子の年齢:6歳2ヶ月
以前アパートに住んでいたとき、ちーちゃんと同い年の男の子(Kちゃん)が隣の棟に住んでいた。 北側の窓に立つと、ちょうどその子の家のベランダが見えて、早生まれの一人っ子同士、親近感を抱いていた。
でも仲良くなった頃にウチが近所の戸建に引越し、小学校入学を前に、Kちゃんも高岡に引っ越すことになった。 一緒に小学校に行けるのを楽しみにしてたのに。
なんて思いつつ、詳しい引越しのスケジュールも聞かずに、寒い日曜日に家にこもっていたら呼び鈴が鳴った。 どうせ実家の母だろうと思っていたら、なんと、Kちゃんだった。
お別れの挨拶に来たわけではなくて、保育園のお友達と近所を散歩してて、ふざけて押しただけらしい。
サンダル履きで追いかけた。
ちーちゃんとは保育園が別なので、一緒にいるお友達とは初対面だけど、1週間後に小学校で同じクラスになるかも知れないのだ。 わざわざ引き合わせてくれてありがと。
外で遊ぶには寒すぎて、初めて会ったお友達の家にお邪魔することに。 お母さんも雰囲気のいい方で、知り合えてよかった。
アパートの部屋の掃除が終わって、Kちゃんのママが迎えに来た。 これでもう会うこともないかも。
元気でね、Kちゃん。
子の年齢:6歳2ヶ月
ちーちゃんは飲み物を選べない。 選べないと言うのは、アレルギーがあって、という意味ではなく、どれでもいいのに妥協しないということである。 風呂上りのからからのノドをうるおす飲み物のフレーバーに、何かコダワリがあるらしく、ものすごく悩んでしまうらしい。
そんなこととは知らないで、早く着替え終わったちーちゃんに、サイフから500円玉を渡して、「何か買われ〜。」と言ったことがあった。 その時点ではママはまだハダカだったので、着替えが終わる頃には半分飲み終ってテレビでも見てるだろう、と思っていたのだ。
ところが、ちーちゃんはまだ悩んでいた。
あれっ?まだ決まってないの? ちーちゃんが買ったお釣りで自分のジュースも買おうと思っていたので、急かした。
「ねー早くしてよ。ママのどからから〜。」
ちーちゃんは慌ててファンタミルクを買った。 これが不味い。
ママに急かされて不味いジュースを買ってしまった、ママが悪い!もう1本買ってくれ!!!と言う。 選んだのは自分である。だいたいジュース1本選ぶのに何十分かかるんだよ? 銭湯の湯上がりコーナーで大泣きし、家に帰っても泣き続けていた。
数日後、今度はサイフに200円あったので、着替えが終わる前に渡しておいた。 ここでちーちゃんの頭の中で何かフラグが立ったらしいのだが、ママは気付かなかった。
しばらくして戻ってきたちーちゃんが、
「ママ、紙カップの飲み物で何が飲みたい?」 「は?何も飲みたくない。缶入りの桃ジュースが飲みたい。」 「えっつ?ダメ。」 「それしか飲みたくない。」
しばらくしてちーちゃんは怒りながら缶入りの桃ジュースを持ってきた。
「何これ?」 「ママ飲むって言ったじゃん。残り80円しかない。これじゃあ何も買えないよ〜、わ〜ん。」
勝手にママのジュースを買って大泣き。 いったい何が起こったの?
「70円あればコーヒー牛乳買えるよ?」 「コーヒー牛乳飲みたくないもん。」 「じゃあ、自分の飲みたいものさっさと買えばいいでしょ?」
意味がわからん。 引きずるようにして家に帰った。 数日前の500円のお釣り事件の反動だった、と気付いたのは翌朝。
200円もらったちーちゃんは、選ぶのに時間がかかることに気付き、ママの飲み物を先に買ってしまえばゆっくり選べると思ったのだ。 200円で2人分選ぶには、紙カップの飲み物しか買えない、ということには気付いたが、200円なら100円ずつに分けてしまえる、ということには気付かなかったようだ(トホホ)。
OK.you're on the right track! かなりユニークだけど、トライ&エラー方式で行くしかないね。
子の年齢:6歳2ヶ月
ちーちゃんはいつものように銭湯でコーヒー牛乳を買った。 渡してあった120円を律儀に入れて、110円のコーヒー牛乳を買うので10円のおつりが出る。 つり銭のところに手を入れたら、何故か110円入っていた。 誰かが取り忘れたんだ。
「ラッキー、貯金箱に入れておけば?」
念のためにこう付け加えた。
本来落し物は警察に届けるんだけど、100円玉の落とし主を見つけるのはムリだからもらっていいよ。
「イヤだ!もらいたくない」 「は?」
何がイヤなのかよくわからないが、落し物をもらうのはイヤらしい。 だけど100円玉を警察に届けるのもね〜。
「ヘンな人。じゃあママもらっとくね。」
と言うとますますスネた。
「どうせヘンな人だよ。」 「え?ヘンな人って別にそういう意味じゃないよ。」
困ったなぁ、 小学校行って、「ヘンな人」って言われるたびにスネてたら友達できないよ。
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