2007年11月27日(火) |
沖縄の中学生は半袖、短パン…! |
本日は日帰りで沖縄へ。 前日に、与勝中の上門先生に電話すると、「いま、半袖、短パンでいますよ〜」と、驚きの言葉。さすが沖縄…! 那覇空港に着くと、地元の人は確かに半袖、短パン。でも、この日は台風接近ということもあり、風がびゅうびゅう。今年一番の寒さだったようです。こちらはダウンジャケットを着て、防寒!
最初に向かったのは沖縄尚学。九州大会準優勝で来春、センバツ甲子園の出場が確実視されています。 比嘉公也監督と、現在のエース東浜尚投手に話を聞いてきました。比嘉監督は、ご存知の人も多いと思いますが、1999年に沖縄尚学が全国制覇したときのエース。愛知学院大卒業後、母校に戻り、指導者となりました。というわけ、かなり若い! 大学生といわれても驚きません。腰の低い監督さんでした。
東浜投手は与勝中の出身。2年前の中体連、九州大会で第3位に入っています。その与勝中は今年の夏、全中準優勝。少年野球のレベルが高く、毎年好成績を収めています。ちなみに少年野球は平日練習当たり前。毎日やるのが、沖縄では普通のようです。 取材前日、上門先生に「東浜くん、どんな人ですか?」と聞くと、「うちの娘の旦那にしてもいいぐらい、いい子ですよ〜」。思わず、笑ってしまいました。 実際に会ってみると、ほんとにその通り。このコならOK!(笑) そう思うぐらいの好青年でした。自然に挨拶ができるし、顔も小さいし、スタイル抜群だし、甲子園で活躍したら絶対に人気が出ます。そして、何よりも会話がしっかりできることが素晴らしい。「1」聞いたことに対して、自分の言葉で「4」にも「5」にもして、喋れる子でした。ほんの1時間あまりの取材でしたが、一気にファンになりました!
沖縄尚学での取材を終えたあとは、比嘉寿光選手(沖縄尚学―早大―広島)の母校でもある長嶺中学校へ。全国制覇を達成したときのキャッチャー、有銘さんが野球部の監督として、指導されている学校です。当初は予定されていなかった取材ですが、比嘉監督のおかげで取材が実現。全国制覇秘話をたっぷり聞いてきました。
びっくりしたのは、グラウンドで練習していた中学生の服装です。何と、短パン、半袖! 11月下旬なのに、有り得ない! いつも練習着だそうですが、この日はテスト明け(?)だか何かで軽装だったようです。 ロングティーをしていましたが、沖縄の子らしいフルスイングでした。フォロースルーで、背中を叩くぐらいのフルスイング。「2年の11月でこんなに振れるの?」と驚かされました。 「身体能力の違い」もあると思うけど…、全国の中学球児にもこれぐらいのフルスイングを目指してほしいです!
2007年11月21日(水) |
因縁(?)対決実現! 明徳義塾vs星稜 |
年末、明徳義塾vs星稜の因縁対決が行われることが決まりました!
といっても、これは中学校の話。 12月26日から高知県で開催される「よさこいリーグ」で、明徳義塾中vs星稜中(明徳義塾高校のグラウンド)が行われます。 見たい!! 明徳義塾高校のグラウンドで、星稜中が試合をするなんて……。
明徳義塾中は全国制覇4度、星稜中も日本一4度の超名門中学校。 高校野球での戦いといえば、松井秀喜選手に対する5連続敬遠が思い起こされます。 中学野球の場では、全中で2度、全日本で1度対戦しており、対戦成績は星稜中の2勝1敗。そのうち2度の対戦が全国大会の決勝戦の舞台でした。 96年の全日本決勝では星稜中が5−0で勝利。99年の大分全中では、明徳義塾中が特別延長戦の末に勝利を飾っています。
両者の戦いはおそらく、99年の大分全中以来となるでしょう。 今年の新チームは明徳義塾中に左腕・杓谷、星稜中に右腕・西川という、トップクラスのエースがいます。杓谷は2年生エースとして夏の全中に出場、西川は今夏日本一を果たした全日本ですでに登板を果たしています。 二人を擁す両チームは、明徳義塾中が新人戦の地区大会で優勝、星稜中は県大会を制し、北信越大会準優勝。今年もまた、力を持っています。
試合は12月29日。高校はオフシーズンですが、中学野球にオフシーズンはなし! こんな年末に野球ができる高知県にもびっくり! 年末の大イベントです!
神宮大会3日目、高校の部の準決勝を観戦。横浜―東北、常葉菊川―明徳義塾の2試合。仕事があったため、第2試合の途中で神宮をあとにすると、電車に乗ったところで、びっくりなメールが。 「菊川の選手が、ネクストバッターサークルで全身痙攣を起こし、意識を失いました」 え?! 名前を確認すると、「キャッチャーの子」。ん?! 栩木(とちぎ)!!
メールのやり取りをしていると、藤田裕光監督から電話がかかってきた。栩木の中学時代(浜松市立天竜中)の恩師であり、昨年から浜松市立高校の監督を務めている。 「いま神宮に来てるんだけど、栩木が倒れて…、何か情報ある?」 記者席にいる知り合いに連絡すると、意識を失ったまま、救急車で運ばれたらしい、と。
一瞬、最悪な事態が頭をよぎった…。 栩木を初めて見たのは、中学2年の秋。御殿場交歓会でのことだった。試合前、藤田先生から、「うちのキャッチャーいいよ。肩抜群」と聞いていたが、実際に見てみると予想以上のレベル。全国大会にもいいキャッチャーがいたが、彼らと比べてもまったく遜色のないレベルだった。 常葉菊川に進んだ後は、1年夏にすでにベンチ入りを果たし、夏の甲子園も経験。秋からは不動のレギュラーとして活躍していた。 中学時代に見た選手だけあって、思い入れもあったのに…、何でこんなことに! 栩木、大丈夫か?! がんばれ〜!! と思いながら、仕事を続けていると、「意識戻ったみたいです」と、知り合いからメール。ホッと一安心!
そのあと、藤田先生に電話すると、 「さっき、栩木から電話かかってきたよ。もう、大丈夫、大丈夫。脱水症状か何かだったみたい。1年生で、いろんなプレッシャーとかあったんじゃない」 あ〜、よかった!
東海大会準決勝の常葉橘戦で、高校生になってから初めてのプレーを見たが、打っては4打数3安打の活躍、守備では調子の上がらない戸狩をうまくリードしていた。 相手エースの庄司隼人とは、中学時代に練習試合で対戦しており、三振を喫するなど完敗したそう。チームも0−3で敗戦。「今日は、庄司のことはかなり意識していました。打ててよかった」と試合後、笑みを浮かべていた。
まずは、はやく体調を戻して(もう、戻ったかな?!)、練習に復帰してほしい。センバツでレベルアップした栩木を見られることを楽しみにしたい。
ちなみに、藤田先生が指導していた天竜中は、国学院大1年の村松投手の母校。さらに、愛工大名電のファーストを守る鈴木択哉(2年)も卒業生。逸材を輩出する中学校!
2007年11月04日(日) |
東海大会準決勝 常葉橘・庄司散る |
★秋季東海大会準決勝 in草薙球場 常葉菊川 0113230|10 常葉橘高 2100000| 3
常葉橘高のエース庄司。橘中時代、愛媛で行われた全中で144キロを出した逸材である。「スピードが出やすい」と言われている坊ちゃんスタジアムで記録した数字のために、信憑性は微妙なところだが、144キロの次に139キロを記録。さらに、斜め横に曲がり落ちるスライダーのキレも抜群で、これまで見た中学生ピッチャーの中ではトップレベルともいえる衝撃を与えてくれた。
これだけの活躍をすれば、いくつもの高校から当然のように誘いがくる。県外の甲子園常連校から声がかかった。しかし、庄司が選んだ先は常葉橘高校。「選ぶ」というより…、常葉橘中・高は中高一貫校のため、基本的に外の高校には行けない。全中に出場したチームメイト6人とともに、高校の野球部へ入学した。 1年春から公式戦デビューをかざり、春の東海大会にも出場。硬球に握り替えても、141キロをマークしたという。ボールの違いはあまり関係がなかったようだ。
この秋からはエースで3番の重責を担い、来春のセンバツ出場を懸けた戦いを始めた。県大会は3位で、東海大会出場。初戦で日生第二、準々決勝で中京を、それぞれ1失点完投勝利で下し、今日の準決勝に進出。相手は今春センバツの覇者、常葉菊川だった。
結果は18安打、10失点の惨敗。 ストレートは確かに速い。スライダーもよく曲がる。1年生の秋の段階としては、やはり持っているものはいい。しかし、細かいコントロールと緩急、投球術を欠き、強力打線の餌食となった。
試合後の庄司は、取材陣の質問にうまく答えられないほど泣いていた。その中で、搾り出した言葉は、自分を責めるものばかりだった。 「自分が情けない」 「いまのまま甲子園に行っても通用しない。いまのままなら、行かないほうがいいと思います」 「初戦で負けてもここで負けても一緒。自分の右腕で負けたことに変わりはない」 誰もが出たいセンバツ。庄司だって、出たいに決まっている。でも、「いまのままなら、行かないほうがいい」。こんな言葉を残す高校生と初めて会った。それほど、自分のピッチングがふがいなく、情けなかったのだろう。
今後に向けては、「本当に自信のついたストレートを投げれるように頑張りたい」と、涙声で語っていた。
この負けからどう這い上がっていくか。これからの庄司に注目したい。
本日は、静岡の常葉学園橘中へ。昨年の全中に出場、今夏は全日本ベスト4に入った強豪チーム。いまの高校1年の代から中学野球部の強化を始め、着実に結果を残している。
今日の取材テーマは「走塁」。 全日本では、外野フライが上がったとき、必ず二塁ベースまで走っていた。一塁をオーバーランし、二塁まで全力疾走。平凡な外野フライでも、常に徹底されていた。もちろん、一塁の駆け抜けも、攻守交替も全力疾走。ただでさえ素材のいい私学が、ここまで徹底した走塁をするとは…。
練習は、非常にスピーディーだった。試合前日ということもあり、1時間近くもの実戦練習。場面設定は、選手が考え、指導者は軽くアドバイスを与えるのみ。「いつも、見ているだけですよ〜」と加藤先生は笑っていた。年間通して、練習のほとんどが実戦練習だという。平日の練習は長くても2時間ちょっと。この日の練習も2時間で終わった。 練習の感想はとにかく、選手の意識が高いこと。一つ先の塁をガンガン狙い、甘いプレーがあると、周りから容赦なく指摘の声が飛んでいた。
なお、中学野球部のグラウンドは、中高の校舎から車で5分ほどのところにある。両翼は80メートルちょっと。ブルペンまであった。3年前から徐々に整備され、いまの形になったという。
取材終了後は、高校のグラウンドへ移動。高校の小林監督を紹介していただいた。「県内の子たちだけで、何としても甲子園に行きたい」。翌日は、東海大会準決勝。同じ学園の常葉学園菊川高校との対決。勝ったほうが、センバツ出場内定となる。
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