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〜 女房の呟き 〜
■□■



 福音 3

オトコに世辞を言われたこともなかったアタシ。
だから、とてもビックリしたの。

一瞬、自分の耳を疑ったくらいよ。
というか、意味を理解するまで暇が要ったわ。

初めて会ったそのオトコはね、
「キミ、モテルデショ?」と言ったんだ。
えっ?!

今ならわかる。男の真意。

でもね、
その言葉で、突然アタシの世界は変わったの。

2002年05月31日(金)



 想ひ出は皆ウツクシイ

幼い頃。
母が語る自身の少女時代は、
それはそれは優秀で、非の打ち所がなくて。

比べられる私はといえば、
どうしようもなく愚鈍で、まるで太刀打ちできなくて。

だから、私は叱られて当然の娘で、
母が不機嫌なのは自分のせいだと思い込んで。


けど、今ならわかるよ、お母さん。
記憶の中の貴女は、まるでその通りなのだと。

2002年05月27日(月)



 直近のチトコマル

二人暮らしの夫と私。
どうでもいい事を毎日喋る。
政治やゴシップ、お笑いネタ。

今朝の夫の一言。
「日本ってマゾ国家だね」
は?妙な喩えにノーコメントで応酬。

いや、いわんとするコトはわかるけど、
最近多くないかい?SMタームを使うこと。
なにかっちゃぁ、SMに喩える真意はなんぞ?

いんだけどサ、ちっと面食らうヨ(笑

2002年05月24日(金)



 ゴメンナサイの風景 2

「あなた、ゴメンナサイを連発してたわよ?」
宴の後で、女友達がそう苦笑した。

「普通、アリガトウとかじゃん?」
そうだ。祝ってもらいながら、謝ってたね、私。

「謝る花嫁ってのも珍しいや」
彼女は呆れながらも、可笑しくて仕方ないらしい。

「だって…」
そう言いかけた私を軽くイナして。

「いいのよ、素直にアリガトウで」


2002年05月22日(水)



 やったりとったり

日曜日の夫。
昼寝もせずに大忙し。
テレビにネットに携帯電話。
本日の一本勝負。

ファンファーレ。
唸り声。そして大騒ぎ。
あぁうっさいな。
はいはい、オメデト。


月曜日の夫。
朝からぐったりうなだれる。
ドウシタノ?
携帯電話が壊れたみたい。

あっはは、それでいいじゃない?
変なトコでケチがつくよりずっとまし。
そだね。


2002年05月21日(火)



 ゴメンナサイの風景

生まれてこの方、
どれ程、ゴメンナサイと口にしたことだろう。
程度の差はあれ。

反射的に口をついたものから、
悔しさを抱えたまま絞り出す様に言ったものまで。

言いそびれたゴメンナサイに苛まれ、
意を決して言ったあの時。
恥ずかしかった。

みっつで習う「ゴメンナサイ」だけど、
死ぬまで印象深い風景を紡ぐことだろう。


2002年05月20日(月)



 婆耳東風 2

脳天気な私。
の耳はやはり脳天気で。
聞かなくていい言葉は、聞こえないらしい。

いや、聞きたい言葉を選り好み、
ますます本体の脳天気を助長しているとも言う。

しかし。幾ら謙虚にあろうとも、
無造作に投げ捨てられた言葉は聞くべくもない。

だから、親切な貴女。
わざわざゴミを拾って、見せてくれなくてもいいんだよ(笑

2002年05月17日(金)



 婆耳東風

あんなコト言われて平気なのッ?
血相かえた女友達。
声を潜め、私の耳にご注進。

え?なんか言われたの?アタシ。
私には、
なぜ彼女が激昂してるのかワカラナイ。

○○さんがアナタに酷いこと言ったじゃないッ!
依然、彼女の怒りだけが空回り。

あぁごめんね、親切な貴女。
怒ってくれてありがとう。

でもね、私の耳って…(笑


2002年05月15日(水)



 泡沫(うたかた)人生

一生男には相手にされないと思ってたら、
いつのまにやら、結婚までしてみたり。

起業せんと夢と展望を青図に引いたが、
あっというまに、元の木阿弥。何もなし。

ずっと一緒ね、指切りげんまん。
誓ったあの日、今は幻。
ソンナモンヨと諦める。

いつまでもあると思うな、親と金。
あぁその通りデス。
親も亡くした。金もない。


2002年05月13日(月)



 直近のくだらな会話

都会の摩天楼を見晴るかす
ペントハウスに住みたいというのが、
夫の将来の夢。
新宿がイイナァなんて、
夢見るように呟く。

ン、新宿もいいねぇ。
無責任な相槌。

私は近所に安売りスーパーがあればイイワ。
その頃にはお金持ちなのに?
当然ッ!


どれ程裕福になっても、
ワンパック百円卵を追っかけるのは止めないと思う。
私。


2002年05月10日(金)



 人と関わるということ

人がヒトである限り、
完璧に良くも悪くもないはずで、
各々のバランスで生きて。

だから、
誰かと親密に関わりたい時、
その人の良いとこも悪いとこも好きな訳で。

いや、
高々袖振り会う縁だとて、
その人にあらゆる面があろうことは想像してて。

それこそが、
人の可能性、人の面白さ、人の愛おしさと思い定める。

我もまた人。

2002年05月09日(木)
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