加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will


2015年08月20日(木) ストップ戦争法案 ��

「戦闘地域」まで行って、米軍を支援する

首相は「武器を使用する」 日本の若者が「殺し、殺される」危険に

今度の法案は米国が世界のどこであれ、アフガニスタン戦争、イラク戦争のような戦争をおこした際に、これまで政府が戦闘地域と呼んでいた場所まで自衛隊を派兵し、米軍への軍事支援をできるようにするものである。戦闘地域まで行けば、自衛隊が相手から攻撃されることになる。攻撃されたら「武器の使用をする」と、志位委員長に追求され、安倍首相は認めた。

重火器で応戦する戦闘そのもの

非戦闘地域での活動が建前だったイラク派兵でも対戦車弾、無反動砲などで重武装していた自衛隊。そんな重火器で応戦すれば戦闘そのもの。憲法9条が禁止した武力の行使になることは明らかだ。

危険な地域に置くって安全確保とは

首相は、自衛隊員の安全確保を繰り返すが、「法改正で、隊員に与えられる任務の危険性は格段に高くなる。間違いなく戦死者が出る」(イラク戦争当時の内閣参謀副長官・柳沢氏)。危険な地域に送り込みながら安全確保など、全くの自己矛盾である。

弾薬の補給、武器の輸送など、「兵たんは戦闘と一体不可分」と米海兵隊の教科書

政府のいう「後方支援」=弾薬や燃料の補給、武器や兵員などの輸送、壊れた戦車の修理などは、国際的には兵たんと呼ばれる活動のこと。しかし、攻撃の一番の目標とされる。自衛隊が「兵たん」をしている場所が戦場となる。米軍の教科書は、戦闘と一体不可分と明記してある。武力の行使と一体ではない後方支援、などという政府のごまかしは世界では通用しない。海外での武力行使を禁じた憲法を踏みにじる戦争法案は破棄しかない。

憲法学者がそろってレッドカード

「集団的自衛権が許されるという点は憲法違反」(長谷部恭男・早大教授)「従来の解釈を踏み越えてしまったので違憲」(笹田英司・早大教授)「海外に行くのは憲法9条、とりわけ2項違反」(小林節・慶応大学名誉教授)衆院憲法審査会で、与党推薦の参考人も含め、安倍政権の戦争法案は憲法違反と表明した。



アフガン・イラク戦争での自殺者は56人 非戦闘地域ですら深刻な被害

「いつ何が飛んでくるか、怖かった」「警備を交替して寝られない」睡眠障害や不安を抱えた隊員が3割を超える部隊もある。非戦闘地域を建前としていたアフガン・イラク派兵これだけの犠牲者である。戦闘地域に日本の若者を送るわけにはいかない。

アフガン、イラクに派兵された自衛官の自殺者数

アフガニスタン 自殺者数 27人 海上自衛隊 2001年〜2010年

イラク     自殺者数 21人 陸上自衛隊 8人 航空自衛隊




『週刊朝日』6.7








2015年08月16日(日) NHK 国営放送の危険 �    �

自立求める視聴者団体次々   

市民が各地で

一見平穏に見えるNHKの深部で、容易ならぬ危機が進行しているといえる。この状況に対し、今全国各地でNHKの自主・自立を求める市民団体が続々誕生し始めた。NHKと視聴者の関係では、かってない大きな変化である。2013ねんまではそのような団体は5つぐらいしかなかったが、昨年初めから所沢、滋賀、岐阜、秋田、屋久島、広島、茨城の各地でNHKやメディアの問題を考える市民団体が発足した。京都では市民団体や個人が広く参加する「NHKを憂える連動センター・京都」が結成されている。

このほか埼玉でも準備する動きがあり、この3月には、「NHK問題を考える奈良の会」が発足集会を開催する運びだ。視聴者市民が懸念するNHKニュースの「国策放送化」は、戦争中のような戦意高揚番組や軍人の講演、といったあからさまなものではなく、客観報道の外観のもと、巧妙な形で進むだろう。

自衛隊の海外での活動が拡大されようとしている今、NHKのこのような傾向は大変危険である。NHK問題に取り組む市民団体が、NHKの放送を組織的に監視し、政府からの自立を要求し続けることの意義は極めて大きいのである。こうした草の根の運動が広がることを強く期待したいところである。

戸崎賢治 もとNHKディレクター


『週刊朝府』2015 3.15


『週刊朝日』


2015年08月15日(土) トヨタで日本経済がわかる

契機を左右するのはこの会社。トヨタを見れば日本経済がすべてわかる

「メディアではベアだ、夏のボーナスアップだと騒いでいますが、なんのことはない。ちゃんとベアを実行できたのはトヨタさんと一部の大手下請けだけ。中小企業にも賃上げが広がりつつあるといいますが、真っ赤な嘘ですよ」こう語るのは愛知県で金属加工工場を営んで30年になるトヨタの孫請け会社幹部。3月期決算で日本企業として初めての純利益2攄円をたたき出したトヨタ自動車の絶好調ぶりとは裏腹の沈んだ表情だ。

トヨタは2015年の春闘で4000円のベアを決定。昨年の2700円に続いて2年連続の賃上げとなった。親会社が儲かればその利益は子会社、孫請け会社へとしたたり落ちるはず。このような経済効果を「トリクルダウン」と呼ぶが、前出の、孫請け会社幹部は「そんなものは机上の空論」と言い切る。「豊田や名古屋の街を歩けばわかりますよ。景気がいいのは一部の百貨店だけ。トヨタグループの社員や外国人観光客が買い物に来る高級店は調子がいいようですが、後は閑古鳥です」

アベノミクスがもたらした円安はグローバルにビジネスを展開するトヨタのような製造業大手にとっては大きな追い風になる。だが一方で、輸入する原材料値上がりのダメージを受ける中小企業にとっては向かい風だ。ニッセイ基礎研究所の岡氏が語る。「最高益をたたき出す大手が多い一方で、資本金が1000万円から1億円規模の中小企業は直近の1−3月期で前年比マイナス4.4%減に転じています。中小企業の値上げ交渉力の弱さが響いているのです」

昨年10月にみずほ銀行が出したレポートによれば、対ドルで10円の円安は上場企業に約1.7+6兆円の営業利益をもたらす。ちなみにトヨタの場合、1円円安が進めば400億円の営業利益が見込める。一方で、非上場の中小企業にとって、同様の円安は8000億円ものマイナスをもたらす。日本経済全体で見れば円安はプラスに働くが、大手企業と中小企業の格差は広がる一方なのだ。トヨタのお膝元である愛知県の状況を見れば現在、日本経済に起きている劇的な変化についてよく理解できるだろう。

北見武賃金研究所の北見所長は、2015年4月に愛知県下に本社がある企業50社、3453人を対象に賃上げの状況を調べた。その結果、ベアを実施したのはわずか4社だけで、ほとんどの企業では定期昇給のみだったことがわかった。「ベアを実施したのは、従業員300人の自動車部品製造の会社が300円、同じく自動車関連の金属加工業が1000円前後。他に自動車部品素材や医療機器の卸売業者などでした。トヨタの系列会社は、本社がベアを決めると横並びにベアをしたがるのですが、実際には経常利益がきちんと出ている一部の優良企業しか実施でいていない状況です」

トヨタは下請けに対して毎年、納入品の厳しい値上げ交渉をすることで知られている。日本経済の動向を左右する同社は、安倍政権の意向も受けて、今年は下請けに対して「部品の値上げ要求をしない変わりに、その余剰資金でベアを実施するように」と要求するケースが多く見られたという。しかし、円安という逆風にさらされている中小企業にとって、「まずは納入部品の単価をベースアップしてもらわない限り、一律賃上げなど夢のまた夢」(前出の孫請け会社幹部)というのが現実なのだ。

前出の北見氏が語る「人材不足が懸念される若年層の給与は多少上がりましたが、40〜50代の賃上げは抑えられている。今後調査のサンプルを1万人に増やす予定ですがそうすればメディアで騒がれていたような賃上げの実態など、ほとんど無かったことが明らかになると思います」業績絶好調のトヨタのお膝元がこのありさまでは、とうてい日本全体の景気の回復など望めない。


『週刊現代』8.15


2015年08月13日(木) カネ学入門

日本経済の真の姿

5月22日、東証一部の株式時価総額がバブル期ピークの1989年12月を上回り、過去最高となりました。多だ、これで日本経済がバブル期並に復活したとするのは総計です。日経平均はまだ当時の半額…上場企業数が大幅に増えたことが主因だからです。では日本経済、真の今の姿とはでどうなのでしょうか。5月27日、スイスのビジネススクール、IBD(経営開発国際研究所)が発表した『2015年世界競争力年鑑』によると、日本経済の総合順位は3年ぶりに下がって27位となっています。

アジア地域でもずっとシンガポール、中国、台湾、韓国、マレーシアの後塵を拝するありさまです。政府部門の財政と移民政策、ビジネス部門の国際経験と経営幹部の競争力が調査61か国家中、最下位とされています。バブル期、総合順位で日本は堂々の一位だったのです。過去25年のグローバリゼーションの進展から完全に日本が置いて行かれるてる現状が見て取れます。真に世界を相手にビジネスで成功している企業が時価総額のどのくらいを占めているのか。バブル崩壊後、内向きビジネスに転換してリストラを進め、収益を改善した企業が多い実情に私はずっと懸念を抱いています。

内向きとは……主に国内のインフラ需要を狙い、難しい消費者需要を避けて、日本的すりあわせのできる国内企業向けビジネスに注力する……という意味です。グローバリゼーションでの真の競争を避けているという意味もあります。しかし、よるべき国内経済、その中核の個人消費は冷えたままです。5月25日、家電量販店大手のヤマダ電機が大規模な一斉リストラ、50店近くの店舗閉鎖計画を発表しました。地方店の整理が主です。

都心量販店はアジアからの観光客による爆買いで息をついていますが、一般の国内消費者は財布のひもをゆるめず地方は惨憺たるものなのです。不動産も外国人頼みなのが実情です。東京都心のマンション市況は完全な二極化、それも非常に狭い範囲での二極化です。中央区、港区、渋谷区は中国人の高い購買意欲で売れていますが少し離れるとさっぱりです。一般の特に若い層は買おうとしない。円安で生活必需品の値段が上がる中では生活防衛式から、不動産購入はさらに控えられるでしょう。

日本経済が本当の意味で復活したかどうかは内需、個人消費の拡大が見られなくてはならないのですが見られない。縮み思考は消費者に刷り込まれたままなのです。円安がさらに進むこの状況では『悪いデフレ脱却』となり、さらに消費は冷え込んでしまう。アベノミクスが賃上げを導いたところまでは高く評価すべきですが、それが消費拡大と結びつく構造を第三の矢によって創らないと……時価総額の持続拡大は難しいと考えます。


『週刊現代』8.13


加藤  |MAIL