paranoia kiss
    

がんばったところで報われないと
気づいた日から
がんばるということを止めた。

時間が過ぎるのを待つのみ。

---
深夜に雨が屋根を打つ音。
少しの間、一人暮らしだった時期を思い出す。

部屋にもどると開けてでかけたままの
窓の下でわんこが濡れていた。

ニュースで取り上げられるほど豪雨だったあの日。
無意識のうちに彼女の名前を呼んでいた。
夢現の中で。

---
そんな雨音の中、君は別の人の名を呼ぶ。
起こそうか迷ったが。
そのままにしておく。

そして君に起こされる。
あの人の名前を呼んだ。と。
この時期はどうしても思い出してしまうことを
君は十二分に知っている。

身体の距離は近いのに、
君との心の距離が縮まらない。

雨の日はみんな想い出があるんだ。

---
過去まで自分のものにならない。と告げた。
君はそれでもまるごと受け止めると言った。
嘘ではなかったけれど。

君の今の方が気になるよ。
いつかは此処に戻ってきてくれるんだろうか。

---
二人揃って胃が痛い。
全く別件で。

500キロほど離れた所までいかなくちゃ。
此処では見ることのできない雪を見ることになるだろう。
それなのに、この部屋より暖かい部屋。
何度行っても居心地の悪い空間。

偽りの笑顔にヘドが出そうになる。

2006年12月27日(水)



居心地のいい空間を作ろうと
掃除なんてものをしているけど、
どこまでやったらいいかわからなくなってきた。

中途半端な目標に
中途半端な妥協。

---
あの人に貰ったものを処分しようとしていた。
ばさばさとゴミ袋に突っ込む。
想い出も燃やしてしまおうと。

クリスマスにもらったマフラーも突っ込む。
そばでみていた父が、
まだ使えるから欲しい。と。

全ての想いを焼ききろうとしたのに、
未だに父の首に巻かれる。

中途半端な忘れ方。

---
あの人の誕生日が迫っている。
僕はクリスマスと誕生日がいつも一緒だった。
というあの人の言葉を覚えていた。

毎年、別々にプレゼントしようと誓ったのに。
たった一度しか叶わなかったよ。

いつだったか、偶然再会したとき、
あの人の腕にはその時計が巻きついてて、
僕は嬉しくて悲しかった。

お互い、顔も見たくないって
別れ方をすればよかった。

中途半端に大人だった。

2006年12月26日(火)



木曜の夕方に
飼い犬に手を噛まれるという
嘘のようなほんとの話に遭遇する。

そんなわけで、
左手が使えずに不便な日々を過ごす。

なかなか文字を紡ぐということが
できずに今日まで過ごしておりました。

---
イヴだからといって、
何も特別なわけでなく、
ただの休日。

いつのまにか、記念日が
ただの日に成り下がってきている。
それだけの時間が過ぎたという
プラスの解釈。

---
君はたった2杯のシャンパンで
トイレと友達になってしまっていた。
申し訳ないと思う反面、
情けない。とも思う。

つきあいがいいのは嬉しいけど、
そのあとまで、おつきあいさせられるとは。

---
嬉しそうにプレゼントを開ける君。
仕事には使わない。と。

そんなお洒落なシャツを
いつどこで誰と着るんだろ。

2006年12月24日(日)



もう、ダメかもしれない。と思う。
もう、ムリだ。と。

それでも、気が付けば時間は流れていて、
いつの間にか落ち着いてしまっている。

何時からか、衝動的にならなくなった。
それが大人の証だとは思えないけど。

そうやって、何かしら乗り越えてきた。

そう、昨日も今日も。

---
ボクシングを観たら、
必ず彼のことが頭をよぎる。

元気なんだろうか。

その頃、めちゃめちゃでひたすら飲むことしか
頭になくて、家にもさっぱり帰らなかった。
仕事が終わっても、彼と落ち合って、
ひたすらに飲んだ。

あの人が不完全燃焼のまま。

彼はそんなあたしを見て、
会社をすっぱりと辞めてしまった。
自分のやりたいように生きないと損だ。と言って。
その頃が、自分らしかったとは到底思えないけど。

彼が会社の寮を出て、
一人暮らしを始めた頃に、
彼と会わなくなった。

傷が癒えたのだ。

寂しくて誰かにすがって、頼りたかった。
彼がそれを一番わかっていたと思う。
いつかはお互いダメになる。と。

プロボクサーでもあった彼に
一度だけ殴られた。
彼は真っ当な事を言っていたけれど。
頭で理解できても、
心がついてこなかった。

土下座して謝って。
手を上げるのは卑怯だ。
と、罵った。

深夜の飲み屋街で、彼は土下座をした。
その上からヒールで頭を踏みつけた。
くやしかった。
分かったフリをしていた彼が。

ほんとうのことなど誰も知らないのに。
今でも、あの人のことは誰にも言えない。
言ったところで、おかしい。と言われるのはわかっている。

引き出しにしまっておいて、
自分ひとりでこっそりと引き出す。

ぐちゃぐちゃの傷だらけになってしまった想い出の欠片たちを。

2006年12月21日(木)



母と過ごす時間は
非常に早く過ぎ、
自分だけのものにならないもどかしさを感じる。

まるで、付き合い始めの恋人たちのように。
別の家に戻らなければいけない煩わしさ。

---
そして、君のお母さんは対照的で。
いつも怒られてばかりである。

ありったけの気遣いをしても、
裏目裏目に出るようだ。

---
表と裏
凹と凸
良と悪
切なさ
虚しさ

そんなものを知らなかった頃。
純粋に生きていたような気がする。

100%悪いということもなければ、
100%うまくいくこともない。
そんなことを知ったのはいつからだろう。

それでも、昨日より今日が、
そして明日がほんの少しでも
幸せになるように。

夢の儚さも知ってしまったけれど、
夢を持ち続ける。

昨日よりちょっぴり幸せになれればいいんだ。

だから終わったことはもういいよ。

2006年12月20日(水)



うすうす気づいていたけど、
君に指摘されてやはり。と思う。

あのね。で僕が話し出すと
シリアスな内容で、
なんかね。で話し出すとどうでもいいんだって。

やっぱり。
自分でも気づいていたけどさ。

今朝はあのね。で話し出したっけ。

---
久しぶりに母と再会。
何でもメモする癖は彼女の遺伝だと知る。

メモに打ち消し線を引いて、
達成感を得る。というと
彼女も同じだった。

君はいつでも、そこまでするか。と呆れるけど。
くだらないことも
いつだってメモメモ。

---
君と僕が暗記力が悪くて、
記憶力がいいことを知る。
そんなところで似通った二人。

くだらないことばかり
二人で覚えている。

だから君は肝心なときに暗記力を使えずに、
試験におっこちるんだけどさ。

僕のせいじゃないよ。
ちゃんと手伝った。

2人で思い出話ばかりしていたのは秘密。
記憶力を競ってどうする。


2006年12月19日(火)



たった二人の時間に
君が携帯メールを気にするのを
僕は非常に気にする。

イブの夜が前倒しになって、
土曜日に僕と過ごすのと関係があるんだろう。

この時期は仕方ないさ。
お正月もあるしね。

僕は片目をつぶる。

---
ポテトサラダが食べたいという。
いつの間に得意料理にされたんだ。

誰だって同じ味になると思うけど。
ぶつぶつ言いながら、台所に立つ。

彼女のとはちょっと違う味になるのは、
マスタードを入れるから。

これだけは教えないよ。

---
すっきりと片付けた家の中を見回す。
視界の曇りが取れたね。

あ、めがねも拭かなくてはね。

すっきりしたから、
二人で街に出よう。

道行く人が振り返るほどの笑顔を携えて。

何もなくても
何も変わらなくても
笑顔でいるんだ。

---
君の携帯の着うたが変わっていた。
僕が初めて聞いた日、
ひさしぶりにたった一人のゆっくりとした時を過ごしていた。

そのことを君に話したのを
覚えていてくれたんだ。

真っ暗な部屋で、明け方や深夜に
興奮と感動で眠れなかった夜。
テレビの画面が目障りで壁にむけて、
その曲だけ延々と聴いていた。

あと少しだけ あと少しだけ 君を抱きしめさせてくれないか

君がその日のことを覚えていてくれるだけでいい。



2006年12月18日(月)



私信
Kさん
切なくさせてしまってごめんなさい。
少しトーンを落として書いてみたくて。
嘘のような実話ばかりです。

今後とも何卒よしなに。

---
影響を受けやすい僕は、
先日の本を読んでから頭の中が七五調。
でも、まとまらないから中途半端に七五調。

気まぐれに 君を好きだと言ってみたり 言わなかったり
たいせつなもの 褒めるときまで 七五調
時間不足 携帯メモに 打ち付ける言葉

なんて、もうずーっと七五調で時間が過ぎていく。
メモ帳に文字を書き付けるヒマがないので、
携帯のメモはパンパン。

夜になって思い返したように
5と7をくっつける。

---
7年前の今日、クルージングをした。

大好きなあの人と夜景を楽しんだ。
寒くてどうにもならなかったけど、
ライトアップされた橋はとても綺麗だった。

ある日ドライブ中にケンカをした。
ちょうどその橋の見えるバイパスを通っているときに。
もう、新幹線の時間が迫っていて、
このまま、ダメになるかもしれない。と思いつつ。

FMから流れてきたのは、
ドラマで使われた有名な曲で。
あの人は聞いたことがあるらしく、
ぼそぼそと歌っていた。
聴いているうちに、あの人を許そうと思ったんだ。

優しい嘘はいらない 欲しいのはあなた

あの人は嘘はつかなかった。
ストレートに傷ついたけれど。

今の僕はストレートに傷つくことを恐れている。
だから、傷口もぱりっと乾燥したかさぶたにならない。
いつまでもじくじく、うじうじしている。

そう、今の僕のように。

2006年12月15日(金)



せっかくかさぶたができたのに、
そのかさぶたをムリにはがすようなことはしない。

それが君の優しさでも。
痛い思いをするのは僕なんだ。

猜疑心。
被害妄想。
自己嫌悪。

考えないように、
無理矢理、奥のほうに追い込む。

---
すんなり眠れて、あっけなく朝を迎える。

知らなくてもいいことを
知らずに済むことを
他人から知らされるやるせなさ。

もう、許容量はとっくにパンパンで。
飽和状態から抜け出せない。

---
嘘をつかないに越したことはないし、
嘘を隠しとおせるだけの器量があるならいい。

君は甘いんだ、詰めが。

人より敏感だから困る。と君は言うけど、
敏感な僕を選んだのも君。

それが嫌なら、とっとと消えておくれ。

痛い目に遭う。ということを経験したことのない君は、
人の痛さにも鈍感。
人の気持ちを思いやることにも鈍感。

地軸はあくまでも、君中心に回っていて、
僕中心に地軸をずらしてごらん。
もっと、たくさんのことに気づくよ。

2006年12月14日(木)



先日読んだ本を読み返す。
気分や環境によって感じる部分が違うので、
読み返すことをよくする。

その中に、たった一人とうまくいけばいい。と
いうようなことが書いてあった。
確かに。と思う。

国内だけでなく、人なんてたくさんいるし、
恋をしているときによくある、
この人が運命。と思ってしまうのは大きな錯覚で。

そう考えるともっとたくさんの人と
知り合うほうがいいのかもしれない。
付き合う。ということでなく、
いろんな人といろんな話をするんだ。

もっと、知り合っておけばよかった。と
君に話すと、数多い方だ。と返された。
確かに、仕事ではかなりの人と話した。
得たものの方が多かった。

そんな僕と今は一緒にいる君は幸せなのかも。と言ってみた。
妥協なのか選ばれたのかよくわからない。とあっさり。

あぁ、僕のほうがよくわからなくなってしまったよ。

---
やってもやっても報われなくて嫌になる。
ため息はダメだから、かわりに息を大きく吸い込む。

---
毎日些細なことにいらいらし、
そして悩まされ一日が終わる。

そうやって僕の人生も過ぎてゆくのか。
たった数十年を悩まされてばかりで、
人間の人生が終わるだなんて。

生まれ変わるなら、みみずになりたい。と君に告げる。
おなかを抱えて笑う君。

僕は地を這いつくばって、
陽に照らされてひからびて人生を終えるんだ。

もっとシンプルに生きてみたい。


2006年12月13日(水)



久しぶりに読書に没頭。
邪魔をされながらだけど。

音がないほうがいいと昔から
君は知っているのに、
鬱陶しいテレビの音。

僕の表情に気づき、
ヴォリュームを下げた君。

著者と自分は似ていると思った。
また、贈ってくれた彼女も著者に似ているんだろう。

ということは、彼女と僕もどこか似ているのかもしれない。

未知の分野だったけれど、
抵抗なくむしろ、その分野に興味を持つ。

祖母の田舎で見かけた
そして、僕が夏休みの自由課題に選んだ歌と
再びその本で出会うことになる。

小学生の僕には大人の世界なんて、
ご飯粒ほどもわからなくて。
今の僕には、その頃から
想像もできないくらいのことを経験し、
そして今に繋がっている。

年内にはお墓参りに行こう。
そう改めて気づかせてくれた
贈り主の彼女に心から感謝。

---
君は仕事がうまくいってないようだ。
雰囲気で察する。
僕も日常が機能しない日々。

協力するから。という一言とともに、
君が追い詰められているのがわかる表情。

部屋には電気がついていて、
ごはんがあって。
それだけで充分といった、
僕の父の言葉が今更浮かんできた。

人間は果てしなく欲張りで、
ないものねだりで。

幼い頃から悩みなんて山のようにあって、
それを乗り越えた、あるいは
うまく昇華してきたのに。
あの頃の悩みなど、
大人になってしまえばちっぽけなもので。

それでも、年相応に
深くなったり、質が変わって、
現れては消えてゆく。

今だけ、今日だけ。
いつかきっと笑い話にできる日がくる。

そうやって、君と僕は
時間が過ぎるのを待った。
時間を過ごしてきた。

傲慢さを隅に追いやり、
出合った頃のように、
少しだけ謙虚に過ごしてみる。



2006年12月12日(火)



自戒の意味も含めて。

オンであれオフであれ、
やっぱり文字にするなり、
発言には気をつけようと思う。
別に何があったわけでもないけどさ。

うかれぽんちもほどほどに。
失意のどんぞこもほどほどに。
特にオンだと字面から判断されるわけで。
オフだともっと顰蹙を買うかもしれない。

どっちにしても、あまり極端なのは、
第3者にとっては気分のいいものでないということ。

あくまでも自戒の意を込めて。

---
酔っ払って君が送ってくるメールには
困ってしまう。
どう返事していいのかわからない写真が一杯で。

楽しそうなのは非常によくわかるけどさ。

おいてけぼりな僕の気持ちはもって行き場がない。

---
くだらない雑貨をたくさん買ってきた。
僕には「くだる」ものなんだ。

君は何の役にもたたない。と
ばっさり。だろうけど。

---
陽だまりでうとうとしている野良猫。
触ってみたい衝動に駆られる。

だめだめ。
僕は猫アレルギーなんだ。


2006年12月11日(月)



夕焼けと朝焼けは似ている。
でも、朝焼けの方が好きだった。

---
君が遅く帰ってくるとわかったから、
僕は出勤していた頃と同じ時間に
お風呂に入った。

そして、夜の街はまだ準備をしている頃に
布団にもぐりこんだ。
たまにはいい、そんな日も。

すぐに寝付けるわけもなく、
色々と思い出すうちに眠ってしまっていた。

何本かの夢を見て、
非常に会いたい人に夢で会った。
夢に出てくるほど会いたいのか。

年賀状を書いてみよう。
宛先不明で帰ってこないことを祈る。

---
新聞を見ていてもこの季節になると
ブルーの小箱の広告が。
毎日夕刊を見るのもうんざりする。

あれだけ欲しいと思った時期もあったのに。
電車や友達の誰かとかぶるんだよな。
それが嫌で嫌で。
今でもショップは男の人で混みあうんだろうか。

お客さんみんなに同じ物を欲しいと言っておいて、
1つだけ残して、あとは質屋行き。
そんな時代もありました。


2006年12月09日(土)



離婚した母を捜すには、
戸籍をたどっていった。
子供にできる権利らしい。

彼女の現在の住民票を手に入れた。
生きている。というだけで嬉しかった。
新しい家庭があるんだ。と。

こっそりと電話番号を調べた。
もし、誰かが出たら。なんて思いつつ、
片思いの子がするそれのように、
どきどきしながらダイヤルする。

どきっとした。
留守電だった。
今の彼女の娘の声で。
可愛い声だ。と僕は思った。
何度も何度もかけてしまった。
出ないのは当然で、
母は働いていた。

幸せそうな家庭に踏み込むことはできない。
連絡がなかったらそれまで。

だから、僕は今の写真を同封し、
電話番号を記し、封に収めた。

震える声で泪ながらに
電話をしてきた彼女の声が忘れられない。
20年以上も心で追っかけていたのに。
やっと。ようやく。繋がった。

---
君は僕が疲れて果てていると気づいている。
だから、何かしら力になるように
動いてくれるんだ。
それはそれで嬉しい。

やっぱり俺にはムリだった。
と照れくさそうに。
僕に戻ってきたたいせつなもの。

たいせつなものに翻弄されながら、
僕達の夜は更けていった。

---
7年前の今日、親元を離れ、恋人とも離れ
一人見知らぬ土地でやっていくことを
独断で決めてしまった。
5分も悩まず。

お昼に親に電話をし、話を受けたことを
事後承諾してもらう。
緊張しながら、あの人にも告げた。
あの人は、僕が呼び出された時点で
何もかもわかっていた。

あの日、断っていたら、
あの日、あの式場で幸せになってた?



2006年12月08日(金)



2歳で僕を置いて出てゆくことになってしまった
実母と再会したとき、
僕の昼と夜のギャップに彼女は大層驚いた。
僕にしたら、至って普通。
というよりも、好きなことを選んだら
そうなってしまっていた。

彼女は僕の身体を心配したけれど、
笑ってやり過ごした。

---
僕はその夜の世界にいた頃、
某グループのボーカルの髪型そっくりで。
意識したわけでないけど、
みんなが似合うというから、
ずーっとその髪型だった。

君はその頃の僕を知らない。

そのことを話すと似合いそうだけど、
想像がつかない。と。

また機会があれば、変えてみるよ。
突然に。

---
僕が2度袖を通した服を
彼女が着ることになった。
会った事もないけど、
君の会社の上司に貸すことになった。

その頃の僕は今よりも大層痩せて、
いややつれていて。
彼女にサイズが大きかったら、僕は大層凹む。

寒い季節だから、
身体を大事にして。
おなかの中の小さな命と一緒に、
晴れの日を迎える準備をして欲しい。

僕の足は本当に大きいから、
靴は貸せないよ。
あ、手も大きいから手袋もムリだ。

ベールは愛する彼の
お母様に縫って貰って。

上司である彼は、
順序が。と気にしていたけど、
すっかりおじいちゃんの顔で。
そんな幸せな表情を見てると、
順序なんてどうでもいいさ。


2006年12月07日(木)



この世からいなくなろうとしたことが、3度ある。
3度とも失敗に終わり、
ジェームスディーンより長生きしたくなかったのに、
未だ世に蔓延っている。

1度目は我ながら死にきれないと思った。
2度目は病院に運んでくれた人がいたのを覚えてる。

3度目は君が救急車を呼んでくれた。
本当に危なかったらしい。
僕も気づけば、一杯管をつけられていて、
またしても、失敗した。というのを覚えている。

それ以降も生きているのが嫌になったりするけれど。
もう、生きるのが嫌だ。と思うけど。

それでも、生きてたらいいことはある、多分。

ちっさい毎日のささやかな出来事も、
積み重なったら、いつかきっと、
生きているのが嫌だ。という気持ちを
打ち消してくれるかもしれない。

今はそう思って、時間が過ぎてくれるのを待つ。
何もできなくても、
何もしなくてもいい。
ただ、生きて時間が過ぎるのを待ってみる。
そうしたら、生きてて良かったと思うときが
来るかもしれない。

たいせつなものの輝きや煌きや。
そんな一瞬を積み重ねて、生きている自分を肯定するんだ。

---
何が欲しい?と聞かれたら、
昔はコピーロボットが欲しかった。

今は、千手観音になりたい。
僕の分身は不必要だけど、
ただ、手が足りないんだ。

助けてパーマン。

---
師走だからというわけでもないが、
掃除を丁寧にこなしてみる。

始めるといかにサボっていたかがよくわかる。

手や指は切り傷やかすり傷ができて。
洗剤でがさがさの肌。

それでも、ウォーリーをさがせ。のように、
毎日どこが変わったか、
何を捨てて、どう模様替えしたかを
必死に探す君がいるから僕もやっている。

来年からは大掃除ならぬ、
中掃除を半年いや、3ヶ月に1度ほどしよう。
来年のことを言うと鬼が笑うけど。

そして、君にも笑われる。


2006年12月06日(水)



僕には、空白の2年間がある。
本来ならば、しなきゃいけないこともあったし、
社会的身分も保証されていたけど、
やっぱりできなかった。

心此処に在らず。

その空白の2年を自分のしたいことばかりを
貪欲にこなし、
恋愛、飲酒、喫煙に勤しんだ。

もう、恋はしないと思ったから、
恋愛というよりもむしろ、
誰かそばにいてくれる人を欲しただけだった。

その中でも得るものは多かったけど。

そうして、今僕がこうやって文字を書いたり、
日常を送れるようになったのは、
その空白の2年で知り合った人の影響が大きい。

嘘みたいにあっさりと君に属すことを決めてしまって、
自分でも簡単に事が進んでいくことに驚いた。

その空白の2年のおかげで、
いざというときに力を発揮できる。
こうやって、坊さんが走り回る季節になって、
僕も愛車の自転車で走り回る。
疲労は、心地よい快感で。

まだ2年分の余力は余っているようだ。

ゆっくりしても、急いでも何も変わらない。
今まで突っ走ってきて、
周りの景色さえ楽しんでなかった。

そんな風に振り返ってみる満月の夜。


2006年12月05日(火)



君が洗濯機の下に
歯磨き粉のフタを落としてしまった。
去年、洗濯機を移動させたところなのに、
今度動かすのはいつになるだろう。

洗面所にはフタのない歯磨き粉。
どんどん硬くなっていく。
そして、歯磨き粉はフタがないと
硬くなることを初めて知る。

---
電車通学だった僕は他校の人に想いを抱いた。
毎朝、同じ電車の同じ位置に立つ人。

ただ見ているだけの毎日だった。
学年を知って、受験の年にはじめて
駅で待ち伏せをした。

当時の僕の憧れのシャープペンシルを渡そうと。

そっけなく、でも驚いたようにありがとう。と言われた。
電話番号を書いた手紙を添えて。

ホワイトデーの日に電話が鳴って、
あわてて待ち合わせ場所に急いだ。

お返しに選曲された色々な歌手のテープをくれた。
そんな時間はないはずなのに。

きっちり浪人したとの報告を受けた。

週末FMからその中の1曲が流れてきて。
君にこの話をした。

君もそのテープを持っていた。
予想を裏切る趣味に僕は大層驚く。

2006年12月04日(月)



僕は人に属している人を
欲しいと思ったことがない。
未婚であれ既婚であれ。

もう、人のものなんだ。という割り切り?
それとも、そういう視線で見なかったから?

そのかわりに、たくさん奪われていったことはあるけどさ。
でも、奪おうなんて思ったことはなかった。
不思議なもので。
奪われるかもしれない。という恐怖感は常にある。

お店にいた頃は、そういう出来事は
うんざりするほどあって、
取ったの、取られただの。
面倒になってしまって、こっちから
好きにして。とほったらかしてしまっていた。

今回も例に漏れず。
考えるのが面倒になってしまったよ。

好きにするがいいさ。
君は君の人生だし。

---
僕は朝1本のタバコを口にして以来、
今まで欲さなくなっている。

お?成功の気配か?
だめだめ。
油断しちゃ。

---
予防接種というものを受けてみた。
鼻水が出て仕方ないじゃないか。
予測されている型が外れる確率は3割らしい。

そういう人たちって、競馬に向くよな。
僕は5分5分をはずしてしまうので、
どうにもギャンブルは不向きだ。

よし、賭けて見よう。
この禁煙とやらがどうなるか。
本人でさえ、予測がつかないんだけど。


2006年12月03日(日)



マイエンピツに登録してくださってる方が
増えててびっくりした。
こんな徒然でも読んでくださる方がいるんだと、
此処で感謝の辞。

---
気分は、チャゲアスの終章-エピローグ-だけど、
ミスチルのreplayをBGMにテンションを上げる。

君は身支度を整えはじめた。
行く先はわかってるけどさ。
日付が変わって帰ってくる。とは言わないくせに、
電車の時刻を確認してる。

そして、それは明日も繰り返されるんだろう。

分かってても口にはしないよ。
もう暗黙の了解だもんね。

---
君が嫌だというから、
タバコを止めようと思う。
タバコを吸う女が嫌いなのではなく、
外でタバコを吸って欲しくない。と言う。

その爪にそのタバコが似合う。と言ってくれたのに。

もう、今では色を落とさない爪。
僕も変わろう。

君が手放せないタバコを
僕が止めたら、どう思う?

何か感じてくれる?
口に出すのが不得意な僕だから、
そこから何かを察して。
決して、願掛けではないよ。

そんなことで、願掛けしたって、
僕一人のものにならないのは分かってる。

---
急に寒くなったから、
明日は君の大好きなすじ煮込みを作るよ。

だからだから。
夕方には帰ってきて欲しいんだ。
熱燗はないけれど、ビールで乾杯しよう。

---
寝言で、昼寝するよー。太陽さんこっちー。
と、突然叫ぶ君。

太陽は誰なんだろう。

僕は日陰なのかな?
今はまだ太陽が恋しい季節。
だから、暖かくなったら
僕が波乗りにつきあうよ。

2006年12月02日(土)



君への精一杯の晩御飯を作った後に、
僕はカップラーメンをかき込む。
自分のお昼ご飯までは手がまわらない。

---
そして嫌な嫌な週末がやってくる。
突然言い渡された、土日の不在。
家に一度戻ってくるのが、
せめてもの救い。

僕は変わろうとしてみるが、
君は気づいても気づかないふりをする。
そこまでして守りたいんだ。

---
そして、頭痛薬を買ってくるように君にお願いする。
原因不明なのは分かってるけどさ。

お金はいらない。という君。
優しさと勘違いして受け取っておく。

---
あたしがあたしだった頃、
いわゆるお水のねーちゃんと呼ばれていた頃、
あたしがあたしでいられたのは、
きっと、今日限りとわかってても、
一生懸命に話を聞いて、
一生懸命に話したからだ。

キョウハ タノシカッタ アリガトウ。

その一言だけで、
あたしは存在価値があると思い込み、
だから、何があってもへこたれずに続けられたんだ。

君からありがとうを聞くのはいつなんだろう。
いつまで経っても、君の思う人にはなれない。

2006年12月01日(金)



My追加
Skin by yukie