加藤のメモ的日記
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2012年03月30日(金) 戦争の真実

●『太平洋戦争・最後の真実』は太平洋戦争の最前線から生還した兵士で、今も存命の人たちの証言を徹底的に取材し、戦争の真実に迫るノンフィクションです。この三部作に挑んだきっかけは何だったのですか。

太平洋戦争で戦死した230万人のうち、200万人近くが大正生まれの若者でした。彼らは終戦時に19歳から33歳。大正時代に生を受けた男子は1348万人ですから、実に7人に1人が命を落としたことになります。国のために戦い、戦争の悲劇を背負わされた世代といえるでしょう。ところが、戦後のジャーナリズムの多くは、大正世代の苦しみに目を向けるより、戦争を一方的な立場から糾弾することに終始し、彼らを「アジアへの犯罪者」と断じてきた。その姿勢に疑問を抱き、客観的な事実をもっと伝えなければならない、と思っていました。
昨年は「大正100年」にあたると同時に、太平洋戦争の開戦70周年でもありました。その節目に合わせ、大正生まれの帰還兵に取材を重ねていったのです。個々の体験の集積こそが私たちに真実を語ってくれる、と考えたからです。その証言から見えてきたものを、「空・陸・海」ごとにまとめたのがこの三部作です。

●戦後ジャーナリズムが、過去の糾弾に終始しているのはなぜでしょうか?

それが楽だからですよ。政治家も外交当局もマスコミも、中国や韓国などの声を極端に恐れ、大正世代の多くが沈黙を守っているのをいいことに、日本を安易に悪者として描く風潮がまかり通るようになった。
日本軍が行なったとされる「虐殺」も、状況をつぶさに見ていくと、事実が異なっていたり、あるいは日本軍だけを一方的な加害者とすることに無理があったりします。もちろん戦争という異常な状況のもと、時に悲劇があったのは事実でしょう。ただ、前後の事情を除いてすべてを「アジアへの犯罪」と結論づけるのは歴史を歪める行為だと思います。
特攻についても虚像がありますね。特攻隊員は皆、自ら志願して戦艦に突っこんだ、という……。しかし、それは事実ではありません。実は戦後、多くの若者を死なせた上官が、自分たちだけ生き延びたことについて、言い訳が必要になりました。そこで彼らは「兵士たちが自ら率先して”志願”した」という偽りの記述を行なった。猪口力平、中島正という二人の書いた『神風特別攻撃隊の記録』などは、その典型です。

●絶望的な状況に耐え、闘い続けた兵士たちの姿は感動的です。何が彼らを支えたのでしょうか?

当時の若者が「軍国主義教育で洗脳されていた」というのも一面的過ぎます。特攻に「志願」して、出撃を待ちながら終戦を迎えた元兵士(90歳)は、「特攻に行きたかった者などいない」と言っています。「日本が追い詰められ、誰かが行かねばならなかった。親や幼い兄弟を行かせるわけにはいかず、自分が行って国と家族を守るしかなかった」と。玉砕した陸軍の兵士も同じ想いだったはずです。
私がお会いした帰還兵の方々は、みんな潔く毅然として、強い責任感と使命感を持っています。悲痛な思いで戦った世代を、歴史を歪めて犯罪者扱いするのはあまりに忍びない。
使命感に加えて日本軍の勇敢さを支えたのは、ルース・ベネディクトが『菊と刀』で指摘した日本の「恥」の文化だと私は思っています。大正世代は、明治生まれの親から徹底的に「恥」の観念を叩きこまれた。彼らにとって、突撃や特攻の命令から「自分だけが逃げるのは恥ずべき事」で絶対に出来なかったのです。

●勇敢な兵士とは対照的に、無謀な作戦を継続した上層部は何を考えていたのでしょうか。

上層部の愚劣さには怒りを覚えます。自分が万能だと思っている秀才エリートたちが、人の命を駒のように扱い、多くの若者が死んでいった。愚かなエリート官僚が国を存亡の危機に立たせるのは今も変わりません。
ただ、中には優れた指揮官もいたのが救いです。現場の中隊長クラスでは、ガダルカナル島で、暗闇の中でも目立つように白たすきをかけ、部下の先頭に立って突撃を繰り返した石橋哲治中隊長や、最高指揮官では、ルソン島の戦いで民間人の犠牲を何とか避けようとした山下泰文(ともゆき)司令官…。山下が残した遺言からは、人柄、識見の凄さが伝わってきます。

●戦場の描写が生々しく、目に浮かぶようでした。

陸軍の戦争は飢えや病との戦いでもありました。その体験が強烈で、皆さん、細部までありありと覚えていました。生のトカゲを食べ、戦友が生きたままハゲタカにつつかれ、傷口に湧いたウジ虫を食べて飢えを凌ぎ、「ウジに感謝している」と言った方もいる。ただ、「極限状態で兵隊同士の共食いがあった」という話には首をかしげます。ニューギニア戦線を生き延びた元兵士(92歳)は、「そもそも極限状態では固形物は喉を通らない。日本兵は骨と皮ばかりで食べるところはないし、敵兵の腹を裂き、内臓の汁をすすって生き延びたのが本当です」と証言してくれました。「土の中にも栄養分はある」と、赤土まで舐める状況だったそうです。

●「生きて帰れたのは運命としか考えられない」と、皆さんが語っています。

過酷な戦場で隣の兵士や周囲がバタバタ死ぬ中、生き延びたのはまさに奇跡です。印象的だったのは、多くの方が「話せてよかった」と感想を言ってくれたこと。真実を後世に残し、戦友の無念を伝えたい思いはそれほど強かったのでしょう。


『週刊現代』2.11


2012年03月29日(木) 杉原輝夫の壮絶人生

女性ホルモン注射、アガリスク、どくだみ、鮫の軟骨、最後には「手かざし」にまで頼ろうとした。

‘97年に前立腺がんを宣告されて以来、手術を受けずに闘病を続けてきたが、病魔は容赦なく体を蝕んでいった。そして昨年12月26日、プロゴルファー・杉原輝夫はこの世を去った。


生涯現役を貫くため「切らない治療」を選択した杉原。その闘病生活を支え続けた玲子夫人が、最期の様子をこう回想する。「パパはがんに侵された後も、”今の体調を報告するのも仕事と取材に応じていました。しかし、昨年の梅雨が終わる頃に体調が悪化し、7月に京都の病院に入院しました。4ヶ月後の入院生活を経て、11月末にパパの希望で退院しました。ただ、退院4日めから歩けなくなり、その後は一日中ベッドで寝たきりでした」昨夏以降は抗がん剤を使用しなかった。「京都の病院に入院後、パパが”抗がん剤はいらん”と言い出したんです。抗がん剤を打つととても辛そうで、とにかく”しんどう、しんどい”としか言わない。パパが言いだすと誰も止められませんから、先生も根負けされたようです。抗がん剤を止めると、がんの進行を止められないことを意味する。私たちはパパが辛い思いをしなくてすむなら……と納得するしかなかった」(玲子夫人)

家族にとって辛い選択だった。退院後は夫人の作るお粥を時間をかけて食べていた杉原だが、次第に喉を通らなくなった。「処方された錠剤を飲むのも苦しい状態でした。水を飲むのが大変で、少し含んではゆっくりと喉を通す。最後は痛くて水すら喉を通らず、何とか重湯をすすっていました。栄養補給のために1日3時間かけて点滴を打ちました。

ただ、頑固さは相変わらずで、血液検査のために採血されると”血がなくなってしまうがな”と声を絞り出すようにして怒っていましたね。亡くなる前は、ちゃんと顔を見て話せませんでした。見ていた本当に可哀想でね…。寝返りも打てず、薬の影響もあって腰痛が激しかったようです。声が出しづらいこともあって、どこが痛いのかということも私たちに伝えられず、顔を歪めてばかりいましたから」(玲子夫人)そして12月28日8時30分杉原は息を引き取った。「やりたいようにやってきたんだから、パパは悔いがなかったと思います。ただ、家族は違いますけどね……」玲子夫人は穏やかな口調ながら、後悔の念をにじませていた。

妻の食事に”これ虐待かッ”

がんとの闘いが始まったのは97年、杉原が還暦を迎えた年だった。前立腺がんの宣告を受けたとき、杉原は「僕には時間がない。あと2年は第一線でプレーしたい」と、手術によって休養に入ることを拒み、女性ホルモンを投与しながらトレーニングを続ける方法を選択した。治療を始めてしばらくすると、ドライバーの距離が30ヤード以上落ちた。女性ホルモンが筋肉に悪影響を及ぼした結果と判断した杉原は、投与を中止して民間療法に希望を託した。アガリスクやどくだみ、鮫の軟骨、お灸など、周囲から体に良いと言われたものは手当たり次第に試した。

一時は前立腺がんの数値を示すPSA(腫瘍マーカー)値が最大23.4から0.3まで減少した。がんを克服したかのようにも報じられた。しかし08年リンパ節への転移が判明した。その2年後には、喉、腹、肺の周辺など11か所への転移が認められた。杉原は女性ホルモンの再投与に加え、放射線治療を始めた。だが、放射線治療を始めてから2〜3日で喉に違和感を覚えるようになり、1か月の照射予定を18日間で断念した。喉は青紫に腫れあがり、やがて真っ黒になった。

10年10月、放射線治療を断念した直後に、杉原は闘病生活の苦しさをこう語った。「スポーツドリンクを1缶飲むのに3時間かかる。栄養を考えてトマトジュースを飲もうとしても、塩分で喉がヒリヒリする。食べないと体力がなくなると思い、お茶で無理やりごはんを流し込むけど、食べたらすぐに洗面所に走って戻してしまう。痰もたくさん出たな。痰が切れればいいが、切れないと苦しくて大変なんや」それは「食べることが趣味」と公言していた杉原にとって耐えがたい現実だった。

10年末には自宅療養に切り替えたが、自宅でも同じ苦しみが続く。11年1月の取材での話。「家内に迷惑をかけてばっかりや。心配させたらアカンと思うから痛い顔もでけへんし、家内は何とか栄養を取らせようと食卓に並べてくれる。病気についてよく勉強もしてくれているし、喉を通りやすいように流動食を出してくれる。大変な手間をかけているけど、今の僕は食べるのに難儀する。思わず”これ、虐待かッ”というてしもうた。うまい、うまいといいたいが、食べることが一番辛いんや……」

「転移後は、パパは藁にもすがる思いでどんなものにも飛びついていました。家族がやめてと言っても、”気持ちが落ち着くから”と言われるとそれ以上言えなかった」だが、それ以上は快方に向かうことなく、杉原は11年7月、再び京都の病院に入院することになった。夫人は苦しい胸の内を明かしている「やはりちゃんとお医者さんにかからないとアカンかったと思う。ただ、治る、治らないは別として、本人の気持ちが楽になると言われたらね……」

最期の言葉は「すまんかったな」

昨年1月の杉原の言葉。「ゴルフも病気も闘争心が大事。ぼくは道具の進化を利用して非力をカバーしてきたが、それも若手に負けたくないという闘争心があったからこそ、僕はそう思ってがんと闘ってきた。だからがんに負けたと思った時点で僕は終わりなんや」杉原はこんなエピソードを明かしてくれたことがある。前立腺がんを告知されて間もないころ、自宅の近所で車にひかれて息も絶え絶えの野良猫を見つけた。杉原が近所の動物病院に運び込み、猫は奇跡的に助かった。

「お腹を押さえないと自分でウンチもできんし、後足を引きずりながらでないと歩けない。でも、猫ですら少しでも前に歩こうと必死に生きている。この猫を見ていたら僕も負けてらへんと思ったんですわ」しかし、晩年は弱気になる一面も見せるようになった。口癖の「しゃーないがな」が、「もう死んだ方がマシや」に変わった。敏一に「あのとき手術で取った方がよかったかな」と漏らすこともあったという。

晩年、杉原はこう話していた。「がんに冒された僕が言うから説得力があると思うが、がんは早期発見、早期治療が大事。ぼくはプロゴルファーという特殊事情があり、家族に迷惑をかけてしまった。がんの治療については全て自分の判断で決めてきたことやから後悔はしていません。ただ、反省はせなアカンと思うてます。心配してくれる家族がいる以上、少しでも長生きする手段を選ばないといけない。それは痛感しています。ぼくのがんについて家内がなんやかんやいうことやない。ホンマは心配しとるかもしれんけど、それを口に出さんでおってくれるのは、やっぱりありがたいね。命よりゴルフを選んだ僕に、文句もたくさんあったやろうにな」

「死ぬ時には苦しみたくない」生前の言葉通り、杉原は眠るように旅立っていったという前日まで変化はなかったんです。28日の朝、食事の世話もしていないのに”すまんかったな”と言葉をかけてきた。おかしなことを言うなと思いましたが、布団を掛けたら眠るように息を引き取りました。(玲子夫人)ゴルフウェアで旅立った杉原だが、さいごはプロゴルファーでなく夫、そして父親の顔だった。家族への「少しの反省」を伝えて、ドン・杉原は14年の長き闘いに決着をつけた。



『週刊ポスト』1.27


2012年03月27日(火) タバコと肺ガンの関係(11)

日本は喫煙率世界一・長寿も世界一
泉重千代さんも愛煙家だった

喫煙率は低下しているのに、肺ガンは増えている。日本は昭和40年前半、男子の喫煙率は80%を超えていたが、昭和60年には60%台に落ちている。女子も昭和41年には約20%弱だが、昭和60年には14%と減少の傾向を示している。肺ガンの男子の場合、昭和40年には10万人に対し、8.6人が肺ガンで死亡しているが、昭和58年には16.6人になっている。つまり、肺ガンで死亡する割合は2倍近く増えている。女子についても同様で、男子に及ばないにしろ、やはり相当増えているのである。ちなみに昭和25年では、男子喫煙率は80%だが、肺ガンの死亡率は1.9人でしかないのである。

もし、タバコと肺ガンに何らかの関係があるのなら、タバコを吸う人が減少すれば、肺ガンになる人も減少しなければならないはずだ。それがタバコを吸う人は減っているのに、肺ガンで死亡する人は、逆に増え続けているのである。喫煙率と死亡率を諸外国と比較すると、おもしろいことがわかる。日本の場合、人口10万人に対し、26.9人という割合だが、イギリスでは112人、西ドイツでは72人、アメリカでも67人と驚くほど高い率だ。ところが、胃ガンについてみると、日本では54人で、トップである。アメリカは8人という低率である。

つまりこのことから、ガンという病気には、民族的・地理的要因が強く関わっているのではないかと推測できる。肺ガンについても、タバコとの関係より、民族的・地理的要因の方が大きく関わっていると考えられるのである。民族的・地理的差というのは、食生活などの生活習慣や居住地の環境といったものである。また遺伝的なことも問題になってくるであろう。こうした数字を見るだけでも、タバコと肺ガンは、明らかに相関関係にいちするものではない。とにかく、肺ガンになるのはタバコだけが原因ではないのは確かである。他のいろいろな要因が複雑に絡み合って、肺ガンになるのではないだろうか。つまり、タバコをなくしても肺ガンはなくならないということは断言できる。

20年ぐらいまではフィルターがついていない両切りタバコが主流であった。しかし、今一番売れているのは「マイルドセブン」であるその他「キャビンマイルド」「キャスター」など、今や軽いタバコが主流である。それにもかかわらず肺ガン死亡率が増えているのはどういうわけだろう。つまり、タバコはけっして肺ガンの直接原因にはならない、という新説は、30年以上前のレポートによって、すでに口火を切られていたのである。肺ガンの複雑多岐にわたる因子が、生活環境だけでなく、、気候条件、チリ環境にも及んでいることを示している。例えば、重工業地帯の京浜、北九州地区と並んで、沖縄も非常に高い発生率を示しているのだが、その原因はいまだ不明である。

米国健康統計調査によると、各種疾病の罹患率に対する喫煙の影響を調べると、慢性気管支炎、肺炎、消化器系潰瘍を除き、喫煙者は非喫煙者より疾病罹患率が少ない。喫煙が内臓諸器官のすべてに悪影響を与えて所病を引き起こす、というのは迷信にすぎないという結果になる。むしろ、肝臓、腎臓、膵臓系の病気の発生率は、タバコを吸わない人の方が高いと言外に述べているのは注目に値しよう。ともあれ、タバコが人体にどんな害悪をもたらすかという調査には、いまだにはっきりした結論が出されていない。

にもかかわらず、ここ数年の世界の趨勢として「タバコは有害」と声高に主張されるようになった。衣食足りた先進国の人々にとって、次に起こるのは健康への関心である。少しでも健康を損ねる可能性のあるものは、生活から排除しようという姿勢が、タバコにも波及しているわけである。しかし、喫煙に関する病理学的な結論が出ないまま、いたずらに「タバコは有害だ」と決めつけるのは、まさに愚挙ではなかろうか。

そもそもタバコの害が叫ばれ始めたのは、今から50年ほど前、イギリスの疫学調査グループの発表した論説がその発端となっている。その要旨というのは、「タバコに含まれるタール分が肺ガンの原因で、ニコチンも心臓病の原因となる」というものであった。これがきっかけとなって、いろいろな研究者や研究機関がタバコに関する調査を始め、タバコはがぜん健康との関連でクローズアップされるようになったのである。それからすでに50年、半世紀たった現在まで、多くの研究者が、タバコの有害性を証明するために、多大な努力を払ってきた。また、それにかかった費用にしても膨大な金額になるはずだ。しかし、その結果いったい何がわかったのか。一口に言えば、今も昔もさして変わりはないのである。

逆に、今までタバコをやめろと言っていた医師たちの中には、「無理して止めるよりは……」というニュアンスに変わってきた人も少なくない。それどころか、ストレスの多い医師に、ヘビースモーカーが極めて多いという現実もある。おまけに疫学のデータだけで原因を決めつけようという姿勢にも疑問を持つ人が増え、警鐘さえ聞こえてくるようになった。ほんの一部の人々とはいえ、これは特筆すべき出来事なのである。

「タバコで真っ黒になった肺の写真」はでっち上げ

個人差があるのだが、吸いこまれたタバコの煙は外へ吐き出される。体内に取り入れられるのは、口中や気管などの粘膜に付着した分と、肺内に吸入されて残った分である。口中や気管などに付いた付いた分は、気管などの粘膜細胞や繊毛運動の働きによって、大部分はタンとして体外に排出され、肺内に吸入された分は、血液に取り込まれ体内をかけ廻り、最終的には尿となって体外へ排出されていく。つまり、ヤニ取りホルダーとは違って、あのドロドロしたタールは、身体には残らないわけだ。肺があのヤニ取りホルダーと同じ役割をしているとしたら、多くの愛煙家は今頃肺からあふれ出したドロドロで、口の中まで一杯になっていることだろう。

人間の肺が黒くなる理由の一つは年齢である。人間の肺は一般に歳を取れば自然と黒くなっていくことが確かめられている。20歳の若者の肺はピンク色で、80歳の老人の肺は黒いのだ。年をとれば人間の肺は自然と黒くなっていくのである。それともう一つの原因は大気汚染である。昭和40年から42年にかけて、広島大学教授、山田明博士のグループは、『広島地区における大気汚染の生体に及ぼす影響についての病理学的研究』という調査結果を発表し、注目を集めた。

広島市内の住民の肺の組織断片による”人肺の黒色粉塵の沈着度”を調べ、その結果、加齢とともに人肺の黒色変化が上昇曲線を描くことを突き止めた。次に研究グループは、日本屈指の工業地帯、北九州市と。大阪市の住民の調査結果と広島市内の調査結果と比較してみた。すると、どの年齢層においても、広島に比べ、北九州市や大阪の方が粉塵沈着度がはるかに高いことが判明した。すなわち大気汚染が進んでいる方が、肺の黒く汚れている度合いが大きいことを立証したわけである。

さらに犬を使って同様の調査を試みている。この調査は広島市の中都市である広島市と、広島県下の人口3万人余りの地方小都市・竹原市と比較し、全国で最も大気汚染が激しいとされている川崎市の結果とも比較した。この調査によれば、川崎市の犬の肺は、竹原市のそれと比べ約5倍、広島市のそれと比べても約3倍という高さを実証した。この結果、肺の汚染が大気汚染に比例して高くなるという事実を証明している。加えていぬによる調査も実施したことから、人間以外の動物においても、住んでいる地域の大気汚染によって、肺が黒く汚れることを立証したわけだ。

もちろん犬はタバコは吸わない。だから、肺が黒くなるのはタバコが原因ではなく、加齢や大気汚染がもたらす結果であるといえるのである。

肺ガン死亡率を諸外国と比べると意外なことがわかる。日本人男性の喫煙率は60%台で、肺ガン死亡率は人口10万人について27人という割合になっている。西ドイツでは男性の喫煙率は30%台で、日本の約半分である。にもかかわらず、西ドイツでは肺ガン死亡率は人口10万人について72人にも達している。他の先進国にも同様の傾向がみられ、喫煙率は日本より低いのに、肺ガン死亡率ははるかに高いといく結果がでている。つまり、喫煙率が高ければ肺ガン死亡率も高くなる、と単純には結論できないわけだ。

ガンは、いろいろな要因が絡み合って起きる病気である。大気汚染、ストレス、生活習慣、遺伝、体質、発ガン物質などがあげられるが、その容疑者としてタバコも仲間に入っていることは否定でき名だろう。しかし一部の人たちが声高に叫ぶ歩と、タバコと肺ガンの関係は強くないといえるだろう。そうかといって、まったく無実とも断言できないようである。いくらかの影響はあるらしいが、そうビクビクするほどのことでもない、というのが本当のところである。




『タバコと上手につきあう法』


2012年03月26日(月) 良い習慣で脳が生まれ変わる(10)

眼を動かさない人が陥りやすい症状

眼を動かさない時間が長くなりすぎると、視覚的注意の向け方がスムーズに切り替わりにくくなります。長時間パソコンに向かって作業をしたり、テレビをずっと見続けていた場合、外に出ると、周囲の風景が雑然と見えてしまう。これは、永い間、画面に集中していたため、その角度、距離間から視覚的注意の向け方が変わりにくくなっているためだと考えられます。目を動かさない時間があまりにも長い生活を毎日、何カ月も続けてしまうと、簡単には戻らなくなるということがあります。前方の限られた範囲に注意を集中している世界から、抜けられなくなってしまうのです。本人の自覚としては次のように感じる場面が多くなるはずです。

○人から話しかけられた時にパッと反応できなくなる
○周囲の変化に疎くなる
○物忘れを指摘されることが多くなる
○同じことを繰り返し考えがちになる

「人から話しかけられた時にパッと反応できなくなる」というのが、最もわかりやすい話でしょう。

本章のポイントは
●脳の健全な働きを保つには、目を動かして積極的に情報を取ることが必要
●目を動かす(フォーカス機能を使う)
●視覚的情報が遮断された状態で、耳から情報を取る訓練をする
●書くことによって、情報を脳に刻み込みまとめをしながら考える

情報を脳の中で保持する
見た情報、聞いた情報を後で引き出しやすい記憶にするための意識的な操作には、まず、必要なのは、その情報をできるだけ長く脳の中に留めておくことです。数秒でもかまいません。そのフレーズを頭の中で復唱したり、口ずさんでみたりする。新聞のコラムの書き写しが有効なのは、そういう機会を自然に発生させるからです。ただ黙読するだけでは、情報が次々に流れていってしまいますが、書き写すためにはある程度の言葉のまとまりを一時的に脳の中に保持しておかなければなりません。思わず口ずさみながら書いたりもすると思います。そういう作業の連続になっているところが、書き写しが脳のトレーニングになる第一の理由です。

また書き写しや音読をすると、細部の情報まで確実に捉えることになるので、それ自体もイメージをより具体化し、解釈を深めることに役立ちます。黙読しているだけでは、無意識に単語を読み飛ばしていることがありますが、間違いなく書き写したり、音読したりするためには、すべての単語を見なければならなくなるからです。文章が頭に入ってこないと感じるときには、それを試してみるのも有効かもしれません。

●脳を鍛えるときには、司令塔である前頭葉を鍛えることを意識するとよい
●前頭葉を鍛えるときには、テクニック以前に体力をつけることが大事
●家事や雑用を積極的にこなすことは、前頭葉の体力を高める訓練になる



『脳が冴える15の習慣』


2012年03月23日(金) 「貧困死」防げ

各地で相次ぐ「孤立死」や「餓死」…。その多くは、深刻な貧困の状況の中で声を上げることさえできず亡くなった「貧困死」だった。今何が起きているのか。

介護受けられず  東京・立川 母95歳、娘63歳

東京都立川市の都営住宅の一室で7日、母(95歳)と娘(63歳)の遺体が発見された。死後約一ヶ月。母の胃に内容物はなし。介護していた娘が先に亡くなり、母は衰弱死とみられる。「娘さんは介護に困っていたが、声を上げられなかった」。母娘と十数年来の付き合いがある大沢さんは、母は認知症。要介護2の認定を受けていたのに、介護サービスは受けなかった。「うちの収入は年金だけなので、介護サービスは無理。自分で頑張る、と言っていた」と。

母の徘徊を防ぐため部屋のドアは内側から紐で結ばれていた。介護サービスを申請できない二人に行政の対応はなし。住民が都営住宅を管理する東京都住宅供給公社に異変を連絡したのに安否確認はしなかった。

保護申請させず

厳寒の札幌―。1月20日。白石区のマンションで40代の姉妹の遺体が発見された。死後約一ヶ月。姉(42)が脳内血種で病死。知的障害のある妹(40)は助けを呼べず、料金滞納でガスも電気も止められた部屋で凍死した。姉は失業し、2010年6月から3回、区役所に生活保護の相談に行った。収入は妹の障害年金の月6万5000円だけ。5万円の家賃も払えない状況だった。

それでも市は、生活保護申請書さえ渡さず、国民健康保険未加入も放置した。「本人が保護申請の意思を示さなかった」という市。日本共産党の伊東りち子市議は厳しく批判する。「面接受付表からも生活悪化がわかるはず。申請すれば間違いなく保護すべき状況だったと市も認めた。しかし区は3回とも『懸命なる就職活動』が保護の要件と追い返した。救えた命が救えないとは…」

前出の立川市で「孤立死」対策のための訪問活動を続けている日本共産党の吉岡議員は「暮らしと社会保障がズタズタにされた政治の結果、介護や保護が必要な人が放置されている。そんな政治をどうしても変えたい」

「生活保護の申請は誰にでもできる。しかし、役所の窓口では、『受給』するための条件が、あたかも『申請』するための条件のように説明される。根本には福祉を抑制したいという国の意向がある」ビラや街頭演説で「守る会」を知って相談し、生活保護を受けることができたケースが相次いでいる。59歳の男性は生活保護を申請したものの「家賃が基準より高いので引っ越しが必要」といわれ、受けるのをやめたという。その後、電気もガスも止められ、スーパーの試食で食いつないだ。スーパーにあった冊子で「守る会」を知り、最後に残っていたテレホンカードで電話をした結果、守る会の援助で生活保護の受給ができた。

東京都立川市

東京都立川市。先ほどの母娘のように介護認定されていてもサービスを受けない人は市内に約1000人いる。「立川市南部東はごろも地域支援包括センター」のセンター長は「要介護者なのにサービスに手をあげなかった人は、行政側には情報が来ない仕組みになっている」と指摘する。住民の生活状況を把握すべき民生委員も、対象は65歳以上の高齢単身者が中心である。立川市の見守りネットワーク事業は、本人が希望するか、周囲が見守るよう届けないと対象にならない。亡くなった母娘もどちらの対象にもなっていなかった。

今年に入って全国で「餓死」「孤立死」が相次いでいる。その背景に、貧困が拡大深化し続ける一方で、生活保護をはじめとする社会保障が抑制されているという構造的問題がある。2009年の日本の貧困率は16%に達し、年々悪化している。最低賃金はほとんど上がらず、非正規労働者は増え続け、失業者も高止まりしているからである。「餓死」「孤立死」をなくしていくには、まず窓口での申請をしっかり受け止め、生活保護を受けやすくする。何らかの生活困窮のシグナルが出ている場合、行政がキャッチできるようなシステム化を図ることなどが求められる。

今日の貧困は、路上生活者や派遣切りされた単身者だけでなく、家族もある人も呑み込んでいる。公的福祉サービスが切り捨てられ、家族にしか頼られない異常な事態である。家族は支えきれず、家族もろとも死に至るケースがある。日本では、政府も認めるように7人に1人が困窮者だが、生活保護を受けているのは国民の1.5%にすぎない。「貧困死」はどこで起こっても不思議ではない。日本でも生活保護を堂々と受けられるようにし、受給者を増やさなければならない。フランスでは、家賃・ガス・電気料金を滞納しそうなとき、すぐ役所に申し出れば役所が負担する。また、困窮したら生活保護は当たり前で、国民の1割以上が受給している。日本でも堂々と受給できるようにしなければならない。



『週刊朝日』


2012年03月21日(水) 健康診断は受けなくてよい(2)

○私は病院に行くエネルギーを、病気の予防のために使うべきだと思う。検診や治療をしても寿命は変わらないと再三にわたって言ってきましたが、適切な予防をすると、寿命が10〜30%も伸びることがわかっていますから。タバコをやめるだけで死亡率は20%低下するし、野菜や果物をよく食べる人は、食べない人よりも10年後の死亡率が20%ほど下がる。さらに、軽いい運動をする人と全くしない人とでは。10年間でがんの死亡率が20〜30%違うことがわかっています。

●普段の生活改善の方がいかに大切かということですね。ランニングや散歩はあまり効果がないことが最近わかってきて、スロージョギングがいい。これは認知症の予防にもいいと言われています。あとは常に笑いを絶やさず、前向きでいること。

○これを言うと多くの人に怒られるんだけど、歩数計をつけて一日に多く歩くことと、長生きすることは関係ありません。対して、運動内容は問いませんが、脈拍数が少し上がるぐらいの軽い運動を一日に30分、週に3日以上やった人の寿命は明らかに長い。

●先ほどがん検診の話が出ましたが、春になると病院や会社で健康診断を受けたほうがいいか相談に来られる人も多いでしょう。この時期、きちんと健康診断を受けたほうがいいか相談に来られる患者さんがいますが、私は「別に受けなくてもいいんですよ」と言います。実感としてですが、真面目に健康診断を受けてきた人が長生きしているとはとても思えないからです。

○こんな調査がヨーロッパで行なわれました。対象者をランダムに2つのグループに分けて、片方には毎年きちんと健康診断を受けさせ、もう一方のグループには受けさせないようにして、どんな違いが出るかを、5年、10年と追跡した。すると両者の寿命にはまるで差がなかったんです。外国では同様の調査がたくさん行われていますが、結果はどれも同じ。健康診断を受けたほうがよいことを証明した調査は、いくら探しても一つもない。

●非常に興味深い話ですね。そもそも、最近の健康診断は調査項目が多すぎるんです。本当に必要なのは、体重測定と血糖値ぐらいでしょう。むしろ問題だと思うのは、メタボ診断で要注意とされる基準が低く設定されていることです。

○そうですよ。実はメタボ検診が始まる直前に、専門家の間で論争があって、それまでの基準値だった110��/dl(空腹時血糖値)が、100へと引き下げられたんです。血糖値の基準値が10下がると、異常と判断される人は25%も増えるので、それを知った瞬間ゾッとしました。

●結果、要精密検査に回される人が増え、病院は治療費で儲かる。それが意図的に行なわれていることが、何とも腹立たしい。

○しかも、健康診断を受けている人と、受けていない人とでは寿命に差が出ない。健康診断によって異常が見つかり助かったという人もいるかもしれませんが、しかしその一方で、病院で余計な治療や薬を施されたばかりに寿命を縮めてしまったという人も、同じくらいいるのではないか。つまり、真面目に健康診断を受けている人に、何らかのマイナス作用があるとも考えられるのではないか。むしろ私は、もろもろの基準値を緩和して、”患者”をなるべく減らした方が、日本人全体の寿命は延びると主張しています。

がん検診もX線検査も不要

●まったく同感ですね。長生きしたいのならば、病院には行かないほうがいい。健康診断を受けなきゃと思うことがストレスになりますね。検査方法がまた問題で、原発事故で放射線がこれほど問題になったにもかかわらず、なぜ放射線を浴びせるX線検査をやるのか。放射線は細胞のDNAを破壊しますから、胸のレントゲン写真を一枚とっただけでも必ず害はある。まだ若いのに胃のレントゲン検査を希望する女性も多くいます。「体に良くないからやらなくてもいいよ」というと、だいたい考え直してくれますけどね。

○医師は、「被曝量はわずかだから大丈夫」と言いますが、日本人の寿命を延ばしたければ、放射線検査を直ちにやめることです。がん検診は任意だからまだいいとしても、私が絶対にやめるべきだと思うのは、国が勤労者に課す胸部X線検査。イギリスの研究チームは、日本人が罹るすべてのがんのうち、3.2〜4.4%はX線検査が原因だと結論づけているんですよ。しかもサラリーマンはあれを拒否することがなかなかできない。

●私が住む埼玉市の場合、X線検査で3万人のうち5人くらいの割合でがんが見つかるんです。ということは、残りの2万9995人は、放射線をかけられて害を被るだけ。ほとんどの人にとっては、X線検査なんてやる意味はないんです。考えてみれば我々は小学校から毎年、X線検査を受けさせられてきたわけですけれど。

○過剰検診・過剰医療にはさまざまなマイナス面があると思うんです。例えば検診でひっかかって病院に通ったために、インフルエンザに感染してしまったとか、薬を飲んでアレルギーになったとか。あるいは定期的に病院に通院している人ほど交通事故に遭いやすいというデータが実際に海外で報告されています。そうした小さなマイナスが治療によるプラスを打ち消しているのではないか。医師は薬の副作用などによるマイナスよりもプラスの方が大きいと信じているから治療をする。けれども、私は医療の過程をトータルで考えれば、プラス・マイナス同じくらいか、逆にマイナスの方が上回っていると考えているんです。

●問題は、日ごろからの予防を軽視して、医者に病気を早く発見してもらおうという人々の気持ちと、早期に治療を施せば患者は長生きするすると教育され、それを心底信じ切って疑わない医者の気持ちが、結果として長生き・健康を妨げる方向に働いてしまっていることなんです。病院は日常生活の結果を判断する機関にすぎないわけですから、それに自分の命を預ける必要はありません。



『週刊現代』3.17


2012年03月20日(火) 健康診断は受けなくてよい (1)

●岡田正彦・新潟大学教授×○松本光正関東医療クリニック院長

降圧剤で脳梗塞が起きる

長生きしたければ、病院には行くな

●私の研究室では現在、2400人の健康状態を15年かけて追跡調査していますが、どの数値が悪いと病気になりやすいか調べてみると、日本人の場合は圧倒的に血圧なんですね。だから、血圧の数値を見ることは重要なのですが、日本高血圧学会の指針によれば、上が140��HGまたは下が90��HG以下だと高血圧とされます。指針では、高血圧の人は病院で食事指導と運動指導を行い、3カ月たっても改善しなければ薬による治療を行なうと定められている。

○学会の指針である以上、そうしなさいという命令ですよね。3ヶ月後に血圧の下がらない人には、医者は薬を出すように強制されているので、高血圧で病院に行く患者さんは血圧を下げる降圧剤を無条件に処方されてしまう。

●では、高血圧の人たちを、降圧剤を飲むグループと飲まないグループに分けて、結果を見たらどうなったか。過去20年、さまざまな降圧剤について調査されましたが、どの場合でも長期的な寿命に差が出ないんです。こう言うと、まわりの医師からは、「高血圧の人に降圧剤を与えると、脳卒中の発生率が下がるから飲んだ方がいいと反論されますが、薬によって脳卒中以外の病気が増えたりもするんですよね。

○脳卒中という病気の中でも、高血圧に関係する脳出血の割合はわずか1割強。高血圧に関係のない脳梗塞が、脳卒中の8割を占めています。しかも、降圧剤によって脳梗塞が起きやすくなる。43年間、医療に携わってきた私の現場感からいえば、薬を飲んでいるのに脳梗塞になるのではなくて、薬を飲んでいるから脳梗塞になりますね。だからこそ、血圧が高いとすぐに降圧剤を出す医者には、おいおいちょっと待てと言いたい。人間は生きていくために、おのずと身体を一番いい状態に保とうとする機能がある。血圧が高くなっているのにも理由があるわけです。それを姑息にも薬で下げてしまっていいのか、非常に疑問です。
私はよく、キリンの例を持ち出すんですよ。首が長いキリンは重力に逆らって血液を頭に押し上げてやる必要があるので、血圧が300��HGもある。高血圧がいけないのなら、正常なキリンだって降圧剤を飲まないといけない。

●なるほど、そういうことになりますね。実は35万人もの人々を25年くらいかけて追跡調査し、血圧と死亡率の相関関係を調べた研究者がアメリカにいて、面白いことがわかっている。血圧が高くなるにつれて死亡率も増加していくことは想像がつきますが、血圧が一定以上低くなっていっても、やっぱり死亡率は上昇していくんですよ。血圧が低い人は、めまいやそれに伴う交通事故、あるいは転落死、自殺などが多いためだと報告されています。松本先生のおっしゃる通り、降圧剤によって血流が妨げられ、脳梗塞を起こすことだって十分考えられると思います。

○実際、降圧剤を長らく飲んでいた患者さんが、飲むのをやめた途端に「頭がすっきりした」と話してくれたことがあります。逆に、私の患者さんで降圧剤をやめていた人が、近所の病院に行くようになってから降圧剤を飲みはじめたところ、数ヵ月後に脳梗塞で入院したことがあります。

●これは私どもの研究室でまとめた調査データですが、血圧が高いと認知症になりやすいけれども、認知症にかかった人を調べた場合、血圧の高い人の方が症状が軽くすむんです。無理に血圧を下げるとかえって症状が悪化する。それなのに最近は学会が定めた基準値より少しでも高いと、その人の年齢や生活の背景を考えずに、すぐ降圧剤を出す。

○そうそう、性別や健康状態なども一切無視する医学というのはおかしい。すぐに血圧の薬が出てくるのは、今の医療が対症療法になっているからですよ。下痢をすれば下痢が悪い、熱が出たら熱が悪いで、そのたびに病院は下痢止めや解熱剤を出す。

●こういう話を医師たちにすると、ほとんどの人が「そうなんですよねぇ」とおっしゃるけれども、「でもね」とその後で必ず言うんです。血圧が200��HG以上もある人を目の前にして、降圧剤を出さないわけにはいかないと。その気持ちはわかりますが、降圧剤が有効な根拠がまだない。大切なのは、その事実を患者さんに伝えることです。

医者はがんを見分けられない

○普段から血圧の高い人もいれば低い人もいるのと同じく、がんについても人それぞれです。大きく膨らんだがんを手術で取り除いて。そのまま元気になる人もいるし、ごく微小ながんを手術していたら、すでに転移していて助からなかった人もいる。なのに医者は、どんな種類のがんでもとにかく早急に取り除こうとする。しかし、1�个里�んの中には100万個の細胞があって、医者が見つけられる大きさになっているときには、悪性のがんは転移してしまっていることが多い。手術しても無駄なんですね。要するに、現在の医学ではどういう種類のがんなのかが判断できない。その結果、本当はする必要のない手術がたくさん行われているんです。

●がんの診断法は、専門医ががん組織の一部を切り取り、顕微鏡で見て良性が悪性かを判断するわけですが、ここに重大な問題があると思う。人の顔を見て善人か悪人か判断できないのと同じで、おそらく良性と悪性の間に無数の段階があるのに、それを二つのタイプにしか分けられていないのですから。

○がんの除去手術をした後で5年、10年と元気な人は、あの時受けた手術がよかったのだと思うかもしれないけれども、実際は最初から転移するようながんではなかったと見たほうがいい。ちなみに私は、いつまでも転移しないそのような害のないがんを”がんもどき”と呼んで区別しています。それと末期がんの人が手術を受けて、その後さらに抗がん剤治療をやり、苦しみながら死んでいくケースがよくありますね。医者は手術をすれば、その患者が幸せになれると本気で考えているんでしょうか。私は末期の患者さんにこう言ったことがあります。「治療が手遅れでよかったですね。がんが早期発見されていたら、手術や抗がん剤投与でとても苦しい日々を送ることになりましたから」と。

●日本でただ一例だけ、がんを放っておいたらどうなるかを調べた結果があります。手術も抗がん剤もすべて拒否するがん患者がいますけど、そういう人を7年間追跡調査したところ、死亡率は手術した場合と変わらなかったというんです。

○私の患者さんに何人もいますね。がんはだんだん大きくなっているのに、治療しないまま何年もピンピンしている人が。実は私の母が肺がんと告知されてから、病院での治療は全くせずに12年も生きたんですよ。その間、ハイキングや旅行などの趣味人生を堪能していました。

●がんは早期発見、早期治療が大切であると、皆さん当たり前のように思っておられますが、それは大いに疑問なんですよね。たとえば、今、国は盛んに乳がん検診を勧めていますけど、検診を受けた人と受けていない人を追跡調査すると、これまた両者の寿命に差がないことがわかっている。これは乳がんに限らずどのがんも同じです。

○厚労省は肺がん検診も勧めていますが、、国も国なら医者も医者で、がん検診の無意味さに気づいていない。別に検診自体が悪いというわけではなくて、その後についてくる諸々の治療が悪いということです。


2012年03月18日(日) 震災瓦礫

「放射能怖い」の反対運動をほくそ笑む「ゴミマフィア」たち
本当は欲しい 震災瓦礫という名の「金の成る木」


震災地の仮集積場に積まれた瓦礫の量は2247万トン。被災3県(岩手、宮城、福島)の10数年分の処理量に匹敵する。政府は瓦礫を全国の自治体に運んで焼却する広域処理を掲げているが、各地で「放射能を持ってくるな」と住民の反対運動が広がり、野田首相はついに「引き受け自治体にカネを出す」とまで言い出した。新聞やテレビはその状況を「瓦礫の押し付け合い」「住民エゴ」と報じているが、実態はまるで違う。水面下では、瓦礫は「カネの成る木」となり、「奪い合い」が起きているのだ。

意外に思えるかもしれないが、日本は「ゴミ不足」の状態にある。全国のゴミ焼却施設は約1600か所。全世界の7割の焼却場が集中している。ある自治体の清掃局担当者が語る。「焼却場の多くは1基数百億円で建設された最新鋭施設で、有害なダイオキシンや煙を外に出さないようにできている。だが、そうした焼却場には”弱点”がある。24時間、一定の温度で燃やし続けなければならないのです。そのため、燃料のゴミが足らなくなっている」そこに東日本大震災で大量の瓦礫が生まれた。大半は倒壊した家屋の木クズ等の可燃ゴミだ。

各自治体の清掃部門は瓦礫がのどから手が出るほど欲しい。震災瓦礫の輸送費は国が丸抱えで補助金もつく。これほど都合のいい燃料はありません」環境省は震災直後の昨年5月、第一次補正予算で3500億円の瓦礫処理予算を組み、広域処理で全国に輸送する方針を決めて受け入れ先を募集した。すると500か所の自治体や企業が名乗りをあげ、なんと沖縄県も受け入れを表明した。東北から沖縄まで瓦礫を海上輸送するとなるととんでもない運搬費用がかかる。瓦礫の広域処理で全国にゴミ輸送ネットワーク利権を張り巡らそうというのが環境省の狙いで、産廃業界は特需に沸いている。

一方被災地も多くの雇用を生む瓦礫処理事業を他に渡したくない。仙台市は3基の仮焼却施設を新設し、全量を自前で処理する方針を決めた。他の被災地も右ならえで、自前で処理したいというのが本音だ。岩手・陸前高田市も焼却場を建設して瓦礫を自前で処理する計画を検討している。ところが、環境省は陸前高田市の焼却場建設にトップをかけている。「被災地で瓦礫を処理されては、運搬や焼却のビジネスで旨みを得たい自治体や環境利権に関する業者が、”約束が違う”と言い出しかねない。(環境相関係者)

野田首相が税金投入を言い出したのも、そうした瓦礫処理ビジネスへの補助金だと思えばわかりやすい。そうした環境省や自治体の”ゴミマフィア”にとって、住民の反対運動も好都合だった。自分たちで被災地での処理を止めておきながら、受け入れ先の住民の反対を口実に、「このままでは処理が遅れて復興に支障が出る」と訴え、「焼却施設の改修費」「焼却灰の処分にも補助金」とどんどん国の補助金をせしめようとしている。かくして、仮集積場の瓦礫は減らないまま、税金を投じた処理費用ばかりがオークションのようにつり上げられている」


『週刊ポスト』3.23


2012年03月17日(土) 一日一食で若返る(2)

腹ペコ生活を始めたところ、体重は62キロをキープし、56歳とは思えない若々しさを保っている。人間ドッグで血管年齢は26歳、骨年齢は28歳と判定されたという。南雲氏も、空腹の効果について、第一に「サーチュイン遺伝子」の活性化を挙げる。加えて成長ホルモンにも注目すべきだという。更年期医学を専門とする金沢大学の小池教授が解説する。「成長ホルモンは、若返りホルモンといわれ、年をとると減っていくものですが、飢餓の状態になると成長ホルモンの分泌が増え、身体全体にいい影響を与えることがわかっています。飢餓が行き過ぎると逆効果になるので注意が必要ですが、適度な摂取カロリーの制限がアンチェイジングにつながるというのは、すでに研究者の間で共通認識になっています」

空腹になってお腹がグーッと鳴ると、その瞬間、消化器官からグレリンというペプチドホルモンが分泌され、それが下垂体を刺激して成長ホルモンの分泌を強力に刺激する。成長ホルモンは細胞分裂を活発化させて骨や筋肉の成長を促すだけでなく、体脂肪の燃焼を促進するのである。つまり空腹を保って内臓脂肪を減らすようにすれば、血管も若返るのである。さらに空腹状態になると血糖値が下がるので、糖分を脂肪に置き換えるインスリンの分泌を減らすことができ、すい臓の疲労を防ぐこともできる。

そもそも老化やがんの原因物質とされる活性酸素は、食べ物からつくられる。つまり、ものを食べれば食べるほど活性酸素を多く取り込むことになる。「食べ物を食べ、消化吸収する活動が体内で起こると”フリーラジカル#という身体を壊し老化させる物質がたくさんできます。代表が活性酸素です。エネルギーを摂らないと人間は生きていけませんが、摂る過程で自らを老化させる物質を作っていくのです。過食だとその分、体をこわす物質がたくさん出ることになり、老化を早める原因になるのです」

なぜ空腹が老化を防ぐのか、それには人類の数十万年の歴をさかのぼる必要がある。人間がいつもお腹いっぱい食べられるようになったのは、それこそ、この50年ぐらいの先進国だけの話で、人類の歴史は飢餓の歴史といっても過言ではない。人類はわずかでも食料を口にしたら効果的に脂肪に変える。「倹約遺伝子」によって。食糧を得られない期間が長引いた場合は、蓄えた脂肪をエネルギーとして、細胞の破壊を防ぐために修復機能を発動させるという学説がある。日本人は欧米人に比べ倹約遺伝子が発達しており、それが糖尿病増加の一因ともされている。日本人の倹約好き、貯蓄好きはどうも遺伝子レベルで決まっているらしい。

冗談はともかく、これらの遺伝子の働きについてはまだ明らかになっていない部分も多く、空腹と寿命の関係については今後、さらなる研究が必要である。だが、仏教の「断食」やイスラム教の「ラマダン」あるいは日本の「腹8分目」という言葉は、先人の生活の知恵の中から生まれた。先人たちは空腹の意義に気づいていたのかもしれない。



『週刊ポスト』3.16


2012年03月16日(金) 一日一食で若返る(1)

一日一食で寿命が15%伸びる?腹ペコ・アンチェイジングは本当か

中高年になっても、ガンガン食べて”スタミナ”をつけている人はいかにも活力があふれ、若々しく長生きしそうに見える。しかし、最新研究によって明らかになりつつある「食」と「老化」の」関係はそのイメージを完全に覆した。

カロリー制限した猿はお肌”すべすべ”

成果的な学術誌『ネイチャー』に掲載された論文が注目を集めている。イスラエルのパール・イラン大学研究チームは、「サーチュイン遺伝子」を活性化することで、マウスが約15%長生きするという研究結果を発表した。哺乳類が有する七つの遺伝子のうち、欠損すると加齢症状に似た異常が出る「サーチュイン6」に注目した同チームは、遺伝子組み換え技術で、この遺伝子を高めたマウスを2系統作成し、寿命の変化を調べた。

その結果、オスのマウスでは、平均寿命がそれぞれ14.8%と16.9%伸びたという。サーチュイン遺伝子とは長寿遺伝子、若返り遺伝子とも呼ばれる。老化やがんの原因とされる活性酸素の抑制や、病原体のウィルスを撃退する免疫抗体の活性化、さらに全身の細胞の遺伝子をスキャンして修復するなど、さまざまな老化防止機能を持つとされる。サーチュイン遺伝子は99年に酵母から発見され、その後の研究でこの遺伝子を活性化すると、ショウジョウバエの寿命は30%、線虫の寿命は50%も伸びることが判明している。

今回の研究結果は、サーチュイン遺伝子の長寿効果が補給類で確認された初の例である。ネイチャーに論文が発表されると、「長寿化の程度は目覚ましいものだが、調査結果は細心の注意を持って解釈されなければならない。など、多くの研究者が談話を発表して早くも大論争が起きている。遺伝子発現の効果が出たのはオスのマウスだけで、メスには効果がなかったことも議論を呼んでいる。

この研究結果について、遺伝子に詳しい金沢医科大学の古屋教授(糖尿病・内分泌内科学)はこう評価する。「サーチュインを活性化させることが長寿や健康につながる可能性を高めた新たな一歩になる研究結果だと思います。長寿やアンチェイジングとの因果関係がこれから徐々に明らかになっていくでしょう」現時点ではまだ、「人間の寿命」に対する効果が学術的には証明されているわけではないが、実はマウスのように遺伝子組み換えをしなくても、「サーチュイン遺伝子のスイッチを入れる方法」がすでにわかっている。それは”腹ペコ”で我慢することである。

「飢餓状態になると、サーチュインが活性化することが判明しています。サーチュインが指令を出して、ミトコンドリアやタンパクの凝固したものなど、細胞内にある老廃物を排除するオートファージという機構が働き、細胞が若々しくなるのです」(古家教授)サーチュイン遺伝子は、空腹の状態、つまり摂取カロリーが減ると活性化する。これは動物としての防衛機能と考えられ、食料が減って養分が足りなくなると、細胞レベルの損傷を防ぐために修復機能が活性化するというわけである。

米ウィスコンシン大学では、アカゲザル約80頭を使って約20年にわたってカロリー摂取制限の実験を行なってきた。写真を見ればはっきり分かるが、食事を十分に与えられたサルは体毛が抜け、身体にもシワが多いのに対して、30%のカロリー制限を受けてきたサルは、体毛はフサフサで肌にも張りとツヤがあり、若々しさに溢れている。猿は全頭が27歳以上で老齢期にあるが、カロリー制限なしの郡38頭のうち、すでに死亡したのは14頭、カロリー制限ありの郡38頭のうち、死亡は5頭で、制限ありの方が”長生き”であることもわかった。しかも、カロリー制限ありのサル群では、がんや糖尿病、心臓病、脳委縮などの疾病が少なかった。少なくともサルに関しては、腹ペコを保つことが老化防止や若返りの効果を持つ可能性が高いと実験で確認されているのである。

「一日一食」で血も骨も若返る

サーチュイン遺伝子の効果はまだ人間では立証されていないものの、「空腹で若返る」というテーマは、アンチェイジングの分野で高い注目を浴びている。1月18日に発表された『「空腹」が人を健康にする』(サンマーク出版)が発売一ヶ月余りで20万部のベストセラーとなっている。著者の南雲クリニック院長は30代の頃、暴飲暴食で77キロまで太ったが、さまざまなダイエット法を試しながら「一日一食」にたどり着いた。食事は夕食だけ。その代りその一食は好きなものを食べることにした。



『週刊ポスト』3.16


2012年03月13日(火) 君が代を歌わない自由

君が代を歌わない自由と、タバコを吸う自由の違いは、人に迷惑をかけるか否かだ

日本では大多数の政治家の顔が、国民の大多数の方を向いていない。彼らの顔は、大企業やメディア、そして最も熱心に官僚、特に財務省の方を向いているのだ。加えてこれは民主党も自民党も同じとわかったから、あとは昔の「百姓一揆」のように、むしろ旗を立てて国会に向かうしかない。しかもこの傾向は地方自治体にも浸透しているらしい。

橋本大阪市長が、次の参院選に数百の候補者を立てると宣言した。つまり国政を目指すのだろう。それならそれで、はじめから国政選挙に出ればよい。まずテレビで人気を得、地方選挙(大阪府知事)に勝って、辞任。自分の腹心を知事選に立て、自分は市長候補になって二人とも当選した。どこかで聞いたような話ではないか。そう、ロシアのプーチン前大統領が辞任し、腹心のメドベージェフを大統領に、自分は首相になった。そして大統領の任期を増やして、次の大統領選に出る気だ。さすがにロシア国民は怒って、連日デモを打ち、プーチンも慌てているようである。

しかし橋本首相は人気があるから、国政側がすり寄っているのがおぞましい。みんなの党がそうだが、今度は亀井静香が石原慎太郎を担いで新党をつくり、これも橋本と連帯と言っている。彼らはみな「右寄り」だから、つるみやすいと思う。大阪府の「君が代条例」は昨年橋本率いる大阪維新の会が成立させたもので、「教職員は起立により君が代斉唱を行なうものとする」と定めている。もし規律や斉唱を拒否すれば、懲戒や訓告、ひいては減給や停職が待っている。ただし、先日最高裁は、「減給や停職は慎重に」と、これに反対する判断基準を示した。まだ日本国内の三権分立は生きているんだ。

橋本君、君にとって人生で一番大切なものは何だね。ボクにとっては「自由」である。若い君は知らないだろうが、ボクらは小学校の頃、朝礼の時に二重橋の写真、つまり皇居の前で、あくびを噛み殺しただけで、教師に殴られた。あれから70年近く経って、多くの同胞を戦争で失い、人一倍働いて今日の民主国家の一人になれた。

憲法を読んでごらん。我々には「表現の自由」が保障されているんだよ。あの尊い犠牲を踏みにじってまで、北朝鮮や中国、ロシアのような国にしたいのかね。もちろん自由と放縦は違う。しかし人に迷惑をかけない”自由”は保障されるべきが、真の民主国家なのだ。橋本君、君がボクシングのリングの上で、君が代を斉唱する自由をボクは認める。しかし「歌わない」教職員の自由も、認めなければならない。ボクはこの条例を撤回しない限り、維新の会は危険な”独裁的政治集団”として扱うつもりである。



『週刊現代』2/18


2012年03月11日(日) ピラミッドの建設は宇宙からの訪問者(9)

古代人はなぜ宇宙への関心が高かったのか

古代の文明には、主流派の科学では説明できない謎が多い。その最大の謎が、最初の文明が数学や天文学などの科学をともなって突然、出現したということである。そのような知識はいったいどこからきたのか。そして、そうしたものがなぜ必要だったのか。定説では、古代エジプトの宗教は太陽信仰であり、特定の恒星を女神イシス、その兄弟かつ配偶者のオシリス神として表現していたとされている。しかし、古代エジプトで重視されていたのは、それだけに限らない。彼らは、すべての星が地上の運命を決定すると考えており、「天の川」は魂が転生を待つ場所だと考えていた。

スフィンクスの配置も無意味だったはずがなく、当時、春分の日に獅子座つまりライオンが昇る地点に向かって鎮座していたはずである。この考えに照らすと、その建造年代は1万年以上の昔ということになる。このようにギザと天空の関係からみると、ピラミッド群が建造されたとされる古王国時代よりも、はるかに古い時代を示している。古代に先進技術を持つ高度な文明があったとなると、一番困るのは現代のパラダイムを信奉する人々である。文明は直線的に発展してきたもので、石器時代の「未開な」状況から次第に高度な文明になったという一般的な歴史パラダイムは間違っている。古代人はむしろ宇宙を科学的に把握していたという証拠だらけなのだ。

ギザの三大ピラミッドとスフィンクスの年代はだいたい一致する。さらに幾何学も考慮に入れると、それぞれの位置にち密な相互関係があることから、スフィンクスは全体計画の一部と考えるべきだろう。そして、カフラー王の建造物群は、カフラー王よりはるか以前から存在していたピラミッドやスフィンクスと一体化するように建てられたのである。またカルデア人として知られる古代のバビロニア人も非常に高度な天文学知識があったが、その知識は彼らより古い時代のシュメール文明から得ていた。天文学が始まったのは、シュメール文明で黄道12宮の星座もシュメール起源である。しかしその後、天文学の知識は低下し、シュメールが崩壊してから数千年後、地球は平らで宇宙の中心にあるとする天動説がパラダイムとなった。なぜか古代人は、2万年以上もの歳差運動のサイクルを知っていた。4000年以上も昔の古代人は、春分点が牡牛座から牡羊座へと移行することも知っていた。古代人は現代人よりも宇宙の実相をよく知っていたのである。

ギリシア神話には星になったオリオンという猟師が出てくるが、オリオンはエジプトではオシリスである。オリオン座の中央にある三つの星は、オリオンのベルトと称されたり、東洋では鼓の胴縄にたとえる場合もある。1993年になって、ピラミッドの謎を解き明かす手掛かりとなる新しい発見があった。実はギザの三大ピラミッドは、このオリオンの三つ星を表していたのである。オリオン座の三つ星は一直線上に並んでいるわけではないのだが、三大ピラミッドはこの三つの星の位置関係と同じ配置である。しかも、ピラミッドのサイズは、それぞれの星の光度までも示しているのである。

新発見はそれだけではない。他も含めたギザ大地における建造物の配置は、正確に天体の位置表現しており、紀元前1万450年ごろの天空図そのものなのだ。こうなると、エジプト文明の起源は定説の年代をはるかにさかのぼることに、もはや疑念の余地はない。しかも、オリオンの三つ星は天の川の西の水平線から11度の位置に2万6000年ごとに戻ってくるから、その起源は紀元前3万6450年、あるいはその2万6000年前を示したものという可能性すらあるのだ。文献をひも解くと、エジプトに4万年もの昔に文明があっても一向に不思議ではないのである。古代エジプト人は、シリウスが2つの星からなっていることを知っていた。なぜか。その一つの有力な説明は、古代エジプト人はシリウスあるいはその近辺から来た「神々」から情報を得たということになろう。

ピラミッドと地球の比

近年になって、ピラミッドの各部の正確な測定値と人工衛星による地球の正確な測定値が一致していることが判明した。ピラミッドの建造物の比率は、4万3200分の1に縮小した北半球を投影したものなのだ。それだけではない。ピラミッドの4つの底辺の長さを全部足して、これを高さの2倍で割ると3.1416つまり、ほとんど完璧な円周率になる。円周率・πは直径にかけると円周が出るのはご存じのとおりである。ギリシアのアルキメデスが紀元前3世紀に円周率を計算したというのが定説だが、それよりはるか昔、ピラミッドがつくられた時代には、すでにそれを知っていたものがいたのである。

このようにピラミッドのサイズには、地球の円周が隠されていたり、1年の日数が隠されていたりして、まだ何が出てくるかわからない。ピラミッドはこのように含蓄の深い建造物であり、その意味するところのすべては、今日の科学のレベルでは計り知れないのである。

このようなエジプトの高度の科学は、人類が次第に発展させたものではなく、「神々」の高い文明の産物であった。混沌とした世界を覆った水が引き、原始の暗闇が消え去って、人類が陽光を浴びたとき、古代エジプト人は、神々がつくりあげた文明の恩恵を受けた。それが彼らの黄金時代だったのだ。地球の過去に関する従来の研究は、間違ったパラダイムに基づいている。しかし、パラダイムとして確立されてしまうと特定の考え方は簡単には崩れない。科学の常識とは、学界の見解に基づくものであり、個々の学者としても、自分の収入や地位を守ることが重要である。したがってピラミッドやスフィンクスの年代が考えられていたより何千年も古いものであることを示す地質学的そのほかの証拠が出てきても、それを否定しようと躍起にならざるを得ないのである。


『この地球を支配する闇権力のパラダイム』


2012年03月10日(土) カシアス内籐

「自分が生きた証拠を残さねば」

「手術もできないし、抗がん剤も飲んでいない。治療はもうできないんです」元ボクシング東洋ミドル級チャンピオン・カシアス内籐氏(62歳)は、淡々とこう話す。‘04年に咽頭がんが見つかったが、内藤氏は手術を拒否し、放射線と抗がん剤の治療を始めた。「腫瘍を摘出するために声帯も舌も取って、流動食で栄養をとるという生活は、俺には耐えられなかった。延命はできるかもしれないけど、俺にとって、生きた証拠を残すためには、自分が思い切り活動できて、自分で自分を表現できなければいけないから。通常、抗がん剤と放射線治療は同時にはやってくれない。でも、俺には残された時間は少ないと思って、絶対に大丈夫だからと先生に何度も言って、両方やってもらった。治療はものすごくきつかった。吐き気がすごくて、胃液を吐きつくすと、今度は胆汁が出てくる。口から手を突っ込んで胃の中身を取り出したいくらいだった」

それでも手術を拒否したのは、自分のトレーラーだったエディ・タウンゼント氏との約束を守るためだ。「俺はエディさんに約束した。一つは現役に復帰した時にチャンピオンになること。もう一つは将来自分のジムを持って若い選手を育てること。最初の約束は果たせなかったから、ジムを作って、彼の教えを伝えていくという約束は絶対に守らなければならない。だから、声を失うわけにはいかなかったんだ」「病気に背中を押された」と内藤氏は言う。入院中も病院を抜け出して、密かにトレーニングを続け、退院後は必死に物件を探した。そして、翌年2月、念願のボクシングジムを開設。以来、一人でも多くの練習生に教えることが、内藤氏の闘病を支えている。

「ジムにいるときは、選手に一言でも多く声をかけようと思っているんだ。リングではビデオを撮って編集し、選手にアドバイスを添えて渡してやる。ジムには毎日出ているけど、掃除は他人には絶対させない。みんな帰った後に、一人で掃除をするんだ。だって、明日の朝は起きられないかもしれないでしょう。全員のグローブと靴をきれいにそろえて、掃き掃除をしてから帰る。この時間が一番好きなんだ。自分の好きな音楽をかけてね。至福の時ですよ。病気になる前は死について考えることはなかったね。だって体力には絶対に自信があったし、自分のことを宇宙人と思っていたから。110歳までは生きるだろう、と。でも、いま寿命というものを間違いなく感じながら生きています。家に帰って寝るときには、『今日も無事に終わった』と、時間に感謝して寝る。次の日に目が覚めたら、『お、今日も無事に始まった』とまた時間に感謝する、そういう毎日だね」

「俺が元気でいることは、ほかのがん患者に勇気を与えることになると思っている」そう話す内藤氏は、病院に行った時も、椅子に座ることはほとんどない。病院では、胸を張って速足で歩くようにしている。だが、がんが治ったわけではない。肝硬変や大腸ポリープも抱えているため、しんどくて体が動かせなくなることもある。それでも余命3カ月と言われてから7年経った。

「俺の喉にはまだ腫瘍があるんです。腫瘍が腫れてきたら、気道をふさいで寝ている間に死んじゃうでしょうね。いつ死ぬかわからないから、悔いを残さないように、好きなようにやっていく。あと3年、つまり、退院から10年生きたら完全に俺の勝ち。そう思っている」



『週刊現代』2/25


2012年03月09日(金) ピラミッド5000年の嘘

ピラミッドに関するあなたの知識はすべて嘘である
黄金数に隠された大ピラミッドの意味
あれは本当に王の墓なのか
実は、8面体だった
驚異の耐震構造〜不規則な石の積み方
現代技術でも不可能な20年という建造期間



世界4大文明の一つ、古代エジプト文明の象徴として世界中の人々がその存在を知るギザの大ピラミッド。これは紀元前2700〜2500年代に建造されたと伝えられているピラミッドのなかでも最大規模を誇り、クフ王の墓として知られている。しかし私たちがいままで教えられ、学んできたこの常識が、すべて嘘だったとしたら…。本作は、ギザの大ピラミッドに関して37年間にもわたる調査と研究を実施、6年間徹底的に検証して”真実”を導き出した物語であり、とっぴな仮説にもとずく夢物語ではない。人類史上最大の「嘘」を暴き、文明進化の歴史さえも覆してしまう本作の発表は、強い衝撃と多くの論争を巻き起こそうとしている。200万個の石で構成されているギザの大ピラミッド。20年という期間で建設されたといわれているが無理がある。計算すると、2分30秒でセダン1台分の重さの石を次々と積み上げたことになる。現代の人間さえ到底不可能である。しかも、この大工事をノミと石で行なったとは到底信じがたい。クフ王の統治期間は20年未満といわれている。仮に建設期間が現代技術でも不可能と思われる20年だった場合、クフ王の墓という説自体が崩れることになる。

サイズや重さがバラバラの200万個の岩を適当に積み上げたように見えるギザの大ピラミッド。実は不規則に見える積み方には法則性があり、その高い耐震性は歴史が証明している。また、ピラミッド内の王の間は、完全な長方形であり、その精度は古代の計測機器では実現不可能な0.5ミリ以下のズレしかない。大きさや異なる石材を積み上げて作られたピラミッド。それによりピラミッドの壁は崩壊しにくくなり、強度は非常に高い。耐震構造を利用したのは明らかで、現在まで大ピラミッドがその形を残していることがその頑丈さの証明といえる。いかにして古代エジプト人がその耐震の特性を知り得ていたのかは不明のままである。13世紀にカイロが倒壊した大地震でも内部を含めてビクともしていない。

真北の方角に向かって作られたこの構造物の方位的な誤差は100分の5度のみ。その精度は現代になりやっと同等な精度を保つ建造物ができるようになったが、最新テクノロジーをもってしても大ピラミッドほどの巨大建造物をこの精度つくるのは不可能である。また、大ピラミッドにはその巨大な作りに不釣り合いなほど小さな玄室が3つしか存在していない。長さ90メートル幅90センチの通路が地下の間まで下降する精度は驚異的である。さらに一番上の玄室は完璧な水平と垂直を保っている。誤差も1ミリぐらいしかない。その精度は現代の技術にも引けを取らない。岩と岩の間にはカーブしている箇所も含めてカミソリの刃も入らねほど、隙間なく密着している。セメントなしで石を密着させるのは驚異的な技術である。狭い通路での建設作業は困難を極まりない上、正確な計測機で測らなければ傾斜角は保てないはずである。

黄金数に隠された大ピラミッドの謎

黄金数とは、天体の動きや鉱物の結晶、植物、動物の形状に見られるほか、レオナルド・ダ・ヴィンチが示した人体の比率やさまざまな芸術作品、さらには私たちの生活の中にも潜んでいる。実は大ピラミッドは黄金数をはじめとする特殊な数字によって創られている。ピラミッドの高さを2で割ると王の間の頂点に一致し、3で割るとその天井の高さになり、4で割ると王妃の間の頂点。7で割ると王妃の間の底面の高さと一致する。さらにピラミッドの4面の和を底面の広さで割ると”黄金数”が導き出される。


エジプト学の不可解

1930年ごろ、サッカラピラミッドの下に5000年以上も昔に置かれた固い石の器が40.000個以上見つかっています。エジプト学によると当時存在していなかったはずの鋼鉄よりもさらに固い石でできた、完璧な形状の器です。専門家はこの器の製造方法が描かれた絵を見て笑いますが、どのような道具によって作られたかを知るために調査したのかと聞くと、かえってくる答えは「NO」です。発見から80年経った今でも、どのようにして作られたのか全く調査されていません。なぜかというと、彼らにとっての結論ははじめから「原始的な道具によって」に決まっているからです。仮説を立証するための証拠を必要としない人を何と呼ぶべきでしょうか?ただの「信奉者」です。科学者のあるべき姿の真逆です。

ピラミッドの常識を覆す

大ピラミッドにある200〜400トンもするブロック石が積み上げられた壁や、完全に左右対称の巨像、強固な石をのこぎりで削ったような跡、、3分の1ミリまでの正確さに形が整えられた石など、数々の確たる事実を眼にした際、クリス・ワイズ(世界で最も優れた構造工学者の一人)やジャン・ピエール・マルダン(ミョー高架橋建設計画のリーダー)などは、これらがどのようにして建設可能だったかわからないと認めています。技術者として、彼らは「どのようにして」作られたのか説明がつかない、ましてや「誰が?」ということに関してはさらに謎のままで、分からないと言っています。これが真の科学的な考え方です。証拠がなければ結論は出せないのです。

さらに、今日のどの学説も建造そのものについては説明できません。精度で完璧な幾何学的配置、8面体の形状「王の間」を作るために1300トンもの花崗岩をどのようにして移送したのか、「王の間」が完全な垂直と水平を保っていることなどなど。これらの様々な事実を知ると、大ピラミッドは20年で原始的な道具のみで建てられたと主張することは、エッフェル塔は子供によって建てられたということと同じぐらい馬鹿げているということがわかります。我々が高度に発達した存在であると思っていたとしても、我々は思い込みや信念に縛られています。この思い込みによってロープとサンダルを身にまとった人々が、地球上で最も巨大で複雑な建造物建てたという信じがたい話を我々は信じているのです。我々がジャン・ピエールに取材をしていた時「我々より以前の文明についてどう思うか?」と質問すると彼はニヤリとして「あなたは賢いはずでしょう、そんなとんでもない仮説については議論するまでもない」と言ったのです。我々がいくら真剣に聞いても、皮肉や笑いが入っていない答えを引き出すことはできませんでした。

科学には証拠が必要です。証拠が必要なければそれはもはや科学ではありません。エジプト学と考古学による仮説では、本作で描かれている美しく偉大な謎は解明できません。時の征服者の手により何世紀にもわたって書き記されてきた人間の歴史より、”真実の過去”は奪われたのです。10年にも及ぶ調査の結果、私は何も信じなくなりました。私の頭は自由に考え、調査し、必要な機能を果たすことができます。

研究費の予算が非常に少ないため、一人でナスカなどの巨大遺跡を研究する考古学者たちにもたくさん会いました。地球上に存在する重要な遺跡が、政治的、宗教的、経済的などさまざな各地の理由によって調査されていません。この問題を掘り下げていけばいくほど、我々が我々の過去についていかに何も知らないかということに気がつきます。しかし、これは人々が考える以上に深刻な問題なのです。なぜなら我々の起源に関する問題は、我々の未来と直結しているからです。ピラミッドが春分点歳差における地球の位置を正確にあらわしていることは、これが天文学的な装置であるという有力な証拠です。もちろん断言はできません。ただ、私が調査を開始して以来、最も信憑性のある説明であることは疑う余地がありません。



映画『ピラミッド5000年の嘘』


2012年03月07日(水) 食うために殺す

イタリア人作家マーリオ・リゴーニ・ステルンの『猟の前夜』の一文について、服部氏は〈「獲物の命を奪う経験は、奪った側が死ぬ番になった時に、そのものの命を救う」〉〈私はそう理解している〉と書く。〈食うために殺す。これは生存の根本である〉〈「いつか罰が当たる」と恐れる心を持つことが贖罪なのだと思っていた〉〈だが同時に「罰」とは真逆ともいえるリゴーニ・ステルンの哲学も私の一部になっている〉

「罰なんて、考えてみれば何様だよって話ですよね。生物が生物を糧に生きるのは至極当然なこと。なのに〈命のために命を奪う矛盾〉が頭を離れなくて。今でも撃つたびに混乱する。そんな時、単に今は獲物の死ぬ番で、いずれ自分の番が来ても粛々と受け入れればいいとステルンには教えられました。自分が人間として自然界に存在していることを諦めるというかな、せめて相手に恥じない方法で狩るしかないと思うんですね。実は優れた猟師ほど”正当に命を軽んじる”というか、人と獣の命を同等程度に捉える。



『週刊ポスト』


2012年03月03日(土) 血管と身体の柔軟性

身体の柔軟性で血管の硬さがわかる。ストレッチをしたら身体が軽くなり、足も軽くなり、肌がツルツルになる。筋肉のしなやかさが身体の柔軟性を決める。身体が硬い原因は、老化の原因物質である糖とコラーゲンが多くなることである。コラーゲンの糖化とは、食後の高血糖で加速される。目が糖化されると視力が低下する。

体が硬いと血管も硬い。血管のコラーゲンが糖化されることが動脈硬化の原因の一つになる。食事は野菜から食べると、動脈硬化を妨げることができる。血液中に糖の多い状態が続くと、糖がコラーゲンの網目にくっついて、しなやかさを失わせる。そうなると筋肉は固く、骨はもろく、肌はシワができる。

その糖をなくすには、ストレッチをすることが大事である。すると古いコラーゲンは所々傷つく。糖化してガチガチになったコラーゲンは、新しいコラーゲンに取り替えられる。つまりストレッチをすることで、身体は動きやすくなる。ストレッチをすることで、繊維芽細胞が目を覚まし、老化したコラーゲンは若返る。身体の柔軟性と動脈硬化は関係がある

ストレッチは、動脈硬化と心筋梗塞の予防になる。ストレッチで血管が若返る。身体が硬いと血管も硬い。

血管年齢を若返らせるストレッチ

1 仰向けに寝て、片足を曲げ膝を胸につける。そのとき両腕で向こうずねをを抱え込む。

2 立った姿勢で左右の足を前後に開いて、身体を落とす。両手は床に付ける。

3 仰向けに寝て片足を両手で抱え、そのまま倒す。脚と手の向きは反対にする。


『ためしてガッテン』


2012年03月01日(木) 眼は脳刺激でよくなる(8)

米国で開発、凄い効果
眼は脳刺激でグングンよくなる

コンピューターの端末操作に限らず、仕事や勉強などで目に疲労を感じたらかるい気持ちで次のトレーニングを行ってください。これを毎日欠かさずやれば眼精疲労はおろか、ある程度は視力の改善ができ、視力の低下も防ぐことができると思います。

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��眼球のストレッチ
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作業をするときにとくに注意することは、一点を凝視することから起こる眼のストレスの問題です。ディスプレーの狭い画面を長時間にわたってみていると、当然のことながら視野は狭まってきます。眼球自体の動きが少なくなって、眼筋が硬直化していきます。結果的にはまばたきの回数が少なくなってしまうのです。まばたきは角膜の理想的な生理を保つために、なくてはならないものなのです。まばたきの回数が減ってくると、角膜が均一に潤わず視力にも悪い影響が出てきます。ディスプレーを見ながらでも、絶えずまばたきを忘れないようにしましょう。まばたきを心がければ角膜はいつも涙に潤って、視力改善になるばかりでなく、眼をイキイキと感じさせることができます。

��眼球のストレッチ体操
眼球体操は、一点凝視からくる眼の硬化を解消する意味で効果があります。眼をイキイキとさせ、顔の表情を軟らかくさせるうえでも効果的です。方法は両腕を肩幅に伸ばし両方の親指を立てる。この親指を目標として、両眼を左右に動かす。最初はゆっくりと、やがて徐々にスピードを上げていき、両腕の間隔を少しずつ広げていく。

もう一つは、両眼をゆっくりと円を描くように動かす。一周約5秒ほどかけて、時計まわり、反時計回りの両方を一回ずつおこなう。

これらのトレーニングはテレビや映画を見た時も同じです。長時間テレビを見ると一定の限られた画面を凝視することになるので、視野が狭くなったり、眼の調整機能が低下しがちになります。ブラウン管からの強い光も、眼精疲労を強めることになります。テレビを見ている時も、コマーシャルに入ったらこれらの運動を行なうことをお勧めします。大事なのは眼を一点に凝視させないということです。

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1 両手の親指で、まゆ毛の内側を指圧します。
2 人差し指と親指で、鼻の上部あたりをマッサージする。
3 眼の下を人差し指で、半円を描くようにマッサージする。

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作業が終わったあとに、呼吸法を行なって気持ちをゆったりさせます。吸った空気をお腹まで下ろして、そしてゆっくり吐き出すという呼吸法です。これを繰り返せばゆったりとした気分があふれてきて、心拍数も下がり、血圧にも良い影響を与えます。酸素の摂取量も多くなりますから、身体自体の活性化にも役立ちます。気持ちがリラックスすれば、目もリラックスします。またあまり、眼が疲れるようでしたら、温シップ法で、暖かい湯にタオルを浸して絞ったものを眼に乗せ、身体を横たえてじっとしています。


通勤中の電車の中刷り広告を、近くの広告の文字から遠くの広告の文字へさっと目を移してみます。逆に遠くの広告から近くの広告の文字へと眼を移してみます。その時、見ようとする文字に、素早く焦点合わせができるかどうか試してみてください。広告の中で目標とする文字を小さめにすれば、難易度はアップします。また、手元の携帯電話のメールの内容を近点、遠くの看板やビルを遠点として、交互に素早く見るということもトレーニングになります。また、首を回す運動は、脳への血流を良くする効果があります。血流が少なくなり視力が低下することもあります。加齢とともに全身の運動不足が視力の低下を招くこともあります。



『眼は脳刺激でグングンよくなる』


加藤  |MAIL