みのるの「野球日記」
==すいません、ちょっと宣伝です==

●『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)

新刊が発売になりました。
しらかし台中(宮城)の猿橋善宏先生の
指導法などが掲載されています。
詳しくは、大空出版HPをご覧ください。
http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

●『グラブノート』(日刊スポーツ出版社)
BBA梅原伸宏さんのグラブ本。構成を担当しました。
親指かけ・小指かけの結び方、グリスの入れ方など、
グラブをよりよくするための方法が書かれています。

*ツイッター始めました
@mino8989 です。

2007年12月08日(土) 2007日本中学生野球フォーラム

 本日は千葉マリンスタジアムへ。2007日本中学生野球フォーラムが行われました。講師はタイツ先生こと吉澤雅之さんと、修徳学園中の小野寺信介先生。全国から集まった指導者の前で、いつもどおりの熱い指導をされていました。

 今日の感想は「修徳学園中の選手の気配り、気づきに感動!」。
 全国から指導者が参加しているため、小野寺先生は一つ一つのメニューや動きを止めながら、マイク片手に解説していました。解説をしながら、ボールが必要になったり、キャッチボールの相手が必要になるときもあります。そのとき、小野寺先生が、パッと右手を上げると、周りにいた選手がササッと動いて、すぐにボールを持ってくる。グラブを構えて、キャッチボールの体勢に入る。その動きの素早いこと! 小野寺先生の動きを見逃さず、周りの選手が動いていたのが印象的でした。

 メニューの切り替えも早かった!
 メジャーで距離をはかるメニューでは、メジャー係りが待機。ノックが始まるとなれば、誰に言われるでもなく、キャッチボールで肩を温めていました。

 さらに驚いたのは、モデルのうまさ。
 小野寺先生が「こういう形になると、よくありません」と悪い例を紹介すると、その形をすぐに実演していました。これまでいろんな学校、選手を取材してきましたが、いい選手に共通することがあります。それは、「こういう形をやってみて」とか「こんな動きを撮りたいんだけど」とお願いしたときに、すぐに体で表現できる選手です。良い例も悪い例もできる。「この人はこういう動きを求めているんだろうな」という、相手の意図を読み取る能力にも長けているような気がします。体で表現できるということは、自分の思い通りに体を動かせる身体感覚を持っているのでしょう。

 とある高校の監督は、こんな基準で能力の見極めをしているそうです。バッティングやピッチングで、ワンポイントアドバイスを送ったとき、それによって動きが変わるかどうか。つまり、指導者の言葉を理解して、すぐに体で表現できるか、対応できるか。これに応えられる選手が、「センスがある」と言われるのでしょう。
「モデルがうまい選手」と何となく、つながるような気がします。

 最後にもう一つ。修徳学園中の練習に、千葉の昭和中(1、2年生)も参加していました。初めて見るメニューがほとんどだったため、当然、昭和中の選手の動きや形は、修徳中と比べると劣っています。違う形になっていることもあります。それを見ていた修徳中の3年生が、「こうやるんだよ」と身振り手振りで教えていました。そして、いい形になると、「いいよ!」と拍手を送っていました。3年生だからというのもあるかもしれませんが、なかなかできることではありません! 
 強いチームに共通していることは、仲間同士が周りのプレーを評価して(良いも悪いも)、指導できること。取材を通じて、そんなことを感じています。



2007年12月04日(火) 神奈川 選手技術講習会(横浜高校・小倉部長編)

神奈川 選手技術講習会(横浜高校・小倉部長編)

 12月2日で書いた「選手技術講習会」の追記です。
 横浜高校の小倉部長が、ピッチャーフィールディングの際に話していたこと。中学野球の現場でも生かせると思うので、記しておきます。横浜の投手陣のフィールディングは、すぐにプロに行っても、恥ずかしくないレベルのもの。「小倉部長の理論と練習があるからこそ」と言われています。

●ピッチャーは必ず投げる
 ピッチャーはキャッチャーにボールを投げること。そこから、ノッカーが打つ打球に対応していく。このとき気をつけるのはステップ幅。「試合と同じステップ幅で投げなければ、練習の意味がない」と小倉部長。横浜高校ではステップする目安の場所に、ラインを引いていました。

●ステップする場所を掘る
 ステップ幅に関してもう一つ。「試合と同じ状況を作るため、踏み出し足の着地点に、スコップで穴を掘っておくこと」。穴があるだけで、前へのダッシュ力が変わってくるそうです。

●ステップを半足短くする
 これは、『高校野球小僧』で語っていたことです。バントが予想されるときは、いつもよりもステップを半足短くして投げ、ダッシュに専念する。やってみるとわかりますが、ステップを縮めれば、前へダッシュしやすくなります。
 関東大会決勝の9回。土屋投手が実際にやっていました。そして、二塁封殺!

●ピッチャーが捕れなかった場合の対処
「ピッチャーが捕りにいって、捕れなかった場合を想定しろ〜」と小倉コーチ。ピッチャーとファーストの間あたりに緩いゴロを打ち、ピッチャーが捕りにいく。しかし、ギリギリで捕れない…! という当たりです。この場合、ピッチャーの一塁ベースカバーは間に合わないため、セカンドが一塁ベースに走る。つまり、3→4と渡る。この練習を繰り返しやっていました(ギリギリの打球を打つ、小倉部長のノック技術がすごかったです)。

 いつも取材に行くと、「これ以上は話せないよ〜」という話が多い小倉部長。今回、中学生&指導者に明かしてくれた理論は、小倉部長的にはピッチャーフィールディングの基本中の基本なんでしょう。もっと、高度な技術、理論を絶対に持っているはずなんですが。「それは引退したときに話すよ」というのが口癖になっています(笑)。
 でも、今回聞けた話も「へぇ〜」と思うことばかり。中学野球のために…、ありがとうございました!



2007年12月02日(日) 神奈川県 選手技術講習会

 先日、神奈川県高野連主催の選手技術講習会が開催されました。県内の高校野球の指導者、選手が、中学校の選手&指導者に技術指導を行うという画期的な講習会です。これまで千葉、埼玉、山梨らで開かれていましたが、神奈川では初めてのことでした。

 会場となったのは横浜、横浜隼人、平塚学園、東海大相模、桐光学園の5校。講師として参加した指導者は、1校6人の計30人。横浜・渡辺元智監督、小倉清一郎部長、慶應義塾・上田誠監督、桐光学園・野呂雅之監督、横浜商大・金沢哲男監督ら、神奈川を代表する指導者が集いました。

 午前中は横浜へ。横浜の選手たちと中学生が一緒にアップをしたあと、キャッチボールに突入。渡辺監督、小倉部長らが、細かく指導していました。
 そのあと、ピッチャーフィールディングへ。ここでは小倉部長が、一塁へのべースカバーの入り方を熱心に指導していました。ピッチャーのベースカバーは、一塁ライン際に沿うように、曲線で入るのがよく見られる指導ですが、小倉部長は「一塁ベースに、一直線に入れ!」。まったく教えられていない子どもは、たいていが一直線に入ります。誰が考えても、この方が速いから。でも、真っ直ぐ入ると、ベースを踏んだあと、ランナーと交錯する恐れも…。
 それに対して、小倉部長は「一塁ベースを右足で蹴って、フェアゾーンに戻ってくれば問題ない。真っ直ぐ最短で入らないと、赤星(阪神)は殺せない」。
 わざわざ、グラウンドにラインを引いて、ピッチャーが走る軌道を示しながら、指導していました。でも、中学生には難しいのか、はたまた日頃の教えが染み付いているのか…、ほとんどのピッチャーが曲線で入っていましたが。

 また、三塁前のバント処理についても指導。三塁線付近にラインを引き、ピッチャーと三塁手が処理する範囲を確認。これもまぁ、中学生には難しいです。じつは、阪神入りが決まった高濱が、1年春にサードをしたとき、最初に驚いたのがこの練習だそうです。「サードが捕るのか、ピッチャーが捕るのか、転がる位置やスピードを見て判断しないといけない。こんな細かいことやるのか…」と。

 これだけ細かく指導をしてもらえるとは、びっくり! いまの中学生がうらやましくなりました。しかし…、渡辺監督は、中学生のキャッチボールのヘタさを嘆いていたようですが。

 ボール回しも実演していました。
「なるほど」と思ったのは、ワンバウンドのボール回し。ワンバウンド自体はどこでもやっていることだと思いますが、横浜の約束事は「ベースの上で捕れ」。バウンドを捕るときは、ベースの前に出るなり、後ろに下がるなりして、「バウンドに合わせる」動きをしがちです。が、横浜では「バウンドに合わせずに、どんなバウンドでもベースの上で捕れるようにしなさい。そうしなければ、タッチが遅くなる」。
 ハーフバウンドでもショートバウンドでも、ベースの上で捕る。これも、中学生には難易度が高かった!

 もっと見たかったんですが、横浜隼人会場も面白そうだったので、午後からは隼人へ。こちらは、隼人・水谷監督、商大・金沢監督、慶應・上田監督、桐蔭学園・片桐監督らが講師を務めていました。

 行ってすぐに感じたこと。横浜と雰囲気が違いすぎる!
 隼人は、隼人の選手がお兄さんのような立場で、中学生をぐいぐい引っ張っていました。高校生が全力疾走でグラウンドを走り回るので、中学生もそれに付いていかざるをえない。最初から見ていた先生に聞くと、「はじめの頃は、だらだら動いていた中学生も、自然に速く動くようになった」と言っていました。高校生のスピードを肌で体感できたのでしょう。
 にしても、隼人の選手は元気がいい! 中学の指導者からも評判よかったです。

 技術指導では、上田監督のバッティング指導を、隼人の選手が熱心に聞いていました(笑)。水谷監督曰く、「今日のうちのテーマは、『ほかの監督の指導を学ぼう!』やからな! あとでレポート提出!」。冗談なのか、本気なのか?! 隼人の選手に、上田監督の指導はどう映ったのでしょう?? 気になるところ。
 
 講習会では軟球、硬球を使ったノックもありました。ノックでは、片桐監督がノッカーに。そのボール渡しをしていたのが、隼人の選手。これもまた、珍しい光景でした。隼人の選手がボール渡しで、ノッカーは桐蔭の監督! 今まででは有り得なかった光景ですね。

 ブルペンでのピッチャー指導も見られました。いいピッチャーが出てくると、「あのピッチャーいいな!」とひそひそ。スカウトは禁止です!
 ピッチャー指導で張り切って(?)いたのは、商大の金沢監督。毎年のように、軟式出身の好投手が生まれている商大ですが、その理由がちょっと分かったような。金沢監督、教えるのが大好きですねぇ。一言アドバイスをして、すぐに代わるピッチャーもいました。

 そんなこんなで、かなり充実した1日になったようです。中学生にも指導者にも。
 金沢監督は、「中学生いいなぁ。心が洗われるなぁ」。ほかの監督からは、「来年もやろうよ!」という話がありました。

 今回の講習会で、高校野球、硬式野球を身近に感じてくれて、「高校でも頑張ろう!」「硬式野球もできる!」とやる気が湧いてきた中学軟式球児クンが、一人でも多くいることを願っています!





 < 過去  INDEX  未来 >


みのる [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加