ちーちゃんままの日記

2004年04月30日(金) 朝には紅顔ありて

子の年齢:3ヶ月3週

 朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり

 漢文で習ったのかと思っていたら、お坊さんの「ありがたいお話」(蓮如上人「白骨のおふみ」)だった。

 親しくしていた友達が脳死状態らしいのだ。
 ベビーバスを借りっぱなしにしていて、出産祝いのお返しもまだ持って行っていなかったので、連休明けにもお邪魔しようと、先週から何度かメールのやりとりをしていたところだった。
 こんなことになるのなら、先週のうちに行けばよかった。「いつでもいいよ」と言ってくれていたのに・・・。

 今年から幼稚園に通い始めた女の子と、やっと1歳になった男の子のお母さんだった。彼女の家の近くに私が土地を買ったので、家を建てた暁には親子で友達になれると楽しみにしていたのに・・・。

 いつでも会えると思っている人には、すぐにでも会わなくては。

 他人や先、我や先



2004年04月24日(土) ちーちゃんのお気に入り

子の年齢:3ヶ月2週

 ちーちゃんは最近、メリーズ(紙おむつ)の袋がお気に入りだ。自分も赤ちゃんのくせに、丁度目の高さに印刷されている赤ちゃんの写真をしげしげとながめ、パンチし、倒れたらつかんでひっぱる。

 今使っているおむつはSサイズなのだが、Sサイズはなぜかメリーズが一番安い。
 そのためかどうかわからないが、後ろがずり落ちやすく、抱っこしたらおしりの割れ目がわかることもしばしば。こうなると腰からウンチがもれる危険性大だ。
 義母からいただくことがあってムーニーも使うのだが、腰のテープが強力過ぎて、ちーちゃんの体にはりついてしまい、気づかずに引っぱって泣かれたことがある。
 



2004年04月22日(木) ちーちゃん、おばけを怖がる

子の年齢:3ヶ月2週

 子供が小さいうちは夜8時に寝かせたいと思っているが、ちーちゃんはなかなか寝ない。今夜も21:30になってしまった。
 あーあ、こんな夜遅くに起きている悪い子!と思ううちに『ねないこだれだ』(せなけいこ著 福音館書店)のフレーズが頭に浮かんだ。

 ちーちゃんにはまだわからないだろうけど、面白いから読んでみよう。

 声色を使って「こんなよるおそくにおきているのは、だれだ!ちーちゃんだ!おばけに連れて行かれてしもうよ(連れて行かれてしまうよ)」と、絵を見せながら言う。
 本を片付けると、暴れて大泣きし始めた。

 どうやら怖かったらしい。

 3週間前に読んだときは無反応だったのに!
 こんなに怖がるとは計算外だったので、かえって寝かしつけるのに苦労してしまった。
 先刻はさんざん脅かしておきながら「大丈夫、ママと一緒だからね。ママはおばけより強いよ。」と言って慰める。



2004年04月21日(水) 帽子をつくってみました

子の年齢:3ヶ月2週
 「こどもブティック」を見て帽子を作ってみました。サイズは54cm。因みにちーちゃん用ではなくばあちゃん用。ブリムの押さえステッチをするときに重なった縫い代の厚みで何度も糸が切れて困りました。



2004年04月20日(火) Helianthusは日本製

子の年齢:3ヶ月1週

 アメリカに居る夫が、ちーちゃんのお土産にアウトレットでBabyGAPのベビー服を買うという。BabyGAPもいいが、『赤すぐ』に出ているHelianthus(ヘリアンタス)の肌着が気になっていたので、折角アメリカに居るんだからHelianthus買ってきてよ、とリクエストした。カタログには「国アメリカ」と書いてあったからだ。
 しかし夫がイエローページで探してもhelianthus(つまりヒマワリ)関連の記事しか見つからない。それもそのはず、Helianthusは本社はNYだが、社長は日本人だし生産も全て日本なのだ。証拠物件

 夫曰く「アメリカの着ぐるみを着ている」

 言い得て妙だ。
 別にアメリカ製が欲しかった訳じゃないんだけど、アメリカ製を騙って実は日本製だったというのが気に入らない。
 「デザインはすべてニューヨークの本社にて行い、生産のみ日本で行うという業態」それは完全にmade in Japanを意味しているんだよ。
 ちーちゃんままの「買ってはいけない」にリストアップしてやる(誰が読む?)。
 



2004年04月18日(日) やきもちちーちゃん

子の年齢:3ヶ月1週

 パパと電話で話しているとちーちゃんが必ず泣く。
 受話器を耳に当ててやると嬉しそうな顔をするので、パパの声がわかるのかも、と思っていたがどうもそうではないらしい。ママが電話をやめてちーちゃんを見るのが嬉しいのだ。
 ちーちゃんをほったらかしにして、受話器と仲良くしているのが気に入らないらしい。
 
 昨夜はひさしぶりに夜中に起こされた。「あー、うー、」と声がするので目を覚ますと、ちーちゃんが嬉しそうな顔をしてわたしを見つめている。自分の呼びかけに応えてママが起きてくれたのが嬉しいようだった。
 こうやって、呼びかける⇒応えがある、呼びかける⇒応えがあるという経験を繰り返し、人間を信頼するようになっていくんだろうな。

 ちーちゃんは最近起き上がり小法師をフクロ叩きにできるようになった。でもなにかが気に入らないらしい。
 表情も豊かになってきて、ママとママ以外の人々の存在、おウチとおそと、右と左などを認識し始めたのかもしれない。世界が急に複雑に感じられて不安を感じるようになったのか?



2004年04月15日(木) おっぱいが詰まる

子の年齢:3ヶ月1週
読んでいる本:『大好きを伝えあう子育て―「抱っこ法」の考え方とその魅力』(阿部秀雄著 中央法規)

 このところおっぱいが張って痛いということがなくなったと思っていたのだが、夕方になって急に左のおっぱいが痛くてたまらなくなった。
 張って痛いというより、虫歯のような痛み。触ってみるとおっぱいの中に板のようなしこりがある。
 お昼に食べたチーズが悪かったんだろうか。
 乳製品はおっぱいが詰まるから食べないほうがいいとか、ドーナツもよくないとか聞いてはいたのだが、今まであまりトラブルもなかったので、調子に乗って何でも食べていた。
 痛いおっぱいはしぼっても痛いだけであまり出ない。仕方がないので授乳時刻でもないのにちーちゃんに飲んでもらう。
 ちーちゃんは嫌な顔もしないで飲んでくれる。少し楽になったが、まだしこりは残っている。
 蒸しタオルで暖めたりして搾ってみるが、他の乳腺から沢山出てくるだけで肝腎のしこりはなくならない。
 痛いおっぱいを自分で搾るのは辛い。無理な姿勢で肩も凝るし、痛くて脂汗が出そうだ。
 乳腺炎にでもなろうものなら抗生物質を飲まなくてはならなくなり、その間授乳はストップすることになる。おとなしく粉ミルクを飲んでくれればいいが、もう味がわかるようになって飲まないかもしれない。薬を飲んで授乳を止めている間におっぱいが出なくなったらどうしよう?

 銭湯で体を温めて搾ってみることにした。湯船に使っては搾り、サウナに入っては搾り、あがる頃にはのぼせてふらふら。
 乳頭に栓ができてつまっているのだろうと思い、乳首を引っ張ったりねじったりしてみる。爪でこすってみると、1箇所白い点になっているところがある。これをさらに爪でこすると、ぽろりと取れ、後から乳が出てきた。



2004年04月14日(水) 抱っこ法

子の年齢:3ヶ月と1週
読んでいる本:『「大好き」を伝えあう子育て―抱っこ法の考え方とその魅力』阿部秀雄著 中央法規

 先日ちーちゃんを会社に連れて行った夜にぐずった、と日記に書いたのを、先輩ママの友達が読んでメールをくれた。彼女は「抱っこ法」というのを実践しているというので、早速「抱っこ法」の本をAmazonから取り寄せた。

 それにしてもAmazonの配送って、郵便受けにちゃんと入らない時は封筒の先っちょだけ差し込んで、ぷらんぷらんにして行くっていうの、何とかならんのだろうか?アパートの時は玄関ドア前に落し物みたいに置いて行くし。

 さて、問題の本をぱらぱらと走り読み。
 ちょっと眉にツバつけたくなるところもあり。いくらなんでも妊娠5ヶ月の時の切迫流産の記憶で生後6ヶ月にぐずるなんてことはないんじゃないかなぁ?
 でも、少し読んでみて、ちーちゃんを会社に連れて行った時の様子を思い返してみると、なるほどと思うところもある。

 ちーちゃんは多分感情を表現するのが苦手なのだ。ちょっと不安だなぁ、とか寂しいなぁという時は指をしゃぶって遣り過ごして、我慢の限界にきたら盛大に泣く。限界になる前に教えてくれれば避けようもあるのだが、限界まで我慢してしまうのだ。傍で見ていると、何の理由もなく泣き出したように見えてしまうってことなのか?



2004年04月12日(月) うつくしきもの

子の年齢:3ヶ月

 あれ以来夜になると泣くようになった。外出は短時間にしないと後で苦労する。
 
 桜の花が散り(いや別に散らなくても)、新緑の季節となった。毎年この季節になると、柿の若芽のかわいさに見とれる。花水木の若芽だって、木蓮の若芽だってかわいいのだけど、柿の若芽は色といい大きさといい頼りなげでほほえましい。実りの頃にはバーミリオン色になって、いかにも硬そうな葉になるのに。



2004年04月09日(金) ベビーカー届く

子の年齢:3ヶ月

 漸くベビーカーが届く。
 ちーちゃんを連れて会社に行く、と上司に伝えてあったので、ベビーカーに乗せていきたかったのだ。
 午前中、公民館で月例の健康相談会があったので、早速ベビーカーに乗せて連れて行ってみた。
 AB兼用の両対面式なので、日よけ部分が小さめで、向きによっては思いっきり顔に陽が当たってしまう。ちーちゃんはまだあまりお外に慣れていないので、強い直射日光をまぶしがり、しかめっ面をする。仕方がないので角を曲がる度に前向きにしたり、対面にしたりして顔に陽があたらないようにした。
 ちーちゃんは、背中はがたごと揺れ、天床は黄緑色のここはいったいどこ?といったような顔をしていた。
 
 計測の結果、体重6.38kg 身長59.0cmになっていた。体重はどんどん増えているが身長はなかなか伸びない。

 さて、それから会社に連れて行く。
 ベビーカーがあるので楽かと思ったが、さにあらず。
 道には想像以上にデコボコがあり、会社のビルは思っていた以上に階段だらけだった。
 会社では4箇所に用事があって、せっかく連れてきたのだから二度と連れてこなくていいように上司やらお祝いを頂いたような人には見せてしまおう、と1時間ぐらい執務室を回った。
 ちーちゃんは泣きもせず、おとなしく指をしゃぶっていた。我が子ながらなんてお利口なんだろう。

 帰る頃にはさすがのちーちゃんもお腹が空いてぐずぐず言い始めたが、会社には授乳できるような場所はない。車に乗せてとっとと家に帰る。
 
 おっぱいを飲ませて、さあ、ひと寝入りさせよう、と思ったが、ちーちゃんは興奮してしまって寝ない。ちょっとヒステリックな感じでおもちゃで遊んでいる。1時間経っても寝ないので、母が抱っこして寝かしつけるが、熟睡したと思って布団に寝せるとぱちりと目を覚まして泣き出した。
 それからはまた眠らなくなり、ますますヒステリックに指遊びなどをしている。これはいけないと思い、今度はベビーシッター(ベビービョルンの揺り椅子)に寝かせる。しばらくすると寝入ったので、静かにその場を離れた。
 母が再びベビーシッターから布団に移し変えようとすると、またぱちりと目を覚まし、火が点いたように泣き出した。泣いて泣いて止まらない。てんかんの発作かと思うほど激しく泣く。
 おっぱいを吸うのさえ嫌がって泣き続けた。

 大人しくしているように見えて、ちーちゃんは耐えていたのかもしれない。新しい乗り物と新しい場所と知らない人達に。
 おっぱいでごまかすことができない程怖かったのだ。かわいそうに。
 本当に本当にごめんね。
 



2004年04月08日(木) ラ・レーチェリーグ2

子の年齢:3ヶ月

 さて、今日は月1回の「ラ・レーチェリーグ」(母乳育児の会)の日だ。前にも書いたが、「ラ・レーチェリーグ」は母乳で子育てしたいお母さんのための国際団体だ。臨月に1度参加したが、出産後はなかなか外に出られず、今日が2回目の参加になる。

 「ラ・レーチェリーグ」には殆どのお母さんが赤ちゃんを連れてくる。ちーちゃんを連れて赤ちゃんが沢山いる場所に行くのは初めての経験だ。
 おすわりしておもちゃで遊ぶ子、はいはいする子、自由に走り回れる子、みんな文字通りの乳飲み子だ。
 ちーちゃんはまだねんねするしかないので、ずっと横抱きにされながら指をしゃぶっている。
 隣に座ったあんよのできる男の子が、ちーちゃんの髪の毛をつかもうとしきりと手を伸ばしてくる。ちーちゃんの顔には充分注意しておかなくては。あらぬ方向からおもちゃが飛んできたりもするかもしれない。

 私は今回聞きたいことがあって来た。4ヶ月頃から少しずつ離乳食に慣らすべきだ、と母や義母が言うのだが、本当にそんなに早く始めなくてはならないのだろうか?生後4ヶ月で野菜エキスや果汁が栄養になるとは思えないのだが、練習のためだけでも飲ませる意味があるのだろうか?
 今回の会のテーマは「栄養」だったので同じグループになった人に聞いてみた。 殆どの人は6ヶ月ごろ始めたという。4ヶ月目から始めたという人はいなかった。ある人は「ウチの母がどうしても湯上りに果汁を飲ませたがって、1ヶ月検診でお医者さんに『果汁飲ませてもいいですよね?』って聞いて『まだ、早いです』って断られてた。」と話してくれた。
 同じことをリーダー(「ラ・レーチェリーグ」認定リーダー)に聞いてみた。「おばあちゃんはおっぱいが出ないから、何か飲ませたいんですよ、離乳食は本人がほしがる素振りを見せたらでいいと思いますよ」とのこと。他のお母さんも、離乳食をいくら早く始めても、時期が来ないと食べるようにはならない、時期が来てから始めても遅くないと思うと話していた。
 他にも手早く離乳食を作る工夫とか、アトピーの子供に何を食べさせるか、とか役に立つ話が沢山聞けて大満足。



2004年04月03日(土) お宮参り

子の年齢:2ヶ月3週

 昨日に引き続いてお宮参り。
 地方の慣わしではお食い初めと同じく生後100日目にするものなんだそうだが、同じ日に両方する気が知れない。本来は姑が全て準備するものなんだそうな。
 写真館で記念撮影もしたいので、私は訪問着を着ることにするが、3時間に1回授乳しているので、着物を着ることに不安がある。着物で写真撮影とお宮参りの両方をするにはどうすればいいか、写真館に相談した。
 予め和装道具一式を写真館に預けて、写真館についてから授乳して着付けしてもらうことにした。
 100日参りの写真は通常、赤ちゃん一人の洋装、和装、両親と一緒の3枚を撮るものなんだそうで、私が着付けしている間ちーちゃん一人の分の撮影をする。
 午前中ということもあって、ちーちゃんは終始ご機嫌。撮影にもあまり苦労しなかった。

 つづいてお宮参り。
 私達の結婚式をした神社にお参りすることにした。結婚式の時は梅が満開だったのだが、今日は桜が満開で、花見がてらの参拝客がちらほら。私達は目立ついでたちなので、話しかけられたのをいいことに写真を撮ってもらう。
 祈祷料がわからないので事前に電話で聞いたら「決まっておりませんのでお気持ちで」と言われた。むーん、お気持ちって3,000円ぐらいかな?
 これを表書きした封筒に入れて持って行った。
 さて、3人で祭壇の前に立って、まず祝詞があげられる。それでお終いかと思ったら、ちーちゃんの頭の上で弓弦を鳴らして厄払いをしてもらい、榊を祭壇に置いて
拍手を打つ。
 源氏物語の「葵」で弓弦を鳴らすシーンがあったなぁ、いい祝詞だった、とじーんと来ていると、さらにお守りと絵馬とお煎餅がお土産についた。
 お土産だけで3,000円相当の品では?
 ああ、本当に申し訳ない。七五三の時に余計に包むから許してね。



2004年04月02日(金) お食い初め

子の年齢:2ヶ月3週

 地方の慣わしでは、生後100日目にお食い初めと宮参りをすることになっているのだが、夫がまた出張に行くので繰り上げることになった。
 そこまでお食い初めに拘らなくてもいいのだが、一通りのことはしてやりたいと言う母親としての意地。夫の両親を招いて家ですることにした。
 後で考えてみれば、姑に手料理を振舞うなんて料理に自信がないとできないことだったが、その時はそうする考えしかなくて、なんの迷いもなくお招きしていた。
 
 −メニュー−
 
 赤飯
 お吸い物(鶏ささ身、きぬさや)
 天麩羅(海老、きす、蓮根、うどの芽、さつま芋)
 刺身(ふくらぎ、甘えび、あおりいか)
 茶碗蒸し
 ※鯛かまぼこ(ちーちゃんのみ)
 
 ※細工かまぼこの一種で鯛の尾頭付きの形をしている、慶事に用いられる

 もともとあまりお客をしないので、飯碗やら汁椀やらも夫婦の分しかない(それどころか1年の半分ぐらい留守にしている)。まず飯椀や汁椀をそろえるところから準備が始まった。
 100円ショップに蓋付の汁椀があったのでこれを5個購入した。消費税が内税表示に切り替わる折から、100円ショップは消費税分値下げするのでは、と思っていたが、案に相違して105円で売られていた。
 そもそも、鯛かまぼこやお赤飯をどこで買ったらいいのかわからない。予約しなければ買えないのではないかと、事前に店を回る。デパ地下ならいつでも手に入ることが判って安心する。
 前日に昆布とかつおのお出汁を鍋いっぱいとって、お吸い物用と茶碗蒸し用と天つゆ用にそれぞれ味付けをし、冷蔵庫にしまった。

 さて、当日。夫も翌々日からの出張の準備で買出しがあり、思うように買い物に出かけられない。昼食を済ませてから、まずデパートで鯛かまぼこと赤飯を買う。
 次に、近所の鮮魚部が旨いと評判の近所のスーパーで刺身ときすを購入。

 直前の出張の伊万里で蒸碗などを購入してきた夫は、配膳にこだわりがあるらしく、狭いご膳(実はコタツ)に空の皿を並べてシミュレーションしている。
 ちーちゃんはといえば寝室に置き去りにされて寂しいらしく「あー、あー」と呼びかけるような声を出している。

 何か失敗するのではないかと気が急いて、約束の2時間前だというのに天麩羅を揚げ始める。夫が冷めた天麩羅をお客に出すのはおかしい、と言うが、わたしはあまり気にならない。
 料理本に書いてあるとおりに天麩羅の衣を溶いたら、海老の縞模様がハッキリ見える程が薄くなってしまった。これでは素揚げではないか!
 がっかりしてすっかりやる気がなくなった。まぁ、茶碗蒸しは一度も失敗したことがないので大丈夫だろうと思っていたら、コンロの火力を間違えたのか、飾りの銀杏を入れる前に「す」が入ってしまった。
 ああ、もう完全に失敗だー。

 さて、会食。
 天麩羅は思ったより評判が良かった。夫の実家は天麩羅の衣が薄い方が好きらしい。茶碗蒸しも「す」が入っていたのは上だけだったので味はまぁまぁ。お刺身が美味しいのは当然として、驚いたのはお赤飯。間に合わせで買ったのだが、今まで食べたどこのお赤飯よりも美味しかった。
 そして何よりもちーちゃんがご機嫌だったので、明るく楽しい気分でお開きになった。


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