ちーちゃんままの日記

2006年08月28日(月) ママのともちゃん、嫌になった

 子の年齢:2歳7ヶ月

 夫が名古屋に帰ったので、実家に泊まりに行った。
 義母のいつ果てるとも知れないおしゃべりを聞くとイライラするし、週末くらい食事の時間に縛られたくない。
 夕食の時間ばかり気にする生活には疲れた。

 ところがその実家で、おむつ交換の途中で逃げ出したちーちゃんが、テレビを見ながらタタミの上におしっこした。
 廊下や風呂場ならいいのだが、まだ新しい畳の上である。
 母は「ちゃんとトイレトレーニングをしないからだ」と私に怒る。
 私には私で言い分があるのだが、ちーちゃんが畳の上でおしっこしたのは事実なので困ってしまった。

 夫の実家も嫌だが、実家でも怒られる、わたしには帰る家がない。
 逃げる場所がない。
 その後子供服の店ではだしで走り回ったり、帰るというのに遊び続けるのを見て、すっかり嫌になってしまった。

 「もうママ、智ちゃんのママ嫌になった。りきやくんのママになる。さようなら。」

 ちーちゃんはそれを訊いて慌てて、泣きそうになりながらついてきた。
 その後頑張って3回もトイレをした。

 やっぱり頑張りやさんの、えらい子なのね。

 さてその翌朝。再び夫の実家に戻って食卓から逃げ出したちーちゃんになんとか食事をさせようとしていると、ちーちゃんが何かぽつりと言い出した。
 よく意味がわからなかったのだが、どうもママが嫌になったと言っているようだ。

 「ママの智ちゃんでいるのが嫌になった、ってこと?」
 「うん。」
 「じゃあ、どうするの。」
 「りきやくん、いくの。」
 「ふうん」

 おぬし、やりおるな。



2006年08月23日(水) なんか調子悪い

 子の年齢:2歳7ヶ月

 パパが名古屋に帰った。
 2週間一緒に居たのでちーちゃんは調子が狂うらしく、「パパは名古屋に帰ったよ」と何度も言っているのに、電気を消して寝ようとすると、
 「パパ、遅いね〜」
 と言う。
 「パパはもう名古屋だから帰ってこないよ。」
 と言って寝ようとすると、薄暗がりの中で立ち上がって
 「なんか・・・、調子悪いが〜。」
 とおなかを押さえる。
 
 急に涼しくなったから、お腹を冷やしたのかと慌てて、電気をつけて
 「どこが痛いの?」
 と訊くと、急ににこにこして、
 「遊ぼう!あっちで。」
 と言う。

 多分自分でもよく分からないのだと思う。きっとお盆休みが終わって、パパもいなくなって、お祭りの後みたいなもの寂しい気持ちになったのだろう。



2006年08月21日(月) 競争心

 子の年齢:2歳7ヶ月

 お盆があけて一皮むけたのか、保育園に向かう車の中で「ともちゃんの、だいすき〜の『のぞみ保育園』」と言い出した。
 「おともだち行きたくないの」と言っていた日々が嘘のようだ。

 保育園の玄関ではなかなか靴を脱ごうとしなかったが、クラスメイトのゆうちゃんを見ると、急にはりきって
 「智ちゃんがさき!」
 と走って追い抜いた。
 
 そのゆうちゃんは、お盆前まで右手のひらが包帯でぐるぐるまきだった。ようやく治ったようで、先生が右手をなでながら「よかったねー、皮がぺろりとむけてたのねー」という。
 その様子を見たちーちゃんは、羨ましいのか、そわそわして、絆創膏をはった人差し指を見せに行く。
 「智ちゃんねー。ここ痛いがー。」
 「あれ、どうしたの。」
 「・・・。(覚えていないので答えられない)」
 「誰に絆創膏はってもらったの?ママ?」
 「うん。」
 「じゃあママにバイバイしようっか?」

 と、うまい具合に利用され、泣かずにバイバイできたのだった。



2006年08月17日(木) いとこ

 子の年齢:2歳7ヶ月

 ちーちゃんにはいとこがいない。
 本当はいるのだが、すでに成人してしまっているので、いとこというより叔父に近い。

 家族3人で会社の保養所に泊まりに行ったら、お盆だったので親戚の集まりが2組来ていた。
 いとこ同士で廊下を走り回っているのが羨ましくてならないようで、なんとかして仲間に入ろうとする。

 「ともちゃんもまぜて。」
 「ん〜、いいよ。」

 一番年上の女の子に許可をもらって、二言三言話をしたところで、大人が全員揃ったらしく「ごはんだよ〜」と連れて行かれてしまった。
 ちーちゃんは地団駄踏んで悔しがる。

 そうだよな〜、ママが子供の頃も、お盆といえばおばあちゃんの家に泊まりに行って、いとこが大勢泊まりにきてて、みんなで銭湯に行って、大きなテーブルでご飯を食べて、夜遅くまでブドウや桃を食べて、部屋中に布団をひいて寝たもんな。
 今は司法浪人しているいとこが毎年毎年セミとりしていて、いつも玄関で「ジジ・・・」って哀れげにないていた。

 ちーちゃんにそんな楽しいお盆が来る見込みはない。頼みの綱の弟は、結婚する気配もない。
 よくちーちゃんにおもちゃを買ってくれるが、「おもちゃよりいとこをくれ」



2006年08月15日(火) 忘れたお手伝い

 子の年齢:2歳7ヶ月

 今度はわたしが義母を怒鳴りつけてしまったが、夫の時とは逆にのうのうと食卓について長広舌をふるっている。
 声を聞くのも忌々しい。

 そんな朝。終わった洗濯物を取りに洗面所に向かうと、玄関にゴミ箱が出ている。
 わたしたちの寝ている部屋のゴミ箱なので、いかに気の利く義父であっても、勝手に持ち出したりはしない。
 夫がそんな気の訊いたことをする筈もないし、今日はゴミの日ではない。

 前のゴミの日にしまい忘れたのかな?
 
 いやいや、中に入っているゴミは昨夜寝る前に捨てたものだ。その時部屋にゴミ箱があったことも、はっきり覚えている。
 では誰が?
 
 「もしかして、智ちゃん?」
 ちーちゃんは困ったように、あいまいに頷いた。
 そのときようやく思い出した。前のゴミの日に、「これから毎日ゴミ箱を玄関に出しなさい」と言ったのだった。

 おもちゃの片づけやら。手洗いやらもろくにしないのに、お手伝いをまじめにするとは思いもしなかった(失礼)。
 「覚えてたんだ、ありがとう。でもゴミの日は木曜日ね。」
 と大げさに感謝しつつ、こんな教育ってダメなんだろうな、とちょっと反省。



2006年08月11日(金) お片づけしないとどうなるか

 子の年齢:2歳7ヶ月

 義母は相変わらず部屋に閉じこもっているが、約束どおりちーちゃんにお片づけをさせている。

 良く考えてみると、ちーちゃんは理由が判らなければ言いつけを守れない。
 それも、その理由がちーちゃんの納得のいくもので、利害に直接結びつくものでなければ。

 ということで、「おもちゃを大事にしないのならもう買ってあげられない。きちんと片付けてください。」
 とお願いしたら、片付けようと言う気持ちになってくれた。

 いつも遊んでいるお部屋は、それでなんとか片付くようになったのだが、寝る部屋にもいくつかおもちゃを持ち込んでいて、それはほったらかしになっていた。
 ガチャガチャとかミニカーとか、とても小さいおもちゃなので、布団の下敷きになっていたり、部屋の隅に転がっていたり。
 良く考えてみるととても危険な状態だったのだ。
 そして今朝に限って、おもちゃを1つ踏んでしまった。
 「ぼきっ」
 それはゼンマイの機関車ヘンリーだったと思う。
 あ、壊れたかな?

 その時はその程度だったのだが、足の裏がいつまでも痛い。何気なく見てみると、血が出ている。
 「あっ、おもちゃを踏んだところから血が出ている。智ちゃんが片付けないから!もう買ってあげないよ、特に『がちゃがちゃ』。」
 「だめー。」
 「じゃあ片付けなさい。あっちの部屋の箱に入れなさい。」
 片付けの必要性は認識したようだが、扇風機の足の上に並べて片付いたと思っている。あああ、その場しのぎはパパそっくり。
 
 お片づけしないとどうなるか、ということだけは足の裏の血痕と一緒に脳裏に刻み込まれたことだろう。



2006年08月09日(水) シナモンだよ!

 子の年齢:2歳7ヶ月

 保育室で双子の女の子が、ポケットティッシュを持って自慢げに近づいてきた。
 「○×モだよ〜。」
 「えっ?」
 「○×モだよ〜。」

 見ると、見覚えのあるロップイヤーのウサギの絵が描いてある。
 ボウケンジャーや仮面ライダーカブトならわかるのだが、女の子キャラには疎い。
 「ごめんねー、おばちゃん、男の子しかおらんから、わからんわ。」
 と言うとヘンな顔していた。

 しばらくして閃いた。
 「シナモン?シナモンだ。シナモンだね。」
 サンリオキャラクターで確かシナモンというウサギキャラがあった筈だ。この年頃にも人気なのか!

 嬉しくなって確認したのだが、ますます怪訝な顔をしている。
 ごめんね、おばちゃんも昔は女の子だったの。
 
 ちーちゃんが女の子だったら、今頃逆のこと言ってるのかな〜。
 「ボウケンジャーって何?ゴレンジャーしか知らんよ」とか。



2006年08月06日(日) カウント伯爵

 子の年齢:2歳7ヶ月

 金曜の夜遅く、パパが帰ってきた。
 今回は2週間ほど居られるらしい。
 土曜はわたしの職場のBBQと保育園の夕涼み会があったので親子3人で参加した。
 日曜は「はたらく乗り物大集合!」という楽しい行事のある日だったのだが、パパは朝からツーリングに出かけた。 

 昼ごはんを外食にして「はたらく乗り物大集合」に行きたいところだが、きっちりお昼の分のごはんが炊いてある。
 仕方がないのでお昼のおかずの材料を買いに行った。
 
 帰ってきて玄関の戸を開けたところ、義母の声が聞こえてきた。
 「もう2歳7ヶ月だいうがに、まだ『ママ、ママ』いうていがりついて、どうかしとるわ(もう2歳7ヶ月だというのに、まだ『ママ、ママ』としがみついて、どうかしている)。」
 毒づくような声の調子で、一体誰と話しているのだろう。そんなことはまずわたしに話してくれればいいのに。

 複雑な思いで昼食の準備をして、後片付けのときに思い切って聞いてみた。

 「帰ってきたとき、『2歳7ヶ月だいうがに、『ママ、ママ』言うてえがりついて』って言うとられるが、聞こえたんですが。では、どうするべきだと思われますか?」
 「ええ、敬子さんもこの間(ちーちゃんに)『じいちゃん、ばあちゃんにも助けてもらった方が得だよ』って言うとったろ。外国ではどうかわからんけど、日本で3歳までおっぱい飲んどる人おらんからね。『三つ子の魂百まで』って言うから。」

 そこまで話したところで、当のちーちゃんが会話に割り込んできたので、続きが話せなくなった。

 なるほどそういうことか。義母も育児に参加している以上、ここはきちっと話し合って断乳すべきかどうか考える必要があるかもしれない。
 ちーちゃんの様子が他の子と違うのも事実だし。

 ただ、今断乳するのは逆効果なのではないかという気もする。

 というような話を、ツーリングから帰ってきたパパも交えてしていたら、突然義母に対するパパの怒りが爆発した。
 「調子のいいときだけ出てきて、智のしつけに口出すな!部屋にこもっとれ。」
 何てことを!それじゃあここに住めなくなるじゃない。
 
 が、後でよくよく聞いてみると、パパはわたしをかばうために怒ったのではないらしかった。
 パパはパパでちーちゃんに、負い目(一緒に暮らしていない負い目)があったのだ。
 わたしはわたしで日頃から、保育園の先生に怒られたりもしていて、悩んでいた。
 二人とも別々にちーちゃんに負い目があるところに、義母がずけずけと「明日で2歳7ヶ月なのに云々」と言うのでムカムカときてしまったらしい。

 そういえば義母はスケジュールやカレンダーが大好きで、7日前後になると毎月毎月、「もうじき2歳と○ヶ月だね」と言う。
 だから何をしろ、とまでは言わないのだが。
 わたしは日々の雑事にまぎれて忘れているのだが、ご丁寧に思い出させてくれる。
 月齢がひとつ上がったから急に大人になれるというものでもあるまい。
 
 かくして、肝心のちーちゃんがママにすがりつく原因は不明のまま、怒った義母は部屋に閉じこもった。



2006年08月03日(木) 赤ちゃんなりたい・・・


 「ともちゃんね、小さくなりたい。赤ちゃんなりたいの。」
 保育園で、他の子と同じように出席ノートを持って並べない理由を、やんわり訊いた後のことだった。

 -どうしてママとバイバイする時に泣くの?
 -だってねー、ママがいいの。
 -でもママお仕事行かないといけないでしょ?ママが行った後はどうしてるの?
 -先生がママになるの。
 -他のおともだちはどうしているの?他のおともだちも先生がママなの?
 -ちがうよ。

 2歳でそんな言い訳を考えられるのだ、ということに意表を衝かれた。
 同時に、それだけの理解力を有しているちーちゃんが、人並みの振る舞いができないのは、ひたすら親の責任のような気がして、頭を抱えてしまうのだった。



2006年08月02日(水) 親の資質

 子の年齢:2歳6ヶ月

 昨日悩みながら保育園に迎えに行ったら、園長先生に叱られた。

 昨日保育園で借りた靴がまだちーちゃんの下駄箱に入っていて、今日は自分の靴を履いてきたのに、それを履いて帰るという。
 「今日は花火見に行くんだから、早く脱ぎなさい」と大声で怒って、なんとか脱がせて、そこに居た園長先生に、「すみません、お借りした靴はどこにお返しすればいいですか?」と言ったら、逆に私が叱られた。

 「今日は時間があるからゆっくりしているとか、今日は時間がないから慌ててる、という大人の都合はわからないんです。お散歩を少しずつ短くされたのは良かったけど。その時々の大人の都合で叱られたら、この人混乱してしまうでしょう。」
 
 お散歩を少しづつ短く、というのは数ヶ月前の話である。登園前に道草くっていた時のことだ。
 そんな昔のことからさかのぼって叱られたのかと思うと、どっと疲れてきた。
 今の出来事ではなく、親としての資質を云々されている気がした。
 そして、親としての資質を云々されるというのは、それまでの人生の全否定に近い重みがあるのだ。

 園長先生の本意ではなかろうが、ちーちゃんに向き合う気力がすっかりなくなってしまった。
 ちーちゃんにとって母親が大事だというのはハッキリしているから、私が何とかしなくちゃ、と思う。反面、私のすることなんて全部間違っていて、後から誰かがため息ついて、「子供には罪がないのに」なんて思うのかと思うとやりきれない。
 
 そんな思いをしながら花火大会に連れて行くと、花火の音が怖いなどと、すぐ帰ってきてしまう。
 悲しくなったところに夫から電話があった。

 「今日園長先生に叱られて、かくかくしかじか・・・。」
 と話すと、そんなのは園長先生が間違っている、と言う。
 「園長先生の言うこともあたっていると思うから、余計腹が立つのよ。毎日保育園に送迎してないからわかんないのよ。あんたも毎日送迎して園長先生に叱られろ!」
 つい、八つ当たりしてしまう。
 そうなのだ。的外れなことを言われたのなら、別にこたえない。

 「そうだよ、わからんよ。でも、いい育てられ方してると思うよ。うらやましいよ。」
 と夫は言った。
 100%の支持を表明してくれてありがとう。
 親としてはどうかわからないけど、家族としてはうまくやれそうだ。



2006年08月01日(火) しつけの悪い子

 子の年齢:2歳6ヶ月

 相変わらず、まっすぐ保育室に入ることができない。
 保育園の門をくぐってから、靴を脱ぐまで異常に時間がかかる。
 ちーちゃんより後から着たお友達がまっすぐ靴を脱いで教室に入れるのに、ちーちゃんは、プールに手を突っ込んだり、玄関脇に置いてある水鉄砲で遊んだり。
 どうにか靴を脱いで下駄箱に入れるところまで漕ぎ着けると、今度は「だっこ」と言ってママの膝から降りない。
 その間にもどんどん他のお友達が、お母さんやお父さんと、横を通り過ぎていく。
 いつも同じお母さん方なので、だんだん視線が冷たく感じられてきて、恥ずかしくなる。

 何しろ同じクラスの子が問題なくできることなのだ。
 歩くのが遅いとか言葉が遅いとかなら、お互い気を遣って言わないことが多いが、人一倍おしゃべりなちーちゃんが、保育園の玄関で好き放題やっていれば、「一体どんな育て方しているんだろう」と親が疑われることもあるかも知れない。
 
 年齢相応のしつけはしているつもりなのだが、まだ足りないのだろうか。
 叩いたり、脅したり、強制執行したりしても、本人が納得しなければ繰り返すだけなのだ。

 どうもこの子はオカシイ。
 良いにつけ悪いにつけ、他の子と違う。
 アスペルガー症候群かADHDじゃないだろうか?


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ちーちゃんまま