日々あんだら
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あなたの孫として生まれてから40年間、孝行らしい孝行はほとんどしませんでしたね。 ごめんなさい。 今年のお正月に家族で初詣に行った時に、石段で遅れるあなたに合わせて歩いたり、ちょっと荷物を持ってあげたりしました。 そうしたら、帰ってきてから「今日はひでくんが優しかった」と何度も言われて、とても恥ずかしかった。 僕は今までこの程度のこともやってあげてなかったのか、と。 これからはもうちょっと孝行しよう、と反省した矢先のことでした。
あなたの孫はドライなので、今まで誰が亡くなっても泣いたこともなければ、悲しいと思ったこともありません。 今も泣いていないし、正直それほど悲しんでもいません。 そのかわり、亡くなった人たちのことは折に触れて思い出します。 その人と行った場所、その人の好きだった食べ物、その人に言われた言葉…それらに触れるたびに。 なので、僕はこれから芋粥を食べるたびに、あなたが毎週末じいちゃんに作ってあげていた芋粥の味と、 じいちゃんが亡くなってから聞いた「私、お芋さん好きじゃないんや」という衝撃の告白を思い出してニヤリとすると思います。
じいちゃんはあなたのことが大好きだったので、向こうで首を長くして待っていることでしょう。 せっかちだったあの人のことなので、もしかしたら三途の川の向こう岸まで迎えに来ているかもしれません。(笑) 13年半も待たせたのだから、それぐらいは許してあげてください。 しばらくは二人でゆっくり…と言っても、旅行好きのあなたたちですから、休む間もなくいろんな所を巡るんでしょうね。きっと。
僕も何十年かしたらそちらに行く予定なので、その時にはこちらでできなかった孝行を少しはやりたいと思います。(少しかい) 長い間おつかれさまでした。 こちらのことは心配しなくていいので、あちらで楽しんでください。
2016年3月2日 hide
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