのもじつは小池。1点ビハインドの最終回、2アウト満塁の場面で回ってきました。印象深かったのは、カウント1−3から高めのストレートを躊躇なく振ったこと。明徳側は「あれはボールだったかもしれない。ラッキー」と振り返っていましたが、小池は「1−3はバッティングカウント。ストレートだけにしぼって振った。見逃して、悔いは残したくなかった」。 実際に北海道で見ていましたが、土壇場で1−3、多くのバッターが「押し出し」が頭に浮かぶと思います。でも、当時、中3の選手が思い切りフルスイングできたことが、今でも印象深く残っています。 監督の小野寺さんは「バッティングカウントで見逃したら交代」という方針で練習試合を行うこともあったそうで、とにかく「振る」ことにこだわっていました。 小池は、「あそこで打てなかったからこそ、いまがあると思っています」と、良いことを言ってくれました。
このときの修徳学園中は、磯部(新日本石油)はじめ、レギュラー全員が今でも硬式野球を続けています。法大、日大、青学、横浜商大、桐蔭横浜大などで。これもまたすごいことですよね。
対する明徳義塾中は、4番を打っていた田中大二郎が巨人へ。バッテリーの伊勢―永松は、関大に進み、早くも試合に出場しています。 「自分たちの代って、軟式のやつらが頑張ってませんか? 負けてられないです」と小池。修徳学園中が出場した関東大会では、斎藤佑樹(生品中〜早実〜早大)、渡辺喜美男(国本中〜文星芸大付〜国学院大)らが活躍していました。
ちなみについ数日前まで、田中大二郎は同期の円谷とともに、青学で自主トレをやっていたそう。小池も会話を交わしたとか。 「あのときの明徳は、大二郎の印象がかなり強いんですよ。プロに行くと思いましたもん」と、田中大二郎のことを絶賛していました。
中学で戦った仲間が、大学でもプロでもプレーを続けている。そして、グラウンドで再会できる。何かいいですよねぇ。
2008年01月17日(木) |
今さらですが、よさこいリーグ |
今さらですが、年末に高知で行われた「よさこいリーグ」の話。
以前の日記にも書いていますが、明徳義塾中vs星稜中の名門対決は第1試合が1−1、第2試合が0−0の引き分けでした。 前夜、星稜中・田中辰治先生、明徳義塾中・佐藤洋先生と高知市内で飲んだときは、「決着がつくまでやりましょうよ!」と話していたんですけどねぇ(笑)。あれれ…。
試合は予想どおり、明徳・杓谷、星稜・西川の投げあいになりました。杓谷は左で120キロ台後半、西川は右の180センチオーバーの本格派で130キロ台前半。こりゃ、打てません…。でも、明徳は疲れの見えた西川を、最終回にとらえていました。このあたりはさすが。
明徳義塾高校の馬淵監督も観戦に訪れていました。興味深かったのは、西川についての話。西川は、腕が軸から離れて出てくるフォームのため、制球にややバラツキがあります。「もう少し、軸に近づければ…」と思うこともないですが、「ああいうのを直しちゃうと、あの子のいいところが消えちゃうんですよ。トレーニングで体ができて、体幹が強くなってくれば、自然に、直ってくるものです」と馬淵監督。へぇ〜、そういうものなんだ、と聞いていました。
もう一つ。この試合で勉強になったのは、バッティングで前足を着くタイミングです。 星稜ははやめに前足をついて、両足が着いた状態でボールを待つ。明徳は前足の着地をギリギリまでガマンして、前足が着いたときにはバットを振り出す。明らかな違いがありました。 ここで、馬淵監督の解説。 「前足を先に着いてしまうと、変化球に対応しにくいんですよ。うちの高校でも、ギリギリまで着かないように指導しています」 前足を上げて(あるいはすり足)から、下ろすまでの時間で、ストレート・変化球への対応をするのが理想とのこと。なるほど〜。
ひそかに、星稜中のバッティングがどう変わるか楽しみにしています(笑)。
まぁ、しかし、この試合が行われたのは12月29日のことです。こんな時期にまで野球ができる高知県、四国がうらやましいですねぇ〜。 ちなみにこの日の夕方、明徳義塾中の県外生は佐藤先生が運転するマイクロバスで高知空港に向かい、そこから地元へ。年に3、4度しかない帰省であります。試合中はさすがのオーラーが出ていますが、話してみると、当たり前ですが、14、15歳の中学生でした。
最近の話題。 「名古屋市の2つの中学校(ともにバレー部、バスケ部の強豪)で越境通学」 というニュースがありました。 サンスポの記事より↓
★強豪バレー部の生徒が越境通学 全国優勝の名古屋の中学
名古屋市守山区の市立守山北中学校(藤吉友真校長)が、転居せずに住民票だけを移す手法で、7人の男子バレーボール部員を校区外となる守山区以外から通学させていたことが9日、分かった。バレー部は昨年8月の全国中学校体育大会に初出場し、優勝している。 同校によると、7人は名古屋市の別の区や市外に住む3年生5人と2年生2人。バレー部顧問の男性教諭(60)の勧誘や本人の希望で同校に転校、入学した際、教諭の紹介で守山区の複数の住民宅に住民票を移したが、居住せず、自宅から電車などで通学していた。
昨年10月、市に情報が寄せられ発覚。市は、健康上の理由などやむを得ない場合を除き、校区外からの通学を認めておらず、市教育委員会は同月、是正を指導。4人が自宅のある区などの中学校に転校したが、うち1人は転校先になじめず、同校に戻ったという。 市教委は残る3人についても転校を促す方針で、同校に戻った1人の対応は検討中という。 小島均教頭は「望ましくないと認識しながら、生徒が学校生活になじんでいたため、黙認してしまった。反省している」と話している。
★バスケボール強豪中学でも「越境通学」 有力指導者求め
女子バスケットボールの強豪校、名古屋市立若水中学校(同市千種区、目次清和校長)で、生徒21人が転居せずに住民票だけを学区内に移し「越境通学」していることが10日、分かった。1人を除く20人が女子バスケットボール部員で、バスケ部の全国優勝経験のある顧問の指導を受けるためという。 同市教育委員会は原則として越境通学を認めておらず、同校の松本悟教頭は「保護者側の同校に残りたいという強い意向もあるが、今後是正を求めたい」としている。 同市では市立守山北中でも昨年夏の全国大会で優勝したバレーボール部員の越境通学が判明している。
若水中の説明によると、越境通学しているのは1年6人、2年9人、3年6人の計21人。前任校で女子バスケ部を全国優勝に導いた同部顧問の男性教諭(57)の指導を受けたいというのが主な理由という。 同校では2006年9月に越境通学が判明。学校側は文書や面談で、保護者に住民票の移転先住所からの通学や転校を求めたが、保護者らはそのまま改めずにいたという。若水中は昨年夏に全国大会ベスト8になっている。
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難しい問題ですね…。 学区制の場合、基本的に住んだところで、通学する中学校が決まってしまいます。そのため、中学途中に引っ越しする場合、「●●中にいい監督がいるから、この場所を選んだ」という話を聞くことも珍しくありません。 東京都の場合、足立区などはすでに学区制が撤廃され、区内の公立中学校を選べるようになっています。そのため、少子化にも関わらず、部活動が盛んな学校ではクラスが増えているとか。ただ、人気のない中学校は、その煽りを受けているようですが…。 「野球部の監督が他校に異動するため、その監督を慕って、野球部員が一緒に転校してきた」という例もありました。
しかし、「越境通学」がダメだからといって、中学の途中で本来通うべき学校に転校…というのも、中学生の心にはかなり負担がかかりますね…。
もちろん、この話は私立の場合はまったく関係なく。 高知・明徳義塾中では、「高校野球はほかの学校でやる!」と決めた瞬間、地元の学校に転校します。たとえば、神奈川出身であれば、中3の2学期から神奈川の公立中学校へ。卒業証書は、この公立中からもらうことになります。 何かの目標があって、それを叶えるためのベストな環境を選ぶ。中学生のときから、そういう志があるのは良いことだと思うんですけどね。
2008年01月07日(月) |
今年もよろしくお願いします |
すでに1月7日…。 大変遅くなりましたが、みなさま、明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年賀状送ってくださった先生方、どうもありがとうございました!
更新をさぼっていた12月上旬〜1月初旬は、PL学園、東海大相模、中学・兵庫ウィンターマッチ、川崎北、西武ドーム、愛知トレーニング交歓会、駿台学園中、中学・よさこいリーグ(高知)、兵庫・生野中、福岡・春日野中、柏原中など、多くの学校、選手の話を聞いていました。幸せな時間です。 そして…、その合間を見て、産婦人科にも行っていました。家族が一人増えました。5年ほど前から親しくさせていただいている先生からは、「もう、そんな年齢なんだねぇ」と言われましたが、自分でも不思議な感じがします。気付いたら、30歳です!
最近、ひそかに気になっているのは体重の増加です。見た目痩せていますが、お腹が出てきました…。もうすぐ、四捨五入すると70キロになりそうなところまで来ています。60キロ台前半をキープしなければ、今あるジーンズが苦しくなります。
野球の話も書いておきますと、年末の明徳義塾中vs星稜中の名門対決は、1−1の引き分けでした。1−0で迎えた最終回、明徳義塾中が2連打で追いつき、引き分けに持ち込みました。明徳中の杓谷、星稜中の西川の両エースが素晴らしいピッチングを見せてくれました。 明徳義塾高校の馬淵監督も観戦に訪れていました。西川について、「このまま、体を鍛えていけば、ドラフト候補になれる素材」と絶賛しておりました。
夜は、星稜中・田中辰治先生、明徳義塾中・佐藤洋先生と、高知の街(!)へ繰り出し、お食事。やっぱりカツオのたたきは美味しかった。私立ならではの悩み、名門ならではの苦労などなど、いろいろな話を聞かせていただきました。 ちなみに田中先生はぼくと同期、佐藤先生は1つ下。同年代の先生はやはり親近感が沸きますね。
明日は元明徳義塾中の監督、狭間さんが率いる明石商、明後日は関大→兵庫・岩岡中の取材に行ってきます。 と、今年もこのような感じで、野球漬けの日々になりそうです。
目標は去年と変わらず、健康管理。来週には、しばらくほったらかしにしていた歯医者、2月初旬には生まれて2度目の腸カメラを体験してきます。
いまさらですが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 「開店休業」状態のきちがい日記をいつも読んでいただいている方、ほんとにすいません! 今年こそは…、ハイ、更新頻度を高めます。
というわけで、今年の目標は、一に健康、二に健康…。健康あるのみです。体を壊したら何もできません。若いっていいなぁと思う、今日この頃です。 もう一つの目標は、大きな声では言えませんが、3日に1回(いや、4日に1回)は日記を更新できるように…。頑張りすぎずに、ガンバリマス!
中学「軟式」野球的に見ると、今年の注目は何といっても、沖縄全中でしょう。 第1回大会から16チームの参加で行われていましたが、今年から24チームに拡大されます。全国に行くチャンスが広まりました。が、その分、全国で勝つことが難しくなりました。3会場で行われるため、生で見られないチームが増えてしまうのは大変残念ですが、みなさん、沖縄全中でお会いしましょう!
もう一つ、大きな動きとしては、3月に成田で行われていた、春のKボール選抜大会がなくなることになりました。前々からその話は聞いていましたが、残念ながら、現実になってしまいました。 代わりというわけではないでしょうが…、全軟連主催で春の選抜大会(軟式)を開催する話が進められているようです。来年には実現するとかしないとか。 前年秋の大会成績を参考に、出場チームが選ばれるようです。 ただ、各県によって秋のシステムはさまざま。県大会まで行うところもあれば、神奈川のように市大会どまりのところもあります。となると、全国一律の基準で選ぶのが難しい…。クリアする課題は多そうです。
さてさて、どんな1年になりますか。 全国の先生方、選手のみなさん、今年も1年よろしくお願いします。
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