(仮)日記
何かしらの感想と更新履歴。



2006年05月21日(日) ダ・ヴィンチ・コード






えらい騒がれようでしたが、果たして前評判通りに興行収入はあがっているのかどうなのか(気にするところはそこだ)

取り敢えずトム=ハンクスのあの髪型は予告を初めて見たときから気に入りません。戻してほしいです。

とにかく、原作を壊さぬよう、出来る限り再現しようと骨を折っているのはわかりました。先ずルーブルだしね。
ただ、説明不足なのはなんともいいようがない。まあ、そうなるんだろうとは予想していたんだけど。
暗号なんて、映像で説明するにはちょっと向かないものだよね。
あと、圧倒的に時間が足りないって感じがする。サクサク進みますよ話が。

ラングドン教授のイメージは、優男で、研究者肌で、なんでまたこんなことに巻き込まれなきゃならないんだ俺は関係ないだろうって、ちょっと疲れた感が欲しかったんだよね。前作の「天使と悪魔」で大変な目に遭ったから、もう嫌だと思ってたんじゃないかと。まあ、そのおかげで本の出版にこぎつけたわけだし、ヴァチカンにちょっとしたコネを持つわけだし、終わり良ければ何でも良さそうな人だとも思うが。

ただね、トムの演じるラングドン教授は妙に眉間に皴を寄せていて、原作より多少かっこいいんだよ(いいじゃないかそれで)
眉間の皴は単に眩しかっただけなのかもしれないけど、でも気になる。
もっと巻き込まれた感があればよかったのになあ教授は。

図書館のシーンは綺麗さっぱり削られておりました。
バスの中で携帯を借りてそれで検索するという、いかにも現代っぽいアレンジが成されておりました。時間と説明の短縮になるしね。

残念だったのは、宗教絵画に対する図像学的ご講義がさっぱりなかったこと。
岩窟の聖母もモナ=リザも一瞬ですよ。最後の晩餐だけはティービングが説明をしてくれたから映ってたけど、小さな複製だけでした。
岩窟の聖母の刀のような手も、描き直した絵のこともさっぱり触れていません。
冒頭の「象徴」についての講義中に僅かに触れていただけというか、それが暗号に関わってくるからないと困るというか。

ラングドン教授の新刊、あれは「天使と悪魔」の事件後に書いた論文ですね。
一躍星の人ですよ。

クリプテックスについても、その他の暗号についても説明はないので、スヴ=ロサ(これで合ってたっけ)とか唐突に言われてもわけわかめです。
最初の数式についても、順番が違うとか言われてもなんなんだか。
でもクリプテックスがどんな形をしているものか、それがわかりました。こういう点では映像っていいんだけどね。

コレ警部補の出番が減ったよなあ。

シラスくんの過去の回想シーンなんて、あってなきが如し。っていうか、何を言いたいのかあまりわかりません。報われない子供だったということだけは確かです。

そういえば、影の評議会の司教さんたちの頭がトンスラだ!と非常に期待し、喜んだ呉川でありますが、帽子のとれたアリンガローサ司教の後頭部が映ったときにがっくりです。なんだよ剃ってないじゃないか。トンスラじゃないのかよ。ザビエル頭だと思って楽しみにしてたのに!(おい)

影の評議会が集まっていた教会の全景は非常にCG臭いです。生もの映した方が映像作るより楽な筈だから、どこかの教会を撮ってきたんじゃないかとは思うんですがそれにしてもCGっぽいです。

ステンドグラスがいいなあと思いました。
ゴシック建築かなあとか昔の記憶を総動員してみましたが、ちょっと思い出せませんでした。

フランス語とイタリア語と英語と、あとはラテン語か何とか語かの入り混じった音声でした。
キリストが生きていた時の言語って何語っていうんだったっけなあ。

イアン=マッケランは好きなんですが、あの方は本当に悪役とか影の黒幕とか、その手の役が多いですよね。や、似合うんですが、たまには違う役もどうなんですか。


最後の、ピラミッドの真下に眠るマリアを思って、膝をつき祈るシーンは、原作でも好きな場面なんですが。
それを映像で観られたのはよかったなと思うんですがしかし、眼を閉じる直前、何故トムは一度右に視線を送ったのか。
その目線の意味は何だったのか、気にかかっているのですが、一緒に観に行った友人には「そんなのあったっけ?」と言われ、私の見間違いだったんだろうかとこのザルな頭を危ぶんでいるのだけれども、見てましたよね?ちらりと右を見てたよね?

纏めると、
頑張って作ったんじゃないの?
という感想で。

私は結構前に原作を読んでいて、うろ覚えでところどころ忘れてるという状況で観に行ったので、そこそこ楽しめました。
どんな話かわかってるし、暗号とかも一度読んで確認しているからなんとなくわかるしね。
でなければ、多少展開についていけなくなるかと。


結論
可もなく不可もなく。







2006年05月14日(日) タイタス・アンドロニカス






原作、シェイクスピア
演出、蜷川幸雄

出演
吉田鋼太郎(タイタス・アンドロニカス)、麻実れい(タモーラ)、小栗旬(エアロン)、真中瞳(ラヴィニア)、壌晴彦(マーカス・アンドロニカス)、鶴見辰吾(サターナイナス)

すみません、実はどうでも良かったです小栗旬。
初めて彼をドラマで見たとき、なんて華のない役者だと思いました。
撤回します。
かっこいいね小栗!
なんつーか、……躰が良かったです。
誤解のないようにいいますと、上半身裸で出てくるんですよ。赤いロングコートを羽織っている時も腹は見える。
筋肉が良かったんです。肩から腰に掛けてのラインとか、引き締まった腹部とか。

席は左端から三番目だったんですが、前から九列目の場所だったのでよく見えました。
小栗はステージの左端にいてくれたので、じっくり堪能することが出来ました。
気付くの遅かったけどな。
捕虜として連れてこられた親子の、怒り、嘆き悲しむ様があの男にはないなと思ったところで、あれ?と。
あ、小栗だ!
ということで、冷めてて、だるそうで、いやに斜に構えた男を眺め回していたんですけれども。
愛人って、似合わないなあと思ってたけど、あれだ。隣人13号の印象が強すぎた。

彼は健康的に小麦色に焼けた肌が似合うと思いました。あまり白いとほんとに生っ白くて、覇気のない人に見える…(まだいうか)
他人を馬鹿にしたような素振りが良かったんです。その辺りが好みだったんです。

ところで、不勉強な私はシェイクスピアの本を読んだことがないのでわからないのですが。
彼の人の作品には、悲劇でも笑いの要素と下ネタはあるんですか?
どうにもそこが気になるんだが。

真中瞳の台詞は少なくて、それも舌を切られてしまうから仕方ないんだけど、もっと声を聞きたかったなあと思わないでもない。

始まりの、サターナイナスとバシエイナスの諍いがあまり語られず強調もされなかったので、印象薄かったなあ。
この兄弟の争いと、舞台の真ん中にでかでかと置かれていたセットの狼と乳のみ兄弟の関連性も印象薄かったなあ。
こんなに印象薄いと、あの狼の像はいらなかったんじゃないかとすら思えてしまう。
兄弟がいがみ合っていたせいで皇帝は決まらず、アンドロニカスが阿呆のサターナイナスを推挙してしまう、そこから悲劇が始まっていくんだけどさ。
その後の悲劇と、タイトルでもあるアンドロニカスに焦点がいっちゃうから。

激しいアンドロニカスお父さんでした。
腕を切り落とした後に転がっていたのは、まあ、痛みで騒いでいるってのでわかるんだけど。
あの転がり方は何故か笑いを誘ったよ。何でだよ。
両手を切り落とされたラヴィニアの腕も、切り株切り株って連呼してたから、然程悲哀が感じられず。だって切り株だもん。しかも手の先に切り株つけてるような感じだったんだもん。舞台で信憑性を求めるなという話なんだが、本当に切り株に見えてくるからどうしようもない。

そういえばラヴィニアも、バシエイナスと愛し合ってたって全然そんな風には見えなかったよ。
喜んでサターナイナスの妻になるって言ったんだと思ってたよ。
そう見えたから、なんでバシエイナスがラヴィニアを攫っていくのか、ラヴィニアのお兄さんたちが二人を守ろうとするのかわからなかったよ。

パイの乗ったワゴンを転がしたとき、勢いよく滑りすぎるワゴンを懸命に止めようとするルーシアスの姿とか、台詞に詰まったタモーラとアンドロニカスとか。そういうところをチェックしてみた。

赤いコートの裾を翻していく小栗がかっこよかったです。

前の席の人が立つから役者が見えなくて、仕方なく後ろの席の人が立ち上がっていくスタンディングオベーションの罠。
勿論私も立ちました。だって前の席の人が立っちゃったんだもんよ。

拍手喝采はいいけど、皆ある程度のところで収めてあげようよ。きっと役者さんたちはトイレに行きたいだろうよと思ったな。

二度目だったかな。去っていこうとする小栗の纏っている裾の長い衣装の、その裾を吉田アンドロニカスが踏むんです。
進めない小栗が後ろを振り返ると裾を踏まれてる。
その次に出てきた後の、袖に向かう小栗は後ろに振り向き、裾を踏まれていないか確認し、更には衣装を躰に巻きつけて出て行きました。
ちょっと可愛いんだよ!何やってんのさ!
悪役小栗と腹にくらっときてたところへ止めを刺されました…。

血を表現するのに赤い紐を使ってました。
手に絡めると遠目に血に塗れている感じで良かったです。紐は揺れ動くからね。


結論
やっぱり舞台はいい。シェイクスピアもいい。出来れば次はマクベスがオセロー辺りで是非また来てほしい。







2006年05月13日(土) 陽気なギャングが地球を回す






取り敢えず気になったのは佐藤浩市の台詞が一体どれだけあったのかということ(笑)
最初から最後まで喋り倒す金髪アロハの佐藤浩市はちょっと面白い。
実際、そんな佐藤浩市を観るためだけに映画館に足を運んだので満足。
赤いロングコートも良かったが、やっぱりスーツ姿がいちばんしっくりくるな。よく見る衣装だからだろうか。
あんなに自堕落な佐藤浩市って初めて見たよ。ベンチに寝転がって爪先見せてるなんて!
何にしてもかっこいいんだけどな!

嘘発見器男成瀬(大沢たかお)、スリの達人動物愛護久遠(松田家の次男)、体内時計雪子(鈴木京香)、演説の天才響野(佐藤浩市)
更にはチョイ役に大杉漣、篠井英介、松尾スズキ、古田新太!
田中要次っていつもあんな役だよなしかし。
大倉孝二には最初気付かなかった。あれ?この顔どこかで見たことあるなあって思ったよ。

テンポは凄くいい。ハイテンションにノンストップで進んでいく感じ。
丁度カーチェイスもあったし、CG効果で在り得ないすっ飛ばし方がこの映画と合ってると思う。
カメラワークは結構好み。

あとは何だ、ラブコメか。

単に銀行強盗だけかと思っていたらちゃんと含まれていた恋愛要素。
ほんのり甘い感じが逆に恥ずかしいよ。
なかなか進展しない成瀬と雪子の恋模様を、歯痒い思いをしながら横で見ている響野はどうにかしたくて仕方ない。
そんな佐藤浩市、どうよ?(そこかよ)

話の筋はあるといったらあるが、ないといったほうがいいような気はする。
四人が銀行強盗をし、奪った金を更に奪われて、鳶に油揚げな犯人たちを陥れようとするという内容。

話の流れ方はオーシャンズ11の模倣と言えなくもないが。
過去と空想と現実が入り乱れる辺りが。
作品の時間自体、あまり長くないしね、観易い映画だな。

とにかくくだらない。
が、そのくだらなさがいい。そんなものに仕上がってると思うけど。

成瀬の思い悩んでる辺りはちょっと流れがストップしてる雰囲気かな。
この映画は一応奴が主人公なんだと思ってるんだけど、それでいいんだよな?

派手な衣装が眼を引きます。
柄シャツ着てる大沢が気になって仕方ない。しかし瞼が重そうな人だよね。

EDの曲は和田アキ子が歌ってます。
声を聞いた瞬間、あっこさんが頭の中に浮かぶよ…。妙にこの映画に合ってるよあっこさんの声。

延々と話し続けてる佐藤浩市。
別の人が映ってても声は聞こえてくる佐藤浩市。
カメラ目線も初めて見たよ佐藤浩市。
いい加減しつこいかな。

面白かったけど、まともな値段を払うほどではないかな。


結論
キャストロールは最後まできちんと観よう。






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